最新!! アバターに訴訟続出 2011年12月22日16:52
 
昔この映画についての感想を書いたんだが、オレの感想としてはあんまり面白くなかった。
 
言ってしまえば「ラストサムライ」とか「ダンスウィズウルブス」とか「ミッション」とほとんど同じ。
 
オレはこういう映画を「ポカホンタス映画」と呼んでいる。
 
 
侵略する側の主人公がされる側に荷担する。
 
侵略する側が悪玉で、される側は善玉。
 
おおむねされる側の女性と、する側の男性が恋に落ちる。
 
結末は様々だけど、だいたいこんな内容である。
 
 
このタイプの映画の起源は、おそらくディズニーの「ポカホンタス」だと思う。
 
機会があったら見てみて欲しい。
 
アバターとほとんど同じストーリーだから。
 
 
 
だから盗作だのなんだのというのは、なんだか今さらな感じがするよな。
 
それよりも、そんな言いがかりみたいな訴訟で25億ドルもふんだくろうという考えが信じられないよ。
 
 
 
渡部昇一が以前、アメリカの訴訟体質がアメリカを没落させたと書いていた。
 
本来なら優秀なエンジニアになるはずの人材がみんな弁護士になっちゃう。
 
今回みたいなアホらしい訴訟でがっぽり儲かるからだ。
 
 
考えてみれば訴訟で儲けるってのは、ウオール街の投資会社と同じで、なにも生み出さない。
 
そういう世の中になんら貢献しない金儲けを手助けするために、優秀な頭脳が浪費されているわけだ。
 
 
TPP加盟で、おそらく日本に対してガンガン訴訟が起こされるようになるだろうが、そういう浪費が日本にももたらされるのかもしれない。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
カメムシ湯 2011年12月20日22:08
A「うち五右衛門風呂なんだけどさ」
 
B「知ってるよ」
 
A「さっき三日ぶりに風呂わかしてさ」
 
B「それ入らなすぎだろ」
 
A「久しぶりに気持ちよくってさ」
 
B「三日ぶりならそうだろうな」
 
A「午後4時にはもう入っててさ」
 
B「世間様に申し訳ない時間だな」
 
A「うち景色いいからさ」
 
B「奥多摩だからな」
 
A「奥多摩ってカメムシ多いんだよな」
 
B「そうなの?」
 
A「カメムシって杉の実がエサなんだってよ」
 
B「じゃああきらめるしかないな」
 
A「一面杉林だからね」
 
B「それで?」
 
A「秩父に引っ越した友だちが地元の人に言われたんだってさ」
 
B「なんて?」
 
A「秩父に住むなら逃れられないモノが三つある」
 
B「へええ」
 
A「それが「3K」なんだってよ」
 
B「なんなの?」
 
A「近所づきあい 花粉症 カメムシ」
 
B「なるほどねえ」
 
A「まあそれはいいんだけどさ。風呂に入ってたわけよ」
 
B「枕が長すぎ」
 
A「それで上がってさ」
 
B「上がっちゃうのかよ」
 
A「寒いからさ」
 
B「奥多摩だからな」
 
A「風呂冷めるともったいないからさ」
 
B「明日も入るんだろ?」
 
A「そう。それで洗濯機と壁の間に差し込んでおいた保温マット引っ張り出したのよ」
 
B「キャンプで使う銀色のヤツな」
 
A「そうそれ。あれを風呂のフタの下に敷くとさ、気密性高くなるじゃない?」
 
B「お湯が冷めにくいと」
 
A「そうそれでさ、お湯の上で、バアッてこう、広げたの」
 
B「おお」
 
A「そしたらカメムシがさ」
 
B「おお!」
 
A「一〇〇匹くらい」
 
B「おお!」
 
A「バラバラバラッて落っこちてきて」
 
B「おお!」
 
A「その半分くらいお湯の中に入ったの」
 
B「うわあ……」
 
A「そいつら一斉に屁こきやがって」
 
B「くっさ!」
 
A「おれはもう「ムンクの叫び」みたいになっちゃったね」
 
B「カメムシどうしたの?」
 
A「手桶ですくい上げて捨てたよ」
 
B「でも自分入ったあとだったんでしょ?」
 
A「明日お客さん来るんだよね」
 
B「どうすんの?」
 
A「そのまま入ってもらうよ」
 
B「……言うの?」
 
A「入ってもらったあとに言う」
 
B「なんて言うのよ」
 
A「「なんか、カメムシのアレには薬効成分が含まれてるみたいですよ」って」
 
B「そんな成分含まれてるんだ」
 
A「含まれてるわけねえだろ」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
従軍慰安婦問題ってさ 2011年12月19日11:01
 
オレは前から思ってるんだが。
 
韓国で日本叩きが起きる時って、だいたい大統領選が近いか、あるいは支持率が低下した時ではないかと思う。
 
てことは対日的な感情論(つまり外交問題)っていうよりも、むしろ国内問題ないのではないだろうか?
 
ちなみに現在は上の条件両方とも重なってるんだよね。
 
おそらく韓国政府も賠償取れるなんてハナから思ってないんじゃないかなあ。。。って「ハナ」って韓国語www
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「刑務所の中」 2011年12月18日23:39
 
この映画、前にも見たんだが、もう一回借りてみてみた。
 
そして思ったこと。
 
 
マイミクのマスターさんの軍隊の話とそっくりだ。
 
 
マスターさんは高円寺の白黒というバーのオーナーで韓国人である。
 
彼の軍隊体験記を以前出版した。
 
もう絶版なんだけど、「韓国徴兵オレの912日」(講談社+α文庫)に納められている。
 
 
寝具はキッチリ畳んでないとダメ。
 
部屋の物品も一直線に並んでないとダメ。
 
移動中は必ず走る。
 
規則に違反すると速攻で独居房に入れられる(軍隊の場合ボコボコにされる)。
 
刑務官(鬼軍曹)には絶対服従で、反抗は許されない。
 
食事が唯一最大の娯楽である。
 
特に甘いものが珍重される。
 
そして最後に。日々の話題が限りなく下らない。
 
 
「軍隊に入るとバカになる」と彼は言っていたが、まさにその通りだ。
 
昔会ったフランス人も「徴兵は青春の浪費だ」と言っていたが(90年頃にはまだ徴兵制があった)
 
軍隊に入ることは刑務所に入ることと、少なくとも実態においては同じなんだと思った。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
日本企業受難の年 2011年12月17日19:17
 
なんか最近、日本企業に対する海外メディアが、やたらキビシイよね。
 
 
原発事故当時の東電の隠蔽体質。
 
大王製紙のカジノ。
 
オリンパスの不正経理。
 
そして今回の冷温停止宣言に対する冷ややかな反応。
 
 
それぞれが、たしかにひどい話ではあるよ。
 
 
 
しかしこういう不正って、日本だけなのか???
 
 
 
不正経理なら、アメリカのエンロンってでかい資源会社がやって倒産に追い込まれたよな。
 
ロサンゼルスの田舎の町の経理部長だかが、オバマよりも高給をもらってることがばれてクビになった事件もあった。
 
 
不正なんてどこにでもあるし、とりわけ日本だけで多いことではないと思う。
 
しかしそれでも、海外メディアは日本政府や企業の不正を、ことさら悪く叩いているように見える。
 
 
 
なんでだろう。
 
 
おそらくそこには、東洋に対する根強いオリエンタリズムがあるからだろう。
 
 
 
日本のメーカーが頑張って、安くて高性能なものを作り始めると、安かろう悪かろうと叩き、どうにも勝ち目がなくなると、リコール問題や著作権侵害で叩く。
 
最後には保護貿易だから自分たちの製品も売れるように法改正しろと要求する。
 
 
どこまでも悪いのは日本のメーカーで、自分たちは正しいというのが彼らのスタンスなのだ。
 
 
談合だって西洋のメーカーもやってることなのに、日本企業がやるとインチキだと言って叩かれる。
 
今度TPPに加盟したら、アメリカは日本政府や企業を相手にガンガン訴訟を起こして賠償金でがっぽり儲けるつもりなんだろうな。
 
今からそれが目に見えるようだ。
 
ああ腹立つ。
 
 
 
 
企業の負のイメージはすべて日本に押しつける。
 
日本製品が売れるのは、なにか悪いことをしているからに違いない。
 
そういう根強い差別意識が、西洋には残ってるんだろうと思う。
 
 
 
今年はそう言う事件が立て続けに起きて、日本企業のイメージが凋落した。
 
オレは実はオリンパスのウッドフォードさんとか、あんまり好きでない。
 
逆に不正を指示してた日本人の社長に、哀愁を感じてしまう。
 
 
 
日本を含めた東洋の国は、ずーっとアウエーで戦ってきた。
 
だから逆に打たれ強くなったんだろうなあ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
公共事業 2011年12月08日14:17
 
奥多摩、青梅地区は土建屋王国だ。
 
この間の民主党が大勝した時の選挙でも、自民党候補が余裕で当選していた。
 
青梅街道は一年中工事している。
 
この間も御岳付近で道路工事があり、下り車線が500mほどにわたって渋滞していた。
 
平日にしては珍しいくらいの渋滞だ。
 
看板を見ると、
 
「痛んだ舗装を直しています」
 
俺はこの道路を何十回も往復してるが、走るのに支障を感じたことは一度もない。
 
「お前ら東北に行け!」
 
と怒り出したくもなるが、一事が万事そんな感じだ。
 
 
 
 
ところで、高円寺の行きつけの飲み屋、白黒のマスターが、以前こんな話をしていた。
 
彼は韓国人である。
 
韓国には徴兵がある。
 
徴兵されると20人ほどの小隊ごとに集団生活することになる。
 
「そうするとね、必ず一人はボタンも自分でかけられないやつがいるんだよ」
 
要するに障害がある人と健常者のすれすれのところにいる人が、20人に一人はいるというのだ。
 
20人に一人。
 
結構な数字だ。
 
考えてみると、自分が小中学校の頃、確かにクラスに一人やふたりは、なにをやってもダメなやつがいた。
 
これをトータルするとかなりの数になる。
 
おそらく数十万人の人が、「グレーゾーン」に位置する人たちということになる。
 
こういう人たちは高校や大学とかに行ってしまうと、ほとんど見かけることがなくなってしまう。
 
現在、自分の周囲を見渡してみても、そういう人はほとんどいない。
 
しかし彼らは、きっと社会の底辺に存在しているのだと思う。
 
 
こういう人は障害がある人と違ってなんの保障も受けられない。
 
だからおそらく彼らの一部が生活保護を受けたり、あるいはホームレスとかになってしまうのかもしれない。
 
 
 
 
田舎暮らしの仕事に携わるようになって、そういう人をけっこう見かけるようになった。
 
田舎にはそういう人がけっこういる。
 
しかし村ではちゃんと彼らにも居場所を用意してくれている。
 
村の宴会には必ず誘うし、無視したりすることもない。
 
 
 
 
そして冒頭の公共事業である。
 
彼らはスキルがないから、日雇い労働者として雇われるしかない。
 
そしてその受け皿のひとつが公共事業なんだろう。
 
もちろん他に彼らをすくい取る方法があれば、それに越したことはないんだろうが、今のところ土木工事くらいしか見当たらないのかもしれない。
 
 
 
壊れてもいない道路を補修するとかいう無駄なことをしないでも、彼らに給料を払ってあげられるような、うまいシステムはないものかなあ。。。と最近思ったりした。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
久々に中東情勢 2011年11月27日21:49
 
側近「議長、久々に最近の中東情勢ですが」
 
議長「ああ」
 
側近「なんかさらに混乱してきてるみたいですね」
 
議長「そうだな」
 
側近「まずイエメンですが」
 
議長「サレハが大統領やめるらしいな」
 
側近「そうそう」
 
議長「あいつもカダフィの憐れな最期を見てびびったんだろ」
 
側近「死んじまったらミもフタもないと」
 
議長「そういうことだ」
 
側近「副大統領に政権を譲るとか」
 
議長「まあ体のいい傀儡だな」
 
側近「国民は納得するんでしょうかね」
 
議長「するわけないだろ」
 
側近「やっぱですか?」
 
議長「副大統領がどこの部族か知らねえけどよ。側近なんだから同じ部族なんだろうよ」
 
側近「そうですよねえ」
 
議長「だいたいあそこの国は北と南で仲が悪いんだ」
 
側近「そうなんすか?」
 
議長「そう。もともと北は親米政権でよ、南は親ソ政権だったんだ」
 
側近「なるほど」
 
議長「もちろんその裏には部族対立があるわけだ」
 
側近「サレハさんは北部の人なんですよね?」
 
議長「そう。だから南部の連中が納得しないわけだ」
 
側近「なるほどねえ」
 
議長「しかももともと親米の北部政権の方が欧米には都合がいいと」
 
側近「それでサレハの独裁が生きながらえてたわけですね」
 
議長「そういうことだ」
 
 
側近「エジプトでも争乱が収まりませんね」
 
議長「ムバラクのあとは軍に対するデモだな」
 
側近「そうですね」
 
議長「これはオレの推測だけどな」
 
側近「はあ」
 
議長「軍部ってのは基本的にノンポリで資本主義と仲がいいんだよな」
 
側近「そうなんですかね?」
 
議長「そう。例えばトルコじゃあ軍部ってのは世俗派なんだ」
 
側近「どういうことですか?」
 
議長「つまり反イスラム教なわけだ」
 
側近「ほほお」
 
議長「もともとトルコの英雄のケマルが将軍だったからな」
 
側近「ああ。ケマル・パシャですね」
 
議長「そう。パシャってのは将軍って意味だ。トルコを世俗国家にしたやつだな」
 
側近「だから現在のトルコ軍も世俗派なんですね」
 
議長「そう」
 
側近「でも他の国は事情が違うんじゃ?」
 
議長「軍隊ってのはひとつの組織なんだよ」
 
側近「そうですね」
 
議長「宗教団体も組織だよな」
 
側近「まあそうですね」
 
議長「コミュニストも組織だ」
 
側近「ほお」
 
議長「軍隊という組織にとっては、他の組織は邪魔なんだよ」
 
側近「なるほど」
 
議長「軍隊ってのはどこの途上国でも発言力が強いんだ。例えばタイもそう」
 
側近「ほほお」
 
議長「タイの軍隊は国王の言うことくらいしか聞かないよな。そして南部でイスラム過激派と戦ってるわけだ。そして地方の貧困層に人気があるタクシンとは仲が悪い」
 
側近「ほおお」
 
議長「基本的に軍隊ってのは、コミュニストとか宗教団体みたいな組織とは相容れないんじゃねえかな。軍隊自体がある種の思想統制された組織だからよ」
 
側近「ほおほお」
 
議長「インドネシアでスハルトがクーデター起こした時も、スカルノの社会主義路線に軍部が反発したのが背景にあったわけだよ」
 
側近「なるほどねえ」
 
議長「しかも軍隊ってのは武器の輸入で、必然的に外国の武器メーカーとは蜜月関係にあるわけだ」
 
側近「それと今回のエジプトとはどういう関係が?」
 
議長「今回の争乱で、エジプトでは、ムバラクが倒れて軍隊が権力を握ったわけだ」
 
側近「ええ」
 
議長「軍部は世俗派で、イスラム団体とは仲が悪いと」
 
側近「ほお」
 
議長「すると軍部を後押しているのは欧米じゃないかっていう可能性があるよな」
 
側近「なるほど」
 
側近「ほおお」
 
議長「しかも欧米としては、このまま選挙やったとしても、イスラム団体が圧勝するのはわかってるからよ。選挙はやらせたくないと」
 
側近「ムスリム同胞団ですね」
 
議長「そう」
 
側近「だいたい大統領選挙が2013年までないってのが、すごいですよね」
 
議長「民主化とかいっても、結局は欧米の傀儡ができるように仕向けられてるんだよ」
 
側近「なんだかあざといですねえ」
 
議長「そういうもんだよ」
 
側近「もうひとつ面白かったのが、サウジでついにデモで死傷者が出たという報道ですね」
 
議長「そう。それが衝撃的だったよ」
 
側近「これはどうなんですか?」
 
議長「テレビで見たただけだけどよ、シーア派住民のデモ隊に治安部隊が発砲したらしいな」
 
側近「そうですね」
 
議長「あの辺はシーア派が多いからな」
 
側近「そうなんすか?」
 
議長「そう。そもそもイランに近いからよ。イラン革命でパーレビが倒れたみたいに、王政が崩壊するのが怖いんだよ。湾岸の王国の連中は」
 
側近「それでアメリカ軍を駐留させてるんですよね?」
 
議長「そう。だから今回の市民に死傷者が出たって事件で、一番慌ててるのはアメリカだよ」
 
側近「そうなんすか? なんでですか?」
 
議長「だってオマエ、サウジが民主化されてイスラム原理主義政党が政権とったらどうするんだよ。石油が10倍くらいの値段で売りつけられるかもしれねえんだぞ」
 
側近「それは悪夢ですね」
 
議長「だから欧米としては現状維持でないと困るんだよ」
 
側近「なるほどー」
 
議長「たとえ議会制度がなくてもよ、女性の運転免許が許可されてなくてもよ、そんなことはどうでもいいんだよ」
 
側近「サウジほど民主主義から遠い国も珍しいですよね」
 
議長「そしてそれを黙認してるのは、ひとえに産油国の政権が政権が親米だからってことだよ」
 
側近「てことは今回のデモ隊との衝突はどうなるんでしょうかね?」
 
議長「黙殺されるな」
 
側近「というと」
 
議長「まず、ほとんどメディアで取り上げられない」
 
側近「ほお」
 
議長「今回も報道では死者4名ってなってるけど、実際はもっと多いな」
 
側近「過小に報道してるわけですか」
 
議長「そして今後取り上げられるとすれば、デモ側が悪者にされるだろうな」
 
側近「ほおお」
 
議長「略奪が横行したとかレイプ事件が起きたとか」
 
側近「メディアはヤツらが握ってますからね」
 
議長「この間のウォール街デモもそうだったけどな」
 
側近「そうですよね。大麻とかレイプ事件とか悪いことが報道されてましたけど、考えてみたら、どこでも起こってることですよね」
 
議長「最終的には世論を味方につけてサウジの体制側が正義ってことになるんだろうな」
 
側近「最後にシリアですが」
 
議長「ここも長いけどな。結局、欧米は静観してるよな」
 
側近「国連で非難決議とか言ってましたが」
 
議長「ああ。あんなのは茶番だ」
 
側近「相変わらず断言しますね。議長!(笑)」
 
議長「だってよ。リビアとかチュニジアの時と比べて、明らかにトーンダウンしてるよな。欧米の態度が」
 
側近「確かに」
 
議長「あのやかましいアメリカが、ほとんど沈黙してるんだぜ。シリアに関しては」
 
側近「一応クリントン国務長官が非難してましたが」
 
議長「だからそんなのは茶番だよ」
 
側近「そうなんすかね」
 
議長「シリアはアサドで行くってことに決まってんだよ」
 
側近「断言しますねえ!!!(笑)」
 
議長「あとな、アサドって実は欧米の血が強いって話も聞いたな」
 
側近「へえええ」
 
議長「まあそれが関係あるかどうか知らねえけどよ」
 
側近「じゃあデモやってる民衆がかわいそうですね」
 
議長「まあな見境ねえからな」
 
側近「金曜モスクで銃乱射とかねえ。ひどいっすよね」
 
議長「でもな。あいつらは宗派が違うんだよ」
 
側近「というと?」
 
議長「前にも書いたけどよ、アサドの宗派はアラウイ派っていってよ、シーア派のさらに小さな一派なんだよ。かなり特殊なんだ」
 
側近「はあ」
 
議長「昔からいじめられてたわけよ。異端派ってことでよ。だから圧倒的多数派のスンニ派の連中が殺されたって、別にどうってことねえのかもしれねえな」
 
側近「でも相当びびってるでしょうね」
 
議長「まあな。カダフィがアレだったからな」
 
側近「どうなるんでしょうね?」
 
議長「おそらくフランスあたりの仲介で、アメリカと折衝してるんじゃねえか?」
 
側近「落としどころですか?」
 
議長「そう。欧米もいい機会だからよ、アサドにいろいろ譲歩を迫ってるんじゃねえかな」
 
側近「たとえばイスラエルですか?」
 
議長「そう。イスラエルが占領してるゴラン高原とかよ。核問題とかよ。イランとの関係とかよ」
 
側近「なるほど」
 
議長「そう考えるとカダフィってのはある意味でスケープゴートだっただろうな」
 
側近「そうなんすかね?」
 
議長「一人くらいみじめに死んでもらわないと、他の独裁者がびびらねえだろ」
 
側近「なるほど」
 
議長「あの映像だけで相当譲歩引き出せるぜ」
 
側近「議長も危なかったですね」
 
議長「まあな」
 
側近「よかったですね逃げ切れて」
 
議長「昔からツイてたからよwww」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ゴンディショナー 2011年11月22日10:40 
 
 
 
ここ1ヶ月ほど母親が上京して奥多摩に同居しております。
 
この人はメモ魔。
 
家計簿は数十年間つけ続け、漏れ記載は一切なし。
 
しかもいろんなモノに印をつけるんですが、最近、ウチの風呂場で見つけました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ゴンディショナー
 
ボディソープ ボディ ボディ
 
 
 
 
 
 
 
ウチはお客さんが多いので、ちょっと恥ずかしいのです。
 
オレが書いたのかと思われそうで。。。。。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
麻原をネパールで目撃した友人 2011年11月21日23:36
 
オレもひとつ書こう。
 
 
知人がネパール山中で日本人夫婦にあった。
 
旦那はヨガの修行をしていて無口。
 
奥さんは社交的ないい人だった。
 
旦那は自分のことをマツモトと名乗ったそうだ。
 
 
知人はその後、同じ人物をテレビで目撃した。
 
その人物は麻原彰晃と名乗っていたと。。。。
 
 
※知人というのは漫画家のさいとう夫婦で、ご著書「バックパッカーパラダイス」に、その話が掲載されています。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
週刊朝日に載ってます 2011年11月21日20:22 
 
 
 
本日発売の週刊朝日(12月2日号)に載ってます、
 
 
 
「本家ガラパゴス」と「東洋のガラパゴス」両方行ってきました!
 
 
 
今回画期的なのは、なんと!
 
 
 
前グラビアに載ったこと!!!!
 
 
 
今までは(時事ネタじゃないので)後ろグラビアがフツーだったんですが、今回は表紙めくって、次めくったら、我々のページが!
 
 
 
清武さんよりも前!
 
ヨンアよりも前!
 
マーガレット・サッチャーよりも前!!!
 
 
 
つまり。。。。一番エライグラビアページなんです!!!
 
 
担当のSさん、ありがとうございます。
 
 
また仕事ください−。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
エジプトの人権 2011年11月21日12:14
 
 【カイロ和田浩明】「国軍は権力の座を去れ!」。カイロ中心部のタハリール広場に20日夜、1万人を超す市民が集まり、エジプトを暫定統治する軍最高評議会への怒りの声を上げた。軍と治安部隊は座り込みを続けるデモ隊を強制排除し、国営テレビによると、10人が死亡、200人以上が負傷した。(毎日)
 
 
 
オレはエジプトに行ったことがあるから、役人や軍人の態度の悪さはある程度理解できる。
 
エジプトからヨルダンに向かう港でフェリー待ちをしていた。
 
体育館くらいの出国審査所に1000人は下らないトラックの運ちゃんが長蛇の列を作り、何時間も通関待ちをしていた。
 
役人の仕事があまりに遅いので、殺気だった連中が暴れ出し、ガラスが割れる音がした。
 
ケンカが起こり怒号が飛び交う。
 
まさに暴動寸前の雰囲気だった。
 
「座れ! 座れっていってんだ!!!」
 
警備していた軍人たちが空のペットボトルで運ちゃんたちの頭をバンバン引っぱたき始めた。
 
それはもう監獄と同じような状況だった。
 
軍人たちは銃を抜かんばかりの勢いで周囲の男たちを威嚇していた。
 
 
 
そのときにオレは思った。
 
エジプトに人権なんてないんだって。
 
 
 
 
一部の先進国以外、世界はだいたい日本の明治時代くらいで停滞しているというのがオレの印象だ。
 
市民に人権なんてないし、役人は横柄で、官憲が威張りくさり、労働条件は劣悪で、富岡製紙工場みたいな悲惨な女工がたくさんいる。
 
食べ物を口に入れるために膨大な時間がかかる。
 
肉を食うためには動物をと畜するところから始める。
 
水は井戸からくみ上げて、一時間も歩いて家まで運ぶ。
 
みんな生きるために必死で、環境問題なんて関係ない。
 
病気になったら死んじまうのが当たり前だ。
 
 
 
 
それは100年くらい前の日本と変わらない。
 
そしてそれが現代の世界の、普通の状況なのだ。
 
 
 
だから軍隊が市民に発砲して死傷者が出たと言って、欧米が軍事政権を非難するのは、ある意味でおかしいとオレは思う。
 
なぜなら欧米の方こそが世界でもまれに見る恵まれた国であって、その尺度で世界の後進国の悪い部分を非難するのはおかしいと思うからだ。
 
 
 
そして独裁政権に対して暴動が起こるのは、まだ健全な状況ではないかとオレは思う。
 
暴動すら起こらない中南米の国々は、ほとんど話題にならないが、しかし逆に言えば、それほどアメリカの支配が盤石であることを証明しているからだ。
 
それはある意味で、独裁政権以上に悪質だとオレは思う。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
大国の興亡 2011年11月19日12:17
 
ここ一年ほどで読んだ本についての備忘録を書いてなかった。
 
理由は「面倒くさい」というそれだけなんだけど、頑張って消化しようと思う。
 
一年くらいかけて寝る前にチビチビ読んだのが「大国の興亡」(ポール・ケネディ 草思社)。
 
 
長いっす。しかもつまんないwww
 
こりゃあ新書の概説書とかでいいな。
 
しかも最後の数ページ読み残した。
 
 
ともあれ面白かったのは、ヨーロッパがなんで、かくも強大になったのか、ということ。
 
著者によれば、それは簡単な理由だ。
 
 
「ずっと戦争してたからさ」
 
 
世界は17世紀あたりから平和な時代になる。
 
中国には清帝国。
 
日本は徳川幕府。
 
インドはムガール帝国。
 
ロシアにはロマノフ朝
 
中東はオスマントルコ。
 
どこも安定政権ができて平和だったんだが、唯一西ヨーロッパだけが絶え間ない戦争を続けていた。
 
その結果、軍事技術が大幅に進歩した。
 
ナポレオンは徴兵制という画期的な制度を発明し、大陸で暴れ回る。
 
その間にイギリスは造船技術を発達させて海洋帝国を出現させる。
 
外交官は練達な駆け引きに習熟した。
 
そして戦争による莫大な出費を支える金融業が発展した。
 
 
まさに「絶えざる人殺しの歴史」こそが西洋の興隆を誘発したわけだ。
 
 
 
「軍事的な要因が、新しい民族国家の国境を定めるのに一役買い、たび重なる戦争が少なくとも消極的なかたちでの国家意識を育てあげた。イギリスはスペイン人を憎み、スウエーデン人はデンマーク人を憎み、オランダ人の反逆者たちはハプスブルク家の以前の領主たちを憎むようになったのである。さらに、何よりも戦争のために、交戦国の国家支出は莫大なものにふくれあがり、各国はこれに見あう収入の道を確保するために狂奔しなければならなくなった」
 
 
 
イギリス人はスペイン人を憎む。
 
これはいまだにハリウッド映画に出てくるモチーフでもあるな。
 
そしてポルトガルを属国のようにして、スペインに対抗した。
 
ブラジルの冨はほとんどがイギリスに環流した。
 
 
 
 
この本のすごいところは、どこから引き出してきたのかわからないが、膨大なデータ的裏付けが掲載されているところだ。
 
これだけ具体的な数字が出てると、説得力がありすぎるくらいだ。
 
 
たとえば、「世界の生産高に占める相対的なシェア」という表がある。
 
これによると、欧州の生産高は、1800年に世界の28%だったのが1900年には62%になる。
 
逆に第三世界は、68%だったのが、100年間でたったの11%に落ちてしまう。
 
インドに至っては24.5%だったのが、たったの1.7%に成り下がる。
 
欧州以外の地域の相対的シェアが急落する中で、日本は3.8%→2.4%と踏み止まる。
 
遅まきながら産業革命が軌道に乗った結果なんだろうな。
 
ギリギリセーフって感じだ。
 
 
 
あとこの著者がアメリカ人のせいか、どうもカトリックの国に関して辛い感じがする。
 
 
「戦争の歴史のなかで、敵国が一つ増えたほうが味方の陣営より敵側を痛めつけることになるというような議論がなされることはめったにない。しかしムッソリーニのイタリアは、少なくともその点に関してはユニークな存在だったのである」
 
 
翻訳が煩雑なのでわかりづらいんだが、要するに、
 
イタリアがドイツに寝返ったことが、結果的にドイツを痛めつけることになったと(笑)
 
 
 
「(フランスは)シリアとレバノンの委任統治権は取り戻せなかったが、インドシナの委任統治およびチュニジアとモロッコの保護統治を再び主張しようとした。海外にある行政県や領土を合わせると、いぜんとして世界第二位の大きな植民地を所有していたので、その地位を明け渡すまいとしたのである。経済力が極端に弱く、アメリカの財政援助に頼っているにもかかわらず、一等国の地位という虚飾を取り戻そうとするのは、多くの局外者、とりわけアメリカの目には誇大妄想としか映らなかった」
 
 
フランスもオランダも戦後、旧植民地を取り戻そうとして抵抗に遭い、結局撤退した。
 
特にフランスは女々しい。
 
インドシナで失敗し、さらにアルジェリアでも失敗した。
 
なんとも見苦しい。
 
 
 
しかし著者が所属するアメリカも、戦前に莫大なカネを突っ込んでいた中国国民党が負けて、結局コミュニストに呑みこまれてしまった。
 
 
戦前のアメリカ人の中国に対するシンパシーは相当なものだったらしい。
 
それが裏切られた。
 
この恨みは相当なものだったらしい。
 
だからその後のアメリカの行動、朝鮮戦争やベトナム戦争で意固地になってコミュニストと戦ったのは、中国で失った利権という背景を考えればわかりやすいかもしれない。
 
 
 
 
「ソ連がインドに接近し、中国とインドの国境紛争のあとニューデリーに軍需物資を送ったことは、中国の態度を硬化させた。したがって、中国がインドと敵対するパキスタンを支援し、ソ連のアフガニスタン侵攻を強硬に非難したことは驚くにあたらない」
 
 
中国 VS ソ連
 
パキ VS インド
 
 
という構図なわけだ。まさに、
 
 
「敵の敵は味方」である。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
想像の共同体 2011年11月18日23:27
 
アンダーソンという人が書いたナショナリズム論の古典だ。
 
最近、アンダーソンさんの講演を読んだ。
 
 
実はナショナリズムというのは、つい最近できたものだ。
 
日本人が自分を日本人と認識したのは、つい最近なのだ。
 
 
最近っていつなのかな。
 
たぶん明治維新のあとなんだろうな。
 
 
その前は、自分のアイデンティティというのは、帰属する村だったんだろう。
 
 
「おぬしは何者だ?」
 
「あっしはどこそこ村のナニ兵衛でやんす」
 
 
みたいな感じである。
 
このナニ兵衛さんがタイムスリップして、ケネディ空港の税官吏の前に立ったとしよう。
 
 
「ユーは何人なの?」
 
 
彼は当然のように答えるだろう。
 
 
「あっしはどこそこ村のナニ兵衛でやんす」
 
 
 
なぜなら彼には日本人という概念がないからだ。
 
 
 
同じことが現在でも多くのアラブ人に当てはまる。
 
彼らには国家に対する帰属意識がない。
 
だから国籍を聞かれても「は?」てなもんだ。
 
 
 
砂漠を自由に移動するトアレグ族という人たちがいる。
 
彼らは今回のカダフィ事件でも、おそらく活躍しただろう。
 
彼らに国境なんて意味がない。
 
リビアとチャドとニジェールとマリとアルジェリアの間の砂漠を縦横に行き来して遊牧と交易で儲けている人たちだ。
 
カダフィが武器を売ったり買ったりしたのにも、彼らが絡んでいるに違いない。
 
彼らに国民なんて概念があるわけがない。
 
 
 
 
同じことは東南アジアで活躍した海洋民族にも当てはまる。
 
彼らはインドネシアからフィリピン、マレーシアあたりの海を自由に往来して、やっぱり交易で儲けてた。
 
彼らにとって排他的経済水域なんて関係ない。
 
いまだにフィリピンの南のスル海(←今気づいたけど「スル」はスペイン語で南だ)で海賊が多いのは、そういう伝統によるのだと思う。
 
鶴見良行氏の仕事で、彼らの活躍を知ることができる。
 
 
 
あるいはタイとミャンマー国境の少数民族。
 
彼らも国境を自由に往来していたが、ミャンマー政府に弾圧されてタイに逃げ込んで難民になった。
 
 
ナショナリズムの犠牲者になった人たちは世界中にいる。
 
 
 
 
国家というのは国民から税金をかき集めて機能するものだ。
 
だから遊牧民のような定住しない連中、つまり戸籍を持たない連中というのは、税金が取れないから非常に困る。
 
しかも密輸(彼らにとっては正当な交易だけど)をしやがる。
 
おおむね規制をかける国家とは仲が悪いから、反政府化するおそれが常にある。
 
だから定住化政策が進められる。
 
 
 
こうして遊牧民や海洋民族のような、かつてグレーゾーンで交易に従事していた人々は、絶滅の危機に瀕している。
 
 
 
「国民とはイメージとして心に描かれた想像の政治共同体である」
 
 
 
想像の共同体だったはずの国民意識が、いつの間にか現実になる。
 
国家が権力を持ち、優秀な子供は役人に取り立てられ、それを自慢する風潮が出来上がっていく。
 
周辺にいた人々が国家に絡め取られていく。
 
 
近代史ってのは、我々が国民に仕立て上げられていった歴史なのだ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
TPPやっぱり出来レース? 2011年11月14日19:17
 
側近「議長、首相が参加表明したみたいですね」
 
議長「まあそうだろうな」
 
側近「やっぱりですか」
 
議長「それ以外ねえだろ」
 
側近「そうなんすか?」
 
議長「そうだよ。日本の外交ってのは親米以外は考えられないんだよ」
 
側近「そうなんすか?」
 
議長「そうだよオマエ、今回だってよ、アメリカか中国かって選択だったわけだろ?」
 
側近「そういう報道もありましたね」
 
議長「アジアの経済圏をアメリカ主導と中国主導とどっちでやってくかって駆け引きだったんだよ」
 
側近「なるほど」
 
議長「そうだとしたら中国って選択肢はねえだろ」
 
側近「確かにそうですね」
 
議長「中国人信用できえねよな?」
 
側近「そうですけど、じゃあアメリカ人は信用できるんですか?」
 
議長「できねえよ」
 
側近「じゃあダメじゃないすか!!」
 
議長「問題はどっちがマシかってことだよ」
 
側近「はあ」
 
議長「次善の手としてアメリカってことだよ」
 
側近「まあそうかもしれませんが」
 
議長「つまりTPP参加ってのは、もうすでに決まってたことなんだよ」
 
側近「じゃあ反対してた議員さんたちは?」
 
議長「ありゃあポーズだ」
 
側近「ポーズっすか?」
 
議長「そう。ポーズ」
 
側近「断言しますね議長」
 
議長「だってオマエ、地方選出の議員がよ、TPP賛成なんて言えるわけないだろ」
 
側近「……確かに」
 
議長「「あれだけ反対したんですけどねえ。。。。」だから通用するわけじゃんかよ」
 
側近「そうですね」
 
議長「要するに選挙対策なんだよ」
 
側近「そうじゃない人もいるんじゃないですか?」
 
議長「そりゃあ、いたんじゃねえの? でもそういう意味合いも多分にあった気がするな」
 
側近「まあそうかもしれませんが」
 
議長「それにしてもこれでまた、日本の格差が倍増するな」
 
側近「そうですね」
 
議長「考えてみたら格差問題っていろんな問題に通じてるよな」
 
側近「そうですかね」
 
議長「だってよ、非正規雇用が増えただろ? 社保完備じゃないわけだよな? そしたら年金なんか払わないよな」
 
側近「確かに天引きだから払ってるようなもんですよね」
 
議長「カネがないから結婚できないし、子供もできないしよ」
 
側近「少子化ですか」
 
議長「日本が慢性的に景気が悪いのも、貧乏人が増えて内需が減ったってのも、あるだろうしな」
 
側近「悪いことだらけですね」
 
議長「まったくだよ。アメリカのやり方に追随してたら、こんなひでえ社会になっちまったってことだよ」
 
側近「まったくですね」
 
議長「沖縄って長寿ってイメージあるだろ?」
 
側近「そうですね」
 
議長「でもアレは、今のじいさんばあさんの話なんだってよ」
 
側近「どういう意味ですか?」
 
議長「つまり戦前の話なんだよ。アメリカに占領されてた時代にハンバーガーとか食ってた世代は、メチャクチャ短命なんだってよ」
 
側近「そうなんすか?」
 
議長「だから今後、沖縄の平均寿命は急落するらしいぞ」
 
側近「どんだけ不健康なんでしょうね」
 
議長「それでも日本はアメリカについてくしかないんだよな」
 
側近「しかしそれ以外選択肢はないんすかねえ?」
 
議長「ねえな」
 
側近「ないんすか?」
 
議長「基本的にあいつらはオリエンタリズムに汚染されてる連中だからな」
 
側近「はあ」
 
議長「つまり東洋に対する偏見だよ。西洋人全般に、そういう偏見が根強いから、女性蔑視だの動物虐待だのエロゲームだのって難癖をつけて反日世論を焚きつけるのは簡単なんだよ」
 
側近「なるほど」
 
議長「日本が北朝鮮とかイランみたいに悪の枢軸に成り下がるのなんか簡単なんだよ」
 
側近「ふーむ」
 
議長「だから日本はアメリカに追従してご機嫌取りながら生きていくのが一番国益かなってるってことなんだよ」
 
側近「議長もだいぶご機嫌とったんですか?」
 
議長「とりまくったよオマエwww。まあそれでも若い頃はけっこう突っ張ってたんだけどな」
 
側近「おかげで4000億円儲けたんですよね?」
 
議長「それはオレのセリフだろwww」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ご冥福を 2011年11月14日08:59
 
地底湖から遺体引き揚げ 不明の上智大生か
 
 
 
 
サークルのメーリングリストでも流しましたが、実は私、同大学探検部出身でございまして。。。。
 
当時、創設間もないスキューバダイビング部とも、いろいろ親交があったんだそうです。
 
事件は86年のことで、私の入部前のことなんですが、当時一年生だったマイミクむうさんのお話によれば、件の地底湖探検のための装備を探検部から貸与されていたんだそうです。
 
その結果、このような事件が起きてしまい、その後、装備の貸与には慎重になったとか。
 
同部は事件後廃部になってしまったそうです。
 
 
現場の聖滝には私も行ったことがあり、朴さんの慰霊碑が建っておりました。
 
奥多摩に住み始めたのにも、ちょっとだけご縁を感じまして、一筆書かせていただきました。
 
 
迅速にご遺体が回収されたとのことで、なんだか安心いたしました。
 
改めて朴さんのご冥福をお祈り申し上げます。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
世界の大学ランキング 2011年11月11日11:09
 
側近「議長、世界大学ランキングってのがあるそうですね」
 
議長「今日の朝日だな」
 
側近「そうです。東大が30位でアジアで一番ですよ。すごいっすね!」
 
議長「……あほくさ」
 
側近「あほっすか?」
 
議長「あほだろ」
 
側近「なんで?」
 
議長「だっておまえ、上位は全部アメリカとイギリスの大学じゃねえかよ」
 
側近「そうですよ」
 
議長「なんでだよ」
 
側近「優秀だからでしょ?」
 
議長「確かに優秀かもしれねえな」
 
側近「じゃあいいじゃないですか」
 
議長「でもインチキくせえな」
 
側近「そうですかね?」
 
議長「だっておまえ、査定してる機関も英米の会社じゃねえかよ」
 
側近「確かに」
 
議長「それによ、上位にランキングされれば、世界中の優秀な学生がたくさん志望すんだろ?」
 
側近「そりゃそうでしょうね」
 
議長「てことは国益にもなるわけだよな?」
 
側近「そうですね」
 
議長「それで上位は全部、英米の大学なわけだよ」
 
側近「はあ」
 
議長「さっきヒマだからよ、ベスト100のうちの英語圏の大学を数えてみたんだけどよ」
 
側近「議長、ヒマなんすか!?」
 
議長「……いいじゃねえかよ、ヒマだって」
 
側近「はあ」
 
議長「100校のうち62校が英米豪だったな」
 
側近「豪ってオーストラリア?」
 
議長「そう。オーストラリアの大学が7校も入ってんだぜ」
 
側近「へええ。そんなに優秀なんですかねえ」
 
議長「だろ? 日本だって5校しかランキングしてないのによ」
 
側近「……てことは?」
 
議長「自画自賛ってことだろ」
 
側近「うーむ」
 
議長「しかも評価基準がなんだか曖昧だよな」
 
側近「確かに。教職員のアンケートとか」
 
議長「その中でもっとも客観的と思われるのが、論文がどんだけ引用されたかだろうけどよ」
 
側近「はあ」
 
議長「でもそれが英語論文が前提なんだってよ」
 
側近「はあ」
 
議長「記事にも書いてるけど、英語圏に圧倒的に有利だよな」
 
側近「確かにそうですね」
 
議長「要するに、これは欧米ブランド化計画の一環なんだよ」
 
側近「ブランド化ですか?」
 
議長「ヨーロッパってのは要する斜陽なわけよ」
 
側近「そうですかね」
 
議長「だっておまえ、ジャガーはインドに乗っ取られてよ、サーブは中国に乗っ取られたんだぜ?」
 
側近「まあそうですね」
 
議長「製造業は壊滅してんのよ」
 
側近「まあそうかも」
 
議長「斜陽になった欧米での生き残り策ってのがブランド化だよ」
 
側近「なるほど」
 
議長「そのブランド化のひとつが英語国際語化計画だな」
 
側近「ほほう」
 
議長「英語を国際語ってことにして、既得権益で儲けるって計画だよ」
 
側近「なるほど」
 
議長「今回の大学ランキングも、要するにそうやって勝手に格付けして、アカデミックなイメージで世界に売り込もうってことなんじゃねえのかな」
 
側近「確かにインドとかだと、欧米留学がエリートには必須らしいですが」
 
議長「そう。パキスタンの高校の数学の教科書見せてもらったら、英語だったよ」
 
側近「そうなんすか」
 
議長「ようするに英語ができないと出世できないって社会にしちまうってことだ」
 
側近「へええ」
 
議長「世界中がそうなって、一番儲かるのは英米なんだよ」
 
側近「うーむ、なんだか遠大な計画ですね」
 
議長「だから、こういうあほなランキングは無視するに限るな」
 
側近「議長のカイロ大学はどうなんすか?」
 
議長「100位にも入ってねえよwww」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
TTP大詰め 2011年11月09日21:52
 
TTP問題。
 
ここまでこじれると思わなかったですね。
 
備忘録代わりにちょっと考えてみたいと思います。
 
 
 
ワシントンコンセンサス以降、アメリカの圧力でナカソネ、コイズミと規制緩和が続いてきたわけです。
 
 
ナカソネはJRとか電電公社とか。
 
コイズミは郵便局。
 
そして今回は国保。
 
 
金持ちになった日本は、アメリカが不景気になるたびに標的にされ、譲歩を重ねさせられてきた感じがします。
 
 
 
そしてそのたびに所得格差の大きな社会になってきました。
 
アメリカ社会に近づいてきたわけです。
 
これはこれで確かに不幸だわね。
 
 
 
 
一方で日本の外交政策というのは、アメリカ追随以外には考えられないわけです。
 
アメリカににらまれたら最後。
 
北朝鮮とかミャンマーとかイランみたいになっちゃう。
 
「正義」はアメリカが握ってるからです。
 
 
 
 
 
今回のTPPは、中国主導のASEAN+3か、アメリカ主導のTPPかという二者択一という意味もあるそうです。
 
 
そう考えれば間違いなくTPPなんだけどねえ。
 
 
しかしこれ以上格差社会になるってのは、はっきり言って不幸倍増って感じもしなくもないですよね。
 
 
個人的にはTPP反対なんだけどね。
 
 
 
 
それにしてもさ。
 
普段エコだエコだと言っている大企業が、TPP賛成ってのは、明らかに矛盾してるよね。
 
だって環境問題を考えたら地産地消が理想的なわけだからねえ。
 
なんだかなあと思ったりしました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
タテ社会の人間関係 2011年11月06日23:57
 
「タテ社会の人間関係」(中根千枝 講談社現代新書)
 
 
社会学の古典的名著。
 
著者の本は、以前「未開の顔 文明の顔」(確か角川文庫)を読んだことがある。
 
するどい考察で面白かったんだが、こっちの方が有名な本だ。
 
「タテ社会」という言葉はこの人が発明した。
 
 
 
著者は欧米、インドなど、世界各地で滞在して、日本社会の特異性を見事に考察した。
 
著者によれば社会集団の構成要因は「場」と「資格」のふたつがあるそうだ。
 
まず「資格」というのは例えばインドのカースト、欧州のギルドのような職業集団。
 
つまりヨコの関係だ。
 
 
次に「場」というのは日本のムラ社会とか学校とか企業のような集団、つまりタテの関係のことだ。
 
 
著者は労働組合を例にとる。
 
外国の労組は職業ごとにヨコの連携が大きいわけだが、日本では会社ごとに労働組合がある。
 
タテで分断されるわけだ。
 
 
 
タテ社会の日本では、集団に帰属した個人は、年功序列と終身雇用で守られ、能力に関係なく年長がリーダーになり順番に出世していく。
 
 
ヨコ社会の欧米では、転職が当たり前で、リーダーは年齢よりも能力で決定される。
 
 
 
タテ社会では、いったんその集団に帰属してしまえば、個人は安心して仕事に精進できる。
 
日本の経済発展の要因のひとつだが、同時に競争が抑止された、非常に「ぬるい社会」なわけだ。
 
 
 
 
ここからが面白い指摘である。
 
 
 
そういう「ぬるい」日本社会では、欧米の能力主義の代わりに能力平等主義
がある。
 
 
 
 
「伝統的に日本人は「働き者」とか「なまけ者」というように、個人の努力差には注目するが、「誰でもやればできるんだ」という能力平等主義が非常に根強く存在してる」
 
 
 
確かにこれはあるなあ。
 
「やればできる」って学校でよく聞いたよな。
 
ホントは学力差は歴然としてあるのに、それについて触れるのはタブーだ。
 
 
 
「こうした日本的イデオロギーの底にあるものは、極端な、ある意味では素朴(プリミティブ)ともいえるような人間平等主義である。これは西欧の伝統的な民主主義とは質的に異なるものであるが、日本人の好む民主主義とは、この人間平等主義に根ざしている」
 
 
 
「権利と義務」とかいっても、日本の場合、欧米と比べて、両方とも非常にユルイ感じがするのは、こういうぬるま湯的人間平等主義が関係しているに違いない。
 
 
 
 
「日本人は、たとえ、貧乏でも、成功しない者でも、教育のない者でも(同等の能力をもっているということを前提としているから)、そうでない者と同等に扱われる権利があると信じこんでいる。そういう悪い状態にある者は、たまたま運が悪くて、恵まれなかったので、そうあるのであって、決して、自分の能力がないゆえではないと自他ともに認めなかればならないことになっている。 (中略) 弱き者、貧しき者をそれ相応に遇することを口に出していうことは日本社会ではタブーである。」
 
 
 
 
確かにそうだよね。
 
 
 
「日本には、何とこうした口だけのエセ同情者が多いことか。特に左翼的言辞を弄する人々の大部分が、こうした種類の特権的ムード派であるところに、平等主義から派生するところのぬるま湯敵道徳がみられるのである」
 
 
 
 
ぬるま湯的道徳。
 
 
 
確かにインドとかに行くと、労使関係が非常にキビシイ。
 
金持ちは偉そうにふんぞり返り、立場の弱い者はペコペコとかしづいている。
 
カオサンに行けば、カネがあって立場の強い西洋人は偉そうにしている。
 
宿の部屋を汚し放題にしても平気な顔だ。
 
それで当然なわけだ。
 
 
日本人は召使いを使うのがヘタだというが、これはまさに人間平等主義によるんだろうな。
 
オレも高級ホテルでボーイとかに「サー」とか言われるのがイヤでしょうがない。
 
だから安宿に泊まるんだとかいうのは言い訳だけどさwww
 
 
 
外国では金持ちは金持ちらしい振る舞いが要求されて、むしろそうでないと困られる場面も多いわけだが、日本では逆に嫌われる。
 
それは著書にあるように、その人が「たまたま運がよくて」金持ちになったのだという社会的コンセンサスがあるからかもしれない。
 
 
 
 
 
やっぱり日本社会は、外国と比べて非常にぬるいのだ。
 
 
 
 
著者はこういうユルイ日本社会を批判的に論じている。
 
確かに外国生活が長い著者にとっては競争が極力排除されている日本社会なんて温室なんだろう。
 
 
人間は能力的に平等だなんて甘いことを言ってるのは日本人だけなんだろうな。
 
そして国際会議ではいつも影が薄いわけだ。
 
日本人「だけ」が世界中でぼったくられる原因が、ここにもありそうな気がする。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
阿佐ヶ谷のぼったくり居酒屋 2011年11月03日20:48
 
最近久しぶりにひどいぼったくりの店に入ったのでご報告したい。
 
 
腹立つから名前出ししちゃうぞ、ちっくしょー。
 
 
 
 
阿佐ヶ谷の「ありがた屋とりい」って店である。
 
 
 
 
駅前近くで娘さんがビラ配りしてたので、つい入ってしまいました。
 
 
 
 
 
メニュー見て全体に高くて「やべえ」と思ったんですが、まあ仕方なく生ビール注文。
 
500円。
 
これは普通。
 
 
 
お通しは3種類。合鴨のパストラミなど。
 
味は普通。
 
 
 
まず焼き鳥盛り合わせを注文。
 
値段はよくわからない。
 
味はまあ普通。
 
 
 
次にジャーマンポテト。
 
これは700円。
 
すぐに出てきたが大きめの小鉢に盛ってあって量が非常に少ない。
 
がっかり。
 
味は普通。
 
 
 
 
連れが鶏肉のおろしポン酢を注文。
 
これが800円。
 
やはり大きめ小鉢にゆでた鶏肉にダイコンおろしのせてポン酢かけてある。
 
味は普通。
 
しかし量は非常に少ない。
 
量が少なくても手間がかかってるならわかるけど、どう考えてもそうではないレベル。
 
 
 
 
しかも、これらの料理が出てくるのがものすごく遅い。
 
休日前で、客が多い。
 
多いのに厨房ひとりと接客ひとりだけ。
 
 
なので仕方なくウーロン杯を注文。
 
これがやたら氷が多い。
 
グビグビ飲んだら2口でなくなるレベル。
 
これが500円。
 
 
 
 
 
お会計した。
 
……6800円だった。
 
 
 
 
 
値段がわかるのを列記してみる。
 
 
 
ビール×2   1000円
ウーロン杯    500円
ジャーマンポテト 700円
鳥のおろしポン酢 800円
 
合計      3000円
 
 
 
        6800円
       −3000円
 
        3800円
 
 
 
この3800円は、なんなんだろうか。
 
 
焼き鳥盛り合わせ 
お通し×2    
 
 
カネがかかってるのはこれだけである。
 
 
 
 
あまりにひどいのであとで検索かけてみたら、不評の書き込み多数。
 
ぼられたのはオレだけではないことが判明。
 
 
 
娘さんの愛想は大変よいので、それについてはOK。
 
だけどさあ。。。。。
 
 
 
 
 
 
ここの店はキレイなお姉ちゃんが店主だが。。。。。オーナーはインド人に違いない。
 
 
きっとそうだ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ホームレス中学生  2011年11月02日00:56
 
本ではなくて映画の方ですが、思ってた以上に泣けたなあ。
 
いや、泣いたのはオレだけかな。
 
 
パンの耳をくれるオジサンや、風呂に入れてくれて、ご飯をごちそうしてくれる同級生の両親、家を斡旋してくれるおばちゃん。
 
人の温かさに思いがけず泣けてしまった。
 
関西弁ってのもいい。
 
 
 
あっしも南米を歩いてた頃に同じ体験をしたですよ。
 
当時、あっしも3ヶ月も風呂に入ってなくて、消防署のシャワーを浴びて、暖かい寝床で寝た時は天国かと思ったな。
 
見ず知らずの人が家に泊めてくれたりもしたなあ。
 
 
道ばたに缶ビールが置いてあったこともある。
 
空き缶ではなくて中身が入ってるのが。
 
当時はラッキーと思って飲んだけど、あれはきっと誰かが置いていってくれたんだ思う。
 
スーパーで買い物してたら、調理場のおじさんがハムの切れ端をたくさんくれたこともあったし、車が止まって小さな女の子がお金を手渡ししてくれたこともあった。
 
 
実はその時、アルゼンチン人の年収ぶんくらいのお金を持ってたんだけど、地元の人には、薄汚い格好でロバを引いて歩いてるあっしは、ただの乞食に見えたんだと思う。
 
この映画でも、最後はいろんな人への感謝で終わってるけど、それはあっしも同じだ。
 
 
 
あの辛かった冒険旅行で得たものっていうのは、要するに低い目線で世の中を見られるようになったことだと思う。
 
本当に困っている時でないと、人の親切はわからない。
 
そして世の中には、想像以上に親切な人がたくさんいる。
 
みんなが思ってる以上にたくさん。
 
 
でも誰もそれに気づかないのは、誰もそういう経験をしたり、されたことがないからだと思うな。
 
そして人の親切を経験する必要がない社会というのは、それはそれで恵まれた社会でもあるんだろう。
 
 
この映画の原作がベストセラーになったのは、もちろん世相を反映していたというのもあるんだろうが、人情の機微に触れたということもあったんだろうな。
 
普段、意識しない人の温かさに気づかせてくれるという意味で、「Always」にも近いカタルシスが得られる映画だと思う。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
パレスチナ ユネスコ加盟 2011年11月01日12:37
 
側近「議長、ついにパレスチナがユネスコ加盟しましたね」
 
議長「ホラ、オレの言った通りだろ」
 
側近「ホントですね」
 
議長「ここが落としどころだったってことだな」
 
側近「一応その「落としどころ」をもう一度説明していただけますか?」
 
議長「つまりだよ。パレスチナは国連加盟を申請してたけどアメリカが反対してたと」
 
側近「ほお」
 
議長「安保理で拒否権行使されて廃案になると」
 
側近「ほお」
 
議長「これはもう決まってたわけだ」
 
側近「そうですね」
 
議長「しかしアメリカとしては拒否権は使いたくない」
 
側近「どうしてですか?」
 
議長「あんまり強硬だとアラブ諸国に印象が悪い」
 
側近「なるほど」
 
議長「だから国連への申請は、最初からパレスチナにはして欲しくない」
 
側近「ほお」
 
議長「しかし放っておいたらアラブ諸国がやかましい」
 
側近「なるほど」
 
議長「それに、あんまり過激派のハマスの人気が高まるとイスラエル的にも都合が悪い」
 
議長「そこでユネスコ加盟あたりでガス抜きしようと」
 
側近「あ、なるほど」
 
議長「そうするとパレスチナ人もアラブ人も、とりあえず納得する」
 
側近「ほお」
 
議長「一方のイスラエルも、パレスチナの国家承認は阻止したし、穏健なアッバスの政権が安定するなら国益にかなう」
 
側近「ほほお」
 
議長「そしてアメリカは拒否権を使なくて済む」
 
側近「うーむ八方丸く収まったわけですね」
 
議長「そういうことだ」
 
側近「しかしフランスが承認に動いたのは意外ですね」
 
議長「スペイン、フランスは賛成、イギリスは棄権、ドイツ、イタリアは反対だったそうだな」
 
側近「どういうことですかね?」
 
議長「フランスはまあわかるよな」
 
側近「なんでですか?」
 
議長「あそこはホラ、アングロサクソンと仲悪いから」
 
側近「なるほど」
 
議長「独自外交ってやつだな。途上国の人気取りだよ」
 
側近「スペインは?」
 
議長「あそこはフランスの言いなりだからよ」
 
側近「イギリスは?」
 
議長「アレはアメリカの犬だ」
 
側近「ひどい言い方ですね」
 
議長「だけどそもそもパレスチナ問題はイギリスの大ウソが原因だからよ。反対もできなくて棄権したんだろうよ」
 
側近「イタリアは?」
 
議長「イタリアのことは知らねえな」
 
側近「なるほどー。それにしても壮大な出来レースですね」
 
議長「外交なんてそんなもんじゃねえか?」
 
側近「そうですかね?」
 
議長「タテマエ上は対立してても水面下で交渉して、ちゃんと落としどころが決まってるんだよ。きっと」
 
側近「そういえば今話題のTPPもなんだかインチキ臭いですね」
 
議長「あれももう決まってるな」
 
側近「といいますと」
 
議長「参加で決定してるよ」
 
側近「でも反対議員が相当いますよね?」
 
議長「ありゃあポーズだな」
 
側近「あ、そうですか」
 
議長「これだけ頑張ったけど、ダメでしたってポーズだ」
 
側近「そうなんすかねえ」
 
議長「最初から賛成してたらオマエ、地方選出の議員は、次の選挙で負けるぞ」
 
側近「確かに」
 
議長「その言い訳ってことじゃねえの?」
 
側近「そうですか。結局TPP参加ですかねえ」
 
議長「韓国がさっさと決めたのが、すげえなとオレは思ったよ」
 
側近「なんでですか?」
 
議長「だってオマエ、ものすげえ保証金払うみたいだぜ。農家に」
 
側近「そこまでしても参加しないとダメってことですか」
 
議長「あそこは日本以上に輸出依存だからな」
 
側近「人口少ないですしね」
 
議長「それに大財閥ばっかだからよ」
 
側近「政府も言いなりですか」
 
議長「まあ日本も経団連のオッサンたちの言いなりだけどな」
 
側近「確かに」
 
議長「どこもかしこも出来レースばっかりだよなあ」
 
側近「議長も相当、出来レースやってたんじゃないすか?」
 
議長「そりゃあオマエ、最初からアとかイとかに言いくるめられてよ……あ、やべえ。またモサドに消されちまうwww」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
殺し忘れる 2011年10月31日13:11
 
フト思いついたので。
 
大工用語に「木殺し」っていうのがあります。
 
いったいなにをするかといいますと。
 
材木を組み上げる時に「ホゾ」(オス)と「ホゾ穴」(メス)を加工するのはご存知と思います。
 
この時「ホゾ」の方をカナヅチで引っぱたいて「ホゾ」に入りやすくするんです。
 
この作業が「木殺し」。
 
そんで実際にこの「木殺し」の作業してると、言葉がものすごく物騒なんです。
 
 
 
 
 
会話その@
 
「そっちの殺しといてくんない?」
 
「さっき殺したよ」
 
「あっそ」
 
 
 
会話そのA
 
「そろそろ休憩しようか」
 
「いま殺してるからちょっと待ってくんない?」
 
 
 
会話そのB
 
「このホゾ入んないぞ」
 
「やべ、殺すの忘れてた」
 
 
 
会話そのC
 
「こっちのは殺しとくの?」
 
「ああ、あとでオレ殺しとくからいいよ」
 
 
 
会話そのD
 
「どっち殺すんだっけ?」
 
「左の方」
 
「やべ、間違えて右の殺しちゃった」
 
 
 
会話そのE
 
「これ、殺しにくいなあ」
 
「節があるとなかなか殺せないよね」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ここ、どこですか??????
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
あっしの山荘建築日記はこちら↓
 
http://blog.livedoor.jp/jinrikisanso/archives/195818.html
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
バンコクの運河の水質調査 2011年10月30日12:57
 
いや実はね、10年くらい前に仕事で、バンコクの運河の水を日本に持って帰って水質調査会社に検査してもらったことがあるんですよね。
 
センセープ運河の船着き場の水だったんですけど。
 
そしたらね。
 
大腸菌が異常に多くて、これ飲んだら確実に病気になりますと。
 
担当者にメールで問い合わせたら、
 
「とある調査によりますと、バンコク在住の多くのタイ人は慢性的な下痢の症状があるそうです」
 
だそうです。
 
その水があふれてるんですよ。。。。
 
乾期に入ってきてるとはいえ、伝染病が心配です。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
大佐死す 2011年10月28日11:31
 
側近「議長、22日の朝日、読みました?」
 
議長「ああ」
 
側近「「大佐死す」でいろんな人の意見が載ってますが」
 
議長「小池百合子とかだろ?」
 
側近「そうそう」
 
議長「この人はさすがカイロ大学出てるだけによくわかってるよな」
 
側近「そうですね。
 
「国内に部族や宗教などの問題を抱えており、新しい国づくりが進めば進むほど難局に直面するのでは、と心配しています」
 
とか」
 
議長「そうそう。まさにその通りなんだよな。これから部族間の利権争いが起こるのは間違いない」
 
側近「それとカダフィの印象が、「とつとつとした口調で貧乏揺すりをしたりと落ち着きがない」ってのも意外ですね」
 
議長「所詮地方の小部族の出身だからな」
 
側近「なるほど」
 
議長「カダフィの元側近の意見も載ってるけど、こっちの方は反体制側の宣伝っぽいよな」
 
側近「御用学者ってやつですか」
 
議長「「カダフィ政権が開発を放置した東部地域」とか言ってるぜ」
 
側近「やっぱりですね」
 
議長「結局、カダフィの時代ってのは、西のトリポリの連中が支配してた時代ってことなんだな」
 
側近「次は東のベンガジの時代と」
 
議長「そうそう」
 
側近「入れ替わっただけなんですね」
 
議長「オレは前からそういってたぞ」
 
側近「議長の言う通りでしたね」
 
議長「ほっほっほ」
 
側近「さらにこう言ってますね。
 
「部族は社会的なネットワークとしては重要な役割を果たしているが、国民の65%は40歳以下で、彼らにとって部族は政治的にそれほど重要ではない」
 
どうなんでしょう」
 
議長「確かにそうかもしれねえな」
 
側近「いまは情報も交通手段も発達してるし、自分の村で一生終える人は昔と比べて少なくなってるでしょうからね」
 
議長「しかし、じいさんたちの発言力はまだまだ強いと思うぜ」
 
側近「なるほど」
 
議長「隣のフランスの学者の話も面白かったな」
 
側近「どこでしょう」
 
議長「たとえばよ、
 
「リビアは欧州に地理的に近く、ロシアを牽制するという意義も大きい」
 
これは天然ガスについて言ってるんだけど」
 
側近「ロシアの外交カードは資源ですからね」
 
議長「なるほど、それで欧州が軍事介入したのかと納得したよ」
 
側近「「リビア介入は「アラブの民衆の側に立つ」というフランスの新たな外交指針を世界に印象づける好機となった」
 
とか」
 
議長「これも政府の宣伝だなw 別のところで目的は資源だって言ってるのによw」
 
側近「まったくですね」
 
議長「しかも自分とこの国を勝手に「友好国」とか言っちゃってるしよ」
 
側近「リビア市民のいったいどれだけがフランスを「友好国」だと思ってるんですかね」
 
議長「少なくとも西半分は敵だと思ってるよな」
 
側近「やっぱそうですよね」
 
議長「まあな、外交なんてのはホンネとタテマエだってのはわかるけどな」
 
側近「そうですね」
 
議長「この3人の中で、一番まともなのは小池百合子だな」
 
側近「そうですか。なんでですか?」
 
議長「利害関係がないから」
 
側近「なるほど」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
デフォルトについて考える 2011年10月27日14:39
 
最近よく聞く「デフォルト」。
 
「債務不履行」って意味らしい。
 
いま問題になってるギリシャの国債デフォルト。
 
要するにギリシャが自分とこの国債の利子を払えなくなることです。
 
しかし実際にデフォルトになった場合の、具体的な影響についてはあまり語られません。
 
 
25日の朝日にちょっとだけ出てました。
 
例えばロシアの事例だと、
 
「ロシアでは1998年、アジア通貨危機のあおりで金融危機が起き、借金が返せなくなった。(中略) ロシアの国債を持っていた銀行は次々につぶれ、企業の生産は落ち込み、失業率も上がった」
 
いかにも大変そうだけど、どうもイメージがわかんなあ。
 
 
 
私は経済破綻したと言われるギリシャに去年行ってみました。
 
そしたら普段と変わらない生活をしてました。
 
 
「財政危機なんじゃないの?」
 
と尋ねると、
 
「ああ。あんなもんは政治が悪いんだ」
 
 
そしてさっさと飲みに出かけてしまいました。
 
 
 
いいのかそんなんで???
 
ドイツ人怒ってんじゃん。
 
 
 
デフォルトしても、実は生活にはさほど影響はないんじゃないだろうか。
 
ってことはもしかしたら、一番困る企業の経営者=経団連のオッサンたちに、我々は騙されてるんじゃないだろうか。
 
と考えたら、いろいろ心当たりがあるような気がしました。
 
 
例えば日本は酒税が高い。
 
JRが24時間運転しないのはなぜか。
 
 
これらは「二日酔いは仕事に差し支えるからダメ」という点で共通してます……知らないけどさw。
 
 
あるいは歴史的な円高なのに、ぜんぜん消費者に還元されないとか。
 
ガソリン高止まりしてるのはなぜ? とか。
 
 
 
外国に行くたびに、日本人は経済大国のわりにはその恩恵を受けてない気がしました。
 
その余剰利益はさらなる投資に回され、我々の生活の向上は後回しにされてるのではないか……。
 
 
 
じつはデフォルトしてもたいして困らないのではないか???
 
財政危機とか景気悪化とか言って危機を煽って、我々を働かせようという企みなのでは???
 
 
 
 
そこで、ちょっと調べてみました(ほんのちょっとですが)。
 
 
教えてgoo  http://oshiete.goo.ne.jp/qa/4767209.html
 
にこんな書き込みがありました。以下抜粋です。
 
 
 
 
国債がデフォルトを起こせば例えば以下のようになる。
 
参考:アルゼンチンの国債デフォルト例。
 
2001年12月1日、アルゼンチン政府は国債の借り換えが終わるまでの間、銀行の預金流出を防ぐため、90日間の預金封鎖を実施した。
 
(1) 国民が銀行から引き出せるお金は週に250ドルまで。
(2) デビットカード、クレジットカード、小切手の使用は制限しない。
(3) 海外送金は1日1000ドルまで。
(4) 銀行貸付はドルのみとする。
 
 
 銀行には預金を引き出すため、行列ができると共に、アルゼンチン全土で暴動や略奪が発生し、アルゼンチンは国全体が大変混乱した。
 
アルゼンチン政府は12月23日、公的対外債務の一時支払い停止を宣言した。当面の生活資金を工面するため、市民が質屋に質草を持ち込み、銀行も質屋をやるようになった。
 
財政難を乗り切るために、国や州が独自の債権(ペソでもドルでもない)を公務員の給料支払いのために使われ、第二の通貨として広まった。
 
広場で開かれるフリーマーケットでは、物々交換では不便なため、クレジットという単位で、価値が計られる光景が見られた。
 
半年後の2002年6月1日、アルゼンチンのドゥアルデ大統領は、銀行預金凍結措置を段階的に解除すると発表した。内容は、ドル預金をペソに強制的に切り替えるや、ペソ建ての国債に切り替えるなど国民の財産は強制的に国に奪われた。
 
 
 
 
 
以上のことでいくつかの事実がわかりましたね。
 
 
・自由に貯金が下ろせなくなる。
 
・クレジットカードは使えるらしい。
 
・質屋が儲かる。
 
・自分たちの独自の通貨、公債が出回る。
 
・預金が目減りする。
 
 
 
私はかつてブラジルのハイパーインフレーションを実体験したことがあります。
 
当時(1993年)、1ドル=3000クルゼイロでしたが、半年後には30000クルゼイロになりました。
 
我々外国人としては、ドルをクルゼイロに替えるタイミングが重要でした。
 
日本大使館の人の話では市場明けの月曜日にガツンと上がって、あとはジリジリ……ということでした。
 
タイミングを間違えると1割くらい損しますからけっこう真剣でした。
 
しかし地元の人はクルゼイロで給料もらってるわけで、いったいどうするのか不思議でした。
 
 
 
その後、パラグアイに住んでた人に話を聞く機会がありました。
 
この国もひどいインフレに悩んでたんですが、彼によると、まとまったカネが入ると車とか家電とか、そういうのをとりあえず買うと。
 
そしてお金が必要になったら売ると。
 
そういうことを繰り返してたそうです。
 
 
つまり貨幣が信用できなくなると限りなく物々交換に近い社会が復活するわけですね。
 
だから上記の質屋が儲かるとか、フリマが流行るというのはよくわかります。
 
 
 
これ以外にも、政府が予算で賄ってる年金とか、国保とかに影響が出るんでしょうね。
 
国保3割負担が5割負担とかになるんでしょう。
 
年金はどんどん減って、お年寄りが生活できなくなるかもしれません。
 
あるいは公立病院がつぶれるとか。
 
道路が穴だらけでも補修されないとか、学校の備品がしょぼくなるとかw。
 
 
 
このあたりはわたしの語学力不足でギリシャ人にいろいろ話が聞けなかったのが残念です。
 
 
てなことで、やはりデフォルトになると大変らしいですね。
 
私の経団連陰謀説は間違いだったのかもしれませんが……でもやっぱりなんかおかしいよなあ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
日本沈没 2011年10月26日01:10
 
資料目的で最近見てる世紀末映画なんですが、今回は和製パニック映画。
 
小松左京の古典作品のリメイクなんですが、思ってた以上に面白かった。
 
特に震災のあとではリアリティがありすぎて怖いくらい。
 
 
 
それにしてもこの映画で描かれてる日本人の気質が興味深い。
 
いわゆる「滅びの美学」ってやつだ。
 
 
「日本は沈没しますよ。早く逃げないと」
 
 
と言われても、
 
 
「いえ、あっしは残りますんで」
 
 
という人がけっこういるという設定だ。
 
 
 
ハリウッドのパニック映画を見てると、なんとしてでも生き残ることがエライことで、そこで英雄的な働きをする人がもっとエライみたいな風潮なんだけど、日本人は、なんていうか最初から諦観みたいなのがあるんだよね。
 
この映画でも、
 
 
「航空券とったけど、順番待ちで乗れないから、あきらめたよ。あっはっは」
 
 
という人が出てくる。
 
アメリカ人なら他人を押しのけてでも乗り込むんだろうな。
 
そしてそれが当然の権利なんだろう。
 
 
 
しかし日本人はそれを見苦しいと感じてしまう。
 
どっちがいいとか悪いとかではないんだけど、おそらく日本人の方が異常なんだと思う。
 
 
利害関係を越えた、もっとなにか別の尺度が、日本人にはありそうだ。
 
それで実害を被るとしても「潔さ」を徳とするというか。。。。
 
 
 
 
福島で、被曝しますから逃げてくださいと言われても、津波が来るから危険だと言われても、故郷に住みたいから住むという人はけっこういる。
 
それが日本人の気質なんでしょう。
 
だから「エコ住宅建てますから、そこに住めばいいでしょ」という政府の方針に、地元の人たちが反発するのも、当然かもしれないなあと思った。
 
 
合理性とか利便性だけですべてを規定しようとすると失敗する。
 
今の世の中の行き詰まりも、結局そこに原因があるのかもしれないなあとか考えさせられました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「アラブの春」からNYデモへ 2011年10月25日00:13
 
側近「議長、今日の朝日読みましたか?」
 
議長「ああ」
 
側近「中東総局の石合氏のコラム、面白かったですね」
 
議長「そうだな」
 
側近「ウオール街のデモがエジプトのデモを煽ったネット組織と通じてたというのは、けっこう衝撃的ですよね」
 
議長「それもそうだが、マイケル・サンデル教授に批判的なのが面白かったよ」
 
側近「ああ。ここですね。サンデル氏の発言で「アラブの春」について、
 
「我々の生涯のなかでもっとも重要な政治的進展の一つ」
 
「それは確立された民主主義の中にいる我々が、尊厳、公正、とりわけ市民権といったものをより完全に理想的な形で体現する上で刺激になる」
 
なに言ってるんだかさっぱりわかりませんが」
 
議長「要するに民主主義が確立してるアメリカでも、市民権について考える時に参考になるってことだろ」
 
側近「なるほど」
 
議長「サンデル氏はさらにこう言ってるそうだ。
 
「アラブの春の結果、アラブ世界、そして世界全体がよくなる」
 
笑っちゃうよな」
 
 
側近「笑っちゃいますか」
 
議長「笑っちゃうよ。フランシス・フクヤマかオマエは? って感じだな」
 
側近「誰ですかそれ?」
 
議長「「歴史の終わり」って本を書いたアメリカの学者だよ」
 
側近「へええ」
 
議長「冷戦後に、アメリカの民主主義が勝利して、世界は平和になるって本だ」
 
側近「ぜんぜん違いましたね」
 
議長「そう。大ハズレだったわけよ。サンデルさんも同じようなもんじゃねえか?」
 
側近「そうですね」
 
議長「だいたい「アラブの春」ってネーミング自体が欧米の自画自賛だよな」
 
側近「そうすかね」
 
議長「アラブ人にとっちゃあ民主化なんてどうでもいいんだよ」
 
側近「はあ」
 
議長「ムバラクとかベンアリとかいう一部の権力者がごっそり儲けてることに対して怒ったんであって、「民主主義を求めて立ち上がった」なんてのは欧米の勝手な解釈に過ぎないよ」
 
側近「なるほど」
 
議長「それによ。次の選挙とか始まってるけど、組閣まで相当時間かかるぜ」
 
側近「やっぱそうですか」
 
議長「どこの誰がどのポストに就くかで暗闘があるわけだよ。アフガンもそうだったけどよ」
 
側近「そうでしょうね」
 
議長「そんで最終的に、次の独裁者が出てくるわけだ。今度はもっと小粒かもしれねえけどな」
 
側近「結局どうなるんですか?」
 
議長「何度も書いてるけどよ、結局アラブってのは部族社会だからな」
 
側近「はあ」
 
議長「部族社会ってことは究極のコネ社会ってことだ」
 
側近「はあ」
 
議長「ムバラクとかベンアリがクビになったら、反対勢力の部族が政権を握るわけだ」
 
側近「はあ」
 
議長「そんで今度はそいつらが汚職して儲ける」
 
側近「じゃあ変わらないわけですね」
 
議長「そう。変わらない」
 
側近「コラムによるとネットで政治家を監視するシステムを作ると、ネット組織の代表さんが言ってますが」
 
議長「そういう若い連中の意見がどれだけ取り入れられるのかは疑問だけどな」
 
側近「そうですか」
 
議長「このコラムでも書いてるよな。
 
「米国発の「占拠」運動は、民主的な政治システムを持つ先進国でも、国単位の政治では、グローバル経済にさらされた地球市民の「格差」を正すことが極めて難しいことを示している。同じように国単位で起こる「中東民主化」は、格差是正の処方箋には、おそらくなり得ないのだ」
 
側近「どういうことですか?」
 
議長「要するに先進国でも格差解消は難しいんだから、中東でも同じように難しいんじゃないかということだ」
 
側近「そうでしょうねえ」
 
議長「砂漠地帯ってのは格差ができやすいんだ」
 
側近「そうなんすか?」
 
議長「砂漠じゃあ水の確保が必須だろ」
 
側近「そうですね」
 
議長「水の利権を持ってるヤツがエライわけよ」
 
側近「そうか」
 
議長「農業やるのに灌漑が必要だけど、そういう大工事ができるのは大金持ちの地主だけだ」
 
側近「そうっすよね」
 
議長「そうすると水利権ってのは、ますます一部の権力者に偏ることになるのよ」
 
側近「なるほど」
 
議長「そしてそういう連中の利権ってのはガッチリ温存されてるわけだ」
 
側近「そうなると「アラブの春」なんて、ホントに見せかけだけですね」
 
議長「まあそういうことになるだろうな」
 
側近「なんとかする方法はないんですかね?」
 
議長「……ねえな」
 
側近「ないんすか!?」
 
議長「だいたい民主主義って制度がアラブに定着する見込みはねえな」
 
側近「そこまで言っちゃいますか?」
 
議長「でもな、欧米人が言うように民主主義が最善かっていう疑問もあるわけだよ」
 
側近「まあそうですが」
 
議長「オレはアラブ首長国みたいにすればいいんじゃねえかと思うんだけどな」
 
側近「ドバイがあるとこですよね」
 
議長「そう。あそこは7つの首長、つまり部族が寄り集まって一国家になってるわけよ」
 
側近「はあ」
 
議長「要するに首長の合議で決まるわけだ」
 
側近「なるほど」
 
議長「選挙ってのは、みんなでリーダーを決める制度だろ?」
 
側近「そうですね」
 
議長「選挙でなくても、みんなが認めるリーダーがいれば、それでいいんじゃねえか?」
 
側近「なるほどね」
 
議長「特に部族社会のアラブじゃあ、各部族の首長が合議していろいろ決めた方が、よっぽど民意が反映されるんじゃねえかな」
 
側近「しかし選挙ってのは公正な方法ですよね」
 
議長「しかしよ。いくつもライバル部族が競合してて、その中でたったひととりの大統領を決めるってのは争いの元じゃねえか?」
 
側近「確かに」
 
議長「アラブってのは究極の家族主義だからな。詳細は「ハビビな人々」(文藝春秋)って本を読んで欲しいんだけどよ」
 
側近「また自分の本の宣伝ですか議長www」
 
議長「ともかく民主主義を押しつけるような欧米のやり方が、紛争の原因だとオレは思うな」
 
側近「なるほどねえ」
 
議長「まあ、それがヤツらの外交カードでもあるんだろうけどな」
 
側近「民主主義じゃないからって戦争しかけちゃいますからね」
 
議長「そう。そして中国から石油利権を奪うわけだ」
 
側近「カダフィ、ちょっとかわいそうですよね」
 
議長「反体制勢力の民兵が強盗とかやってるらしいな」
 
側近「そうみたいですね」
 
議長「革命でよくなったんだか悪くなったんだか、わかんねえよな」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
カダフィ死亡、今後の中東情勢は?? 2011年10月21日00:21
 
側近「議長! 速報っすよ。カダフィ死亡!」
 
議長「そうかい」
 
側近「案の定、動じませんね議長」
 
議長「まあ想像はついたな」
 
側近「やっぱシルトにいましたか」
 
議長「そう。外国逃亡説もあったけどな、結局地元が一番安全ってことだったんだろうな」
 
側近「それにしても反体制派が突入して、たったの90分で陥落したってのはどうなんすか?」
 
議長「それもまあ、ありうることだ」
 
側近「なんでですか? カダフィの地元なんですよね?」
 
議長「アラブ人ってのはな、勝ってる時はやたら強いけど、負け込むとさっさと逃げるんだ」
 
側近「はあ」
 
議長「「アラビアのロレンス」も嘆いてるよ。勇猛に戦うけど、戦闘が終わったら、ただの夜盗に成り下がるって」
 
側近「へええ」
 
議長「もともと交易で儲けてた連中だからな。利に賢いんだよ」
 
側近「ほお」
 
議長「負け込んできたらさっさと逃げて勝ち馬に乗るのが普通なんだよ」
 
側近「なんだか狡いですね」
 
議長「そんなことねえよ。「忠臣は二君に使えず」なんて言ってるのは日本人くらいなもんだ」
 
側近「なるほど」
 
議長「カダフィもバニワリードが陥落したところで、観念してたんじゃねえかな」
 
側近「それにしてもカダフィも結局サダムと同じ運命になっちまいましたね」
 
議長「あいつはサダムみたいになりたくねえから欧米と妥協したんだけどなあ」
 
側近「許してもらえなかったみたいですね」
 
議長「中国と仲良くしすぎたんじゃねえか?」
 
側近「これで産油国で反米国家はイランくらいなもんですかね」
 
議長「そうさな」
 
側近「これからどうなるんでしょうかねえ?」
 
議長「イエメンとシリアは現状維持だろうな」
 
側近「なんでですか?」
 
議長「シリアはイスラエルが近いから」
 
側近「イエメンは?」
 
議長「アサド政権が倒れたらソマリアみたいになっちまうから」
 
側近「しかしこの間イエメンの女の子がノーベル平和賞受賞してましたよね」
 
議長「ああ。あんなのはただの人気取りだ」
 
側近「人気取りっすか?」
 
議長「だいたい他の賞みたいに客観的な評価ができないじゃねえかよ」
 
側近「確かに」
 
議長「それに金大中みたいに、あからさまな受賞狙いの接待してたのもいるしよ」
 
側近「議長はどうなんすか?」
 
議長「まあオレもそうだけどよ」
 
側近「やっぱりwww」
 
議長「そんなことはどうでもいいんだよ。問題はイランだな」
 
側近「やっぱ大国イランですか」
 
議長「7000万人からいるからな」
 
側近「どうするんでしょうかね」
 
議長「今回みたいな民主化運動を扇動して暴動を起こすか……」
 
側近「ほお」
 
議長「今まで散々イランのネガティブキャンペーンやって来たわけだよ」
 
側近「そうですね」
 
議長「人権問題とか女性抑圧とか非民主主義的とか」
 
側近「そうそう」
 
議長「世界世論のコンセンサスは得てるわな」
 
側近「しかしイランの場合はカダフィみたいに明らかな独裁者がいないですよね」
 
議長「そう。そこだよ。わかりやすい悪役がいねえんだな」
 
側近「アフマディネジャドさんは?」
 
議長「ありゃあ小粒だな」
 
側近「そうすか」
 
議長「それにな、あのオジサン、いつもポンコツセダンを自分で運転してるらしいぜ」
 
側近「意外と庶民派なんですね」
 
議長「作業着とか似合いそうじゃね?」
 
側近「確かにwww」
 
議長「だから攻撃の対象にはなりにくいな」
 
側近「そうすると?」
 
議長「……わかんねえな」
 
側近「わかんないんすか!?」
 
議長「重要なのはサウジとの関係だ」
 
側近「はあ」
 
議長「サウジとイランはどうしようないくらい仲が悪い」
 
側近「それで?」
 
議長「平たく言うとサウジはイラン革命が飛び火して王制が崩壊するのが怖い」
 
側近「ほおほお」
 
議長「しかしヤツらが経済封鎖されていて儲かってもいる」
 
側近「なんでですか?」
 
議長「イランのオイルマネーはドバイに流れてるんだ」
 
側近「そうなんすか?」
 
議長「そう。ドバイが窓口になってるんだよ」
 
側近「なるほど。それであんなに発展したんですかね」
 
議長「おそらくそれもあるな」
 
側近「ということは……」
 
議長「そう。イランは現状維持の方が、湾岸諸国には都合がいい」
 
側近「おお。さすが議長!」
 
議長「それにイラン人はアラブ人とは違う」
 
側近「え? アラブ人じゃないんすか?」
 
議長「あいつらはアーリア人種だよ」
 
側近「知りませんでした」
 
議長「イランの語源はアーリアンだ」
 
側近「さすが議長!」
 
議長「どうもアラブ人ってのは、「ハビビな人々」(文藝春秋刊)過ぎるんだな」
 
側近「議長、さりげなく自分の本の宣伝ですねwww」
 
議長「つまり身内主義が強すぎるんだ」
 
側近「なるほど」
 
議長「だから議会政治ってのが定着しないんだな」
 
側近「それで?」
 
議長「同じイスラム国家でもトルコとイランでは議会政治ができてる」
 
側近「確かに」
 
議長「そういう意味で、おそらく欧米のイランに対する扱いも、若干違ってくるんじゃねえかな」
 
側近「へええ。なるほど」
 
議長「いずれにしてもカダフィは悪いヤツじゃなかったとオレは思うぜ」
 
側近「確かにサダムの時の論調と比べると、ずいぶん同情的な書き込みが多い感じがしますね」
 
議長「ビンラディンが死んだ時のアメリカ人の喜び方を見て、みんな興ざめしたんじゃねえかなあ」
 
側近「なんとなく、みんなウラに隠されてる不正みたいなものに気づき始めてるんですかね」
 
議長「そうかもしれねえな」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
革命が盗まれる 2011年10月19日11:59
 
側近「議長、その後の中東情勢なんですが」
 
議長「ああ」
 
側近「どうもデモ後は沈滞してるみたいすね」
 
議長「そうだろうな」
 
側近「どうなってるんでしょうか」
 
議長「ようするに独裁者がいなくなって、そのあとの利権争いにみんなウンザリしてるってことだろ」
 
側近「利権争いですか」
 
議長「そう。部族間の争いだよ」
 
側近「はあ」
 
議長「結局次はどこの部族がどれだけ分け前を取るかでもめてるってことだ」
 
側近「確かに今日の朝日には、現地の若者の発言として、
 
「部族関係者や旧与党関係者が看板を書き換えて立候補し、イスラム主義者と争っている。投票したい政党がない。私たちは自由な新しい社会をつくろうと立ち上がったのに、このままでは革命が盗まれてしまう」
 
と言ってますねえ」
 
議長「そりゃあそいつの意見だろ」
 
側近「は?」
 
議長「結局な、アラブってのは部族社会なんだよ」
 
側近「はあ」
 
議長「だから部族のエライサンの意見ってのは絶対なの」
 
側近「はあ」
 
議長「若者の意見がどうだとか、そんなのぜんぜん関係ないの」
 
側近「そうなんすか?」
 
議長「日本の明治時代くらいを考えてみたらいいよ」
 
側近「はあ」
 
議長「親の意見は絶対だっただろ? 学生は書生さんっていわれて実業家の秘書みたいなことしたわけだ。政治的な発言力なんてゼロだ」
 
側近「なるほど」
 
議長「世界中の多くの国は日本の明治時代くらいのもんだよ。そこで止まってるんだ。逆にいえば先進国の方が、異常に発展した特異な例なんだよ」
 
側近「わかりやすいですね」
 
議長「だから若者の意見なんてどうでもいいんだよ。老獪な政治家が自分の利権だけ考えてうまく立ち回って、結局元どおりの汚職まみれの政権ができあがるんだよ」
 
側近「じゃあ革命なんて意味なかったと」
 
議長「だから前から言ってるじゃねえかよ。変わらないって」
 
側近「それにしても残念ですね。せっかく民主化するかと思ったのに」
 
議長「たいして残念じゃねえよ」
 
側近「なんでですか?」
 
議長「それが世界の常態だから」
 
側近「といいますと?」
 
議長「世の中ってのはコネ社会だろ?」
 
側近「まあそうですね」
 
議長「縁故のヤツの方が安心できるわけだよ。みんなそうだ」
 
側近「そうですね」
 
議長「中国に科挙って試験があっただろ」
 
側近「ありましたね。ものすごい難しかったんですよね」
 
議長「そう。あれに合格するために一族で応援したわけだ」
 
側近「はあ」
 
議長「そして合格したらどうなるよ」
 
側近「喜びます」
 
議長「それだけかオマエ?」
 
側近「ええと。いろいろ口聞いてもらいます」
 
議長「そう。それだよ。つまりな、いわゆる汚職ってのは別に悪いことじゃないんだよ」
 
側近「そうですか」
 
議長「そうだよ。その一族にとっては」
 
側近「確かにそうですが公にはダメでしょ」
 
議長「公って誰のことだよ」
 
側近「国民です」
 
議長「国民って概念は、アラブにはあんまりないんだ」
 
側近「はあ」
 
議長「さっきも言ったように部族社会なんだよ。彼らにとっては自分とこの部族がすべて。リビアとかチュニジアって国自体には、あんまり意味がないんだ」
 
側近「はあ」
 
議長「つまり彼らにとっては公ってのは自分が所属してる部族とその味方ってことになる」
 
側近「なるほど。そうなると汚職も汚職でなくなると」
 
議長「そういうことだ」
 
側近「じゃあ選挙なんて意味ないですね」
 
議長「自分とこの部族の利権こそが彼らにとっては大事なんだよ。だからムバラクとかベンアリとかいなくなったら、ここぞとばかりに分け前をぶんどろうとするわけだ」
 
側近「なるほど」
 
議長「そしてそれは、ヤツらにとっては非常に正当なことなんだよ」
 
側近「じゃあ混乱は収まりませんねえ」
 
議長「結局、大部族のエライのが大統領になって新しい独裁者になるんだよ。そして親の総取りでボロ儲けするんだ」
 
側近「やっぱり民主化はダメなんですかね?」
 
議長「別に民主化する必要なんてないだろ?」
 
側近「そうなんすか?」
 
議長「だって、そうやってかわりばんこに独裁者が出てきたらよ、いつか自分とこの部族が儲けるんだから」
 
側近「なるほどそういう考え方ですか」
 
議長「冷や飯食ってる間は確かにかわいそうだけどなwww」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
地球にやさしい生活 2011年10月17日13:50
 
同タイトルの映画を新宿武蔵野館で見てきた。
 
 
ニューヨーク在住のライター一家(奥さんはビジネス誌の編集者)が、究極のエコ生活を一年間実践する。
 
 
トレペなし。 ←よくわかんないけど読んだ本を片っ端から破いて使うらしい。
 
電気もなし。 ←ガスコンロは使ってた。
 
買い物しない。 ←しかし地元産の有機野菜とか魚は買ってた。
 
 
一番困ったのは冷蔵庫で、最終的には近所の知り合いから氷をもらってクーラーボックスを利用する。 ←これはアリか??
 
 
ノー・インパクト・マン
 
 
としてラジオに出演したら、テレビ取材が殺到する。
 
その激変ぶりがすごい。
 
テレビ番組にひっぱりだこになる。
 
 
ブログには賞賛と誹謗中傷メールが連日数百件もやって来る。
 
一番ウケたのは、
 
 
 
「オマエの新著でケツを拭く日が楽しみだ」
 
 
 
 
しかし一方で「売名行為」とか「不愉快だ」とかいう書き込みで夫婦がへこむ。
 
友人が「(汚いから)旦那から握手するなって言われた」とか。
 
どこの国にも心ない人はいるよな。
 
 
 
 
しかし一年間の実践で、ブランド好きの典型的なアメリカ人だった奥さんの考え方がすっかり変わってしまった。
 
 
通勤は自転車。
 
市民農園で畑を耕す。
 
テレビもない。
 
地産地消を実践して、輸入商品はいっさい買わない。
 
 
 
 
この映画を見てTPPについて考えさせられた。
 
確かにTPPに加盟すると、乳製品とか医薬品とか安いものがたくさん輸入されてくるんだろうが、しかしそれを運ぶために膨大なエネルギーがかかることはあまり報道されない。
 
こういうムダは、確かにないほうがいい。
 
 
 
私自身はエコにはたいして興味がなくて、今の生活は結果的にエコなだけなんですけどね。
 
「ノー・インパクト」とまでは行かなくても、「レス・インパクト」くらいでいいかなと思いました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
サンデル氏の授業その2 2011年10月16日23:08
 
前の日記の続きです。
 
 
 
あのあとサンデル氏の著書をパラパラ読んでいて、もう一カ所ツッコミどころを発見したので報告します。
 
 
 
命の重みというテーマでこんなエピソードが紹介されていた。
 
アフガンで実際にあった事件だそうだ。
 
 
アフガン戦争の時、タリバン幹部のアジトを攻撃する隠密部隊が派遣されたそうだ。
 
メンバーは四人。
 
しかしアジトに向かう途中で、三人の羊飼いに遭遇する。
 
このアフガン人の羊飼いをどうするかで、メンバーの意見が分かれた。
 
とあるメンバーは殺した方がいいという。
 
タリバンに通報される危険があると。
 
一方で罪のない民間人を殺すことに罪悪感を感じるメンバーもいた。
 
結局、多数決で逃がすことにした。
 
 
 
 
しかしこの羊飼いたちは案の定、タリバンに通報した。
 
 
 
隠密部隊は取り囲まれて四人のうち三人は殺され、救援に来たヘリも撃墜されて一六人が死亡した。
 
唯一生き残ったメンバーのひとりが、あとで非常に後悔する。
 
あのときあの羊飼いを殺しておけばよかったと。
 
 
 
 
そしてサンデル氏は3名の命と16名+3名の命、どっちが助かるべきだったのかを問う。
 
 
一見して、なるほど兵士の苦悩もわかなくもないよな、と思うわけです。
 
 
 
 
 
 
 
でですね。
 
私の意見はこうです。
 
 
 
 
 
軍人が民間人を殺していいわけないじゃん。
 
軍人は常に戦死するリスクを背負ってるけど、民間人は違うじゃん。
 
隠密作戦なら、撤収という選択肢もあったんじゃないのかなあ。
 
 
いずれにしても民間人を殺すという選択肢は、ありえないよ。
 
 
 
 
 
 
しかしそれ以上に問題だと思うのは、この事例自体が、ひどい人種差別をはらんでいることです。
 
 
 
 
状況をアメリカにして考えてみたらわかりやすいです。
 
 
 
シカゴのマフィアのアジトを急襲する警察部隊がいる。
 
包囲し始めたところで民間人が通りかかる。
 
実は彼はマフィアに知り合いがいて携帯で通報する。
 
警察が踏み込むと反撃され、多数の殉職者が出てしまった。
 
 
 
こういうケースの時に、
 
 
「あの時あの民間人を殺しておけばよかった」
 
 
とは絶対にならないでしょう。
 
でもアフガンの場合には、それが罷り通るんだよね。
 
 
 
 
そしてそういう兵士の後悔や苦悩を、サンデル氏は「正当なこと」だとしてとりあげているわけです。
 
 
 
相手がアメリカ人の民間人だったら殺すなんてとんでもないことだけど、アフガンの民間人だったら、それは正当防衛として許容される。
 
 
 
これはもう命の重みとか、そういう以前の問題なんじゃないでしょうか???
 
 
 
 
これを書いてて「ハートロッカー」という映画を思い出しましたよ。
 
あの映画も米軍兵士の苦悩ばっかり描かれてた。
 
現地のイラク人は、まるで風景の一部のようだった。
 
 
数多あるベトナム映画もそうだ。
 
米兵の苦悩とか苦しみだけが描かれる。
 
ベトコンの襲撃なんてのは天災みたいなもので、ベトナム人は戦争という「状況」の一部でしかない。
 
彼らにも家族がいて子供とかいるかもしれないけど、そういうことには一切触れない。
 
 
 
 
 
まあしかし、羊飼いの殺害を思いとどまった兵士たちは立派ですよね。
 
でも後悔はしないでほしい。
 
むしろ罪のないアフガンの民間人を救ったことを誇りに思ってほしいな。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
マイケル・サンデル氏の「正義」の授業 2011年10月15日09:38
 
週刊新潮に連載している高山正之氏のコラムは辛口で好きだ。
 
ちょっと右に傾きすぎなところもあるが面白い。
 
 
 
この中でマイケル・サンデル氏についての批判記事があった。
 
マイケル・サンデル氏といえば、ここ数年ハーバード大学の「正義」の授業で話題になった人だ。
 
「正義」について学生と討論する。
 
 
 
単行本にもなっている。
 
 
「これから「正義」の話をしよう」早川書房である。
 
 
この間漫喫で見つけたので冒頭部分だけ読んでみた。
 
2004年のフロリダでの台風被害について書かれている。
 
 
 
「オーランドのあるガソリンスタンドでは、一袋二ドルの氷が一〇ドルで売られていた」
 
「木々が吹き倒れたせいで、チェーンソーや屋根修理の需要が増加した。家の屋根から二本の木を取り除くだけで、業者はなんと二万三〇〇〇ドルを要求した」
 
「小型の家庭用発電機を通常は二五〇ドルで売っている店が、ここぞとばかりに二〇〇〇ドルの値札をつけていた」
 
「老齢の夫と障害を持つ娘を連れて避難した七七歳の婦人は、いつもなら一晩四〇ドルのモーテルで、一六〇ドルを請求された」
 
 
 
このような事例を列記して、サンデル氏はこれが正義が悪かと問いかける。
 
 
フロリダ住民が怒るのはもっともだし、地元の裁判官も、強欲だと非難した。
 
 
しかし一部の経済学者は、便乗値上げは当然だと言った。
 
市場原理に照らせば適正な価格だと。
 
価格というのは需要と供給によって決まるのだと。
 
 
 
 
さて、これをわれわれ日本人の立場から考えてみたらどうだろうか。
 
私の感想はこうである。
 
 
 
話になんないよ。
 
悪に決まってるじゃんよ。
 
日本でそんなことした村八分だよ。
 
復興した後どうするの?
 
そんな強欲な店、二度と誰も買わなくなっちまうじゃんよ。
 
 
 
 
この間の震災でも、もしかしたら便乗値上げはあったのかもしれない。
 
しかしそれが話題にすらならなかったということは、ここまで暴利な事例はなかったということだろう。
 
要するに日本人にとって、このような事例は正義か悪かという議論以前の問題なんだと思う。
 
 
 
そしてこのような事例が、そういう議論の対象になってしまうアメリカという国のメンタリティを疑わざるを得ない。
 
 
さらに言えば、非常時に当然のように略奪が横行するアメリカと、せいぜいプロの泥棒による空き巣被害くらいしか起きなかった日本との、大きな違いではないかと思う。
 
 
 
 
こういう「立場の強い人間が暴利を働いても許される」という思想が、アメリカの強欲資本主義を生んだ元凶なんじゃないのかなあ。
 
 
 
 
 
サンデル氏の問いかけというのは、平たく言えば
 
「モラルと市場原理とどちらが優先されるべきか」
 
ということなんだろう。
 
 
しかし市場原理なんぞよりも、モラルがなければ世の中は成り立たないということを、震災で日本人が証明し、そしてそれを世界中が賞賛した。
 
 
 
やっぱり世界を救うのは東洋思想だ!・・・きっと!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
クルーグマン氏のコラム 2011年10月14日12:15
 
朝日の同氏のコラムが面白かったので備忘録代わりに書き留めよう。
 
内容はウオール街のデモ行進について。
 
 
「この抗議運動はすでに、ウォール街から猛烈にヒステリックな反応を引き出した」
 
 
へええ。そうなんだ。
 
いったいどんだけヒステリックだったんだろう。
 
 
「カンター下院院内総務は「暴徒」「米国人同士の対立をあおるもの」と非難した」
 
「大統領選に挑む共和党候補者たちも、批判に加わった。ロムニー候補は抗議者たちを「階級闘争」を仕掛けるとして糾弾。ケイン候補は「反米国人」と呼ぶ」
 
ニューヨークのブルームバーグ市長は、
 
「この街で働く人々から仕事を奪おうとしている」
 
と声明を出し、テレビ局のCNBCは、
 
「異端の旗をはためかせ」「レーニンのもとに結集」などと表現したという。
 
CNBCというのは金融専門のニュース番組らしい。
 
共和党議員ばかりがこういう発言をしているところが注目である。
 
 
 
 
「つまり、金持ちに有利なシステムからもうけている富裕層は、このシステムの不正さを指摘する人に対し、ヒステリックに反応する、という症状が広がっているのである」
 
「ウォール街の悪役ヒーローたちは、倫理的に自分たちの地位を正当化できないことを悟ったのだ。彼らは複雑な金融商品を売り歩くことで金持ちになったような人たちだ。そしてこの金融商品は、米国の人々に利益を分配するどころか、危機に陥れた」
 
「彼らは厳格な審査があってはならない、と思っている。明白な事実を指摘する人は、だれであれ、またどんなに冷静に穏やかに指摘しようとも、悪者扱いされ、舞台から引きずり降ろされるのだ」
 
 
 
 
これを読んでいると、民衆が冨の再分配を求めているという点で、アラブの争乱と根っこの部分で、なんら変わりがないことがよくわかる。
 
 
アラブの独裁者はデモ抗議に対して、ネットとか携帯の不通とかで対抗した。
 
さらには軍を出動させて民衆を虐殺した。
 
 
 
アメリカの強欲資本主義はメディアを握っている。
 
だから「報道上での正義」で対抗してきた。
 
 
 
しかしそれでもばれてしまった。
 
 
今後どうなるんだろうか。
 
これについてはクルーグマン氏は書いてない。
 
だけど強欲資本主義が生き残ることは間違いないだろう。
 
 
 
 
私は思うんだが、生涯賃金に上限を設けたらどうだろうかね。
 
年俸70億円とかいうアタマのおかしい給与が認められてること自体が意味不明だよね。
 
 
 
生涯賃金が累積100億円に達したら、はい、終了。
 
あとは無給で社会に奉仕する。
 
あるいは高野山にでも逼塞して晴耕雨読な暮らしをする。
 
 
そういうインド人みたいな清貧の思想がカッコイイという風潮が広がれば、バカみたいな高給現象も改善されるんじゃなかろうか。
 
 
世界を救うのは東洋の清貧思想だと思うぞオレは。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「ザ・ロード」と「ウオーカー」 2011年10月13日22:23
 
最近、いろいろ調べもので世紀末映画を立て続けに見てるんですが、今回見たのはタイトルの似たような映画ふたつ。
 
両方とも、なんかわかんないけど世界戦争で終わってしまった世界をひたすら歩き続ける話。
 
 
まずロードの方。
 
寒そうだ。
 
しかも空腹。
 
 
親子が風呂に入るシーンがあるんだが、二人ともガリガリに痩せてた。
 
すごい役者魂っす。
 
 
 
空腹と言えば、この手のハリウッドの世紀末映画で必ず出てくるのが「人肉食」なんですよね。
 
人肉を食うために人狩りをやってたり。
 
ワナで人間をとっつかまえて食ったり。
 
 
 
 
「ウオーカー」にも「食人」が出てくる。
 
 
 
西洋人ってのは、なんでこんなに「食人」に敏感なんだろうか。
 
かつて「生きてこそ」という映画があったが、これも人肉食ってた。
 
最初に食うやつがヒーローみたいになってたですよ。
 
 
 
日本では人肉食ったって話はあんまり聞かないが、まあしかし「ひかりごけ」とかあるしね。
 
どこも同じかもしれませんが。
 
 
 
 
 
 
あと崩壊した社会のモラルハザードが甚だしい。
 
これは要するに、アメリカ人が「いったん社会が壊れるとこうなるだろう」と想像するリアルな未来なんだろうと思う。
 
 
 
日本人が描く世紀末ってどうかなあ。
 
とりあえずは人肉がどうしたっていうのは、それほど大きなテーマにはならない気がするな。
 
「北斗の拳」もメチャクチャだけど人肉は食わなかったな。←少年マンガじゃマズイだろ。
 
 
 
 
ウオーカーの方は、どっちかというとヒーローものに近い。
 
というかこれは西部劇です。
 
ならず者の町とお尋ね者みたいな腕の立つ主人公。
 
 
 
ちょっと気になったのは、主人公が身につけてるマフラーが、ムスリムがよく巻いてる「マシャダ」というスカーフなんですよね。
 
でも主人公はかなり信心深いキリスト教徒。
 
これはいったいどういう意味なんだろうか???
 
 
 
 
このふたつの映画で際だって異なるのは、宗教観です。
 
ロードの方はキリスト教に懐疑的。
 
教会で焚き火する親子のシーンは、まさに宗教の無力さを象徴してます。
 
 
 
一方のウオーカーは、ぶっちゃけ言っちまうと、みんなが「聖書」を探してるんですよね。
 
モラルが破壊された世の中では聖書=秩序が必要なんだと。
 
 
 
 
前に書きましたが、キリスト教徒というのは神様に対して罪悪感を持つそうです。
 
日本人は「世間に顔向けできない」わけですが、キリスト教徒は「神様に顔向けできない」。
 
そこでモラルが保たれるわけですが、しかしいったん神様を信じなくなると、手がつけられない。
 
マッドマックスみたいな無法地帯になってしまう。
 
日本の方が衆人環視がされやすい社会とも言えましょうか。
 
 
 
 
あとロードの方ではアメリカ人の「理想と現実」というのが、ものすごく強調されてた。
 
オヤジは人を殺しても自分たちは生き残るという現実のアメリカ人の姿。
 
息子は善意にあふれ、そうありたいという理想の姿。
 
そして現実の壊れた家庭と、最後に現れる理想の家庭が対比される。
 
 
 
2作品とも非常にアメリカ人受けしそうなテーマの映画だったですが、あっしはロードの方が好感が持てたです。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
アメリカ大統領選挙 2011年10月13日11:40
 
側近「議長、ぼちぼちアメリカ大統領選挙がやかましくなってきましたね」
 
議長「そうだな」
 
側近「ところで私、前から疑問に思ってたんですが」
 
議長「なにが?」
 
側近「アメリカって民主党と共和党じゃないですか」
 
議長「ああ」
 
側近「民主党ってリベラルですよね」
 
議長「ああ」
 
側近「共和とって保守ですよね」
 
議長「ああ」
 
側近「そんで共和党は金持ち優遇政策なんですよね」
 
議長「そうだな」
 
側近「民主党は増税とかやりますよね」
 
議長「そうだな」
 
側近「……そうなんですよ」
 
議長「じゃあいいじゃねえか」
 
側近「いやつまりですね。アメリカって格差社会じゃないですか」
 
議長「ああ」
 
側近「ってことは貧乏人がたくさんいると」
 
議長「そうだな」
 
側近「じゃあ民主党が毎回勝って当然じゃないかと思うんです」
 
議長「なるほどな」
 
側近「でも共和党と二大政党で張り合ってるんですよね? なんででしょうかね」
 
議長「なるほど」
 
側近「なるほどじゃなくて」
 
議長「ウイキによるとな、アメリカの貧困層はだいたい15%なんだってよ」
 
側近「はあ」
 
議長「あとは中の下と中の上くらいの連中が大半なわけだ」
 
側近「はあ」
 
議長「そいつらがどっちに投票するかだな」
 
側近「そうですね」
 
議長「……それだけだ」
 
側近「それだけですか!?」
 
議長「あと宗教の問題があるな」
 
側近「宗教と選挙って関係あるんですか?」
 
議長「アメリカの場合は相当関係あるな」
 
側近「はあ」
 
議長「アメリカのネオコン連中が共和党を支持してるだろ」
 
側近「そうですね」
 
議長「宗教ってのは、貧乏人の方が信じやすいんだ」
 
側近「なんでですか?」
 
議長「貧乏人はな、現状の不幸を不幸と認めたがらないだろ」
 
側近「はあ」
 
議長「そして貧乏を不幸ではなくて宗教の教えによる禁欲とすり替える」
 
側近「なるほど」
 
議長「そこに宗教が介在する理由が生まれるわけだ」
 
側近「へええ」
 
議長「石毛直道のこんな文章がある。
 
「宗教哲学に無知な無信仰者の見解として、宗教にあらわれる禁欲思想を皮相的に解釈するならば、それは人間の欲求水準を低くおさえておくことによって、社会秩序を維持しようとする方法であるといえる。(中略)巨視的にいえば、物質的な生活水準が満たされたときには、宗教はあまり力をもたなくなる。社会的矛盾の上に宗教はひとつの活力を見いだす、という傾向があるようだ」(『食事の文明論』中公新書)」
 
側近「なるほど確かにそうですね」
 
議長「アメリカってのは南部の方が一般的に貧乏だ」
 
側近「そうかもしれませんね」
 
議長「その南部でゴリゴリのネオコンが多いのは、おそらくこの理屈によるんだと思うな」
 
側近「てことはアメリカの白人貧困層が共和党を支持してるんですか?」
 
議長「おそらくそういう傾向が強いんじゃねえかな」
 
側近「しかし自分たちの貧乏を考えたら、普通は金持ち優遇政策なんか支持しませんよねえ」
 
議長「しかしネオコンはそれだけを言ってるわけじゃねえよな」
 
側近「あ、中絶反対とか?」
 
議長「そうそう。ホモはダメとか」
 
側近「なるほど。そっちで支持を取り付けてるわけだ」
 
議長「南部でKKKとかやってた連中も白人貧困層が多かったそうだ」
 
側近「そうなんすか」
 
議長「要するに現状の不満を黒人にぶつけてたわけだな」
 
側近「卑劣ですね」
 
議長「しかしな。アメリカ政府にとっては貧困層は必要なんだ」
 
側近「なんでですか?」
 
議長「貧乏人は軍隊に入るからだよ」
 
側近「あ、そうか」
 
議長「米軍を維持するには一定レベルの貧困層が必要なんだ」
 
側近「なるほど」
 
議長「そうすると、なんか見えてこねえか?」
 
側近「といいますと?」
 
議長「共和党が金持ちを優遇政策をやる」
 
側近「はあ」
 
議長「そうすると貧困層が増える」
 
側近「はあ」
 
議長「そいつらが軍隊に行く」
 
側近「はあ」
 
議長「軍隊がイラクとかアフガンに行って戦争する」
 
側近「はあ」
 
議長「そうすると軍需産業が儲かる」
 
側近「なるほど」
 
議長「軍需産業は共和党に献金すると」
 
側近「そうかあ」
 
議長「要するにすべてがつながってるわけだ」
 
側近「うーむ。なんかすごいカラクリがあるんですね」
 
議長「ある意味でアメリカの格差社会は意図的に作り出されてるわけだよ」
 
側近「えげつないっすねえ」
 
議長「まあしかしよ。どこの国も同じじゃねえのかなあ」
 
側近「議長もそうやって迂回献金とかもらってたんですか」
 
議長「当たり前じゃねえかよ。アとかイとか……。あ、やべえな。またモサドににらまれちまうwww」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
チャイニズム 2011年10月06日18:10
 
知り合いのイタリア人から、共通の日本人の友人にメールが来た。
 
「フクシマで学校が再開したというニュースを聞いたが本当に大丈夫なのか。東電はまだなにか隠してるんじゃないのか?」
 
この友人の疑念はわからなくもない。
 
確かに東電の隠ぺい体質はひどいもんだったよ。
 
 
事故後の住民への対応もひどかった。
 
国会に提出した報告書も真っ黒だった。
 
まだ真相を隠してないという保証はない。
 
 
 
しかし彼女の東電に対する不信は、なんだか過剰にも思えた。
 
それは東電というよりも、日本に対する不信、さらには東洋に対する不信が、根っこにあるような気がした。
 
 
 
 
彼女はものすごい中国嫌いだ。
 
 
「中国は安くて質の悪いものばかり生産している。しかし我々イタリアのブランドの模造品も大量に生産している」
 
 
確かにその通りだ。
 
中国製品は安門が多いし、偽ブランド大国である。
 
 
 
そしてそういう認識は、彼女に限ったことではない。
 
私の経験では、イランから西のすべてイスラム圏、ヨーロッパ、そして中南米で、同じような認識が共有されている。
 
 
中国はだめだ。
 
粗悪品ばかりつくっているだめな国だ。
 
ひとりっこ政策とかいう、神の摂理に反した制度を作っているコミュニストの国だ。
 
一党独裁で民主主義ではない。
 
言論の自由もない。
 
人権を弾圧している。
 
人身売買とか平気でやる。
 
膨大な二酸化炭素を排出している。
 
 
 
これらはまったく事実だし、中国政府が非難されるのもやむを得ないだろう。
 
 
しかし一方で、あれだけの人口を飢えさせずに高い経済成長を成し遂げ、数億人の「金持ち」を出現させた政府の手腕は、あまり評価れてない。
 
 
 
 
私は中国という国には不信を持っているけど、一方ですごい国だとも思う。
 
前に書いたけど、中国の出現は、途上国に決定的にいい影響を与えている。
 
今まで途上国にとって、取引先が欧米がほとんどすべてだった。
 
そこに中国という新たな商売相手が出現したことで、彼らの発言力は相対的に高まった。
 
石油とか資源を売るときに交渉が有利になった。
 
 
だから中国の台頭は、世界にいい影響を与えている面もあると思う。
 
 
 
 
それはともかく、この世界的な「中国嫌い」は、おそらくはかつて100年くらい前には、日本が負っていたものだと思う。
 
夏目漱石はロンドンで人種差別にあって鬱になった。
 
欧米列強にとって日本はサルだった。
 
戦前に日本の製品がボイコットされたことが、太平洋戦争の一つの原因だった。
 
 
東洋のあらゆる負の面は日本が負っていた。
 
 
 
しかし戦後になって、日本企業の必死の経営努力で、日本はブランドを獲得した。
 
今や日本製品といえば高品質を保証するものだ。
 
エジプトの砂漠のど真ん中のオアシスでも、日本のカシオは誰でも知っていた。
 
 
 
もはや欧米の人々は、日本製品を批判することはできなくなってしまった。
 
それでも談合だの、関税が不当に高いだの、リコールが出ただのと言って日本製品を排斥する。
 
品質で勝てなくなったら、今度は制度の不備を持ち出す。
 
しかしそれでも太刀打ちできないとなった時に、彼らが次に狙いを定めたのが中国だった。
 
 
 
 
オリエンタリズムというのは、何度も書いているけれど、エドワード・サイードというアラブ系アメリカ人の学者が言い出した説だ。
 
 
西洋は東洋に、自分たちの負の面を押し付けている。
 
東洋は不潔で、治安が悪い。
 
東洋人は野蛮でずる賢くて油断がならない。
 
後進的で非科学的で、邪悪な宗教を信じ、アヘン屈とかがあって、不気味で猥雑である。
 
その一方で、その反対側にいる自分たちの正当性を確認する。
 
 
 
映画「300」を見てもらえばわかる。
 
あれこそがサイードのオリエンタリズムである。
 
 
 
 
いま、世界はそのオリエンタリズムを中国に仮託しているように思える。
 
中国を不当に貶めて、攻撃している。
 
かつて西洋が日本や東洋に対して持っていたあらゆる偏見が、現在では主に中国に対して向けられている。
 
そしてそういう偏見は欧州から中近東、南米に広がっている。
 
 
 
 
そういう世界の中国に対する偏見を仮に「チャイニズム」と呼ぶことにしよう。
 
 
 
 
チャイニズムは対岸の火ではない。
 
われわれ日本人は世界中の人々にとって中国人と見分けがつかない以上、我々は中国人でもある。
 
中近東の街を歩いていると「チャンチュンチョン」とからかわれる日本人旅行者が多い。
 
私もトルコの街であまりにひどくて、宿から外に出るが怖くなったことがある。
 
ロンドンで漱石が引きこもりになったのと同じように。
 
このチャイニズムについてしばらく考えてみようと思う。
 
 
 
 
なんだか時間が無くなったので、続きはまた今度書きます。
 
 
これから文春の担当さんと飲み会です。
 
あ、そうだ。
 
 
本日発売の週刊文春に圧死の記事が載ってますんで、ぜひお買い求めくださいまし。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
薔薇の名前 2011年10月02日13:40
 
ウンベルト・エーコの小説のハリウッド映画化。
 
 
中世ヨーロッパの修道院で連続殺人事件が起きて、イギリス人修道士が解決していくというお話である。
 
中世ヨーロッパの陰鬱な雰囲気が、すばらしく緻密に描かれている。
 
 
 
とにかく暗い。
 
そして寒々しい。
 
見てるだけで結核になりそう。
 
 
 
 
確かに暗黒の中世の様子は興味深くて、それはそれで迫力があった。
 
しかしこの映画には、ある種の悪意が込められてるな。
 
それは新教徒のカトリックに対する偏見だ。
 
 
 
 
 
北イタリアの修道院は、すさまじく陰惨である。
 
 
笑っちゃダメ。
 
私語もダメ。
 
 
修道士は死ぬまで喪に服してないとダメだからだ。
 
 
 
せむしの醜悪な男が門番である。
 
院長は白内障で盲目。
 
白痴っぽい男がいる。
 
デブでホモの修道士が、夜中に自分の身体をむち打つ(こういうシーンは「ダビンチコード」という映画にもあった)。
 
カタコンベには無数のドクロが積んである。
 
修道士の顔はみんな青白い。
 
本のページをめくる時には必ずベロで指先を舐める。
 
要するに油脂が足りてないからだろうが、実はこれが大事な複線である。
 
 
修道士はネズミを捕まえて食う。
 
ブタをと畜して、その血を樽に溜めてる。
 
 
とにかく醜悪で不気味である。
 
化け物の巣窟のような修道院だ。
 
 
 
 
しかも超保守的である。
 
盲目の院長は断言する。
 
 
 
学問とは知識の保存であって探求してはいけない。
 
知識の歴史に進歩は必要ない。
 
 
 
 
白眉は神学論争だ。
 
 
「キリストが着ていた服は、主の所有物か、否か」
 
 
どうだっていいじゃないか、そんなこと。
 
中世ヨーロッパってのは、そんなことをチマチマと論争していた時代なのだ。
 
 
 
 
そういえばポルトガルの教会に安置してあった血まみれのキリスト像を思い出す。
 
なんでこんなにグロテスクんだよ。
 
思わず悲鳴を上げて逃げ出しそうになったよ。
 
 
 
しかしそれは、あいつらにとっては必要なことなのだ。
 
つまりこういうことだ。
 
 
キリストは人類の罪を負って死んでくれたと。
 
だからキリストの苦しみが大きければ大きいほど、贖罪してくれた罪も大きくなる。
 
信者のキリストに対する「借り」も大きくなる。
 
だからキリスト像は死ぬほど痛そうな方が御利益があるというわけだ。
 
 
 
 
 
そういうわけで、これでもかというほど陰惨で不気味、醜悪な人々として修道院が描かれる。
 
まるで「300」のペルシャ軍のようだ。
 
 
そう。
 
この映画では、プロテスタントのカトリックに対する偏見が色濃く反映されているのだ。
 
この映画の監督はフランス人だが、制作は20世紀FOXだ。
 
 
主人公の修道士(ショーン・コネリー)はイギリス人である。
 
彼は知的で理性的、論理的である。
 
それは進歩的なアメリカの象徴だ。
 
 
 
一方のイタリアの修道院と枢機卿、異端審問官は中世的、宗教的、権威主義的である。
 
簡単に言えば、
 
 
プロテスタント=善玉
 
カトリック=悪玉
 
 
の構図である。
 
 
こういう描き方はいろんなハリウッド映画で散見できる。
 
上述の「ダビンチコード」もそうだし、「パッション」とか「ミッション」もそうだった。
 
カトリック世界は悪者で、不潔で、科学の発展を阻害し、魔女狩りとかして呪術的だし、なんとなく不気味である。
 
 
それを打破したプロテスタントは清潔で、進歩的で、科学的で、正しい。
 
 
カトリックを貶めて、プロテスタントの正当性をそれとなく打ち出す。
 
 
こういう新教による旧教への偏見というのは、一種のオリエンタリズムではないかと思う。
 
 
 
 
しかし中世ヨーロッパってのは、世の中全体が喪に服してたような時代だったんだなあ。
 
映画の時代設定はルネサンス直前くらいだが、それまでに世の中に鬱屈していた宗教的権威主義に対する不満みたいなのが一気に爆発したのではないかと。
 
 
 
それは鎖国していた日本が、明治維新と同時に一気に世界に出かけていった(明治時代は空前の世界放浪ブームだったらしい)のと、似ているような気がする。。。。ちょっと違うかな。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
やっぱりカダフィ、悪くない 2011年10月01日00:54
 
側近「そんで議長、今日の朝日なんですが」
 
議長「ああ」
 
側近「アフリカ系の労働者とか傭兵がリビアから脱出してるって記事がありますね」
 
議長「ああ」
 
側近「ニジェールに逃げてるそうですよ」
 
議長「アガデスだろ? オレも行ったよ」
 
側近「議長いろんなとこに行ってますね」
 
議長「探検部だったからな」
 
側近「議長、探検部だったんすか!?」
 
議長「まあな」
 
側近「探検部ってなにするんすか?」
 
議長「だから探検だよ」
 
側近「へえええええ」
 
議長「そんなことはどうでもいいんだよ。アガデスってのはサハラ砂漠の真ん中にあるオアシスなんだ」
 
側近「ほお」
 
議長「つまり交通の要衝だ」
 
側近「なるほど。それでリビアからの難民であふれてるわけですね」
 
議長「そういうことだ」
 
側近「しかしこの記事読んでると悲惨ですね」
 
議長「そうか?」
 
側近「だって野宿同然だって書いてますよ」
 
議長「野宿同然の暮らしをしてる連中なんて、世界中にいっぱいいるよ」
 
側近「そうすか?」
 
議長「そうだよ」
 
側近「……そんで困窮した家族が濁った水飲んでるって」
 
議長「ま、水があるだけマシだな」
 
側近「はあ」
 
議長「その記事の下りに書いてあるよな。
 
「リビアでは、水も電気もただで、生活の不自由は感じなかった」
 
 
側近「そうですね」
 
議長「電気も水道もタダだぜ。生活に不自由感じなかったんだぜ」
 
 
側近「はあ」
 
議長「カダフィも善政敷いてるじゃねえかよ」
 
側近「確かに」
 
議長「水っていえば、もうひとつの特派員のコラムにも書いてあったな」
 
側近「ああ。カダフィが作った水道ですね」
 
議長「そう。サハラ砂漠の地下水脈から水道を引いてて、総延長4000キロにもなるそうだ」
 
側近「すごいっすね。カダフィは「水源はナイル川の水量の200年分。あと100年はもつ」って宣伝してたそうですね」
 
議長「その水のおかげで沿岸の都市は潤ってたわけだ。そういう公共工事もしてたってことだ」
 
側近「しかし記事のトーンはやはり「カダフィ=悪」ですよね」
 
議長「特派員もデスクにいわれた記事しか書けねえんだよ」
 
側近「デスクがいう記事ってのは?」
 
議長「あくまでカダフィが悪者でないとダメってことだ」
 
側近「なるほど」
 
議長「それでもこの特派員はがんばったと思うよ」
 
側近「そうなんすかね」
 
議長「きっとな」
 
側近「さっきの記事の続きには、カダフィの傭兵で逃げてきた男が、結局給料もらえなかったって嘆いてますよ」
 
議長「そりゃあオマエ、負け戦なんだから仕方ねえだろ」
 
側近「でも命張って戦ったんだし」
 
議長「だったらオマエ、カダフィが勝ってたら、反政府軍に給料出なかったんだぜ?」
 
側近「……確かに」
 
議長「お互い様ってことだろ」
 
側近「うーん。そうかなあ」
 
議長「だいたいな、アラブ人ってのは勝ってるうちは強いんだ」
 
側近「はあ」
 
議長「負け込んでくるとみんな逃げ出す」
 
側近「はあ」
 
議長「忠臣は二君に仕えずなんて言ってるのは日本だけだ」
 
側近「はあ」
 
議長「まず自分の命が大事だから、危なくなったらさっさとトンズラするんだよ。それが世界標準ってもんなんだ」
 
側近「はあ」
 
議長「そしたら給料なんて出ないよ。そうだろ?」
 
側近「そうかもしれませんが」
 
議長「そういうもんだ」
 
 
 
 
側近「ところで同じ新聞に、シリアについても出てましたね」
 
議長「出てたな」
 
側近「安保理で欧州がロシアに譲歩したと」
 
議長「シリアに対する制裁に待ったがかかったってことだ」
 
側近「議長が言った通りですね」
 
議長「まあな。結局、イスラエルの意向が働いたんだと思うよ」
 
側近「そうなんですかね」
 
議長「どこの国にとっても現状維持が得策ってことだ」
 
側近「そうなんすか?」
 
議長「まずイスラエルは、シリアがこのまま弱っちいままでいた方がいい」
 
側近「はあ」
 
議長「現状なら戦争しても絶対勝てる。まあ核開発疑惑とかあったけど、アサドが潰れてメチャクチャになるよりマシだ」
 
側近「なるほど」
 
議長「すぐ隣の国がイラクみたいになられると困るわけだ」
 
側近「それはわかりやすいですね」
 
議長「欧米は、現在のデモ弾圧に、とりあえず文句を言わないと人権団体がやかましいから、一応制裁決議だとかなんとか言っておく」
 
側近「ふむ」
 
議長「その制裁決議はロシアと中国の拒否権でダメだと。そうなると欧米も中ロもメンツが立つ」
 
側近「あ、そうか」
 
議長「最後にシリアの後見役のイランは、アサドが潰れないことで、同じシーア派で影響力を保つことができる」
 
側近「なるほど。みんながハッピーってことですね」
 
議長「ただ湾岸の産油国がどうなのかってことだな」
 
側近「そうですね」
 
議長「ヤツらが一番恐れてるのはイランだ。それとアルカイダみたいなテロリスト」
 
側近「テロリストが怖いんですか?」
 
議長「そりゃあそうだ。石油施設でテロがあったらおしまいだろ?」
 
側近「なるほどそうっすね」
 
議長「だからあいつらはウラで相当資金援助してるんだよ。おそらくな」
 
側近「なるほど」
 
議長「アメリカがイランに強硬なのも、おそらく湾岸諸国の意向もあるだろうな」
 
側近「なんかすごい複雑ですね」
 
議長「外交なんてそんなもんだ」
 
側近「議長も複雑だったんすか?」
 
議長「そりゃあオマエ、うまく立ち回らないとな」
 
側近「おかげで?」
 
議長「そう。おかげで4000億円だwww」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
スターリン 2011年09月30日22:38
 
マイミクのおたまさんのお話もあったので、日記に書きます。
 
 
 
最近、スターリン聞いてるんですよね。
 
知ってる人は大好きかもしれないけど、知らない人は「は?」って感じですかね。
 
80年代前半に(一部で)メチャクチャ流行ったパンクロックバンドです。
 
遠藤ミチロウってのがボーカルでした。
 
 
 
それで最近、ツタヤで往年のベスト盤1000円フェアってのをやってまして。
 
スターリンも売ってたんで買ったみたんです。
 
 
 
そしたらいいのよ。
 
今聞いてもそんなに古くない。
 
逆にミッシェルガンに近い荒っぽさが新鮮。
 
まあ好き者の贔屓かもしれないんですが。。。。
 
 
 
 
それにしてもなんでこんなに古さを感じないのかなあと思ってみたら。
 
おそらく当時のロックが歌謡曲に与えた影響が非常に大きかったんじゃないかと思いました。
 
 
 
当時はきっと歌謡曲が飽和状態だったんだと思います。
 
イギリスでピストルズが流行ったのが70年代の終わり。
 
日本ではアナーキーが出てきて、一部ですんごく人気があったんですが、それも80年代の初めくらい。
 
おそらくそういう退廃的なものをカッコイイと思う時代になってきたんでしょうね(アナーキーの最初のアルバムタイトルが「デラシネ」だったような)。
 
 
 
80年代の中ごろに、NHKでインディズムーブメントを特集した番組が放送されて、私がたまたま録画してて、みんなにダビングしたらたいそう喜ばれました。
 
 
「ガスタンクが出てる!」
 
とか。
 
「ウイラードのJUNが出てる!」
 
とか。
 
「ラフィンノーズのチャーミーがしゃべってる!」
 
とか。
 
 
BOOOWYが出てきたのが80年代の終わりくらいで、90年にブルーハーツが出てきて、一気にパンク系バンドがメジャー化していったわけです。
 
 
 
ある意味で、いままで歌謡曲が独占していたテレビ業界をロックが乗っ取った状態に近かったのではないかと思います。
 
それまでは、ヤンキーの小泉今日子がいい子ぶってないと売れない時代だったのが、「悪いままでOK」になったという、時代の転換期だったのかもしれません。
 
 
 
まあ、今の若い人が聞いたらまた違うのかもしれませんが。。。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
狼男アメリカン 2011年09月30日11:58
 
先日、久しぶりに「ブルース・ブラザース」見たら、やっぱりメチャクチャ面白かったので、同じジョン・ランディス監督の作品を見てみた。
 
 
 
この映画、言ってしまえば狼男の変身シーン「だけ」が売りみたいな映画だが、当時はそれでも「すっげー」って言って見てたと思う。
 
この後「ハウリング」でさらに進化して、そのあとはCGになって、もはやまったく太刀打ちできない状態である。
 
 
 
というわけで映画自体はまあそんな感じで見ていたんだが、面白かった場面が2点。
 
 
主人公がオオカミ男に襲われて担ぎ込まれた病院の看護婦の会話(うろ覚え)。
 
 
「彼はアメリカ人だけどユダヤ人ね」
 
「どうしてわかるの?」
 
「服脱がせた時に見たの」
 
 
なんだかわからないかもしれないが、要するにユダヤ人は割礼をするので、ちん●が剥けているのだ。
 
 
 
 
もう1カ所。
 
主人公が自分が狼男だと判明したので警察に自首するが、相手にしてくれないので、警官の前でイギリスの悪口をわめく(舞台はロンドンです)。
 
 
「女王は男だぞ」
 
「プリンス・チャールズはゲイだ」
 
「チャーチルのクソッタレ」
 
「シェークスピアはフランス人だ」
 
 
 
これら4つは、イギリス人を相当に侮辱する言葉らしい。
 
王室はわかるけど、チャーチルねえ。へええ。
 
私の中ではガンジー嫌いの帝国主義者というイメージなんですけど。
 
 
 
 
シェークスピアかあ。
 
じゃあ「シェーク・ズベイル」なんていう説はイギリス人的にはあり得ないわけだね。
 
 
 
それにしても制作者がなんで主人公をユダヤ人にしたのか不明だ。
 
ニューヨークから来たという設定なのでユダヤ人になったのか。
 
それともアメリカにはユダヤ人が多いという一般認識なんだろうか?
 
監督自身はシカゴ出身なんだけどな。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
寄付文化は広がるか 2011年09月28日12:52
 
今日の朝日新聞のオピニオン欄。
 
 
「寄付文化は広がるか」
 
 
コラムでは英米の寄付文化と日本との比較を円グラフで示す。
 
 
総額ではイギリスは日本の倍。
 
アメリカに至っては24倍。
 
 
しかも日本の寄付が、個人、法人半分ずつなのに、英米では圧倒的に個人である(ほぼ9割)。
 
見出しには、
 
 
「NPO法人などへの寄付を優遇する税制が実現した。寄付が集まりにくい状況を変えようと、関係者が長年訴えてきた税制だ。日本社会に寄付文化が根付くきっかけとなるのか」
 
とある。
 
 
 
日本に寄付文化が根付くのか。
 
 
 
答えは「ノー」だね。
 
 
 
なぜなら彼ら英米人にとっては、寄付とはある種の「義務」だが、日本では単なる「善意」でしかないからだ。
 
 
 
 
前に書いたことの繰り返しになるけどもう一度。
 
プロテスタントの理論を説いたカルビンは「予定説」ということを言い出した。
 
人は生まれながらに天国に行くか地獄に行くかが決まってる。
 
現世でなにをしようとそれは変わらない。
 
たとえたくさん徳を積んだとしても、地獄に行く人は地獄行きが決まってるのだ。
 
 
 
ここで多くの人はどう考えるか。
 
「自分は天国に行くに決まってる」と考える。
 
 
最初から地獄に行くと悲観して自暴自棄になる人はいない。
 
 
 
自分は天国に行く人間だと多くの人は信じる。
 
そういう人たちはどう考えるか。
 
 
 
将来、天国に行くことが約束されている自分が、悪いことをするはずがない。
 
天国に行く人間なんだから現世でも善行をするのが当然。
 
 
 
となるわけだ。
 
 
 
そう。
 
 
彼らにとって寄付とは天国に行く「はずの」自分が行って当然の義務なのである。
 
寄付が盛んだからといってアメリカが進んだ社会だと考えるのは過ちである。
 
それは彼らの宗教観に根ざした文化の違いでしかない。
 
 
 
 
日本にだって、組とか講とか、小さなコミュニティで助け合う仕組みがたくさんあった。
 
 
欧米流のやり方を導入するよりも、日本人らしい知恵を活用した方が現実的なように、私なんかは思います。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ウイルス対策ソフト 2011年09月28日11:37
 
備忘録。
 
 
最近思ったこと。
 
日本って、プロバイダレベルでのウイルスチェック機能は、世界最高レベルではないかと思う。
 
 
ウチのパソコンはウイルス対策ソフトを入れてないんだが、感染したことは一度もない。
 
もちろん変なエロサイトとか無料ダウンロードソフトとかに手をつけないようにしてるせいもあるのかもしれないが。
 
 
 
しかし前にトルコでちょっとメールチェックしただけで、その日から謎のトルコ語メールがガンガン送られてくるようになった。
 
またパキスタンで、やはり一度だけネットカフェのパソコンに外付けHDをくっつけたら、案の定、ウイルスに感染してしまった。
 
 
 
おそらくそういう「やばい環境」というのが世界標準なのではないかと。
 
そしてその対策というのは、個人レベルでやるのが、これまた世界の常識なんだと思う。
 
 
 
個人レベルで対策をするのは、おそらくインターネットというものがアメリカで生まれたからではないかと思う。つまり、
 
 
 
自分の身は自分で守る。
 
 
 
というアメリカらしい発想だ。
 
 
 
もしも日本でネットが発明されていたら、きっとウイルス対策も行政がやって当然、ということになったのではないだろうか。つまり、
 
 
 
お上は全部やってくれて当然。
 
 
 
という日本らしい発想である。
 
その代わりお上の言うことは絶対なので、官僚が好き放題やるわけだが。。。。
 
 
 
 
下々のものは上の連中がやることに粛々とついて行く。
 
ウイルス対策もプロバイダがしっかりやってくれるので、余計なお金を使うこともない。
 
だからそのぶん余剰投資が可能になる。
 
日本が発展した、ひとつの理由かもしれない。
 
 
 
なんてことを書いてしまいましたが、ちょっとした思いつきです。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
カダフィとシェークスピア 2011年09月27日13:07
 
昨日の朝日に面白い記事があったので備忘録。
 
カダフィってシェークスピアにやたら詳しかったらしい。
 
彼の持論によれば、
 
 
「シェークスピアはアラブ人である」
 
 
「カダフィ氏は、シェークスピア劇の多くはアラブの民話をモチーフにしたとの説を持っていた。(中略) 謎の生涯を送ったシェークスピアは実はアラブ人で「英国に移住したシェーク・ズベイルである」と信じていた」
 
 
 
 
シェークズベイル = シェークスピア
 
 
 
おお。確かに似てるなあ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
その後のリビア 2011年09月25日15:46
 
側近「議長、その後のリビアですが」
 
議長「ああ。カダフィもだいぶ追い詰められてるみたいだな」
 
側近「カダフィはカッダーファ族っていう部族の出身なんですね」
 
議長「そうらしいな」
 
側近「なんかゴロが似てますが、関係あるんですか?」
 
議長「関係あるもなにも、それが「姓がわり」なんだよ」
 
側近「そうなんすか?」
 
議長「アラブ人には「姓」ってもんがないんだ」
 
側近「はあ」
 
議長「たとえばオサマ・ビンラディンっていうだろ?」
 
側近「はあ」
 
議長「「オサマ」は、名前だ。「ビンラディン」ってのは「ビン・ラディン」で「ラディンさんの息子」って意味だ」
 
側近「なるほど」
 
議長「アラブ人の名前には、そうやって「オヤジのオヤジのオヤジの」名前が延々と続くんだ。そして一番最後に部族名が来る」
 
側近「へえええ」
 
議長「カダフィの名前はムアンマルとかいうらしいな」
 
側近「そんでカダフィってのは?」
 
議長「アラビア語だと「i」が接尾語でくっつくと「〜人」って人称形に変わるんだよ」
 
側近「ほお」
 
議長「日本は「ヤパン」だから日本人は「ヤパニ」になる」
 
側近「なるほど」
 
議長「カダフィの場合は、カッダーファ族の出身だから「カダフィ」になったわけだよ」
 
側近「そうなんですね」
 
議長「だから「カダフィ」ってのは姓ってよりも部族名なんだな」
 
側近「へええ。そうなんだ」
 
議長「まあ、そんなことはどうでもいいんだけどよ」
 
側近「それで昨日の朝日には「リビア 潜む貧困」ってタイトルで、リビアの貧困層を取材してますね」
 
議長「ああ。あんな記事は意味ねえな」
 
側近「そうなんすか?」
 
議長「だってオマエ、よく読んでみろよ。
 
「2人分の年金260リビアディナール(約1万6千円)」で毎月の生計を立てるが」
 
とか書いてるんだぜ」
 
側近「そうですね」
 
議長「毎月2人で16000円も年金が出るってのは、たいしたもんだと思わねえか?」
 
側近「そうですか?」
 
議長「しかもリビアは価格統制で物価がすげえ安く抑えられてたんだ」
 
側近「なるほど。生活には十分すぎる年金だったと」
 
議長「オレはそう思うな」
 
側近「記事には、
 
「リビアには1人最大130LDの退職年金と、同額の障害者年金や遺族年金はあるものの、公的な雇用保険はないという」
 
ってことですが」
 
議長「世界レベルで見たら十分手厚い方だと思うぞ」
 
側近「そうすかね」
 
議長「考えてみろよオマエ。パキスタンとかイラクとか、あの辺の他のイスラム国家で、どれだけ年金が支給されてるんだよ」
 
側近「はあ」
 
議長「ましてや雇用保険なんてあるわけねえ」
 
側近「はあ」
 
議長「つまりここに列記された年金だけでも、世界のスタンダードから見て十分、社会保険制度は整備されてたってことだ」
 
側近「記事では政府幹部が「社会保障はほとんど機能してなかった」って言ってるって書いてますが」
 
議長「そりゃあそう言うよ。カダフィ政権が悪者じゃないと、あいつらは都合悪いんだからよ」
 
側近「役人の汚職が絶えなかったって」
 
議長「そんなのどこの国だってそうだろうよ。それでチュニジアとかエジプトで革命起こったんじゃねえの?」
 
側近「確かにそうですが……しかしその次に、
 
「1人当たりの国内総生産は1万1400ドルと日本の約4割だが、国民の多くは経済発展の恩恵を得られておらず、「冨はカダフィ一族」に集中していた」と口をそろえる」
 
ってことですが、これはどうなんすか?」
 
議長「いったい誰が口を揃えてたんだよ」
 
側近「ええと、主語を探すと……ベンガジの政府幹部、ですね」
 
議長「そら見ろ。要するに反カダフィ側の人間の発言ってことだ」
 
側近「そういうことになりますね」
 
議長「何日か前の報道で、カダフを支持してた国内最大のナントカ言う部族だけで、人口の何割だかを占めるって話だ」
 
側近「そんな記事ありましたね」
 
議長「ってことは少なくとも国民の半分くらいは、カダフィ政権で恩恵を受けてたってことになるじゃねえかよ」
 
側近「でも残り半分は不平分子ってことですよね?」
 
議長「そういうことだな。だけどこの記事読むと、あたかも国民の圧倒的多数がカダフィに不満持ってたような印象を受けるよな」
 
側近「確かにそうですね」
 
議長「要するにオレが言いたいのはな、この記事もそうだが、カダフィ政権が不当に貶められてるってことだよ」
 
側近「そうすかね?」
 
議長「もちろん独裁者だったことは確かだろうし、秘密警察とか拷問とかもあったんだろうよ。それにしても悪い面だけをことさら強調して報道するのは、倫理上どうなんだって気もするな」
 
側近「まあそうですね」
 
議長「結局メディアなんて、誰かに都合のいいことしか流さねえんだよ」
 
側近「正義は常に欧米にあるんですね」
 
議長「そういうことだ。しかもフランスなんて、露骨に分け前を主張してやがる」
 
側近「軍事介入は投資だったって外相が言ってましたね」
 
議長「今回の軍事作戦はよ、要するにカダフィと中国を追い出して、リビアに欧米の傀儡政権を作って、石油利権を横取りしたってことだよ。特にフランスはフクシマで原発がやばくなったから、当面の化石燃料を確保したわけだよ」
 
側近「欧米は「アラブの春」なんて言ってますけど」
 
議長「あんなのは自画自賛だよ。アラブの民衆は長期の他部族支配と、そいつらの利権独占に怒っただけで、民主主義を求めて暴動を起こしたわけじゃねえんだよ。「民主化だ」って喜んでるのは欧米だけだ」
 
側近「議長も相当、自画自賛してたんじゃないんですか?」
 
議長「まあな。ノーベル賞までもらっちまったからなwww」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ブッシュの演説 2011年09月20日00:59
 
備忘録。
 
 
今日の朝日に載っていたブッシュの演説の一部。
 
911テロの墜落現場での演説である。
 
 
「9・11は、地球の裏側の荒廃が我々の町をも揺るがすことを証明した。アフガンの村やアフリカの子供たちの困窮など縁のないことと考えるのは簡単だが、米国が孤立の誘惑に走るのは大きな過ちである」
 
 
 
 
今頃まともになったかよブッシュ!(笑)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「ハビビな人々」のレビュー 2011年09月19日20:05
 
mixiでフト検索してみたら、なんと10人もの方がレビューを書いていてくださいました。
 
ありがとうございます。
 
 
 
 
 
そんで平均点数。
 
 
 
3.8点。
 
 
 
……うーむ。微妙である。
 
まあいろんな感想があるってことなわけですが。。。
 
 
 
 
 
そんでご感想を読み進めていくと、全体に好意的な内容が多いんですが、耳の痛い指摘も。
 
 
「結局、日本は豊かで幸せだ、ということが確認できただけという感じ。新聞のコラムだそうなので、個々の節を取り上げて読む分には面白いかもしれないが、全体としてはまとまらないメモがなんとなく敷き詰められているだけという感じ。そしてせっかくの旅行記なのに、引用が大半を占めていて気になる筆者の体験談が少ないのも残念。」
 
 
 
まあ新聞の連載が元なのでね。
 
若干構成が散漫になってしまったんですが。
 
「引用が大半を占めている」というのは言い過ぎですよ。
 
それじゃあ盗作じゃないですか(笑)
 
しかし引用を多くしたのは意図があるんです。
 
 
 
 
今までそういう旅行記ってなかったから。
 
 
 
 
単なる詩的な感想は書きたくなかったんですよね。
 
それなら藤原新也でも読めばいいんです。
 
もっと海外旅行における客観的、論理的な考察がしてみたかったのですよ。
 
 
 
 
実は参考にしたのは玉村豊夫さんの、
 
「パリ 旅の雑学ノート」
 
なんです。
 
あるいは林望先生の「イギリスはおいしい」。
 
 
 
これらは旅行記というよりも滞在記。
 
そんで自分の印象とか体験よりも、現地の事象を客観的に考察しているわけです。
 
 
「ハビビ本」は、これをバックパック旅行全体でやってみようという試みだったわけです。
 
これは新しいと思うんだけどなあ。
 
 
 
 
 
 
「筆者の主張が陳腐すぎて、読み終わってから「なんだかなー」っていう気分になった」
 
 
 
結論が陳腐。
 
その通りなんですよね。
 
私もそう思います(笑)
 
でもさ、そこで画期的な提案ができたとしたら、それこそノーベル賞なんだよね。
 
 
 
 
 
「「アジア本」(?)としては 石井光太の『絶対貧困』や『神の捨てた裸体』のほうが深いし面白いと思う」
 
 
 
石井さん確かにすごいですよ。
 
あそこまで捨て身で取材できないっすよ。
 
B型肝炎とかなりそうだし。。。
 
 
 
でも方向が違うんです。
 
あっしの本はどっちかというと軽いエンターテイメントなんでね。
 
 
 
バカなことを真面目に論考する。
 
 
 
ここに面白さを見つけてくれれば幸いなんですけどね。
 
 
 
アマゾンのレビューから。
 
「旅人の眼からは、「ハビビ」な人たちはハッピーに見えるが、なかにいるとうっとおしいこともあるのではないだろうかという気がしないでもない。たしかに、日本もうっとおしいが、日本以外だって、それはそれなりにうっとおしいのではないかとも思うのである。」
 
 
 
どうでしょうね。
 
そもそもシアワセの基準が我々とは違う人たちですからねえ。
 
うっとうしいとも思わないような気もします。
 
だって生まれ育った村からほとんど一歩も外に出ないで死んでいく人が、世界には実にたくさんいるんですよ。
 
日本みたいに見ず知らずの人に営業電話をかけて、「いつもお世話になっております」なんてやってたらストレスで死んでしまいますよ、きっと。
 
 
 
まあそんなことで、たくさんの方にレビューを書いていただいて、本当にありがたいことです。
 
この場を借りて御礼申し上げます。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
奥多摩の新聞折り込み広告 2011年09月18日17:54
 
奥多摩って、新聞の折り込み広告が、ものすごく少ないんです。
 
それで今日、青梅に住んでた頃の古新聞の整理をしていて気づいたんですが、郊外都市の折り込み広告って、だいたい5種類くらいに限定されるんですよね。
 
 
1スーパーとか薬局
これは奥多摩にも挟まってます。
 
2ホームセンターの特売
これもごくたまに入ってる。
 
3宅配ピザ、宅配寿司
これは入ってない。
 
4進学塾のチラシ
これも見たことない。
 
5マンション売り出し
これも見たことない。
 
 
 
というわけで、3、4、5がまったく入ってないから、全体量が少ないわけです。
 
それでさらに考察すると、
 
 
宅配ピザ屋が近くにない。もしも注文しても30分以内には絶対に着かない。
 
そもそも子供がいない。
 
みんな持ち家だし、高齢者なので、今さらマンションなんて買わない。
 
 
 
というわけで、図らずも折り込み広告が、なんだか奥多摩が抱える問題を如実に反映しているようにも思えました。
 
広告ないのは煩わしくなくていいけど、ちょっと寂しいっすね(笑)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
パレスチナ議長、国連加盟申請の出来レース 2011年09月17日20:53
側近「議長、ついにパレスチナ自治政府が国連に加盟申請するみたいですね」
 
議長「ああ」
 
側近「よろこばしいっすね!」
 
議長「そうでもねえな」
 
側近「なんでですか!!?」
 
議長「こりゃあ出来レースだよ」
 
側近「出来レース??」
 
議長「アッバスとアメリカとイスラエルで、すでに手打ちができてるってことだ」
 
側近「よくわかんないんですが」
 
議長「今回の加盟申請ってのをよく読んでみろよ。国連加盟を承認するかどうかって内容なんだ」
 
側近「そうですよ。だから喜ばしいんじゃないですか」
 
議長「しかしアメリカは拒否権を使うって言ってるんだろ?」
 
側近「そうですよ」
 
議長「じゃあ最初から可能性はないわけだ」
 
側近「まあそうですが」
 
議長「それとは別に、毎日の報道によれば、
 
「ただ、国連総会で非加盟のままの「国家」承認を求める決議案をアラブ諸国などに提出してもらう予定で、中国やロシアなど加盟国の半数を大幅に上回る120カ国以上が賛成する見通し」
 
ってことなんだよ」
 
側近「どういうことですかね?」
 
議長「つまり国連加盟はダメだけど、国家承認はアメリカも黙認ってことだ」
 
側近「えーと。ってことはどうなるんですか?」
 
議長「事実上、独立国家ってことだ」
 
側近「じゃあいいじゃないですか」
 
議長「しかしだ。アメリカとしてはパレスチナの独立を黙って見てるわけにはいかねえわけよ」
 
側近「はあ」
 
議長「だからまず、アッバスに加盟申請させたんだよ」
 
側近「それで?」
 
議長「そんで拒否権行使するわけだ」
 
側近「するとどうなるんですか?」
 
議長「イスラエルに面目が立つ」
 
側近「あ、なるほど」
 
議長「だから今回の申請と拒否権行使はやつらの出来レースってことだよ」
 
側近「それでダメ元で申請するんですね」
 
議長「しかも結果的に独立するんだからよ、アッバスの株も上がるってわけだよ」
 
側近「すごいですね。みんなハッピーですね!」
 
議長「ハッピーかどうかはわかんねえな」
 
側近「そうすか?」
 
議長「なんでこの時期に、アメリカとイスラエルが譲歩したかってことだ」
 
側近「はあ」
 
議長「おそらくアラブの暴動が関係してるよな」
 
側近「やっぱそうですかね」
 
議長「パレスチナ問題は、アラブ人にとっちゃあ、反欧米の象徴みたいなもんだ」
 
側近「そうっすね」
 
議長「この時期に譲歩するってことは」
 
側近「アラブに対する懐柔ですよね?」
 
議長「そう」
 
側近「なんでいま懐柔するんですか?」
 
議長「……さあな」
 
側近「わかんないんすか!!!!???」
 
議長「おそらくイスラエルの意向が相当働いてることは間違いねえな」
 
側近「それで?」
 
議長「……それだけだ」
 
側近「解説になってないじゃないっすか!!!???」
 
議長「いいじゃねえか、たまには」
 
側近「よくないっすよ!!」
 
議長「イスラエルって国はな、本来は絶対譲歩しない国なんだ」
 
側近「はあ」
 
議長「初代大統領のベングリオンっておっさんがこんなこと言ってるんだ」
 
側近「はあ」
 
議長「「アラブは何度負けても大丈夫だけど、イスラエルは一度でも負けたら国家が消滅してしまう」ってな」
 
側近「なるほど」
 
議長「……それだけだ」
 
側近「またそれだけっすか!!!???」
 
議長「要するになにか大きな手打ちがあったんじゃねえかなってことだよ」
 
側近「イスラエルとパレスチナ自治政府にですか?」
 
議長「そうだ」
 
側近「それはなんなんですかね?」
 
議長「……わかんねえな」
 
側近「ストレス溜まりますよ〜議長!」
 
議長「なんか思いついたら書くよ」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
モロッコのロバ 2011年09月17日19:23
 
最近知り合ったイタリア人のひと言が印象的だった。
 
 
彼女は昨年、モロッコを旅行したそうだ。
 
そこで見かけた農家が、ロバに大量の荷物を載せて歩いてるのを見かけたという。
 
私の南米のロバ旅行の話からのつながりなんだが、それについて彼女はこう言った。
 
 
 
「モロッコ人はロバをすごく酷使してるのよ。ひどいわ。動物虐待よ」
 
 
 
あっしはそのとき、
 
 
「なに言ってるんだこの人は?」
 
 
と思いましたね。
 
 
 
モロッコ人がロバを酷使してる。
 
 
 
確かにそうでしょう。
 
しかし彼女はとても重要なことに気づいてない。
 
それは、
 
 
 
モロッコ人の農家のおじさんは、ロバを酷使したくてやってるわけではない。
 
 
 
ということだ。
 
 
 
確かにイタリア人はロバを酷使しないでしょうよ。
 
だって軽トラとかあるんだから。
 
今さら荷運びにロバなんて使わないよ。
 
 
 
しかしモロッコは違うじゃんよ。
 
お金ないんだからさ。
 
軽トラ買う金ないんだよ。彼らには。
 
だから仕方なくロバの尻を引っぱたいて、重たい荷物背負わせてるんだよ。
 
100年前くらいまでは、イタリアでだってロバを酷使してたんじゃないの?
 
 
 
 
つまり彼女は、現代の自分たちの豊かな暮らしをモノサシにして、貧乏な国の人たちの、まさにその貧乏こそに起因する「非人道的な」やり方を批判してるわけだ。
 
 
 
 
これは些細な事例に過ぎないわけだけど、しかしこの考え方は、西洋人一般に見受けられるある意味で「危険な」論調だと思う。
 
 
 
 
 
例えば原発問題とか環境問題とか。
 
 
 
中国はCO2を大量に排出してると言って、彼らは非難するけれど(もちろんそれはよろしくはないけどさ)、しかしイギリスだって、かつてロンドンが真っ黒になるくらい石炭燃やしてたじゃんよ。
 
 
 
原発は危ないからクリーンエネルギーがいいと言うけどさ。
 
でもフクシマのあとでも、多くの途上国が原発建設を中止してないのは、原発が「格安」だからじゃないの?
 
 
そしてそれを選択してしまうのは、ある意味仕方のないことなんじゃないのかな。
 
 
 
 
要するに途上国の事情ってもんがあるのに、そこに思い至らない西洋人が圧倒的に多い。
 
そこに問題があると思うわけです。
 
 
 
 
「我々は正しい。オマエは間違ってる」的な上から目線に途上国が反感を持つわけですよ。
 
 
 
 
だから一般的なアメリカ人が内向きで、国外にほとんど関心を持たないことは、とても危険なことだと思います。
 
 
そして日本が今、そういう傾向にあるのは、やはり危ないなあと思ったりしたのでした。
 
 
 
みんな海外に行こう!
 
そしてあっしの本を買ってくれ!(笑)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
世界は紛争に向かう アタリ氏談 2011年09月09日09:58
 
昨日のクローズアップ現代。
 
日本の著名な国際政治学者二人、山内昌之氏と藤原帰一氏が出演していて面白かった。
 
そしてフランスのジャック・アタリのインタビュー。
 
さすがNHK。すげえなあ。
 
フランスってのはアタリとかサルトルみたいな異能の天才みたいなのをたまに輩出するよな。
 
 
 
ともあれ山内氏の発言で面白かったの。
 
 
「イスラムには1400年の歴史があるにもかかわらず、たかだか300年の歴史しかないアメリカに文明を語られる。それに対する、怒りややるせなさがある」
 
 
おお。そうだよ。そのとおりだ。
 
イスラムの現状に対する不満というのは、所得の格差もさることながら、プライドという意味でも大きいのだなあ。
 
さすがイスラムの権威。
 
 
 
そんでアタリ氏が言うには、
 
アメリカの影響力の低下は、世界を混沌に向かわせると。
 
世界各地で紛争が起こる。
 
特にアフリカの水資源の争奪。
 
そして中国の制海権。
 
この二つに言及していた。
 
逆にアメリカは内向きになり、今までのように世界にコミットすることは少なくなると。
 
 
要するに、これからはあんまりいいことはないらしい。
 
ハンチントンと同じような結論だ。
 
 
 
中国の制海権が紛争に発展する??
 
中国の軍事力がどんどん強くなる。
 
しかし日本列島はガッチリ押さえられてる。
 
だから南に向かうしかない。
 
南沙諸島では、中国は絶対に妥協しない。
 
そこに紛争の種があるということなんだろう。
 
 
 
 
 
いまは二十年前と比べて情報網の発達がすごいから、世界の貧富の差が知れ渡っている。
 
いままでなんとなくうやむやにされていたヨーロッパの莫大な富と、そして莫大な不公平が、隠しようもないくらい明らかになってる。
 
だから世界中の人々は、富の再分配を主張しはじめた。
 
 
 
山内氏は今回のアラブのデモは、自由と富への要求が大きいといっていた。
 
 
いままでは反米を叫ぶ独裁者に共鳴して、彼らの汚職を許してきたが、今はそうではないと。
 
そして新しい政権が公正な政治をやるかといえば、そうでもないと。
 
むしろ今が過渡期だと言っていた。
 
 
 
最後に、山内氏と藤原氏の世界情勢に関する認識については、あっしがここで書いてることと大して変わりがなくて、ホッとしたのと、ちょっとうれしかったな。
 
ウソ書いてなくてよかったwww
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
世界は変わったか 2011年09月08日11:33
 
今日の朝日の特集はちょっと面白かった。
 
トルコ、アメリカ、デンマークの知識人に911テロ後の世界情勢について語ってもらうという趣向。
 
 
まずトルコの文学者。
 
「パキスタンや、公然とではないにせよ、トルコでなぜビンラディンの人気が高かったのか。貧しい第三世界の人々が西側世界に抱く怒り、それは歴史を作るのが豊かな西欧であり、自分たちは無力だという怒りだ」
 
 
911については、アメリカ国内でも先住民の人々の心情は複雑だったという話を聞いたことがある。
 
ビンラディンが殺害されて驚喜するアメリカ人の姿に、なんか異様な感じを受けた人は多いだろう。
 
元凶はもっと別のところにあるのに、それに気づかないアメリカ人がいかに多いことか。
 
 
 
「欧米の自由主義社会は、「彼らの民主主義」を他の地域に押しつけてきた。その地域が欧米を好まなくなれば、「その地域の民主主義」に懐疑的になるのだ。あなた方が米国や欧州を好む政党に投票するなら、あなた方の民主主義は好ましい、と考えるのは子供じみている」
 
 
 
これについては同じページのノルウエーの首相が言っている。
 
 
 
「たとえばパレスチナの選挙でイスラム組織ハマスが勝利した時に多くの国が支援を停止しハマスは孤立した。それは正しい判断ではなった」
 
 
まったくその通りだよ。
 
それじゃあなんのための選挙なんだってことになるよな。
 
 
 
 
次に隣のアーミテージさん
 
 
「今の世界は、地中海から大西洋へ至った「古い欧州」の時代から、「新しい太平洋」の時代へと移行しつつある」
 
 
大昔は地中海イスラム圏が世界の中心だったのが、欧州に移り、アメリカに移り、日本、中国に移ると。
 
世界の冨は、ぐるっと一回りして、また東洋に戻ってくる。
 
さらにインドとかイランとかに行って、中近東まで戻れば、晴れて一周である。。。。どうでもいいか。
 
 
 
そして取り残された欧州は、アメリカよりも頑迷だ。
 
 
「私の職場近くでも、キリスト教会、イスラム教のモスク、ユダヤ教のシナゴーグが共存している。欧州に比べれば、米国社会はまだ寛容だ」
 
 
異文化、特にイスラムに対する拒絶反応は、むしろ欧州の方が強いというのは、なんとなく思っていたことだが、ここで言質を得た気がする。
 
 
 
「「アラブの春」と呼ばれる中東の動きについては、ブッシュ前大統領による民主化政策がもたらしたわけではない。(中略) だから私は「春」ではなく、「アラブの変移」と呼んでいる」
 
 
今回の相次ぐ暴動は、独裁者に対するレジスタンスであって、市民が民主主義を求めてデモをしたわけではない。
 
そう。オレもそうだと思ったよ。
 
それを民主化運動にすり替えているのは欧米のメディアだろう。
 
 
独裁者を追い出したことは喜ばしいことだけど、その先どうなるかは、誰もわからない。
 
もう少し小粒の独裁者が現れるかもしれない。
 
「民主主義の勝利だ」みたいな報道は、欧米の自画自賛に過ぎない。
 
 
 
 
最後にノルウエー首相の発言。
 
 
「冷戦が終わって資本主義と共産主義の対立が解消し、人々はよりどころとして固有の宗教や民族性、文化との結びつきを求めた」
 
 
ここで言う「人々」は、おもにイスラムの人々のことだろうか。
 
 
ソビエトの崩壊はインパクトでかかったなあ。
 
 
90年代に中東和平が急に進んだのは、要するにソビエトの後ろ盾がなくなって、イスラム諸国が西側に接近した結果だろう。
 
あれは別にクリントンの手柄ではないと思うな。
 
 
そしてイスラエルに負け続けたイスラム諸国では、さらに宗教色が強くなったといわれる。
 
なんでオレたちは弱いのか?
 
アッラーのお助けが足りないからだ。
 
もっとお祈りしないと。。。。
 
そのあたりに原理主義の芽生えがあったらしい。
 
 
 
興味深いのは、アメリカ、ノルウエー知識人が、ふたりとも「茶会」について言及していることだ。
 
あっしはこの団体がどういう人たちなのかよく知らない。
 
でもペイリンは好かんな。
 
あれが大統領にでもなったら、おそらくブッシュより最悪になりそうな気がする。
 
おそらく世界が不安定であることの、ひとつの大きな理由は、「アメリカ人の無知」ではないか???
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
批判力と構想力 2011年09月07日22:38
 
この間、朝日新聞のコラムで、なんとか言う哲学者のおじいちゃんが言ってました。
 
 
 
今の知識人は批判力があるが構想力がない。
 
 
 
いや、もちろんあっしはただの物書きの端くれなんですけどね。
 
でもこの言葉にはかなり納得しましたですよ。
 
 
例えばこの日記。
 
 
「西洋人の上から目線がムカつく」
 
 
っていう事例を淡淡と書き連ねてるわけですが。
 
でもね。
 
 
「じゃあどうすんのよ?」
 
 
って聞かれたら、
 
 
「さあ……」
 
 
って答えるしかないわけです。
 
要するに批判はできても、新しい解決方法を提案するわけでもない。
 
そこになんだか限界を感じてしまって、最近鬱々としてるんです。
 
 
結局、物書きも、ある程度のレベルに行ってしまうと、なにか新しいこと、世の中に貢献する新しいなにかを提案しないと、アタマひとつ抜け出せないのかもしれないなあと、最近思うわけです。
 
 
自分にできることはなんなのか。。。。
 
 
不惑を過ぎて、自分が一生でできる仕事量とか、読める本の数とかが、だんだん見えてきて、わけもなく焦ったり。。。
 
最近、いろいろ悩んでます。
 
 
 
 
 
 
リビアで武器密売が横行 2011年09月05日21:34
 
側近「議長、その後のリビア情勢ですが」
 
議長「ああ」
 
側近「カダフィも追いつめられたみたいですね」
 
議長「そうだな」
 
側近「反政府勢力はカダフィ派の投降を呼びかけてるみたいですね」
 
議長「ああ」
 
側近「無用な血は流したくないという声明がでてますが」
 
議長「そりゃあタテマエだな」
 
側近「そうですか?」
 
議長「アラブってのは復讐の文化なんだよ」
 
側近「はあ」
 
議長「自分の仲間がひとり殺されたら、相手の部族からもひとり犠牲者が出
ないと収まらないんだ」
 
側近「はあ」
 
議長「つまりだよ。ここでカダフィ派をたくさん殺したら、あとで必ず仕返しされるってことだ。同じ数だけな」
 
側近「なるほど」
 
議長「昔のベドウインってのは、オアシスを襲っても住民を殺すことはなかったんだ」
 
側近「はあ」
 
議長「殺したらあとで自分が命狙われるからだよ」
 
側近「なるほどね。それで包囲してもなかなか攻撃しないわけですか」
 
議長「そう」
 
側近「ところで今度は反政府軍の武器密売が横行してるって報道されてますが」
 
議長「そんなのは当たり前だよ」
 
側近「そうすか?」
 
議長「イエメンの市場なんかオマエ、カラシニコフが1万円とかで売ってるぜ」
 
側近「安!」
 
議長「アフリカでも売ってるけどよ。だいたいリビア経由が多いらしいな」
 
側近「カダフィも悪いですね」
 
議長「そうだな」
 
側近「そんで今度の新政府も似たようなことやってると」
 
議長「そう」
 
側近「でも報道では、「国民評議会の幹部は朝日新聞の取材に「武器の改修は新政権の重大な仕事の一つになる」と述べた」って書いてますけど」
 
議長「そりゃあそう言うだろうよ」
 
側近「はあ」
 
議長「「武器の横流しは我々の当然の権利である」なんて言うわけないだろ」
 
側近「確かに」
 
議長「しかし実際はそういうことなんだよ。どうせ余ってるんだからよ。売っ払って、みんなにパアッとメシでもおごってやるってのが、親分の気概ってもんなんだよ。アラブでは」
 
側近「議長もそうだったんすか?」
 
議長「当たり前じゃねえかよ。4000億円もあったんだぞ」
 
側近「そうすね」
 
議長「あとな。アラブじゃあ銃はファッションなんだな」
 
側近「はあ」
 
議長「イエメンなんかオマエ、カラシニコフぶら下げてるのが男の証しなんだぜ」
 
側近「そうなんすか?」
 
議長「それにな、自分の身は自分で守るのがベドウインなんだ」
 
側近「はあ」
 
議長「もともと砂漠なんて無政府状態だったわけだよ」
 
側近「はあ」
 
議長「アラブの女が顔隠して家から出ないのは、なんでか知ってるか?」
 
側近「男尊女卑だからなんじゃないですか?」
 
議長「違うな」
 
側近「じゃあなんで?」
 
議長「あいつらはもともとテント暮らしだったわけよ」
 
側近「はあ」
 
議長「男は遊牧で出かけて帰ってこないわけだ」
 
側近「なるほど」
 
議長「女子供はその間、テントにじっとしてるわけよ」
 
側近「それで出歩かないんですね」
 
議長「要するに自衛のための知恵ってことだ」
 
側近「はあ」
 
議長「つまり自分たちの家族は自分たちで守るのが、あいつらの常識なんだよ」
 
側近「だったらなおさら武器の回収なんて進みませんね」
 
議長「そういうことだ」
 
側近「朝日の報道では、カダフィの頃よりも治安が悪くなったことをチクッと書いてますね」
 
議長「まさに英雄のタガがはずれたってことだな」
 
側近「うーん」
 
議長「あっちこっちの部族が好き勝手なことをやり始めたんだよ。武器の密売もそういうことだ」
 
側近「これからどうなるんでしょうかね」
 
議長「残念ながら、あまりいい方向にはいかねえな」
 
側近「そうすか?」
 
議長「欧米は石油利権が目的だからよ。石油が出る地域を握ってる部族と仲良くするわな」
 
側近「はあ」
 
議長「そうでない部族はホッタラカシでよ。当然反感を持つわけだよ」
 
側近「なるほど」
 
議長「ある程度利益の分配に気をつかわねえと、内戦になるな」
 
側近「うーん」
 
議長「ナイジェリアのビアフラ内戦みたいにならなきゃいいけどな」
 
側近「その点、議長はうまくまとめましたね」
 
議長「オレはオマエ、なにしろカリスマだったからな」
 
側近「おかげで?」
 
議長「4000億円も貯まったわけだよwww」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
リビア利権 にらむ欧米 2011年09月02日23:55
 
側近「議長、今日の朝日読みましたか?」
 
議長「ああ」
 
側近「もろ出てましたね。見出し通りですよ」
 
議長「そうだな」
 
側近「石油利権丸出しですね」
 
議長「見苦しいな」
 
側近「「1日のリベラシオン紙は、フランスが会議のさなかの交渉で、評議会側とリビアの新規の石油権益の35%を取得する合意を交わす可能性を伝えた。軍事介入の見返りというわけだ」って書いてますね」
 
議長「ああ」
 
側近「議長が前の日記で言ってた通りでしたね」
 
議長「当然そういう密約があったんだろうよ」
 
側近「腹黒いなあ」
 
議長「結局カダフィを追い出したのは、中国から石油利権を分捕っちまおうってのが目的だったんだろうな」
 
側近「でも表立っては「独裁者カダフィから善良な市民を解放する」ですよね?」
 
議長「なんでもタテマエは必要なんだよ」
 
側近「そうですね」
 
議長「しかしよ。今回の軍事作戦、実はフクシマと関係があるじゃねえかと、オレは思ってるんだ」
 
側近「え?」
 
議長「だってよ、NATOがリビア空爆を始めたが3月20日なんだぜ」
 
側近「それがなにか?」
 
議長「東日本の震災が3月11日だ」
 
側近「そうですね」
 
議長「まだわかんねえのかよ。原発だよ」
 
側近「原発と空爆が関係あるんすか?」
 
議長「大ありだよ。原発爆発したんだぞ。もう売れないだろ」
 
側近「……あ!!!!」
 
議長「しばらくは化石燃料の時代が続くってことだよ」
 
側近「そうかそれでリビアの石油を!」
 
議長「おそらくな」
 
側近「えげつないですねえ」
 
議長「しかもフランスは原発大国だぜ。原発売れなくなって一番困るのがヤツらなんだ」
 
側近「なるほど」
 
議長「まあそれだけじゃないだろうけどな。おそらく早期決着に向かって動き出したことは確かだろうな」
 
側近「フランスの外相は「リビア介入は将来への投資でもあった」って明言したみたいですね」
 
議長「自分に都合の悪い政権を追い出すのが投資なのかよって感じだよな」
 
側近「すごいですよね」
 
議長「結局やってることは戦前の帝国主義と同じなんだ。今は民主主義っていうオブラートでくるんでるだけだ」
 
側近「民主主義ですか」
 
議長「そう。民主主義でない国は、それだけで制裁の対象になるわけだよ」
 
側近「うーん」
 
議長「中国だってミャンマーだって北朝鮮だってそうだ」
 
側近「しかし民主主義でないのは、よくないんじゃないですかね?」
 
議長「なんでだよ」
 
側近「だって公正な選挙で選ばれた人が国家元首になるわけだから」
 
議長「じゃあこの間のケニアはどうだよ」
 
側近「ケニアですか?」
 
議長「大統領選挙で暴動が起こっただろ?」
 
側近「ありましたねえ」
 
議長「民主主義がうまくいってる国なんて少ないんだよ。多くの国は失敗してるんだ」
 
側近「そうなんですか?」
 
議長「例えばオレは、ミャンマー政府が、とりわけひどいとは思わねえな」
 
側近「そうですか? スーチーさん軟禁されてるじゃないですか」
 
議長「それは確かによくねえな。でもな、スーチーさんが大統領になったらどうなるよ」
 
側近「それは公正な選挙が行われて民主国家になるんじゃないですか?」
 
議長「それでどうなるんだ?」
 
側近「みんな幸せになる」
 
議長「ほんとか?」
 
側近「知りませんよ」
 
議長「選挙やってスーチーさんが勝つと思うか?」
 
側近「当たり前じゃないですか」
 
議長「そうかな」
 
側近「あれだけ人気があるんだし」
 
議長「オレが聞いた話だと、スーチーさんの民主化デモじゃあ、相当カネがばらまかれたらしいぜ」
 
側近「そうなんすか?」
 
議長「出所はもちろん欧米だ」
 
側近「うーん」
 
議長「リビアと同じなんだよ。政権が変わって誰が得をするかを考えればわかりやすいだろ」
 
側近「なるほど」
 
議長「そして正義はいつも欧米が握ってるんだ」
 
側近「じゃあどうすればいいんですか?」
 
議長「わかんね」
 
側近「わかんないんすか!?」
 
議長「少なくとも、まずはみんなが公平な視点を持つことだろうな」
 
側近「というと?」
 
議長「配信されるニュースから、ある程度さっ引いて理解することだろうよ」
 
側近「なるほど」
 
議長「今回のリビアだってよ、カダフィ=悪玉、反政府軍=善玉ってのは、あまりに単純すぎるってことだ」
 
側近「なるほど」
 
議長「しかしまあ外交ってのは腹黒いもんだからな」
 
側近「そうなんでしょうね」
 
議長「フランスも国益考えて軍事介入を主導したってことなんだろうけどな。それにしてもえげつねえよな」
 
側近「議長も相当腹黒かったんですよね」
 
議長「まあな。腹の黒さじゃ負けねえな。見てみろ。ホラ」
 
側近「うわ。真っ黒www」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
サトマール派 2011年09月01日21:35
 
8月30日の朝日新聞に面白い記事があったので備忘録に。
 
以下は朝日ドットコムの記事。
 
 
イスラエル国籍の男子学生がオランダから覚醒剤と合成麻薬MDMAなど計9万錠を密輸しようとしたとして、覚醒剤取締法違反などの罪で起訴された事件で、千葉地裁の波床昌則裁判長は29日、無罪(求刑懲役15年、罰金500万円)を言い渡した。
 
 判決理由で、波床裁判長は「被告の所属するコミュニティーが、世俗社会とは異なる特殊で閉鎖性が強い環境にある」などと述べ、被告が違法薬物の知識が乏しかったと指摘した。
 
 男子学生はゴールドステン・ヨエル被告(26)。
 
 判決によると、ヨエル被告はユダヤ教の超正統派「サトマール派」信徒で、テレビやインターネットがほとんどないイスラエルの地方で生活していた。尊敬すべき職に就いたことのある同じ宗派の人物から「日本に骨董(こっとう)品を運搬してくれ」と依頼され、信じたと指摘している。
 
 
 
 
サトマール派ってのは初めて聞いたな。
 
それでネットで調べてみると。。。。
 
おお。エルサレムで見たことあるぞ。
 
黒いスーツ着て、ソフト帽被って、ヒゲ延ばしてる連中だ。
 
嘆きの壁で主に嘆いていたのも、そういう連中だったな。
 
 
 
 
記事によると学生はイスラエルのドドド田舎出身らしい。
 
イスラエルで「テレビもネットもない」ってのがすごい。
 
 
 
アメリカにもアーミッシュってのがいる。
 
私はボリビアのアマゾン地方で見かけたことがある。
 
汽車に乗ってたら「大草原の小さな家」みたいな格好をした女の子が、みつ揃えのスーツを着た親に連れられて乗り込んできたのだ。
 
まるで映画のエキストラみたいで、なんだこの家族はと思った。
 
 
 
それであとでアーミッシュというキリスト教の一派のことを知った。
 
現代の生活スタイルを一切拒否して、100年以上前のライフスタイルを守って暮らしてる、非常に原理主義的な人たちである。
 
おそらくアメリカではそういう暮らしが難しいから、アマゾンの奥地に移住したんだろうと思う。
 
 
 
 
 
それはともかくこの青年。
 
おそらくあの格好で日本に入国したんだろう。
 
 
 
……怪しい。明らかに怪しい。
 
 
 
オレが税関職員だったら絶対に停めるな。
 
そして根掘り葉掘り日本に来た理由を聞くだろう。
 
おそらくこの時の担当者もそうしたんだろう。
 
そしてカバンの二重底が見つかったと。
 
 
 
もうひとつの注目は、
 
「尊敬すべき職に就いたことのある同じ宗派の人物」
 
である。
 
日本で言えば、
 
 
「ちょんまげを結っている麻薬密売人」。。。何者!?
 
 
 
 
 
それにしても日本の司法が、逮捕された2008年からずーっと拘留されていたに違いない、この憐れな青年を公正に裁可したことについては大いに賞賛したい。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
アラブの略奪文化 2011年08月28日16:42
 
側近「しつこくリビア情勢なんですが。議長」
 
議長「あ?」
 
側近「今日の朝日も大きく報じてますね」
 
議長「ああ」
 
側近「トリポリはカダフィ派の狙撃兵が怖くて町が静まりかえってるとか」
 
議長「……」
 
側近「「行方がわからない「最高指導者カダフィ大佐」の影に人々はおびえ、息を潜めて事態を見守っている」だそうですよ」
 
議長「しょうがねえな」
 
側近「は?」
 
議長「ひとつ前の日記にも書いたけどよ、結局、メディアは欧米に都合よく
書いてるよな」
 
側近「そうですか」
 
議長「だいたい、なんでトリポリ市民がカダフィの影におびえてるなんてわかるんだよ」
 
側近「はあ」
 
議長「オレが思うに事実は逆だな」
 
側近「というと?」
 
議長「トリポリ市民は反体制派の略奪におびえてるんだよ」
 
側近「そうですか?」
 
議長「大雑把に言えば、西リビア=カダフィ派、東リビア=反体制派じゃねえかよ」
 
側近「そうですね」
 
議長「西リビアの首都のトリポリ市民がびびる相手は、反体制派なんだよ」
 
側近「なるほど」
 
議長「アラブにはな「戦争で勝ったら三日間は略奪OK」って不文律があるんだよ」
 
側近「そうなんすか?」
 
議長「コンスタンチノープルを落としたオスマントルコ軍も三日間は市内を略奪して回ったんだ。まああいつらはアラブじゃねえけどよ」
 
側近「なるほど」
 
議長「もちろん今でもその不文律が生きてるとは思わねえけどよ。要するにアラブでは勝った方が略奪するのは、当然の権利って認識なんだよ」
 
側近「しかしカダフィの狙撃兵がいるのも確かですよね」
 
議長「そうだろうな。でも狙ってるのはトリポリ市民じゃないだろうな」
 
側近「反体制派ですか?」
 
議長「そりゃそうだろ。自分たちを支持してる連中は殺さねえよ」
 
側近「なるほどねえ」
 
議長「つまりこの記者は、反体制派を一般市民に拡大解釈して書いてるわけだよ」
 
側近「悪いのはどこまでもカダフィの方が都合がいいわけですね」
 
議長「そういうことだな」
 
側近「国際面では東リビアのベンガジの好景気について報じてますね」
 
議長「当たり前だよ。トリポリのカダフィに冷や飯食わせられてきたんだからよ。今度はベンガジの連中が幅を利かせてきたってことだ」
 
側近「記事によると「高級車は政府高官など限られた人しか持てなかった」とか書いてますけど」
 
議長「そんなのどこの国でもそうじゃねえかよwww」
 
側近「そうですね」
 
議長「どこまでもカダフィ=悪者でないと気が済まないんだな」
 
側近「反体制派の国民評議会は、各部族代表者との調整が進んでいると」
 
議長「オレは予言するよ。絶対仲間割れするな」
 
側近「そうですか?」
 
議長「調整ってのは、要するに利権の再分配ってことだよ」
 
側近「はあ」
 
議長「今度は反体制派の中で利権争いが起こるな」
 
側近「そうですかね」
 
議長「間違いねえよ。アフガンと同じだよ」
 
側近「はあ」
 
議長「議会とか選挙なんて意味ねえんだよ。アフガンで組閣するのにいったい何年かかったよ」
 
側近「うーん」
 
議長「結局、英雄が現れないとアラブはまとまらないんだ。まあアフガンはアラブじゃねえけどよ」
 
側近「うーん」
 
議長「オレはな、昔リビアに行ったことがあるんだけどよ、キレイな国だったよ。道路はキレイに舗装されてたし、町並みも美しかったよ。生活レベルはイラン以上だったかもな」
 
側近「そうすか」
 
議長「少なくとも同じ産油国のイラクなんかより、よっぽど冨の再分配がされてたな」
 
側近「はあ」
 
議長「確かにカダフィは独裁者だったけどよ、しかしサダムよりよっぽどマシだったんじゃねえかと、オレは思うな」
 
側近「じゃあなんで今回、内戦が起こったんですか?」
 
議長「そりゃあオマエ、石油に決まってるじゃねえかよ」
 
側近「やっぱ石油ですか?」
 
議長「そりゃあそうだよ。イラクもリビアも欧米の石油目当てだよ」
 
側近「そうなんですかね?」
 
議長「なんでエジプト、チュニジア、シリア、イエメンの内戦には空爆しないんだよ」
 
側近「なるほど。全部石油が出ない国ですよね」
 
議長「今回のリビアはな、オレが思うに、欧米にとってはもっとも理想的な勝ち方だな」
 
側近「そうですか?」
 
議長「自分たちの人的被害ゼロでカダフィ追い出したんだからよ」
 
側近「なるほど。アフガンとイラクはメチャクチャになって批判浴びましたからね」
 
議長「今回は地元の反体勢力を焚きつけて傀儡づくりに成功したわけだよ」
 
側近「はあ」
 
議長「しかもアメリカはまったく表立って出てこなかった」
 
側近「確かにそうですよね」
 
議長「労せずして反欧米政権を倒すことができたんだからよ。これはもう今後の「倒閣モデル」になるだろうな」
 
側近「議長が死んだ後も、けっこうもめたんですか?」
 
議長「オレのあとのことは知らねえな。ま、面倒なことになる前に逃げ切ったってことだなwww」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
リビアの西と東 2011年08月27日13:09
 
側近「今回もリビア情勢ついてお尋ねしたいんですが」
 
議長「ああ」
 
側近「昨日の朝日によると、カダフィはメグラヒ族っていう部族に属してるみたいですね」
 
議長「そうらしいな」
 
側近「どういうことなんですか?」
 
議長「アラブ人ってのは、だいたいどこかの部族に属してるもんなんだ」
 
側近「はあ」
 
議長「中東の国境線なんて、ヤツらにとっちゃあ、たいして意味なんかねえんだよ」
 
側近「なんでですか?」
 
議長「イギリスとフランスの支配地域に線引いただけだから」
 
側近「なるほど」
 
議長「アラブ人に聞いてみな。みんな国よりも部族に帰属意識をもってるよ」
 
側近「それで?」
 
議長「リビアでも同じなんだよ。カダフィはリビアの西側出身だから、トリポリを中心にして支配してるわけだ」
 
側近「そうですね」
 
議長「そんで西側の自分に近い部族を優遇してきたわけだ」
 
側近「はあ」
 
議長「東側の連中は面白くないよな?」
 
側近「そうですね」
 
議長「今回の反政府軍は東のベンガジが拠点だろ?」
 
側近「あ、なるほど」
 
議長「つまり今回の内戦はリビアの西と東の対立なわけだ。「アラブの春」なんてのは欧米が勝手に名付けただけでよ、実態は部族抗争なんだよ」
 
側近「言われてみれば、反政府軍ってエジプトから支援受けてましたね」
 
議長「オレはメディアの報道で疑問に思うことがあるんだけどよ」
 
側近「なんですか?」
 
議長「一般市民の声はいつも反政府軍を支援してるよな?」
 
側近「そうですね」
 
議長「しかしカダフィを支援してる一般市民も、同じくらいいると思うんだよ」
 
側近「そうですか? 独裁者を支援してる市民がいるんですか?」
 
議長「単純に西と東で対立してるとしたら、リビア国民の半分はカダフィを支持しているはずなんじゃないのか?」
 
側近「まあそうかもしれませんが」
 
議長「しかしメディアでは、あたかもリビアのすべての国民がカダフィを憎んでることになってるよな」
 
側近「実際はそうじゃないと」
 
議長「つまりカダフィ政権で得をした連中が、少なからずいるはずなんだよ」
 
側近「しかしそういう声はまったく取り上げられないんですね」
 
議長「そう」
 
側近「なんでですか?」
 
議長「正義はいつも欧米が握ってるからだよ」
 
側近「そうなんですか?」
 
議長「ヤツらは世界のメディアを握ってるからな」
 
側近「アルジャジーラくらいですか」
 
議長「カダフィが悪者になって、誰が得するかを考えてみなよ」
 
側近「はあ」
 
議長「カダフィの頃は中国が投資して石油利権を握ってたわけだ」
 
側近「なるほど」
 
議長「カダフィがいなくなって、中国が追い出されたら、次は欧米のオイルジャーが入ってくるわけだよ」
 
側近「なるほど」
 
議長「それを正当化するためには、カダフィは独裁者で悪者な方がいいに決まってるだろ」
 
側近「でもホントに独裁者だったんですよね」
 
議長「そりゃあそうだよ。でもな、それは要するに身内を優遇するっていう、アラブ人にとっては当然のことをやってるだけなんだ」
 
側近「なるほど」
 
議長「今日のmixiニュースにもよ、
 
[ベンガジ 25日 ロイター] リビアの反体制派「国民評議会」は25日、首都トリポリにあるカダフィ大佐の拠点で、大量の食糧と医薬品の備蓄を発見したと明らかにした。これらを配給することで、国内の物資不足が解消されるという」
 
なんて書いてるけどよ。要するに東の連中が西の物資を横取りしたに過ぎないってことだよ」
 
側近「身内を優遇ですか。それってもしかして、「ハビビな人々」ですか?」
 
議長「そう。宣伝しちゃうけどな。「ハビビな人々」(文藝春秋)を読んでくれれば、ヤツらの考え方がわかると思うぜ」
 
側近「それ、議長が書いた本ですか?」
 
議長「……知らねえな」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
アラブの砂 2011年08月25日21:22
 
側近「議長、ついにカダフィも倒れましたね」
 
議長「そうだな」
 
側近「サダムと同じ運命ですね」
 
議長「そうかもな」
 
側近「どっかに潜伏してるみたいですよ」
 
議長「サダムの最後もみじめだったな」
 
側近「そうですね」
 
議長「息子ふたりも殺されてよ」
 
側近「そうですね」
 
議長「カダフィも3人くらい息子殺されたよな」
 
側近「そうですね」
 
議長「誰もかわいそうだと思わないのかな」
 
側近「独裁者ですからね」
 
議長「だからって息子が殺されてもいいのか?」
 
側近「わかんないすけど」
 
議長「だいたい今回の内戦ってのは、どこに正義があったんだろうな」
 
側近「そりゃ独裁者を倒した反政府軍でしょ」
 
議長「反政府軍はホントに正義なのかよ」
 
側近「カダフィが倒れたら新しい政府を作るんでしょ?」
 
議長「そんでどうなるんだよ」
 
側近「民主主義国家ができるんじゃないですか?」
 
議長「民主主義国家ってのは、要するに欧米の傀儡ってことじゃないのか?」
 
側近「まあそういう一面もあるのかもしれませんが」
 
議長「アラブの有名な言葉に「アラブの砂は強く握ってないとバラバラになる」ってのがあるんだ」
 
側近「はあ」
 
議長「意味わかるか?」
 
側近「……なんとなく」
 
議長「説明してみろ」
 
側近「ええと、砂は握ってないとバラバラに落ちるというニュートンの法則を……」
 
議長「違うな」
 
側近「やっぱり違いますか」
 
議長「アラブってのは独立心が旺盛な連中なんだよ」
 
側近「はあ」
 
議長「だから英雄が出現すると、その下に結束するんだ」
 
側近「はあ」
 
議長「しかし英雄が死んじまったら、てんでバラバラになっちまうってことだ」
 
側近「なるほど」
 
議長「アラブの遊牧民の歴史ってのは、3代100年って言われてるんだ」
 
側近「はあ」
 
議長「栄枯盛衰がメチャクチャ激しいわけよ」
 
側近「つまり今回の内戦は、英雄のタガがはずれた状態だと」
 
議長「そういうことだ」
 
側近「英雄ってのは独裁者ですよね」
 
議長「そう」
 
側近「つまり独裁者がいないとアラブはまとまらないんですか?」
 
議長「平たく言えばそういうことだな」
 
側近「うーん」
 
議長「だから次の政府ができたとしても、そいつは独裁者になって利権を食い漁るんだ」
 
側近「そうですか」
 
議長「いままではカダフィが属していた部族がうまい汁を吸ってたわけだよ」
 
側近「はあ」
 
議長「それが別の部族にすり替わっただけなんだよ」
 
側近「なるほど」
 
議長「そしてその利権に欧米が載っかるわけだ」
 
側近「傀儡ですからね」
 
議長「そうなると、今回の内戦の、いったいどこに正義があるのか、わからなくならねえか?」
 
側近「そうかもしれませんね」
 
議長「まあ、カダフィもナセルにだいぶ傾倒してたからな」
 
側近「ナセルって、エジプトの元大統領ですか?」
 
議長「そう。王制を倒してイスラエルと戦争したやつだ」
 
側近「はあ」
 
議長「ナセリズムってのは、統一アラブ国家を作ることだからよ」
 
側近「はあ」
 
議長「カダフィもそういうのを夢想してたんじゃねえかな」
 
側近「議長もそういうの、考えてたんすか?」
 
議長「オレはオマエ、金儲けの方が忙しかったからよwww」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
日本の内政と欧米の圧力 2011年08月21日23:57
 
備忘録がわりに。。。
 
 
最近思うんですが、日本の国内政策というのは、「欧米の圧力」という点から見ると違った面が見えてくる気がするんです。
 
 
たとえば。。。
 
 
 
前にも書いたけど「学校給食」。
 
やたらとコッペパンが出たのは、アメリカの食料戦略といわれてます。
 
なんで100%輸入の小麦を日本人が食わなきゃならないのかといえば、アメリカが日本人の嗜好を変えて、小麦を消費させようとしたわけです。
 
 
 
 
「ディスカバージャパン」
 
国鉄のキャンペーンですが、要するに、
 
国内旅行しよう=内需拡大
 
ということです。
 
調べてみると70年に始まったらしい。
 
石油ショック以前の、日本がガンガン高度成長してた頃です。
 
 
 
 
「ゆとり教育」。
 
実質的に施行されたのは02年ですが、最初に言い出したのは中曽根の「臨時教育審議会」らしいです。
 
この答申が出たのが80年代後半。
 
つまりバブルの頃と重なります。
 
 
 
 
「大店法改訂」
 
2000年に施行された法律で、郊外に巨大なショッピングセンターがガンガンできはじめます。
 
もちろんコストコとかカルフールとかも。
 
 
 
 
輸出産業でことごとく負け続ける欧米の、日本に対する圧力と「手打ち」の結果なんでしょう。
 
 
そして震災直前までクリーンエネルギーと言われていた原発推進も。
 
 
 
 
朝日の記事によれば、「もんじゅ」は「いつでも核兵器に転用できる」ことが目的で建設されたと。
 
つまり「潜在的核保有国」であることこそが重要だったそうです。
 
 
日本を「不沈空母」と言った中曽根さんの、アメリカとの手打ちだったんでしょうか。。。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
欧州の移民排斥 2011年08月19日20:25
 
側近「議長、今日の北海道新聞見ました?」
 
議長「ああ」
 
側近「……ってどこですかここは?」
 
議長「札幌」
 
側近「なんで札幌にいるんすか?」
 
議長「いいじゃねえかよ」
 
側近「ともあれ国際面で、欧州のテロについて大きく取り上げてますね」
 
議長「ああ」
 
側近「イギリスのイスラム人口って人口の5%にもなるんですね」
 
議長「そうらしいな」
 
側近「300万人くらいいるってことですかね」
 
議長「そうかもな」
 
側近「キャメロン首相は「多文化主義に失敗した」って言ってるみたいですよ」
 
議長「そうは言っても移民の流れは止まらねえよ」
 
側近「そうですか?」
 
議長「だって自分とこにいたって仕事ねえんだしよ」
 
側近「そうですよね」
 
議長「アラブ諸国は若者の失業率が異常に高えんだよ」
 
側近「そうなんすか?」
 
議長「都市部だと50%とかだぜ」
 
側近「ひどいっすね」
 
議長「カネのあるところに人が集まるのは自然だろ」
 
側近「でも欧州諸国は移民規制に動いてますね」
 
議長「日本の非正規雇用者と同じだよ。景気がいいうちは低賃金で儲かるから置いとくけどよ、景気が悪くなったら真っ先にクビ斬るわけだ」
 
側近「景気悪いから、出てってくんない? ってことですか」
 
議長「そういうことだ」
 
側近「記事によると、「過激思想に走るのは第2世代の移民が目立つ。出稼ぎ労働者として苦労した親を見て育ち、人種差別や格差から自分が育った社会に敵意を覚える」と書いてますが」
 
議長「この間のイギリスの暴動でインタビューに出てた暴徒の若いのが、両方ともアラブ系だったな」
 
側近「そうですか」
 
議長「わかりずらい英語話してたよ。あれ、コクニーっていうんだろ?」
 
側近「コクニーですか?」
 
議長「ロンドンの下町の言葉だよ。労働者階級の英語だ」
 
側近「クイーンズイングリッシュっていうのは聞いたことありますが」
 
議長「そりゃあ上流階級の上品な英語だよ」
 
側近「なるほど」
 
議長「しかし、今から欧州を追い出される移民は不幸だよ」
 
側近「なんでですか?」
 
議長「母国に帰ったって仕事ねえだろ」
 
側近「そうですね」
 
議長「しかもアラビア語わかんねんだぞ」
 
側近「親戚の厄介者になりますね」
 
議長「モロッコで世話になった家族も、やっぱりアニキがフランスに出稼ぎに行ってるって言ってたんだ」
 
側近「ほお」
 
議長「そんで仕送りがあるから家族はかなり裕福なんだけどよ」
 
側近「ほお」
 
議長「フランスから追い出されて帰ってきたら、居場所ねえだろ」
 
側近「そうですよね。仕送りしているうちは頼りにされてたかもしれませんが」
 
議長「欧州は移民規制するなら、それなりの保障しねえとならねえだろうな」
 
側近「なるほど」
 
議長「日本の在日問題みたいなもんだ」
 
側近「そうなんですか?」
 
議長「同じだよ。日本でも差別される。韓国に帰っても居場所がない。韓国語もわからない」
 
側近「ところで右翼の連中も気になりますね」
 
議長「警察も、おそらく意図的に野放しにしてたんだろうからな」
 
側近「そうですか?」
 
議長「そりゃあそうだろうよ。外国人移民なんてのは、警察にとっては厄介なだけだろ」
 
側近「議長も警察にはお世話になったんですよね」
 
議長「若い頃はな」
 
側近「年取ってからは?」
 
議長「その前に死んじまったよwww」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ブレイビク容疑者の心の闇 2011年08月16日17:15
 
本日の朝日に、ノルウエー乱射事件のブレイビク容疑者の人となりが、くわしく報じられていた。
 
地元では礼儀正しく、トルコ人経営のレストランでも、とてもフレンドリー。
 
「反イスラムには見えなかった」
 
と店主も話してるそうだ。
 
 
そう。
 
彼は「いい奴」だったのだ。
 
 
 
 
かつて東南アジアの安宿で貧乏旅行している北欧出身旅行者をよく見かけた。
 
彼らは1泊数百円の汚い宿で、裸足でペタペタと歩き回り、衛生的とはとてもいえない屋台で飯をかき込み、夜は蚊に悩まされながらガンジャを吸っていた。
 
 
母国に帰れば、世界最高レベルの給料をもらい、高社会福祉で死ぬまで食いっぱぐれることがなく、チリひとつ落ちてない道路を散歩し、衛生的なレストランで食事をする連中である。
 
 
彼らを見ていて思った。
 
 
まさにそうだからこそ、彼らは汚い東南アジアに逃避してくるのだと。
 
 
要するに汚いカオスの世界にドップリ浸かるために、わざわざ地球の裏側の不衛生な熱帯地方にやってくるのだ。
 
 
そして彼らも、格別変わり者というわけでもない「いい奴」なのである。
 
 
 
 
彼らの「好汚的習性」と、ブレイビク容疑者の右傾化した思想に、私なんかは関連性を見る気がする。
 
 
経済的に恵まれ、すべてが完備した不自由のない暮らしをしている彼らが、心のどこかに破滅的な何かを抱いてしまう。
 
 
美しい町並みをたたき壊してしまいたくなる。
 
若者たちを銃でなぎ倒したくなる。
 
 
一方は、不幸にもそれを実行してしまい、もう一方は、その破滅した世界を東南アジアの汚い町並みに見て安心する。
 
 
ただそれだけのことなのではないだろうか。
 
記事の中の、ノルウエー人記者の言葉、
 
 
 
「彼が狂っていたとは思わない。社会の産物であり、私たちの一人だ」
 
 
 
は重いよなあ。。。。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
奥多摩のバーカウンター 2011年08月15日21:40
 
  
 
 
最近、ヒマなので奥多摩の家の大工工事を進めてます。
 
そんで完成したのが。。。。
 
 
 
バーカウンター!!!!
 
 
 
見てくださいよこの出来映え。
 
 
酒飲みたくなりますよね! ね! ね! ね!
 
 
 
テーブルの方は眺めがすばらしいです。
 
 
 
誰か遊びに来て!!!
 
そしてオレを誉めて!!! 誉めて!!!www
 
 
 
作るにあたっての苦労話は人力山荘開発日記をご覧ください。
 
http://blog.livedoor.jp/jinrikisanso/archives/195818.html
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「アウトドアde世界のどこかの昼ゴハン」のパネル展示 in 八重洲ブックセンター本店 2011年08月15日13:10 
 
 
 
 
関係各位さま
 
 
平素よりお世話になっております。
 
毎日暑い日が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか?
 
 
さて、このたび日本写真企画さまより出版いただきました「アウトドアde世界のどこかの昼ゴハン」のパネル展示が開催されますので、ご案内いたします。
 
 
東京駅前の八重洲ブックセンター1Fに特設コーナーをいただきまして、
 
 
8月15日〜31日
 
 
の二週間、写真パネル20点を展示いたします。
 
お近くにお越しの際は、ぜひ足をお運びくださいませ。
 
 
また「いつ行くから必ずいるように」などのリクエストも、できる限り承ります(笑)
 
 
なにとぞよろしくお願いいたします。
 
 
 
節電の夏 日本の夏  中山茂大拝
 
 
 
※日本写真企画HPでバーチャルブックが見られます!
 
→ http://www.photo-con.com/
 
 
八重洲ブックセンターHP
 
→http://www.yaesu-book.co.jp/floors/index.html
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
幸せなイタリア 2011年08月14日00:13
 
10日付の朝日のコラム「幸せなイタリア」が、けっこう面白かったので書き留めておきます。
 
まずアルマーニ氏のインタビュー。
 
 
 
 
「イタリアでは、ファッションとは生きるという行為そのものです」
 
 
 
 
……まじですか。
 
 
だったらオレなんか、どうなっちゃうんですか。
 
 
「オマエはすでに死んでいる」
 
 
じゃないですか。
 
 
 
 
 
ゾンビですよゾンビ!
 
 
 
 
 
さらに続けるアルマーニ氏。
 
 
「服を着るということは純粋な喜びであり、安らぎでもある。自分らしさや自信を得るため、そして気分を高めるためのひとつの手段なのです」
 
 
 
 
服を着ることは喜びである。
 
 
 
……私なんぞでも何年かに一回、服を買うんですが(しかも古着)。
 
安らぎではないかな。
 
服着ることで自信も出ないな。
 
そういう服を選んでないからかもしれませんが。
 
 
 
 
 
 
ここまで書いてみてようやくわかりました。
 
 
アルマーニ氏。
 
私みたいな人間は、最初から相手にしてないんですね。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
同コラムのイタリア人料理研究家女性のお話。
 
 
 
「神様がこう質問する。「あなたをライオンか羊に変えるつもりだ。どっちがいいか。ただし、ライオンなら1日だけの命。羊なら100日生きられる」。イタリア人はライオンを選ぶ。おいしいものを食べ、誇り高く生きた方がほうがいい」
 
 
 
 
これ、すごくよくわかるな。
 
いや、彼らの考え方が、というのではなくてね、ギリシャ人も同じようなこと言ってたんですよ。
 
 
 
「人生は楽しまないと損だ。なぜなら人生は有限だからである」
 
 
 
要するにそういうことなんですよね。
 
だから翌日仕事でも平気で朝まで飲んでる。
 
しかも連日。
 
日本だったらあり得ないですよ。
 
 
ここでいま気づいたんですが、日本で電車が24時間営業にならない理由は、まさにここにあるのかもしれない。
 
 
 
 
 
ところで多くの日本人はどっちを選ぶでしょうか。
 
 
間違いなく羊でしょう。
 
私も羊です。
 
 
なぜなら。
 
 
 
 
肉、そんなに好きじゃないし。
 
野菜食ってる方が幸せだし。
 
長生きしたいし。
 
別に誇り高くなくてもいいし。
 
 
 
 
 
彼女の祖父が言っていたそうです。
 
 
「まずいものを食べて長生きしても人生に意味はない」
 
 
 
 
そ、そうですか?
 
長生きすることは価値があると思うんですが。
 
だって、どんな天才でも二十代で死んじゃったら、なにも業績残せないじゃない。
 
 
イチローなんかカレーしか食わないんだしさ(確か)。
 
 
 
 
それにしても、現在の西洋人にデブが多い理由がよくわかりますね。
 
要するに「人生は短いから楽しまないと損」という理由で、うまいものたらふく食ってブクブクに太ってるわけですよね。
 
 
なんて享楽的な連中なんでしょうかね。
 
 
 
そしてまったく違った価値観のアジア諸国が、経済的に世界を席巻しているのも、なんだか頷ける気がしたのでした。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
東京ジャーミー 2011年08月13日14:10
 
昨日、仕事で代々木上原のモスクに行ってきた。
 
金曜日はイスラムでは休日で、もっとも重要なお祈りの日なので、モスクにはざっと300人以上のムスリムが集まっていた。
 
東京モスクは主にトルコ政府の出資で建てられたそうなので、トルコ人が多いそうだが、他にもアフリカ系、マレー系、アラブ系、インド系と、まったく多国籍である。
 
人種的な垣根がまったくない空間である。
 
我々異教徒もモスク内に入ることができて、すぐ近くでお祈りを見物できるんだが、これはイスラム諸国ではありえないことだ。
 
 
 
12時45分過ぎくらいから、イマム(指導者)が登場してお祈りタイムが始まる。
 
ムアッジンのおっさんのアザーンは本格的だ。
 
本国からちゃんとしたプロを招聘したことがわかる。
 
モスク内に朗々と響き渡るアザーン。
 
 
 
 
うーむ。荘厳である。
 
 
 
 
音響効果を考えた建築なのか、響き渡るアザーンが、なんだか宇宙にまで届きそうな感覚である。
 
 
 
イスラムが世界宗教に発展したのは、このアザーンの美しさがひとつの大きな理由なんだろうと思う。
 
イスラム文化は、中世ではもっとも進んだ文明だったわけだが、それとセットでイスラムが普及していった。
 
進んだ文明を取り入れる過程は、イスラムを受け入れる過程でもあったわけだ。
 
 
 
イスラム教はユダヤ教、キリスト教のあとにできた宗教なので、他のふたつと比べると比較的、教義が合理的である。
 
ムハンマドさんは奇跡を起こさない。
 
モーゼみたいに海が割れることもないし、キリストみたいに湖の上を歩いたりもしない。
 
彼はただの人間で、たまたま神様に選ばれた。
 
たまに天使が降りてきて、神様の言葉を伝えるだけである。
 
ムハンマドさんがうめきはじめると、信徒数人がメモ帳を片手に取り囲んで、一字一句漏らさず、神様の言葉を書き留めたという。
 
 
 
「僕は最初キリスト教に入信したんですが、四年前にイスラム教に改宗したんです。理由ですか? ……キリスト教よりも教義が合理的に思えたからです」
 
 
モスクで会った日本人の若者はそう言った。
 
 
中世までは画期的で先進的だったイスラム教は、1000年経った今日、さらに合理的な資本主義に押されて、すっかり時代遅れになってしまった感じである。
 
 
しかしモスクに響き渡るアザーンは、間違いなく人の心に訴える力を持っている。
 
 
 
アッラーは偉大なり。
 
ムハンマドは神の使いである。
 
 
 
無神論者の日本人にも訴えるなにかを持っているような気がした。
 
機会があったらぜひ行ってみてください。
 
スタッフも非常にフレンドリーです(イメージアップに腐心されているのでしょう)。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ヒューマン・ライツ・ウォッチ 2011年08月09日09:17
 
今日の朝日新聞に、人権団体の代表がコラムを書いている。
 
 
 
日本政府は外国の人権侵害を座して見ていると。
 
欧米諸国は積極的に非難すると。
 
日本政府は莫大な経済支援をしているから発言力があると。
 
だからもっと外国政府に圧力をかけろと。
 
そういう内容である。
 
 
 
 
……この人は相当西洋にかぶれてるな。
 
 
 
 
欧米と日本の姿勢の違いを、著者はメディアの取り上げ方の違いだと説明している。
 
欧米のメディアは海外事情を大きく取り上げるので、世論が喚起されると。
 
確かに日本は国際面が小さい。
 
これは私も不満です。
 
 
 
 
でもさ。よく考えてみなよ。
 
 
 
 
外国政府の人権侵害にいちいち口を出すのは、欧米だけなんじゃないの????
 
 
 
 
他の国は、例えば中国もロシアもインドも、基本的に内政不干渉じゃん。
 
 
 
つまりだよ。
 
外国に口出しするのは、基本的に旧宗主国なんだよ。
 
 
 
そしてあいつらは、自分たちにその権利と義務があると信じてるんだよ。
 
 
 
それはこういう論理だ。
 
 
 
所詮、途上国の連中には国を治める能力がないから、我々が助言をしてやるのだと。
 
 
 
そして、そうやって口出しする国が、自分たちの利権に絡んでない国に限られるということも、なんだかなあと思うわけです。
 
 
 
 
もちろん人がたくさん死ぬのはよろしいことではないですよ。
 
そしてそれを止めさせるように努力することもよいことでしょうよ。
 
 
 
しかし日本政府の内政不干渉を貫く態度も悪くないと思うな。
 
欧米が口出しして事態が悪化した事例もたくさんあるんだしさ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
アメリカ人が選んだ世界の気色悪い食べ物ベスト10 2011年08月08日21:52
 
mixiニュースから。
 
アメリカ人が選んだ世界の気色悪い食べ物ベスト10。
 
それぞれに私なりのコメントを付してみた。
 
 
1、馬乳酒―馬の乳を原料とした酒、モンゴルなど中央アジアの遊牧民の間で飲まれる
 
これ、実はカルピスの元ネタなんですよね。
 
だから日本人には恩人みたいなモノなんですが。
 
 
 
2、ハカール―サメ肉を数カ月間発行させたもの、アイスランドの郷土料理
 
これは喰ったことないが、韓国の腐ったエイの刺身は喰ったことがある。
 
ものすごいアンモニア臭で、すごいのになるとその刺激で口の中がただれるという。
 
韓国では高級品。
 
 
 
3、蛇酒―酒に蛇を漬け込んだもの、アジアでは滋養強壮に効くと人気が高い
 
ヘビは西洋でも再生の象徴ですよ。
 
アスクレピウスの杖とか、杖にエビが巻き付いてる意匠はアメリカの救急車にも描かれますよ。
 
 
 
4、バロット―孵化直前のアヒルの卵を加熱したゆで卵、フィリピンなど東南アジアで食べられる
 
これは確かにグロテスクだな。夜中の屋台で喰ったから喰えたかもしれません。
 
でもうまかったよ。
 
 
 
5、シベット・コーヒー―ジャコウネコ科の動物「シベット」の糞からとれるコーヒー豆、インドネシアが発祥
 
↑知らね。
 
 
 
6、醉蝦―生きたままのエビを酒に漬けて酔わせてから食べる、通称「酔っ払いエビ」
 
生きた芝エビはタイで食った。
 
翌日、空前絶後の下痢に。
 
 
 
7、ツバメの巣―言わずと知れた中華料理の最高食材だが、西洋人にとっては「鼻水みたいな食感」
 
 
↑鼻水はないだろ。
 
 
 
8.ピータン―熟成させたアヒルの卵、中国ではごく日常的に食べられているのだが…
 
大好物なんですけど。
 
 
 
9、カース・マルツ―イタリアのウジ虫入りチーズ
 
 
知らね。でも喰えそう。
 
 
 
10、スマルヴ―羊の頭の燻製、そのまま食卓に上がる、ノルウェー料理(翻訳・編集/NN)
 
羊のアタマはよく喰いますよ。
 
地中海周辺のアラブ人やらユダヤ人の好物ですよ。
 
そして狂牛病の原因であるスクレイピーの発祥でもあります。
 
狂牛病は羊の脳みそを喰うユダヤ人の風土病だったそうです。
 
 
 
というわけで、このランキングはアメリカ人の世間知らずを図らずも露呈した結果といえるでしょう。
 
それにしても、よそ様の食生活を勝手にけなすってのは、品がありませんなあ。
 
アメリカ人らしいけどさ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
シリア政府軍無差別攻撃 2011年08月04日00:05
 
側近「議長、シリアがたいへんみたいですね」
 
議長「ああ。アサドんとこもヤキが回ったな」
 
側近「あそこもひどい独裁国家ですからね」
 
議長「そうだな」
 
側近「どうなんすか?」
 
議長「オヤジの頃からかわらねえな」
 
側近「今息子ですね」
 
議長「大統領なのに世襲してやがるんだよ」
 
側近「終わってますね」
 
議長「終わってるな」
 
側近「しかしなんでアメリカは、リビアみたいに軍事介入しないんでしょうかね」
 
議長「そんなの簡単じゃねえかよ」
 
側近「なんでですか?」
 
議長「石油がねえからだよ」
 
側近「あ、なるほど」
 
議長「リビアもイラクもやっつけて傀儡政権つくれば儲かるわけだよ。シリアにはそれがねえんだよ」
 
側近「それだけですか?」
 
議長「それだけだ」
 
側近「……しかしそれじゃ、なんでアフガンには介入したんですか?」
 
議長「あれは中国だよ」
 
側近「え?」
 
議長「要するに中国包囲網のひとつなんだよ」
 
側近「よくわからないんですが」
 
議長「アメリカの最大の仮想敵国は中国なんだよ。アフガン戦争で、中央アジアに軍事基地作っただろ? アレは対アフガンってよりも対中国だな」
 
側近「なるほど」
 
議長「もちろんタリバンがビンラディンかくまってたのはホントだろうけどな」
 
側近「それにしてもシリア、これからどうなるんですかね」
 
議長「アレは一種の代理戦争だからな」
 
側近「代理ですか? どこの?」
 
議長「サウジとイランだよ」
 
側近「はあ」
 
議長「アサドはシーア派だからイランなんだよ。反政府はスンニ派だからサウジなんだ」
 
側近「あ、そうか」
 
議長「両方がカネ出して煽ってるわけだよ」
 
側近「それでどうなると思います?」
 
議長「わかんねえけど、アサドで続投じゃねえかな」
 
側近「なんでですか?」
 
議長「……なんとなくだ」
 
側近「根拠ないじゃないすか!」
 
議長「おそらくイスラエルがシリアの政情不安を望まないな」
 
側近「はあ」
 
議長「アサドはクズ政権だけどよ、他のに任せてアルカイダとか面倒な連中が入ってくるとウザイんじゃねえかな」
 
側近「なるほど。パキのザルダリみたいなもんですね」
 
議長「そう」
 
側近「そうなると反政府勢力がかわいそうですね」
 
議長「おそらくアメリカからサウジに資金提供やめろって圧力がかかるな」
 
側近「そうか」
 
議長「そしたらデモ参加者も減って自然収束するんじゃねえかな」
 
側近「デモ参加者はカネもらってるんすか」
 
議長「当たり前じゃねえかよ。じゃなかったら危ないデモになんかいかねえよ」
 
側近「議長も相当カネもらったんですよね」
 
議長「そうだな、「ア」とか「イ」とか……おっと、これ以上しゃべったらモサドに消されちまう」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「福島で生きる!」 2011年08月03日23:09 
 
 
「福島で生きる! 原発31km地点・100日の記録」(洋泉社)
 
 
福島原発から31キロ地点で取材を続けるライターの先輩、山本一典氏のご著書をいただきました。
 
山本氏は田舎暮らしの専門家として、福島の都路町に移住されましたが、今回の震災で避難区域に指定されたため、現在、区域ギリギリの常葉町に引っ越し、そちらで活動されてます。
 
じつは先日、福島原発に突入した前日にお世話になったのが、山本さんのお宅でして、酒のみ同士、楽しく過ごさせていただきました。
 
 
 
 
当時の氏のお話からすると、福島がもっとも戦っているのは、おそらく風評被害ではないかと思います。
 
 
私が原発の目の前まで行ってみたのも、山本氏から「おそらく大丈夫」と聞いたからでした。。。。。とはいっても車の外には一歩も出ずに、しかも車内空調だったんですけどね(笑)
 
 
そのときの映像は、YouTubeに投稿したら、6000ヒットくらいいきました。
 
 
中には「大人げないことするな」というコメントもつきましたが、私はそうは思わないな。
 
だって大丈夫なんだもん。
 
そして原発の目の前まで行っても大丈夫なら、遠く離れた会津の野菜も大丈夫でしょう。
 
少なくともそのことが証明されたと思います。
 
 
 
 
正しい知識があれば、どこまで大丈夫なのかの判断がつきます。
 
食べ物もそうです。
 
一部のマスコミが放射能の危険を煽り、現地を知らない都会人は、福島産=放射能と思ってしまう。
 
日本でさえそうなんだから、外国はなおさらと思います。
 
 
 
私たちが正しい知識を身につけ、少なくとも偏見をなくすことが、間接的に福島の復興につながるのではないでしょうか!……と熱く語ってみたりして。
 
 
山本氏の今後の活動に注目したいと思います。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
シェーン 2011年08月03日01:01
 
西部劇である。
 
 
男の子がラストシーンで叫ぶ、あの場面で有名な映画である。
 
しかしあの場面って、じつは夜だったのね。
 
 
 
この映画を見てると、アメリカという国の成り立ちがすごくよくわかる。
 
未開の開拓地で大木の根っこと格闘し、少しずつ家畜が殖え、コミュニティを大事にしながら、徐々に町が大きくなっていく。
 
 
無法者の大地主との争いがあり、そこでもコミュニティが結束する。
 
みんなで団結して、地主と戦い、最後には自分の土地を守り抜く。
 
独立自営農民はアメリカ人の誇りである。
 
 
 
アメリカ人にはフロンティアが必要だったという説がある。
 
19世紀の終わりにフロンティアが消滅したときのアメリカ人の失望は、想像に難くない。
 
 
その後どうなったかというと、アメリカは今までのモンロー主義を捨てて、海外に乗り出す。
 
メキシコと戦争して領土を拡張する。
 
米西戦争でスペインに戦争を仕掛けて、ハワイとフィリピンを分捕る。
 
その延長が太平洋の反対側、日本だったと。
 
 
 
アメリカという国の歴史は、果てしない植民の歴史だった。
 
その過程は同時に、コミュニティの増殖=民主主義の拡張の歴史だった。
 
 
そう考えると現在のアメリカのスタンスというのは、西部劇の頃とたいして変わってないような気もしないでもない。
 
 
民主主義と同時に、植民の代わりにアメリカ資本が怒濤のようにやってくる。
 
シェーンみたいに、悪いヤツをやっつけたら潔く身を引いてくれればいいのに。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ミスト 2011年07月26日23:32
 
この間、借りてきてみた映画。
 
霧の中に得体の知れない怪物が潜んでいて、人々が襲われる。
 
 
舞台はスーパーマーケット。
 
買い出しに来た大勢の人が取り残され、怪物に襲われ、意見が対立し派閥ができ、徐々に秩序が失われていく。
 
 
 
この映画では、ハリウッド映画に通底する「運命は自分で切り開くもの」というテーマが見事に裏切られているのが面白い。
 
 
自分で運命を切り開こうと、果敢に霧に挑戦した人たちは、主人公を含めてほぼ全滅する。
 
一方で女教祖の新興宗教を信じてスーパーに籠城した日和見の一般市民は助かる。
 
 
 
前に書いたけれど、ハリウッド映画の災害モノというのはパターンが決まってるように思う。
 
真実を公表しようとする科学者であるところの主人公と、経済優先のためにそれを隠蔽する政治家との対立があり、いざ災害が起きると、主人公は家族と人類を助け出すために英雄的な働きをする。
 
 
この映画は、そういう本来、英雄であるところの主人公が、もっとも不幸な運命に陥る……。
 
 
 
 
調べてみると監督のフランク・ダラボン氏はハンガリー系アメリカ人だった。
 
共産圏から逃れた家族がアメリカに移住したらしい。
 
 
そういう経緯を考えてみると、この映画には、アメリカ人的(ジェームズ・キャメロン的というか)な「自分の能力を信じて挑戦すれば、必ず報われる」という単純なアメリカンドリームを、冷ややかに見つめる視点が感じられて、私なんかは小気味よい思いがした。
 
 
「アメリカの幻想」という小説を書いたエリア・カザンもギリシャ系アメリカ人だったけれど、アングロサクソン系主流以外の移民には、こういうシニカルな視点が共通するもんなんだろうか。
 
 
 
面白い映画なんで、ぜひ見てみてください。
ネタバレしてるじゃねーか!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ゴビンタ被告 2011年07月23日11:59
 
捜査官A「オマエがやったんだろ!!!!!!!」
 
ゴ被告「やってません! やってません!」
 
捜査官B「ウソついてんじゃねー!!!!!」
 
ゴ被告「やってません! やってません!」
 
捜査官A「オマエしかいねえんだよ!!!!!!!」
 
ゴ被告「やってません! やってません!」
 
捜査官B「いつまでも手間とらせるんじゃねー!!!!!」
 
ゴ被告「やってません! やってません!」
 
捜査官A「××××人のくせに、ふざけやがって!!!!!!!」
 
ゴ被告「すいません! すいません!」
 
捜査官B「そろそろ白状しろ!!!!!」
 
ゴ被告「やってません! やってません!」
 
捜査官A「でもセックスはしたんだろ?」
 
ゴ被告「しました!」
 
捜査官B「やっぱやってんじゃねーか!!!!!」
 
ゴ被告「やってません! やってません!」
 
捜査官A「セックスして殺してカネとって逃げたんだろ!!!!!!!」
 
ゴ被告「してません! してません!」
 
捜査官B「ウソつくんじゃねー、××××人のくせに!!!!!」
 
ゴ被告「すいません! すいません!」
 
捜査官A「ここにサインしろ!!!!!!!」
 
ゴ被告「しません! しません!」
 
捜査官B「××××人のくせに、なめてんじゃねーぞ!!!!!」
 
ゴ被告「すいません! すいません!」
 
捜査官A「てめえ、不法滞在してんだろうが!!!!!!」
 
ゴ被告「すいません! すいません!」
 
捜査官B「てめえらはみんな犯罪者だろうが!!!!!」
 
ゴ被告「違います! 違います!」
 
捜査官A「オレが殺したって言え!!!!!!!」
 
ゴ被告「言いません! 言いません!」
 
捜査官B「でもセックスはしたんだろ?」
 
ゴ被告「しました!」
 
捜査官A「じゃあやっぱオマエが犯人だ!!!!!!!」
 
ゴ被告「違います! 違います!」
 
 
 
 
公正な判決が出ることを期待しましょう。
 
ゴ被告に幸あれ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
モノポリー 2011年07月20日21:17
 
側近「議長、イギリスの盗聴事件が大々的に報道されてますね」
 
議長「そうだな」
 
側近「オーナーのマードック氏についてもくわしく報じられてますね」
 
議長「メディア王なんだろ?」
 
側近「そうみたいです」
 
議長「どんだけすごいんだよ」
 
側近「すごいっすよ。イギリスの新聞各紙、アメリカのウオールストリートジャーナルとか映画会社の20世紀FOX、出版社のコリンズとか」
 
議長「へええ」
 
側近「世界のマスコミを牛耳ってるんですね」
 
議長「そんで代議士もアタマがあがらねえんだな」
 
側近「イギリスの首相もアタマ上がらないみたいですね」
 
議長「マスコミがここまで力持つってのも考えものだな」
 
側近「日本のマスコミはクライアントにアタマ上がらないですからね」
 
議長「この記事読んでてよ、モノポリーってゲーム思い出したよ」
 
側近「議長、モノポリーなんてやるんすか?」
 
議長「いいじゃねえかよ」
 
側近「まあそうですが」
 
議長「要するに「独占」ってゲームなんだ。土地や企業を買収してのし上がっていくわけだよ。そんでコマが停まったら利用料金を払う」
 
側近「そして全部独占したら勝ちなんですよね」
 
議長「終わったあと人間関係が悪くなるんだけどな」
 
側近「そうかもしれませんね」
 
議長「子供が遊びながら金融感覚を身につけるってことらしいんだけど、それにしてもエゲツナイよな」
 
側近「そうですね」
 
議長「いかにも西洋人が考えたゲームって感じだよ」
 
側近「なるほど」
 
議長「オレは前から思ってたんだけどよ、最近「WIN WIN」って言い方するだろ」
 
側近「はい」
 
議長「両方に利益があるって意味だよな」
 
側近「そうすね」
 
議長「あいつらにとっては利益が出ることは勝つことと同じなんだなあと思ったよ」
 
側近「はあ」
 
議長「要するに損することは負けることなんだ」
 
側近「なるほど」
 
議長「この競争原理ってのが、西洋人の思考なんだよな」
 
側近「そうですかね」
 
議長「得する=勝つって考え方は、日本人はしないよな」
 
側近「議長、ナニ人ですか?」
 
議長「そんなことはどうでもいいんだよ」
 
側近「確かに勝ち負けじゃないですよね」
 
議長「他人を出し抜いて、買収して、企業をでかくして、勝ち上がっていくことが、そんなにいいことなのか、オレには疑問だな」
 
側近「でもそうじゃないですか?」
 
議長「なんでよ」
 
側近「みんな金持ちになりたいじゃないですか」
 
議長「金儲けってのはそういうもんか?」
 
側近「は?」
 
議長「青色発光ダイオード発明して、何十億円の特許料をもらうのは正当だよな」
 
側近「そうですよね」
 
議長「でもよ、アメリカの投資信託みたいなのはどうなんだよ」
 
側近「そうすね」
 
議長「カネを右から左に移すだけで、なにも生み出さないだろ? しかもそいつだけが儲かって、誰も得しないんだぜ」
 
側近「うーん」
 
議長「カネってのは、世の中のためになることで儲けるべきだろ」
 
側近「理想はそうですよね」
 
議長「そういう西洋的な勝ち負けの思考が、世の中をダメにしてるんだねえかなあとオレは思うんだ」
 
側近「なるほど」
 
議長「そんで現実のモノポリーで勝った連中は、年俸70億円とか平気でもらってるだろ?」
 
側近「ゴールドマンサックスのCEOですか」
 
議長「そう」
 
側近「あれは確かにおかしいっすね」
 
議長「オレはむしろ、そういうのを当然と思う社会の方がおかしいと思うな」
 
側近「特にアメリカですか?」
 
議長「アメリカ社会ってのは西洋人社会を極端にしたようなもんだからよ」
 
側近「なるほど」
 
議長「勝ったヤツが親の総取りして当然てことなんだろうな」
 
側近「弱者にキビシイ社会ですよね」
 
議長「だからみんな強くないといけないし、権利は主張しないと損だし、自分の非は絶対認めちゃダメなんだよ」
 
側近「なんか、我々には居心地悪そうですね」
 
議長「そういえば人生ゲームってのもあったな」
 
側近「くわしいすね」
 
議長「まあな」
 
側近「それで?」
 
議長「あれも今から考えるとエゲツナイゲームだったな」
 
側近「そうでしたっけ?」
 
議長「だってオマエ、始まってすぐに職業決まるだろ?」
 
側近「そうすね」
 
議長「医者とか弁護士になったら、いい給料もらえるけどよ、素通りしちまったら平サラリーマンでよ、すんげえ薄給なんだぜ」
 
側近「子供に人生の厳しさを教えるって嗜好なんですかね」
 
議長「あれもアメリカのゲームなんだけどよ、西洋人の考え方ってのは、どうもエゲツナイよな」
 
側近「議長もエゲツナイことして儲けたんじゃないすか?」
 
議長「……まあ死人に口なしってことよwww」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
田舎に住み始めた理由 2011年07月19日13:05
 
よく聞かれるので、一回まとめてみようと思います。
 
まず遠因にあったのは阪神の震災でした。
 
あれで都会のインフラのもろさを痛感しました。
 
電気も都市ガスも水道も止まり、トイレには汚水があふれて、これはもう住んでられないなと思いました。
 
 
今回の震災では携帯電話も無力だとわかりました。
 
そして買い占め。
 
やっぱり都会は危険だなあと思ったわけです。
 
 
 
 
もうひとつは、世の中がどんどんおかしくなっていることへの不安でした。
 
 
金持ちと貧乏人の格差が広がってます。
 
世界レベルでの格差は、それはもうものすごいです。
 
 
しかも今はテレビやネットでその事実をすべての人が知ってます。
 
かつてはなんとなくウヤムヤに隠されていた不公平がさらけ出されたわけです。
 
 
イスラムで止まない自爆テロは、おそらく宗教問題ではありません。
 
あれは階級闘争です。
 
貧乏人の金持ちに対するレジスタンスです。
 
 
 
 
格差は日本でも広がってますが、世界的に見て、今のところまだまだいい方だと思います。
 
しかしその差はどんどん広がってます。
 
 
そしてこの先、放っておいたらどうなるか。
 
2世代3世代にわたって格差が定着します。
 
つまり西洋のような階級社会になるでしょう。
 
ブルーカラーとホワイトカラーは厳然と分けられて、高校あたりから職業学校、普通科高校と進路は決まってしまう。
 
外国人労働者の流入も遅かれ早かれ進むでしょう。
 
そうするとブルーカラーと外国人の対立が起きます。
 
 
 
フランスではイスラム女性のスカーフが禁止になりました。
 
あれは現実には外国人労働者の排斥です。
 
数十年後にイスラム人口がキリスト教徒の人口を上回ることを政府が恐れたのです。
 
 
都市には外国人が増え、犯罪も増えるでしょう。
 
アメリカでは都市人口の多くは貧困白人と黒人とラティーノだそうです。
 
同じ地区に黒人が住むと地価が下がる=資産が目減りするからだそうです。
 
 
ミドルクラス以上の白人は、郊外に数千人単位の要塞のようなコミュニティを作って住んでいます。
 
日本は十年後のアメリカを追っかけてるそうですが、日本もそうなるのかもしれません。
 
 
こうした格差は、どんどん臨界点に近づいていくでしょう。
 
そして一度世の中が壊れないと是正されないのかもしれません。
 
 
 
そうなった時、やはり食糧自給できる人間は強いと思います。
 
そんなことで私にとってのリスク回避が田舎に住むことでした。
 
 
 
 
そして最後に。
 
今、田舎にはビジネスチャンスがゴロゴロ転がってます。
 
ポイントは田舎の人たちが、地域の観光資源に気づいてないこと。
 
震災を契機に、田舎が見直されることは必至です。
 
いろいろやりたいことはあるんですがそれはナイショ(笑)
 
 
 
 
もちろんお仕事の関係で都会に住まざるを得ない人もたくさんおられるわけですから、私のようなやくざな家業だからこそできるのだとも言えるでしょう。
 
都会が壊れたときのために、みなさんの退避場所を整備しておきたいと思います。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「遊牧民から見た世界史」 2011年07月16日23:48
 
「遊牧民から見た世界史」(杉山正明 日経ビジネス人文庫)
 
 
タイトル通り、遊牧民から見ると、世界史は違ったものに見えてくる。
 
 
 
日本人が共有する世界史は西洋人から見た世界史である。
 
だからどうでもいい中世ヨーロッパの歴史を長々と勉強することになる。
 
 
 
それでも中国の歴史は、けっこうくわしく勉強するんだろう。
 
しかしその中国史も、中国王朝から見た歴史である。
 
都合の悪いことは書かない。
 
特に遊牧民に占領された屈辱の歴史は触れたくない。
 
 
だから文献資料も、あまり残ってない。
 
遊牧民については、中国よりもイランとかの方が残ってるそうだ。
 
しかしペルシャ語という厚い壁が立ちはだかる。
 
というわけで遊牧民の歴史は、なかなか解明されないまま現在に至ってると
 
 
そういうことらしいです。
 
 
 
それで著者のような奇特な学者の地道な作業で、だんだんわかってきたこと。
 
それは遊牧民の歴史上の役割は、これまで考えられてきた以上に重要だということ。
 
 
今まで遊牧民は破壊者とされてきた。
 
モンゴルは占領する地域を破壊しながら征服していったといわれている。
 
 
しかし広大な地域を支配したあとは、商業を奨励した。
 
モンゴル帝国の時期は、マルコポーロのような商人が活躍した時代だが、実際にはイスラム商人が活躍していた。
 
 
この時代は人種の垣根が取り払われた時代だったらしい。
 
フビライの宰相はムスリムやチベット人やウイグル人だったそうだ。
 
広州あたりにイスラム教徒の町ができた。
 
 
 
軍事のモンゴルと商業のイスラムは共同で発展した。
 
世界レベルで商業が大発展した時代だった。
 
 
 
 
 
他に面白かった部分。
 
 
この本によると、歴代王朝でも漢民族の王朝は少ないそうだ。
 
 
「じつのところ中国史をつうじて、純粋の漢族王朝といえそうなのは、せいぜい漢・宋・明くらいでしかない」
 
 
へええ。そうなんだ。
 
 
しかもこれらの王朝も、外周の遊牧民に常におびえてた印象がある。
 
漢民族、じつは弱い。
 
 
 
それにしても唐も漢民族じゃなかったんだ。
 
確かに言われてみれば楊貴妃はペルシャ人だったらしいよな。
 
安禄山もペルシャ人だった。
 
 
唐の時代もやたら異人がやってきた時代だ。
 
そして商業が発展した。
 
遊牧民=交易だが、異民族の王朝は商業主義なわけだ。
 
 
 
 
 
 
塩について。
 
中国歴代王朝は、塩の専売で儲けていた。
 
塩には高額の税金がかけられた。
 
だから「闇塩」が出回る。
 
役人はこれを取り締まり、組織を徹底的に弾圧する。
 
組織は強力に武装して、これに対抗する。
 
これが結集すると反政府勢力になる。
 
歴代王朝が崩壊した原因はこういう闇塩商人の暗躍が関係していることが多いという。
 
 
「中華世界において、王朝時代の政府と塩商人との関係は、巨利を喰いあう公権力と裏社会という図式である。近現代もふくめて、中国史を通じて見られる政府権力と秘密結社という二大対立の構図といえるかもしれない」
 
 
 
 
 
 
あと、著者の西洋文明批判が気持ちがいいので、以下抜粋したい。
 
 
 
「「ヘレニズム」は、こと東方に関する限り、零ではないが、「虚像」にちかい。欧米人のロマンの所産といっていい」
 
 
「(ペルシャ戦争について)ギリシアの勝利に終わったこの戦争の意義を、ともすれば東方の専制国家に対するギリシア民主制の勝利とだけ片付けがちであるのと同じ精神に発する。古代ギリシアに、みずからの文明の源をおきたがる近現代の欧米人のロマンティックな心情のなせるわざである」
 
 
「こうして見ると、ときとしてギリシア都市文明の意義のみを、もっぱら高々と掲げるかにおもえる主張や言説のかずかずは、もちろんそれ相応の理由はあるにせよ、いささか辺境でひとりよがりな面も否定できない(ひどい場合は、西洋中心主義の「宣教行為」にも類するとさえ、いえるようなこともあるが)」
 
 
「西洋人のいう「地理上の発見」、最近の日本で流行する「大航海時代」において、西欧はささやかな力でも優位にたてる南北アメリカ大陸やオセアニアなど、ことさらに「弱いところ」を突いて支配した。組織だった国家を形成しているアジア諸地域にたいしては、「海からの交易者」にとどまった。
しかも、南北アメリカ大陸の場合が顕著だが、様々なネイティヴ・アメリカンたちの社会・文化を押しひしぎ、圧殺し、すりつぶし、殺戮の限りを尽くして、強引に征服していった。じつは、人類史上、最大の征服は、この時期における西欧の南北アメリカ征服ではないか。それは、同時に、人類史上もっとも悪辣で、残虐で、野蛮な征服であった。これは率直・単純な厳然たる事実である。西欧風の人道主義などで覆いきれるものでは、到底ない。欧米人もふくめ、わたくしたちはこの事実を、もっとストレートに見る必要がある」
 
 
……やっぱそうなんだ!
 
少々キツイ書き方だが、著者の怒りが伝わってくる。
 
しかしこういう批判って、マスコミではどこまで許容されるんだろうか。
 
あんまりやっちゃうと外交問題になりそうだしなあ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
オバマとダライ・ラマ 2011年07月16日11:28
 
側近「議長、オバマがダライラマと会うそうですね」
 
議長「そうらしいな」
 
側近「西洋人ってダライラマ好きですよね」
 
議長「そうだな」
 
側近「なんでですかね」
 
議長「中国が嫌いだからだろ」
 
側近「は?」
 
議長「要するに中国が悪者なんだよ」
 
側近「なんで?」
 
議長「いろんな連中が言ってたけどよ、中国の一人っ子政策がキリスト教徒には許せねえらしいんだな」
 
側近「なるほど」
 
議長「一党独裁とかよ。デモクラシーじゃない国は敵なんだよ」
 
側近「それとダライラマがなんの関係があるんすか?」
 
議長「そりゃオマエ、中国がチベット占領してるからじゃねえかよ」
 
側近「なるほど」
 
議長「別にオバマがダライラマのファンだから会うわけじゃねえよ」
 
側近「おじいちゃんですしね」
 
議長「そういう意味じゃねえよ」
 
側近「つまり中国に対する牽制ってことですか」
 
議長「そういうことだ」
 
側近「なんで今なんですかね?」
 
議長「例のベトナムとの関係だろ」
 
側近「はあ」
 
議長「南シナ海で中国海軍が暴れてるだろ? あれだよ」
 
側近「そうですか」
 
議長「要するにあんまり好き勝手するなよと」
 
側近「なるほど」
 
議長「アメリカの仮想敵国はずーっと中国なんだよ」
 
側近「ほお」
 
議長「日本海から沖縄から台湾まで包囲網ができあがってるわけだ」
 
側近「ほお」
 
議長「だから中国は南に制海権を広げるしかないわけだ」
 
側近「それにしても中国、調子に乗りすぎですよね」
 
議長「そうか?」
 
側近「だって新幹線とか、勝手に特許申請したりしてるじゃないですか」
 
議長「あれは笑ったな」
 
側近「しかも故障ばっかしてるくせに」
 
議長「そりゃあフクシマの汚水浄化器もそうじゃねえかよ」
 
側近「原発の?」
 
議長「アレもフランス製とアメリカ製だよ」
 
側近「まあそうですね」
 
議長「オレな、この間南米に行ってきたんだけどよ、そこでよくわかったことがあるんだ」
 
側近「なんすか?」
 
議長「中国の経済成長は、途上国にすげえ影響与えてるんだよ」
 
側近「影響?」
 
議長「そう」
 
側近「どんな?」
 
議長「つまりだよ。今までは取引先は欧米しかなかったわけだ」
 
側近「はあ」
 
議長「それが中国っていう新しい選択肢ができた」
 
側近「なるほど」
 
議長「例えばベネズエラのチャベスっているだろ?」
 
側近「やんちゃな大統領ですね」
 
議長「そう。あいつは石油売って食ってるわけだよ」
 
側近「そうですね」
 
議長「今まではアメリカ様々だったわけよ」
 
側近「ふむ」
 
議長「でも中国が買ってくれるわけだ」
 
側近「あ、なるほど」
 
議長「「あ、そ。じゃあ中国に売るからいいですよ」ってことになるわけだ」
 
側近「途上国の発言力が強まったわけですね」
 
議長「ここ数年、南米には左派政権がガンガンできてるだろ。その背景には中国の影響が間違いなくあるな」
 
側近「そうか!」
 
議長「南米ってのはアメリカの属国みたいな国ばっかりだったんだ。だからこの豹変ぶりは、ホントにすごいことだと思うぜ」
 
側近「そうですね。今までアメリカにアタマ押さえつけられてたんですからね」
 
議長「これは南米に限ったことじゃねえな。アフリカも、欧州からどんどん離反してってるしよ」
 
側近「世界の勢力図が変わりますね」
 
議長「だから中国の台頭ってのは、あながち悪いことじゃないとオレは思うな」
 
側近「議長、すごいっすね」
 
議長「まあな。おかげで4000億円儲けたわけだwww」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
南スーダン独立 2011年07月10日22:41
 
側近「議長、ついに南スーダンが独立しましたね」
 
議長「そうみたいだな」
 
側近「やりましたね」
 
議長「あ?」
 
側近「独立してよかったじゃないですか」
 
議長「まあそうかもな」
 
側近「北部から虐待されてきたんですよね南部って」
 
議長「まあな。あそこは昔から奴隷商人がいたからな」
 
側近「そうみたいですね」
 
議長「エジプトでも南部のアスワンあたりには黒人が多いよ」
 
側近「そうなんすか」
 
議長「ヌビア人ってのがいるんだ」
 
側近「へええ」
 
議長「そいつらはよ、キンタマ抜かれて宦官になってたんだよ」
 
側近「司馬遷みたいですね」
 
議長「キンタマねえからよ、オスマントルコのハーレムで雇われてたんだ」
 
側近「なるほど」
 
議長「てことは皇帝の側近ってことだ」
 
側近「ほお」
 
議長「それで隠然たる権力もってたって話だ」
 
側近「いわゆる黒人奴隷とは大違いですね」
 
議長「要するに黒人を一番こき使ったのは白人ってことだな」
 
側近「朝日にも、イギリスの悪行にチクッと触れてますね」
 
議長「ああ。ゴードン将軍だろ」
 
側近「そうそう」
 
議長「「カルツーム」って映画があるから見てみたらいいよ」
 
側近「前に日記書いてなかったですか?」
 
議長「知らねえな」
 
側近「そうすか」
 
議長「アラブ人とインド人はアフリカに相当、根を張ってるからな」
 
側近「ほおお」
 
議長「アフリカの内陸国は発展しないって法則があるんだ」
 
側近「そうなんすか?」
 
議長「そう。海に面してないとよ、貿易するのに支障が出るだろ?」
 
側近「そうすね」
 
議長「だから隣国の港使わせてもらうのに莫大な金払うんだ」
 
側近「なるほど」
 
議長「さらに自国のアラブ人やインド人商人に金払って貿易してもらうわけだ。やつらはコネがあるからよ」
 
側近「ほおほお」
 
議長「すると政府はヤツらに逆らえなくなる」
 
側近「そこで汚職が発生すると」
 
議長「そういうことだ」
 
側近「今回の南スーダンも内陸国ですね」
 
議長「そうだな」
 
側近「やばいすか」
 
議長「やばいだろうな」
 
側近「それにしても新聞に出たんですが、南スーダンのひとりあたりのGDP、見ました?」
 
議長「90ドルだってな」
 
側近「それって月の給料、10ドル以下ってことじゃないですか?」
 
議長「そうなんだろうな」
 
側近「どんだけ低いんですかね」
 
議長「まあそれだけ搾取されてたってことだな」
 
側近「ひどいすよね」
 
議長「南スーダンってのはよ、オレは一度、行こうと思って調べたことがあるんだけど、北から南に行くよりも、ケニアあたりから北上した方が近いんだよ」
 
側近「へええ」
 
議長「つまり北の中央政府とは隔絶してるんだな」
 
側近「新聞ではそれがイギリスとエジプトの棄民政策だったって書いてますが」
 
議長「分割統治ってヤツだな」
 
側近「そうですね」
 
議長「おそらくアラブ人を使って黒人を統治させたんだな」
 
側近「なんでですか?」
 
議長「そうすると黒人が直接関係するのはアラブ人だろ」
 
側近「はあ」
 
議長「だから不満はアラブ人に行くわけだ。宗主国の白人イギリスはその対立をうまく利用して統治するわけだな」
 
側近「なるほど」
 
議長「分割統治ってのは、世界中どこの宗主国もやってたことだ」
 
側近「巧妙ですね」
 
議長「それが今の世界中の内戦の、ひとつの原因にもなってんだよ」
 
側近「うーん。じゃあ今回のスーダンの対立もそうなんですかね」
 
議長「そうだろうな」
 
側近「イギリスひどいっすね」
 
議長「そうだな」
 
側近「そんで欧米諸国は南部を支援してるんですよね」
 
議長「要するに「北部=親バシル=中国」と「南部=反バシル=欧米」ってことだな」
 
側近「どうなるんでしょうか」
 
議長「オレは予言するよ。南部で内戦が起きるな」
 
側近「そうですか」
 
議長「石油利権で部族対立が起こるな」
 
側近「やっぱそうですかね」
 
議長「オレは常々思うんだけどな。アフリカの不幸は、資源に恵まれてたことだ」
 
側近「ほお」
 
議長「太平洋の島みたいに資源がなければよ、欧米も中国も来ないでみんな貧乏だけど平和に暮らしてたんだよ」
 
側近「そうかもしれませんね」
 
議長「アフリカに資源があることが不幸の原因なんだと思うよ」
 
側近「議長はどうなんすか」
 
議長「オレか? オレはコウモリ男だからなwww」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
カラシニコフ 2011年07月06日21:27
 
「カラシニコフ」(松本仁一 朝日文庫)
 
「アフリカを食べる」で有名な著者のカラシニコフを追ったルポ。
 
ロシアのカラシニコフさんへのインタビュー、傭兵小説の元祖フレデリック・フォーサイスへのインタビューなど、貴重な記録も含まれる。
 
さすが天下の朝日新聞。
 
 
 
この本で指摘されていることで納得したのは、
 
 
・世の中には失敗国家がある。
 
・失敗国家かどうかを判断するには、警察と教師に給料が支払われているかどうかだ。
 
 
という点だ。
 
 
失敗国家の多くはアフリカである。
 
国家と言いつつ、国家とはとても言えない国もたくさんある。
 
そしてそういう国は、往々にして、警察と教師への給料未払いがあるというのだ。
 
 
警察が腐敗すると、一般市民からワイロを要求するようになる。
 
一般市民を守るはずの警察が、一般市民を搾取するようになる。
 
治安維持が目的の組織が治安を乱す。
 
これはもう国家とは言えない。
 
 
 
もうひとつの教師。
 
教育は投資してすぐに成果が出るものではない。
 
ゆえに政府に長期的なビジョンが必要である。
 
つまり教育をキチンと行っている政府はしっかりした長期政権なわけで、ダメな政府は短期的に目先の利益を漁るダメな政府ということになる。
 
 
そしてそういうダメな政府高官の子弟は、一般に欧米の学校に行く。
 
つまり最初から自分とことの教育制度を信用していないわけだ。
 
 
なるほど確かに理にかなった尺度だ。
 
となると警察が悪いことで有名なアルゼンチンなんかはダメな国家ということかな。
 
 
 
 
フォーサイスのインタビューで、彼はソマリアについてこう言っている。
 
 
「われわれヨーロッパ人が、アフリカの地図の上に勝手に線を引いただけなのだ。『ここはエチオピアでもないし、ケニアでもない。ソマリアとでも呼ぶか。そう、首都はモガディシオがいいだろう』といった調子でね」
 
 
西洋人が勝手に決めた国家には、なんの正統性もない。
 
その中に囲い込まれた部族同士で争いが起き、ひとりの大統領を選出するために暴動が起きてたくさんの死者が出る。
 
国内は内戦状態になり、派遣された国連軍は「ブラックホークダウン」見たいにメチャクチャにされ、米兵は八つ裂きにされる。
 
 
いつしかソマリアは無法国家といわれ、テロリストと海賊の温床になる。
 
そこから出撃した海賊たちが紅海でタンカーを狙って機関銃を撃つと、軍艦がやってきて掃討する。
 
海賊行為は悪いとみんなが言うけれど、しかしそもそも、そうでもしないと部族民たちが生きていけないような国家を、いったい誰がつくったんだろうか。
 
フォーサイスの言葉は、西洋人の自嘲とも受け取れる。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ジョニー・マッド・ドッグ 2011年07月04日23:59
 
議長「この間よお、「ジョニー・マッド・ドッグ」って映画見たんだ」
 
側近「議長、そんな映画見るんですね」
 
議長「ツタヤで100円フェアやってんだわ」
 
側近「ここ、どこですか?」
 
議長「そんなことはどうでもいいんだよ。そんでその映画がすげえんだ」
 
側近「すごいんすか?」
 
議長「リベリア内戦を描いてんだけどよ。なんでアフリカがいつまでも貧困かってのが、よくわかるな」
 
側近「そうなんすか」
 
議長「主人公は反政府軍の少年兵なんだけどよ。物心ついた頃には、もう兵隊なんだ」
 
側近「反政府軍なんじゃないんですか?」
 
議長「そんなのは関係ねえな。部族紛争なんだよ」
 
側近「なるほど。ライバル部族が大統領なら、自分たちは反政府軍ってことですね」
 
議長「そう」
 
側近「なんでそいつは、子供の頃から兵隊なんすか?」
 
議長「拉致されて兵隊として育てられるんだ。どうせ町に出たって仕事なんてないんだからよ。反政府軍に就職したようなもんだ」
 
側近「なるほど」
 
議長「そんで上が政府軍と手打ちをしたらお払い箱になるんだな」
 
側近「平和になったらクビですか」
 
議長「そう。この間まで「市民の自由のために戦え」とか言ってやがった司令官が、ある日突然「子供が銃なんか持つんじゃねえ」とか言いやがるんだ」
 
側近「メチャクチャ矛盾してますね」
 
議長「その銃もカダフィが流したのが多いらしいんだけどな」
 
側近「そうなんすか?」
 
議長「あいつは昔からオイルマネー使ってアフリカ諸国の内戦に介入してたからな」
 
側近「さすが議長。くわしいですね」
 
議長「アフリカ諸国が政治的に不安定な方が、あいつには都合がいいんだよ」
 
側近「なるほど」
 
議長「そんで少年兵の部隊ってのが、要するに強盗団なんだ」
 
側近「そうなんでしょうね」
 
議長「そんで町に乱入して市民を殺してカネと食い物を奪うんだな」
 
側近「なるほど」
 
議長「そういう連中が定期的に乱入してくるんだからよ、カネなんて貯まるわけないよな」
 
側近「だからみんな貧乏なままだと」
 
議長「「カラシニコフ」(松本仁一 朝日文庫)って本があるんだけど、この本はまさにこの映画と同じテーマなんだけどよ。これにこんなことが書いてあるんだ。
 
「夕方、十数人の兵士が林やブッシュに隠れ、こっそりと村に近づく。あと一〇メートルほどになると、全員が立ち上がって叫び声を上げ、AK47を乱射しながら集落に突入する。住民は驚いて逃げてしまう。そのあと集落に入り、調理ずみの食事を略奪するのである。部隊は住民が逃げて空家になった家で二、三日暮らしなが、村の食料を食い尽くすとまた移動する」
 
側近「はああ。ひどいもんですねえ」
 
議長「こんな連中が何ヶ月に一回か知らねえけど襲ってくるんだからよ。まともに働こうなんて思わないよな。どうせ取られちまうんだからよ」
 
側近「確かに」
 
議長「しかしよ。こういう連中に武器売って儲けてるヤツらが、もっとも極悪なんだよな」
 
側近「死の商人ってやつですね」
 
議長「そいつらはもちろんだけどよ。政府ぐるみでやってやがるんだからよ」
 
側近「そうなんですかね」
 
議長「なんでアフリカに、こんなにたくさんの、ロクでもない独裁国家が生き残ってるんだと思うよ」
 
側近「なんでですかね」
 
議長「欧米の利益にかなってるからだよ」
 
側近「なるほど。資源ですか」
 
議長「そう」
 
側近「資源さえ手に入れば、そこの政府がどれだけ腐ってようが関係ないってわけですね」
 
議長「リビアのカダフィとスーダンのバシルが国際指名手配されてるけどよ。同じくらい極悪な連中はゴマンといるじゃねえかよ。なんでそいつらは手つかずなんだ?」
 
側近「スーダンは、確か中国と仲いいんですよね」
 
議長「つまり欧米の利権に絡んでる連中は、お咎めなしなんだよ」
 
側近「なるほどね」
 
議長「そいつらがどれだけ腐ってようと、関係ねえんだ」
 
側近「そしてどうなるんですか?」
 
議長「そして経済援助と軍事同盟で、資源を輸入する代わりに、武器を売りつけるわけだよ」
 
側近「そして大統領と一族はリベートをゴッソリもらうと」
 
議長「敵対する部族は干されて、反政府ゲリラになると」
 
側近「そして永遠に内戦が続くと」
 
議長「オレはな、ウラでそういうあくどいことをしてるくせに、善人ヅラしてる連中が許せねえんだ。エコとかよ。人権とかよ。民主主義とかよ。なに言ってやがんだってことだよ」
 
側近「議長も相当善人ヅラしてましたよね」
 
議長「まあな。オレもノーベル賞もらっちまったくらいだからな。スノッブの頂点は極めたなwwww」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「パリより愛をこめて」 2011年07月03日23:07
 
リュック・ベッソン監督の新作。
 
 
ジョン・トラボルタ、すっかりスキンヘッドのオッサンになっちまったけど、メチャクチャ格好いいなあ。
 
 
この監督のスピーディーな展開はほんとに見ていて飽きないんだが、しかしこの人、外国人移民が心から嫌いらしい。
 
今回も麻薬の密売組織は中国人だし、サミットを狙うテロリストはパキ人である。
 
町をうろついているチンピラは中国人とパキ人と黒人だ。
 
 
悪いことをするのは外国人だ。
 
町の風紀を乱してるのは外国人移民だ。
 
 
 
そして射殺されるのは外国人だけ。
 
まるでパリから外国人を一掃しようとするみたいにバタバタ殺される。
 
 
 
まあしかしそれだけ移民問題がフランス人一般にとって大きな問題なんだろう。
 
あと30年くらいで人口の半分がイスラム教徒になっちまうんだから。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
外国人研修・実習制度 2011年07月01日21:09
 
29日の朝日に、「日本の外国人研修制度が人身売買?」という内容の記事があった。
 
アメリカ国務省の報告書で、
 
「保証金による身柄拘束や行動制限、未払い賃金など人身売買の要素がある」
 
と指摘されているという。
 
 
研修っていっても、実は低賃金で外国人を働かせる合法的な制度のことだ。
 
外国人移民を増やしたくない日本政府の苦肉の策でもあるんだろう。
 
 
 
 
この間、とある船乗りと知り合ったんだが、彼の話がメチャクチャ面白かった。
 
彼によれば、
 
 
・日本が保有する貨物船は約二万隻あって、そのうち日本人船員が乗っているのは1%未満。
 
・残りはすべて外国人で、その内訳は、
 
 
船長……南ア人
機関長……ロシア人
船員……フィリピン人、インドネシア人、ミャンマー人
 
 
なんだそうである。
 
彼は続けていった。
 
 
「日本の海運の実情を知っていれば、日本が外国と戦争するなんて、ありえないってことがわかりますよ」
 
 
 
日本はすでに、外国人の労働力ナシでは立ちゆかなくなっているらしい。
 
 
そして日本ほど、現在の平和を享受している国はないのかもしれない。
 
 
まさに彼のいう通りだよ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「プリンス・オブ・ペルシャ」 2011年06月30日00:21
 
「プリンス・オブ・ペルシャ」
 
 
ディズニーの歴史ファンタジー、アクションモノ。
 
古代ペルシャの王子様のサクセスストーリーだが、設定を中世ヨーロッパに変えても十分いけそうな内容。
 
 
ハリウッドのアメリカ人が古代ペルシャを描いたらどうなるのかと、興味があって借りてきたが、だいたい想像通りである。
 
 
 
主人公は庶民出の気さくな人柄で議論よりも運動好き。
 
頭も切れるが、どっちかというとマッチョなタイプである。
 
加藤秀俊はアメリカ人の「知性否定主義」を指摘しているが、まさにそのタイプだ。
 
要するにアメリカ人好きする男性である。
 
 
 
主人公の活躍で、ペルシャはどこかの都市国家を征服する。
 
その勝利の宴会が、欧米式の立食パーティーである。
 
あの辺の風習からして、絨毯の上にあぐらをかくのが通常なんだが。
 
 
 
途中でインド人らしい大金持ちが出てくる。
 
その人物のことは、
 
「高貴なムガル人」
 
と説明される。
 
しかし「ムガール」というのは「モンゴル」のことなので、この映画の時代設定よりもずいぶん後に出てくる固有名詞である。
 
 
 
映画の重要な脇役「ハッサンシン」と呼ばれる人々。
 
彼らは暗殺団ということになっている。
 
英語の「アサシン=暗殺」はここから来ているんだが、アサシン教団というのは、11世紀頃からレバノンの山の中に立て籠もって十字軍と戦ったイスラム教シーア派のさらに異端派イスマイル派の一派である。
 
13世紀頃にモンゴルに攻め滅ぼされて四散してしまったが、暗殺教団としての名前が欧州で一人歩きしてしまった。
 
従って時代考証的にこの言葉もおかしい。
 
 
 
まあファンタジーなんで、そういう細かいことはどうでもいいんだろうけどさ。。。
 
 
 
 
冤罪を着せられた主人公について、王である兄貴はこう言う。
 
 
「どんな罪であれ、開かれた裁判をするべきだ。法を尊重せねばならん。(我々は)蛮族とは違う」
 
 
うーん。
 
このセリフはどうなんだ。
 
この時代、おそらくアケメネス朝ペルシャだと思うが、当時はヨーロッパの方が蛮族だったんじゃないのかなあ。
 
わざわざこんなセリフを入れるところに、現在の「悪の枢軸」イランに対する揶揄が込められてる気もするな。
 
 
 
 
言うまでもないが、この映画の主人公はアメリカ人の表象である。
 
そして怪しい妖術使いのアサシン教団がオリエントのイメージを体現している。
 
毒蛇を操り、薄暗い穴蔵の中で不気味な呪文を唱え、忍者みたいな連中が殺人訓練をしている。
 
 
「300」って映画もひどいもんだったが、この映画は、それを子供向けに希釈してはいるが、根っこは似たようなものだ。
 
 
 
 
モロッコに行って知ったんだが、彼らが日常着ている「ジュラバ」という服がある。
 
ゲゲゲの鬼太郎の「ねずみオヤジ」が着てる、頭のとんがったコートみたいなものだ。
 
あれをどっかで見たことがあると思っていたら、それは例えば白雪姫やヘンデルとグレーテルに出てくる魔女が着てる例の黒いコートと同じなのである。
 
 
 
つまりこういうことである。
 
 
ジュラバ=モロッコ人=イスラム教徒=怪しい妖術使い=不気味=邪悪
 
 
 
西洋人にとってオリエントというのは、どこまで行っても邪悪なものらしい。
 
 
こう言うステレオタイプな偏見が、イスラム教徒をテロに走らせる原因なのではないかと私は思うんだが。。。。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
本日発売「アウトドアde世界のどこかの昼ゴハン」 2011年06月29日10:44 
 
 
 
「アウトドアde世界のどこかの昼ゴハン」(日本写真企画)
 
本日発売になりました。
 
 
昨年発売された「世界のどこかで居候」(リトルモア)の姉妹的な本で、世界各地のご家庭で見聞した辺境料理を、アウトドアで楽しもうという趣向です。
 
 
圧巻はやっぱりパプアのムームー(ブタ一頭丸焼き)ですかね。
 
 
定価はなんと1000円とお買い得。
 
 
本日から書店で売ってるはずですので、みなさまぜひお買い求めください。
 
アマゾンでレビュー書いていただいてもけっこうです。
 
よろしくお願いいたします。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
イラク戦争検証その2 2011年06月24日23:36
 
側近「議長、今日の朝日もイラク戦争の続きですね」
 
議長「そうだな」
 
側近「今回はイラク政府の汚職体質について書いてますが」
 
議長「そうだな」
 
側近「すごいっすよね。「外国の支援も、政府の出費も、電気事情の改善のために膨大につぎ込んだ。それでも改善しないのは、電器商の役人と請負業者が費用を着服し、事業にお金がいかないためという」とか書いてますよ」
 
議長「そうだな」
 
側近「公務員になるにもコネとワイロが必要らしいですね」
 
議長「そうだな」
 
側近「パスポートの発券もワイロがないとダメみたいですよ」
 
議長「そうだな」
 
側近「極めつけは幽霊兵隊の下りですね。兵隊の給料を、幽霊兵隊と軍の幹部で山分けするそうですよ」
 
議長「そうだな」
 
側近「……なんか言ってくださいよ」
 
議長「なにを」
 
側近「議長はひどいと思わないんですか?」
 
議長「思わねえな」
 
側近「……え?」
 
議長「そんなのは当たり前のことなんだよ」
 
側近「当たり前なんですか?」
 
議長「オマエね、世界中どこだってコネ社会じゃねえかよ。オマエだって、知らねえヤツに仕事任せるより、友だちの友だちの方が安心できるだろ?」
 
側近「まあそうですが」
 
議長「それがちょっと極端にだけなんだよ。アラブ人は」
 
側近「やっぱハビビっすか」
 
議長「そう。なんでもすべてハビビで分かち合うのがアラブ人なんだよ」
 
側近「それにしてもひどすぎませんか?」
 
議長「なにがひどいんだよ」
 
側近「若者は就職もできないんですよ」
 
議長「まあな」
 
側近「……それだけですか?」
 
議長「逆の立場になってみなよ」
 
側近「は?」
 
議長「今はおおむねスンニ派が干されてるけどよ、シーア派の連中はどうなんだってことだよ」
 
側近「というと」
 
議長「つまりだよ。サダムの頃はスンニ派が優遇されて、いいことがたくさんあったわけだ。今は逆転して、シーア派で得してる連中がたくさんいるんじゃねえのってことだよ」
 
側近「なるほど」
 
議長「しかもサダムの頃には、戦争しなくちゃならねえから、国内のインフラ整備もそれなりに進んでたみたいだけどよ。いまは各派閥の利権争いで、それどこじゃねえんだ」
 
側近「サダムの頃より悪くなったってことですか?」
 
議長「そこまでは言わないけどよ。たいして変わらねえな。サダムにアタマ押さえつけられてた連中が、「今度はオレたちの番だ」って利権むさぼってるだけなんだよ」
 
側近「うーん。でも電気が通らなくて井戸のポンプが動かなくて農業が壊滅って書いてますけど」
 
議長「それは大げさだな」
 
側近「そうですか?」
 
議長「世界中どこでも電気なんてないのが普通なんだよ」
 
側近「はあ」
 
議長「イランに行ってみなよ。電気なんてなくても「ガナート」って地下水路が何十キロも掘られてるぜ」
 
側近「へええ」
 
議長「そりゃあ電気で水くみ上げた方が便利だろうけどよ」
 
側近「「八百屋に行っても野菜や果物はトルコ、シリア、イラン産など外国産ばかりだ」って書いてますけど」
 
議長「そんなのは電気のせいじゃねえな」
 
側近「そうですか」
 
議長「例えばイラン、イラク戦争で一番儲けたのはトルコなんだぜ」
 
側近「へえ」
 
議長「戦争してる周辺国が儲けるのは当たり前じゃねえかよ」
 
側近「なるほど」
 
議長「この記事は、マリキ政権の汚職体質を暴くのが目的なんだろうけどよ、そういう汚職体質ってのが、要するにアラブ人の身内主義なんだよ。ハビビな人々なんだからしょうがねえんだよ」
 
側近「そうですかね」
 
議長「そういうもんなんだよ。しかもアラブ人は必ずハビビ、つまりどっかの部族に属してるんだからよ」
 
側近「はあ」
 
議長「自分とこの部族が政権とったら甘い汁が吸えるし、ダメなら冷や飯食わされるって、ただそれだけのことなんだよ」
 
側近「議長も相当甘い汁吸いましたね」
 
議長「まあな。嫁さんに全部取られちまったけどな」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
イラク戦争検証 2011年06月23日21:50
 
側近「議長、朝日で「イラク戦争の傷跡」って連載が始まりましたね」
 
議長「おお。読んだよ。アメリカが仕掛けた戦争が、ムスリム同士の対立を生んじまったって記事だろ?」
 
側近「なんでムスリム同士がテロ起こすんですかね」
 
議長「そりゃあスンニ派とシーア派が仲悪いからだよ」
 
側近「それはわかりますけど、そんなことしてる場合かよって思いますよね」
 
議長「ウラでカネ出してるヤツがいるんだよ」
 
側近「誰に?」
 
議長「アルカイダだよ」
 
側近「誰が?」
 
議長「サウジだよ」
 
側近「そうなんすか?」
 
議長「サウジとか湾岸諸国の王族ってのは、イランが大嫌いなんだ」
 
側近「はあ」
 
議長「イランはシーア派だろ?」
 
側近「そうですね」
 
議長「そんでホメイニが革命起こして、王様追い出しただろ?」
 
側近「パーレビさんですか」
 
議長「そうそう。だから革命が飛び火してくるのが怖いんだよ」
 
側近「なるほど」
 
議長「この間もバーレーンだかカタールで暴動が起こった時に、真っ先にサウジが軍隊出して鎮圧したけどよ。要するにそういうことなんだよ」
 
側近「シーア派住民が半分くらい占めてるらしいですね」
 
議長「ヤツらはいつもイラン革命のかげにおびえてるんだ」
 
側近「それでアルカイダですか」
 
議長「イラクもシーア派が多い国なんだよ。そんでサダムは少数派のスンニ派だった」
 
側近「はあ」
 
議長「スンニ派のサダムが死んじまって、次にえばるのはシーア派だろ?」
 
側近「はあ」
 
議長「そうすると当然、イランの影響が強くなるわけだ」
 
側近「なるほど。だからアルカイダにカネ出して、シーア派相手にテロ起こさせてるわけですね」
 
議長「そういうことだ」
 
側近「朝日の記事によると、「かつてアルカイダはアラブ諸国からの送金に支えられていたが、今では銀行を襲撃したり、地元の商人や企業経営者を脅して資金を集めるなど、国内調達型になっている」ってコメントがありますが」
 
議長「これは推測だけどよ」
 
側近「はあ」
 
議長「アメリカから圧力があったんじゃねえかな」
 
側近「どこにですか?」
 
議長「サウジに決まってるじゃねえかよ」
 
側近「はあ」
 
議長「米軍が撤退するのに、治安が悪化すると都合が悪いだろ」
 
側近「なるほどね」
 
議長「アルカイダに資金提供しないようにサウジに圧力かけた結果、ヤツらがカネに困って、銀行強盗するようになったんじゃねえかな」
 
側近「サウジはアメリカの言いなりですね」
 
議長「あいつらは石油が高値で売れれば、それでいいんだよ」
 
側近「議長はどうだったんですか?」
 
議長「オレも言いなりだったに決まってんじゃねえかよ」
 
側近「おかげで4000億円も貯められたんですよね」
 
議長「それはオレのセリフだろ!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
日本の外交 2011年06月16日02:56
 
「日本の外交」(入江昭 中公新書)
 
 
岩波、中公新書の若い番号で、いまだに書店の棚に並んでいる作品には名作が多い。
 
ということを最近知った。
 
 
番号は通しなので、若いほど発売が古い。
 
つまり増刷を繰り返しながら今に至るまで生き残った名作が多いのだ。
 
 
 
これらの本に共通してるのは、難しいことをわかりやすく、時にウイットを交えて書いていること。
 
 
以前紹介した「外国語上達法」もそんな本のひとつだった。
 
 
 
内容の充実度はもちろん、さらに書き手のセンスが重要だ。
 
ロングセラーにはわけがあるのだ。
 
 
 
ということで「日本の外交」。
 
番号は113番と相当古い。
 
 
66年初版である。
 
 
 
 
 
 
なるほどなあと思ったこと。
 
 
 
「「現実主義」と「理想主義」という形で区別すれば、政府の外交方針はほとんどつねに現実主義的、民間のそれはほとんどつねに理想主義だったといえる」
 
 
明治の政治家が、欧米に互して帝国主義をめざし、岡倉天心みたいな民間人は、道徳的にアジアの指導者となることを主張した、みたいに。
 
 
 
そしてその傾向は今でも変わらない。
 
 
日本の国益を考えれば、何が何でもアメリカくっついてないといけない。
 
誰になんと言われようと、意見がないとか影が薄いとか言われようと、アメリカのイエスマンであることが、日本の安全保障上、もっとも重要なことである。
 
 
欧米は世界の情報を握っていて、従って「正義」を握っているので、これに楯突くことは、日本が北朝鮮みたいになることを意味する。
 
オソロシイ。。。。
 
 
 
 
 
ウイルソン大統領の言葉。
 
「アメリカという国が存在する唯一の意味は、アメリカが理想をもってその天命とし、義務としているということである」
 
 
 
「アメリカの理想、義務とは、すなわち人類の平和、正義、自由を守るということであった」
 
 
「このような考え方が、アメリカ資本主義の利益を代表するものだとか、アメリカ自身の自己イメージを世界全体に押しつけようとするものだとか、あるいは、メキシコ干渉戦争が示すように、アメリカの唱えることと実際に行うこととは矛盾しており、多分に偽善的だとか、いろいろな批判がなされてきた」
 
 
 
確かにその通りだよな。
 
 
特にイラク戦争を見るとそう思える。
 
しかし著者はこう述べる。
 
 
「しかしながら、かりに批判されるべき点を多くもっているにせよ、一九一〇年代にこのような外交理念が、世界一の大国になりつつあったアメリカの指導者によって唱道されたということは、否定することのできない事実であり、国際問題についての考え方に大きな影響をおよぼすことになったのである」
 
 
著者はハーバード大学の教授で、長く同大学で研究していた人らしいので、若干アメリカびいきなのかもしれない。
 
しかしそれでも戦前の植民地主義時代に、こういう理想をかかげたことは革新的なことだったんだろう。
 
 
あのイギリスだって自国の利益だけを追求し、そんなこと言わなかった。
 
 
もともと固苦しい欧州から脱出してきた人たちが作った国だから、なおさら理想主義が強かったんだろう。
 
 
 
 
 
「東南アジアにおける米中の拮抗の将来こそ、実にアジアの将来、日本の進路にもっとも密接な関係をもっているものである。アメリカの政策は、中ソ関係の冷却化を利用してその離間をはかり、ソ連をして東南アジアの政治的現状維持に協力せしめ、それによって中ソ論争でソ連の平和共存論の正しいことを証明し、中国の勢力の増大を阻止しようというものである」
 
 
 
つまりアメリカの仮想敵は常に中国であったと。
 
確かにそうかもしれない。
 
 
 
中国とインドが国境紛争を起こした時、ソ連はインドを支援した。
 
インドと敵対するパキスタンは中国と結んだ。
 
パキスタンを牽制するために、ソ連はアフガンに侵攻した。
 
こういった一連の動きは、まさにアメリカのもくろみ通りである。
 
 
 
すべては中国を封じ込める状況を作り出すこと。
 
その一点で納得できる。
 
 
 
現在はどうだろう。
 
 
 
チベットのダライラマを支持する。
 
 
これも中国封じ込めと考えることができる。
 
 
 
ウイグルや内モンゴルの暴動。
 
 
これも誰かの扇動ともとれる。
 
 
 
アフガン戦争で中央アジアにできた米軍基地。
 
 
実はこれも中国包囲網のひとつかもしれない。
 
 
 
沖縄も台湾もそうだ。
 
 
確かタイにも基地があったかな。
 
 
 
 
中国は、八重山列島から台湾までの制海権を日米に握られてる。
 
 
だから南に行くしかない。
 
そう考えると、最近のベトナムに対する相当強引な領海侵犯も、理解できる。
 
 
空母まで造ってる中国は、制海権を南に延ばすしかないのだ。
 
 
 
東南アジアにおける米中の拮抗が日本の進路を決める。
 
覚えておこっと。
 
 
 
なんていろんなことを考えてしまいました。
 
 
半世紀近くたっても色あせない日本の外交論。
 
 
さすが名作です。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
猿の惑星 2011年06月15日01:01
 
すでに何回見たかわからないこの映画。
 
なんとなく借りてきて、改めて見てしまいました。
 
 
 
ストーリーはあまりに有名なのですが、今回気づいたのは、核兵器に対する単なる批判というよりも、「宗教と科学の対立」というのが、この映画のテーマかも、ということでした。
 
 
 
この映画では、人間の言語能力を調べる学者を異端審問して、科学よりも宗教の優位を主張するサル社会を描く。
 
 
学者は叫ぶ。
 
 
「科学を否定したら未来はありません!」
 
 
 
ご存知のように、アメリカ南部には現在も、キリスト教福音派みたいなネオコンがいる。
 
彼らは進化論よりも聖書を信じる人々である。
 
人間はアダムとイブの子孫だと、本気で信じてる。
 
 
この映画は、そういう人々を暗に批判している。
 
 
 
しかし一方で、宗教よりも科学に依存した人類は、核兵器によって絶滅してしまった。
 
 
科学を信奉する主人公は、宗教裁判だの聖典だのとアホなことばっかりやってるサルどもをバカにしながら、しかし科学によって人間が滅んだことを知って絶望する。
 
 
 
自由の女神がある禁断の地は、立ち入り禁止である。
 
サルたちは怖がって先には行かない。
 
科学の行き過ぎは、宗教によって歯止めがかけられるわけだ。
 
 
しかし主人公のような愚かな人間は、禁断の地に自ら足を踏み入れてしまう。
 
 
科学のみを信じる者は破滅してしまう。
 
 
 
そういうメッセージなのだ! きっと!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
砂の文明・石の文明・泥の文明 2011年06月13日01:21
 
「砂の文明・石の文明・泥の文明」(松本健一 PHP新書)
 
 
和辻哲郎の「風土」を、おそらく土台にした独自の文明論。
 
和辻の比較文明でも、アジア、イスラム、西洋の3つにわけていた。
 
ざっくり言えば、確かこんな感じだ。
 
 
 
アジアは豊壌の農耕文化だが、一方でそれゆえに無限に繁殖する草木と格闘する文化である。
 
 
 
イスラムの砂漠の遊牧文化は、これまた過酷である。
 
じっとしてると死んでしまう。
 
だから人間は常にアクションが求められる。
 
 
 
そして最後の西洋の牧畜文化は、自然はそこそこ豊かだが、アジアや砂漠ほどきつくない。
 
だから自然を「なめる」意識が生まれ、自然を征服するための自然科学が発達した。
 
 
それぞれの風土に合わせた人間の気質が形成されたというような内容である。確か。
 
 
 
 
これにたいして著者の主張は、
 
 
イスラムの砂の文明はネットワークの文化であると。
 
砂漠では農耕がないので交易で儲ける。
 
交易では情報が不可欠だ。
 
つまり「ネットワーク力」なのだと。
 
 
 
 
西洋の石の文明では、牧畜が主な産業だ。
 
牧畜では、家畜の数を増やせば、それだけ土地が必要だ。
 
一頭の牛が必要とする土地は決まっているからである。
 
こうして西洋文明は常にフロンティアを求めて海外に進出する、外に押し出す力をもつ。
 
 
 
 
アジアの泥の文明では、純粋農耕文化である。
 
この文明では限られた土地で生産力を高めることが行われる。
 
稲の品種改良みたいなことだ。
 
そしてそれゆえの集約労働によって共同体が形成され、内向きな社会が形成されると。
 
つまり「内に蓄積する力」をもつ。
 
 
 
 
現在は言うまでもなく、西洋の「外に押し出す力」によって支配されている。
 
著者は泥の文明が持つ平和的な解決方法がこれから見直されるだろうと説明する。
 
 
たとえばガンジーの非暴力がインドを独立に導いたようなやり方である。
 
 
 
 
 
しかしこのあたりは私的はちょっと異論があるんだよな。
 
 
ガンジーは確かに非暴力の象徴みたいな人だが、実際にはインド人自身が、着々と既成事実を積み上げていった。
 
 
 
たとえばイギリスのインド植民省は、イギリス人官僚のなかでも超エリートが配属された。
 
しかし第一次大戦、第二次大戦で、いわゆるノブリスオブリージュってやつで、エリートはどんどん戦地に行ってしまった。
 
そして次々に試験にパスするのは、インド人エリートである。
 
かくして植民地インドは、事実上インド人自身が管理するようになった。
 
 
 
あるいはインドは第一次大戦でイギリスに独立を約束させて反故にされてる。
 
二度目は通用しない。
 
しかもインドは戦争を通してイギリスに対する債権国になっていた。
 
こうしてイギリスは、インドの独立を認めざるを得なくなった。
 
 
……というようなことを、「英国紳士の植民地統治」(浜渦哲雄 中公新書)で読んだ。
 
 
 
もちろんガンジーが果たした役割は大きいんだが、それと同じくらい、ポリティカルな分野でのインド人の出世という独立への動きが、地味に着々と進んでいたことも大きいと思う。
 
 
いずれにしてもアジア的平和的なやり方であることは間違いない。
 
 
 
 
 
それはともかく著者の西洋嫌いが文章のアチコチに読み取れて、なかなか愉快である。
 
 
 
例えばフェミニズムに関する考察である。
 
 
西洋では神様は男性で、アダムの肋骨からイブができた。
 
 
などの通り、基本的に男性上位社会である。
 
 
「この男性本位主義の思想を否定するための革命思想として、男女平等という近代西洋の思想が出てきたのである」
 
 
 
私もそう思ってたよ。
 
 
 
だいたい女性差別があるからこそフェミニズムが生まれるんであって、差別がなければ生まれるわけがない。
 
 
そのくせ西洋人の大多数は、日本は男尊女卑がひどい国だと思っている。
 
これぞまさにオリエンタリズムである。
 
 
 
 
 
「アメリカ社会の中では今、少数の富裕階級がみずからの生命と財産と安全を守るために、閉ざされたコミュニティとしての Gateed Community をつくるようになった。文字どおり、ゲートで閉ざされた都市コミュニティで、およそ五〇〇人ほどの人がそこに住む。要塞住宅地とでも言ったほうが、より正確だろうか。
こういう Gateed Community がアメリカの中には、およそ二万ほどあり、現在なお増殖中である。総人口のおよそ三パーセントにあたる約九〇〇万人が、この要塞住宅地に住んでいるといわれる」
 
 
 
たとえばハリケーンで壊滅したニューオリンズみたいな大都市は貧困者と黒人ばっかりが住んでいるわけだ。
 
だからすぐに暴動や略奪が起きる。
 
物資に困ってない金持ちたちは、こういう危険な大都市をとっくの昔に離れて、閉ざされた、安全な要塞の中に引きこもって暮らしているのだ。
 
 
日本でも一時期、こういうセキュリティのしっかりした新興住宅地が提案されていた。
 
アレは確か池田小学校事件の頃じゃないだろうかね。
 
でもなんとなく、そこに不自然なモノを感じたのは私だけじゃないだろう。
 
 
 
そこまでやるんなら食料やエネルギーの自給自足までやったらいいのに。
 
しかしそれはできない。
 
つまり外部に依存しながら外部をシャットアウトする。
 
その都合の良さ、自己中心性が、どうもインチキ臭いのだ。
 
 
 
 
 
 
「アメリカは「リベラルな民主主義」という理念のもとにつくられた人工国家である。それゆえ常に星条旗のもとでその理念を確認するとともに、自らの外部に「敵」を設定することによって内部的なアイデンティティを固めようとする病理をかかえこんでいる」
 
 
「アメリカ原理主義は、宗教的にはキリスト教・ユダヤ教に固執し、理念的には「リベラルな民主主義」を絶対無謬の原理として世界に押しつける行動となってあらわれるだろう」
 
 
 
欧米の行動原理はまさにこれだ。
 
 
民主主義を「絶対無謬の原理」と彼らは考え、それを実行しない国は、敵と見なして制裁を科す。
 
実際には民主主義でないサウジのような国もたくさんあるが、そういう国は黙認である。
 
 
アメリカは「敵」を設定することで自国を結束することができる。
 
これはアメリカに限ったことじゃないけど、アメリカの場合、それが迷惑すぎるよな。
 
 
イラクに続いてアフガンから撤退して、次の「敵」はいったいどこだろうか。。。。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
やっぱりアメリカはダメかも 2011年06月12日14:56
 
mixiニュースより。
 
 [ニューヨーク 10日 ロイター] 20代の女性従業員が上司から性的嫌がらせ(セクハラ)を受けたとして、勤務先だった会社に損害賠償を求めた訴訟で、米イリノイ州の連邦地裁の陪審団は、9500万ドル(約76億円)の賠償を命じる評決を出した。
 
 
 
渡部昇一によれば、
 
 
アメリカの秀才はみんな弁護士を目指すと。
 
なぜなら訴訟大国だから弁護士がもっとも儲かる仕事だからだと。
 
そして本来、彼らが担うべきエンジニアやアカデミックな人材の質が低下して、現在のアメリカの凋落につながったと。
 
 
 
こういう異常な高額の賠償が成立してしまうアメリカという国は、やっぱり先行きダメなんじゃないだろうか???
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
インドネシアの寅さん 2011年06月12日00:51
 
「インドネシアの寅さん」(沖浦和光 岩波書店)
 
 
「サンカ」の研究で有名な沖浦教授のインドネシア旅行記。
 
 
 
サンカというのは、柳田国男が「山の人生」で言及している野人みたいな連中である。
 
柳田によれば、大昔から文明化されていない人々の一群が、山中深くに住んでいて、時折里山に降りてきて悪さをする。
 
そういう野人の集団として描かれている。
 
 
 
昔の地方の民族誌を調べると、けっこう不思議な記録が残ってるそうだ。
 
 
 
例えば。
 
 
猟師がワナを見に行ったら、野人みたいな大男がかかって死んでいたとか。
 
 
 
あるいは、やはり山奥の炭焼き小屋に、ある日、若い女がフラリとやってきて乱交になったとか。
 
 
 
すごく高い木の上で、若い娘が笑っていて、男どもが追いかけたけど、ぜんぜんかなわなくて、あっという間に逃げられてしまったとか。
 
 
 
 
彼らはサンカと呼ばれる野人で、人里離れた梁奥深く人住んでいる。
 
 
日本全国に「人さらい」とか「神隠し」とかいう伝説が残っているが、それらはサンカの仕業であると。
 
 
 
柳田はそんなようなことを書いているが、沖浦教授によれば、そういう人々は大昔に絶滅しており、一般に言われているサンカは、山で竹細工などを作りながら平和的に暮らしていた人々であると。
 
 
そしてそういう人たちも、戦前くらいにはすべて山を下りて一般の人々に同化してしまった。。。みたいなことを読んだことがある。
 
 
ともあれ、社会を低い目線から研究するスタンスの学者で、宮本常一に近い感じもあり、私はわりと好きだ。
 
 
 
 
 
それでこの本。
 
岩波とは思えないラフなタイトルである。
 
 
 
内容は沖浦教授の旅行記で、体系的な研究とかではないが、そのぶん楽しく読める。
 
 
 
中でも面白かった記述。
 
ウォーレスという学者は、ダーウィンにすっかり隠れてしまっているが、けっこう重要な研究をした人だ。
 
太平洋からインドネシアにかけて足を運んで地道に研究し、「ウォーレス線」(バリ島とロンボク島で、住んでいる動物がガラッと変わる)を発見した人で、ダーウィンと同じく進化論に近いことを主張した人である。
 
その視点は当時、破竹のイキオイで世界制覇を進めていた西洋文明に懐疑的である。
 
 
「すなわち、西洋諸国が生み出した「広大な産業体系」「巨大な貿易」「人口過密の都市」が、かえって多くの民衆に生涯労働を強制し、困窮と犯罪をもたらす要因になっていること、そして少数者によって独占された「冨と知識と文化」は、人類にとって真の文明をもたらすものではない、と指摘している」
 
 
まさに今現在のアメリカみたいな社会を批判しているのだ。
 
150年も前に、こんなことを言っていた学者がいたなんてねえ。
 
 
 
 
 
他に備忘録。
 
「文化、民俗、宗教などいろんな領域で、インドとインドネシアの諸国とは古くから通底している。特にインドの最南端のケララ州のあたりは、衣・食・住の様式もスマトラの風俗と実によく似ている」
 
 
今回取材したバンダアチェは、スマトラ島の北端で、もっともインドに近い。
 
そしてそこで食べたカレーは、確かにケララのカレーと同じく、タマリンドをたくさん使った酸味がさわやかで、たいそううまかった。
 
米はケララ米ではなかったけど。
 
 
 
 
ボルネオのダヤク族、スマトラのバタック族、ニアス島のニアス族、スラベシのトラジャ族は、原マレー系の先住民族で、容貌や身体的特徴がよく似ているそうだ。
 
そしてこうした人々は、
 
 
「はるか太古の時代に、先祖たちが海の彼方から船でやって来たという伝承が今も残っていて、それを象徴する高床式の「船形家屋」が建てられている」
 
 
そうそう。
 
こういう船形家屋は、パプアニューギニアでも見た。
 
 
 
 
そして犬を食べる、首狩りなどの習慣により差別され、奴隷売買の対象とされた。
 
そして多数派のイスラム教徒から差別された関係からキリスト教徒になった人が多いという。
 
インドシナのカレン族にキリスト教徒が多いのと同じ理屈だろうか。
 
 
 
スラベシのタナトラジャにはこういう船形家屋がたくさん残っている。
 
そしてキリスト教徒が多い。
 
 
2000年頃にはイスラム教徒とキリスト教徒の殺しあいが起こって、けっこう血なまぐさかったスラベシ島だが、実は先住民とジャワ人との対立が、その根っこにあったのかもしれない。
 
 
 
ハンチントンの「文明の衝突」は、世界的な「文明の断層」(実際にはその多くが宗教的な断層)で紛争が起こると指摘しているが、そこで宗教が変わった理由がそれぞれにあるのだ。
 
実はそこにこそ、宗教よりも根深い対立の真相が隠されているのかもしれない。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「ハートロッカー」 2011年06月11日02:10
 
最近ツタヤが100円セールやってるんで、たくさん借りてきました。
 
そのひとつが「ハートロッカー」。
 
確かアバターかなんかとアカデミー賞を競った作品だったはず。
 
 
 
イラクに派遣された爆弾処理班の話である。
 
イラクの「戦場」のフンイキがよく描かれていて臨場感がある。
 
 
 
 
一番印象的だった場面。
 
 
砂漠の真ん中で部隊が狙撃犯に狙われる。
 
映画の中でもっとも緊張する場面である。
 
数百メートル先の狙撃兵と対峙しながら、兵士たちはジュースを飲む。
 
甘いジュースである。
 
フト気がつくと異常に喉が渇いてることに、みんなが気づく。
 
それが妙にリアルで生々しい。
 
 
 
そのジュースは、賞金稼ぎの民兵の装備である。
 
テロリストのリストを持っていて、幹部を捕まえると賞金が出るのだ。
 
こういうあらくれた連中が、たくさん行ってたんだろうなあ。
 
イラク人、かわいそうに。
 
 
 
 
この映画では、終始米兵に焦点が当てられていた。
 
イラクは戦場だ。
 
同僚の兵士たちは早く帰りたくて仕方がない。
 
しかし主人公は、なぜか吸い寄せられるように志願してしまう。
 
無事にアメリカに帰還した主人公は、清潔なスーパーで、シリアルの種類の多さに苛つく。
 
そしてアメリカの平和で退屈な日常に耐えられずに「戦地」に向かってしまう。
 
 
 
 
この映画ではイラクは、徹底的にアメリカ人にとっての非日常として描かれている。
 
しかし、その非日常のイラクにも、イラク人の日常があるんだよね。
 
彼らにとっては生き死にがかかった戦場かもしれないけど、イラク人はそこに住んでいて、先祖代々の土地で、住みよい故郷である。
 
 
 
ウィキによると、
 
 
「タイトルはアメリカ軍の隠語で「苦痛の極限地帯」「棺桶」を意味する」
 
 
このタイトルだけでも、アメリカ人のイラクに対する、というよりもイラクに住んでいるアラブ人に対する配慮が若干欠けているようにも思える。
 
だって自分の住んでいる場所を「苦痛の極限地帯」って言われたら、「そんなことない」って反論するよね。
 
 
この映画では、駐留米軍について良くも悪くも描いてない代わりに、登場するイラク人が、風景の一部のように、まるで単なるモノのように描かれているのが気になった。
 
極言すれば、アメリカ人以外は人間ではないというような描き方だ。
 
 
それはなんとなく途上国を旅してる欧米人旅行者と同じ視点ではないかという気がした。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
恐怖の立川断層 2011年06月10日18:30
 
 政府の地震調査委員会は9日、東日本大震災に伴う地殻変動によって、国内の主要活断層である立川断層帯(東京都、埼玉県)、双葉断層(宮城県、福島県)、糸魚川―静岡構造線活断層系の中部付近(長野県、山梨県)での地震発生確率が高まった可能性があると公表した。(mixiニュースより)
 
 
今回の立川断層帯の地震確率が高まったらしい。
 
 
立川断層帯は埼玉県飯能市から府中市にかけての断層で、今のところ今後三十年の発生確率は2%程度。
 
しかしもしも直下型が来たら、
 
 
「立川市や国立市、羽村市、武蔵村山市などで震度6強の揺れが想定される」(朝日)
 
 
となると青梅あたりで震度6、拙宅がある奥多摩で5強。。。。やべえ。
 
 
ウチの耐久度ギリギリじゃないか?
 
 
しかも逃げるとしたらどっちだろう。
 
 
 
築100年の古い方か?
 
それとも自分で建てた新しい方か?
 
 
 
両方やばいじゃないか!!!!!!!
 
 
 
 
さらにやばいことに、ウチ、谷側に傾いてんだよね。
 
 
だから倒壊するとしたら谷側。
 
 
でもさ。
 
 
 
逃げるとしたら谷側しかないじゃん。
 
 
 
てことは、
 
 
「家、飛び出したら家が倒壊してくる」ってことかよ。
 
 
 
 
 
まいったなあ。この間、窓入れるのに、間違って横貫の材木ぶった切っちゃったんだよなあ。
 
 
地震が来ないことを祈るしかないな。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
フェーズ6 2011年06月08日23:16
 
立て続けに世紀末映画見てます。
 
今回は「フェーズ6」。
 
 
ナゾの感染症で人類が絶滅したアメリカで生き残った若い四人組みの物語。
 
おそらく去年見てたら「ふうん」で終わってたと思う。
 
しかし大震災後に見ると、けっこう身につまされる。
 
 
四人は感染者には絶対近づかないという決まりを作ったから生き残ってきた。
 
しかし一番優しい女の子が、それゆえに感染してしまう。
 
その彼氏も感染してしまう。
 
いずれも最愛の人だ。
 
 
その人を車で置き去りにする。
 
あるいは射殺する。
 
 
他の人たちを救うには、それしか方法はない。
 
 
ゾンビ映画で何度も題材にされてきたテーマだけど、震災後に見ると意味が違って見えてくるのが不思議だ。
 
 
それにしても人類が死に絶えた世界が、あまりに美しく描写されているのが皮肉だ。
 
確かにそうかもしれないなあと思ったり。
 
 
あと、興味深かったこと。
 
アメリカでは「中国人野郎」のことを「CHINKS」っていうみたい。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
駐日デンマーク大使の「私の視点」 2011年06月08日13:03
 
6日の朝日の「私の視点」である。
 
デンマーク大使が再生可能エネルギーについて力説している。
 
 
前半を要約すると、福島原発事故で、原子力の脆弱さが露呈したと。
 
もしも日本が原発にかけたカネを再生可能エネルギーに投資していれば、こんなことにはならなかったと。
 
 
そして次に続く。
 
 
「デンマーク政府は2020年までに国内のエネルギーの60%以上を再生エネルギー源から得ること、また50年までに化石燃料への依存から完全に脱却することを決定した」
 
 
 
再生可能エネルギーに移行するにはカネがかかるけれども、原発のリスクよりずっとマシだという。
 
 
「これからの数年間は日本にとって、化石燃料に依存しない社会への移行と、環境に優しい方策を生み出す多くの企業の新たな成長を両立させる、またとない機会である」
 
 
そしてこう結ばれる。
 
 
「デンマークの経験上、こうした社会への移行は特に中小企業への恩恵が大きく(以下省略)」
 
 
 
なるほどそうかもしれないね。
 
まったく正論ですよ。
 
 
 
しかしこの上から目線の論調はどうなんだ。
 
デンマークが日本より先進的であることが大前提の書き方ではないか。
 
 
 
 
前にも書いたけど、そんなことに大金かけられるのは一部の金持ち国だけじゃないか。
 
 
原発は危ないからダメ。
 
火力発電は環境に悪いからダメ。
 
 
なんて贅沢言ってられるのは、デンマーク他、ごく僅かの国だけなのである。
 
 
 
そして彼らはその金をどこから稼ぎ出してるのか。
 
途上国から搾取してるんじゃないか。
 
 
 
私が思うにね。
 
世界で紛争が絶えない1つの原因は、この人のような「上から目線」だと思うんですよね。
 
もちろん朝日だから、反原発ってことで掲載されたんだろうけど。
 
 
デンマークの自慢話は聞き飽きたって感じ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
THE HORDE 2011年06月07日22:29
 
久しぶりにツタヤに行きましてゾンビ映画借りてみました。
 
フランスの映画です。
 
最近流行の「走るゾンビ」。怖いっす。
 
 
しかもやたら凶暴になって、人間より強い。
 
もう手がつけられません。
 
 
 
 
ストーリーはともかく、興味深かった点。
 
 
主人公のひとりは、麻薬組織のボスの黒人である。
 
この男はナイジェリア出身で、沈着冷静でカッコイイ。
 
 
 
 
ゾンビの襲撃で火の海になったパリを眺めてひと言。
 
 
「祖国を思い出す」
 
 
 
黒人の舎弟が、若い女のゾンビをいたぶってるのを制止して、胸ぐらをつかんでいう。
 
「見下して楽しかったか? 満足か? オレたちが祖国で何をされたか忘れたのか?」
 
 
 
 
そして白人ゾンビのアタマを壁に叩きつけながら叫ぶ。
 
「オレはナイジェリア人なんだ! クソッタレ!」
 
 
 
映画の端々で、黒人、そしてアフリカの悲劇の歴史に触れられる。
 
それはもちろんストーリー上、ほとんど意味のない挿話である。
 
しかし制作者は、あえてそれを差し込んだ。
 
 
フランス人にとって人種問題が、いまだに深刻で、みんなで議論しないといけない問題だということなんだろう。
 
 
 
そういえば最近フランスで、ムスリム女性が公共の場でスカーフをすることを禁止された。
 
それは現在のフランスがムスリム人口の激増に悩んでいて、このままだと、あと何十年か後にはムスリムがキリスト教徒の人口を上回るという、西洋人にとっては悪夢のような現実が待っていることが大きく関係しているようだ。
 
人種や宗教の問題は、ヨーロッパの最大の苦悩のひとつだ。
 
 
 
それにしても興味深いのは、この映画では、黒人の苦悩に積極的に踏み込んでいるところだ。
 
たとえばアメリカでは善玉の登場人物に黒人が起用されることが多い。
 
アメリカではあまり人種問題には触れないようにしつつ、しかし黒人を善玉に起用する。
 
そこになんとなくある種の「配慮」が見られるわけだが、フランスとアメリカでのアプローチの仕方の違いが興味深い。
 
 
もちろんこの映画を見ただけの感想なんだが、腫れ物に触るようなアメリカ映画のやり方よりも、フランス映画の方が誠意を感じられる気もした。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「デフレの正体」 2011年06月07日13:45
 
「デフレの正体」(藻谷浩介 角川ONEテーマ21)
 
昨年話題になった本である。
 
戦後の景気の波というのは、実は団塊世代の加齢によって起こっているという、ある意味衝撃的な内容である。
 
 
じゃあ「キチンの波」とか「コンドラチェフの波」とかいうのは、いったいなんだったんだ? というギモンもあるわけだが、それはともかく具体的にはこういう説明である。
 
 
 
いわゆる団塊世代は、だいたい戦後1940年代後半に生まれた人たちである。
 
この人たちが20歳前後になる。
 
つまりそれまでの扶養家族から就労人口に加わる。
 
大量のサラリーマンが創出され、彼らがガンガンモノを消費する。
 
69年から始まった「いざなぎ景気」は、このようにして出現した。
 
 
 
つぎに彼らが40歳になる。
 
「そろそろ家でも買おうかな」
 
こうしてマンションや戸建て住宅がバンバン建てられて、80年代後半の住宅バブルが起こった。
 
 
 
そして彼らが定年退職する。
 
大量のサラリーマンが消滅し、就労人口が激減する。
 
一気にモノが売れなくなる。
 
こうして現在の不景気がはじまったと。
 
 
 
「戦後復興の中で、たまたま数の多い団塊世代が生まれた。彼らが加齢していくのに伴い、そのライフステージに応じてさまざまなものが売れ、そして売れなくなっていく。この単純なストーリーで説明できてしまう、そして予測できてしまう物語がいかに多いことか。少なくとも「景気循環なるものが永劫回帰のごとく繰り返す」というマクロ経済学の基本形に比べますと、はるかに見事に、「戦後日本」という「国際経済競争史上の特殊解」の象徴の理由を説明できます」
 
 
 
そう考えると、団塊ジュニアがそろそろ40代になる今頃は小規模な住宅バブルが起こると予測されるが、それ以降は鳴かず飛ばずのまま、日本の景気は減速を続けると。
 
 
同書ではそれに対する処方箋も提示しているが、それはまあ読んでみてください。
 
しかし1つだけ非常に賛成したのは、女性の就労人口を増やそうという提言である。
 
私は中近東やパキスタンなどのイスラム諸国に行って、産油国は別として、どの国も慢性的な不景気に見舞われている1つの理由が、女性の社会進出が極端に制限されていることだと確信した。
 
 
イスラム社会では買い物は旦那の仕事である。
 
従って市場は男だらけである。
 
女性は家庭で大人しく旦那の帰りを待つ。
 
 
一般的にモノを消費するのは圧倒的に女性である。
 
それは日本で、女性ファッション誌や女性対象のカタログ誌がやたら多かったり、あるいは旅行に出かけるのが圧倒的に女性が多いとかいうことにも現れてる。
 
女性がお金を消費(浪費?)する経済効果はたいへん大きい。
 
 
一方で同じイスラム国家でも、マレーシアやインドネシアなどの東南アジアでは、順調に発展している。
 
これらの国では、女性が働いたり、バイクに乗ってる姿をフツーに見かけるのである。
 
やっぱウーマンパワーは経済効果が高いのだ。きっと。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
幸せのモノサシ 2011年06月05日00:57
 
うちにはテレビがないのでNHKオンデマンドで見たんですが、クローズアップ現代の「幸せのモノサシ」。
 
 
幸福度はGDPでは測れない。
 
震災後、日本人の価値観が大きく変わった。
 
 
という内容だった。
 
 
 
幸福度はGDPでは測れない。
 
 
 
考えてみれば当たり前のことだ。
 
経済指標で個人個人の幸せが測れるはずがない。
 
 
特にわれわれ日本人は強く感じているはずである。
 
金持ちであるはずの日本なのに、なんでみんな幸せの実感が薄いのか。
 
まるで誰かに急かされているように働かされているじゃないか。
 
 
その根本には欧米式の個人主義があった。
 
自己実現とか、報酬とか、誇りとか。
 
そのためには満員電車もいとわないし、家族との時間や余暇を犠牲にしてもかまわない。
 
日本は欧米流の個人主義を追いかけてきた。
 
 
 
それが震災後に大きく変わった。
 
すべて失った人を目の当たりにして、それを自分に投影しなかった人はいなかっただろう。
 
 
自分だったどうするだろうか。。。。
 
 
いままで私たちは、他人の痛みのことをあまり深く考えなかった。
 
なぜならみんな、そこそこの暮らしができていることがわかっていたからだ。
 
レストランのウエイターだって道路工事のオジサンだって、立場が変われば同じサービスを受ける側になれる。
 
年金も医療保険も受けられる。
 
そういう「安心」の上に、私たちは暮らしていた。
 
だから他人の心配をしなくてもよかった。
 
 
 
でも今は違っている。
 
放っておいたらホントに死んでしまいかねない人がたくさんいた。
 
家族も家もすべて流されて、途方に暮れている人をたくさん見た。
 
私たちは他人の痛みを、すごくよくわかるように変わったんだと思う。
 
 
 
この間、渋谷の単館で上映していた「幸せの経済学」(監督 ヘレナ・ノーバーグ・ホッジ)という映画を見てきた。
 
ヘレナ・ノーバーグ・ホッジという人は、チベットでフィールドワークを長く続けて、「懐かしい未来」という本を書いた人だ。
 
 
 
グローバリゼーションで人々はますます不幸になった。
 
利益を上げているのは多国籍企業だけだ。
 
経済成長でみんなが幸せになるというのはウソだ。
 
本当は「ローカリゼーション」、つまり地産地消、地域とのつながりが大事なんだと。
 
 
そこは渋谷のUPLINKという小さな劇場だったけれど、平日の昼間にもかかわらず、定員40人の会場は満席だった。
 
 
 
今、多くの日本人はボンヤリと気づいているんじゃないだろうか。
 
幸せってなにか。
 
経済的な豊かさじゃない、もっとも他のなにか。
 
 
それは人に喜んでもらうことだったり、家族の絆だったり、気の合う仲間との時間だったり、人それぞれかもしれない。
 
でも、お金では測れない「なにか」であることは確かだ。
 
 
そしてそれはまさに、拙著「ハビビな人々」で展開している議論なのである。。。。。と最後に本の宣伝をしてみたりして。
 
 
 
 
……まあしかしさ。
 
結局、経団連のオッサンの言いなりになって潰されるんだろうな。
 
日本人はそうやって一生働かされる運命にあるんだろうなあ。。。。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
北ヨーロッパの南ヨーロッパに対する偏見 2011年06月04日12:15
 
バックパッカー宿の笑い話に、こんなのがある。
 
 
とある旅行者が宿で財布を盗まれたと騒ぐ。
 
犯人は誰だ。
 
みんなで話しているうちに、
 
 
「この宿にイタリア人はいるか?」
 
「ひとりいるよ」
 
「じゃあそいつが犯人だ」
 
 
ヨーロッパでは、
 
「イタリア人は手癖が悪い」
 
というのが、半分冗談にしても、かなり本気で社会的合意を得ているのである。
 
 
この間から話題になっているドイツの食中毒事件。
 
当初の報道ではスペイン産の野菜が原因だということで、たいへんな騒ぎになった。
 
実は私も「やっぱりな」と思ったひとりである。
 
あの働かないスペイン人なら、品質管理もおざなりになっても仕方ないかもな。
 
 
でも違った。
 
地元の保健所は、感染経路は不明であると前言を撤回した。
 
スペイン政府は大激怒しているという。
 
 
間違ったのは仕方ないとしても、それがスペイン産ということに、保健当局もマスコミも「やっぱりな」と思ったところに問題がある。
 
もちろんそう思われるようなスペインにも問題あるんだろうけどさ。
 
 
 
6月2日の朝日の特派員メモに「「勤勉なアリ」の怒り」というコラムがあった。
 
 
「「ギリシャやポルトガルといった国の人たちが、ドイツ人より早く年金生活に入るのはどうか。少なくとも同じだけがんばらないと」
財政危機に陥った国々に向けられたドイツのメルケル首相の発言が、議論を呼んでいる」(松井健)
 
 
しかし実際には、
 
 
「引退する年齢が早いとか、休暇日数が多いというデータはなく、偏見のようだ」
 
 
そう。
 
偏見なのである。
 
 
南欧は働かない。
 
だらしない。
 
品質管理がなってない。
 
 
北ヨーロッパ人の南欧人に対する不信、偏見というのは、私たちが思っているよりも大きいみたいだ。
 
 
そしてその背景には、マックスウエーバーが言うように、プロテスタントが近代資本主義を作り上げ、カトリックはダメだったという、彼らの絶対的な自信があるんだろう。
 
 
 
でもオレは南欧の方が好きだな。
 
どっちが人生を謳歌しているかといえば、間違いなく南欧だ。
 
住むんだったら南欧。
 
間違ってもイギリスになんか住みたくないよね。
 
気候もいいしメシもうまい。
 
南欧は北ヨーロッパよりも多くの点で恵まれている。
 
それが彼らには気に入らないんだろう。
 
 
そして最後に、自分もいい加減なので、南欧の方が水があうんだと思う。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
文明の海洋史観 2011年06月04日03:14
 
「文明の海洋史観」(川勝平太 中公叢書)
 
 
現静岡県知事の川勝平太氏の論文。
 
早稲田大学政経学部の教授だったころに書いたもので、タイトル通り梅棹忠夫氏の「文明の生態史観」を海洋を意識しながら自分なりにアレンジしたもの。
 
それ自体は、まあなるほどという感じで、思っていたほどの感動はなかったんだけど、面白い指摘は別のところにあった。
 
 
マルクスとダーウイン。
 
 
友だちだったんだって。
 
 
へええ。
 
 
マルクスはダーウインを尊敬していたそうだ。
 
 
そしてマルクス史観はダーウインの適者生存、自然淘汰の原則を、人間の歴史に当てはめたものだと。
 
 
そう。
 
言われてみれば確かにその通りだ。
 
 
資本家は勝ち上がってきた適者である。
 
搾取される労働者は敗者である。
 
 
そしてマルクスによれば、どこの国の歴史も、みんな同じ運命をたどる。
 
つまりこうだ。
 
 
古代奴隷制→中世封建制→近代資本主義→共産主義
 
 
最後の1つは間違っていたわけだが、それはここではどうでもいい。
 
興味深いのは、どの社会も、これと同じパターンで推移すると断定しているところである。
 
 
この考え方、つまり「適者生存」の原理に従って、すべての人類が同じ運命をたどるという考え方は、非常に西洋人的な思考だと思う。
 
 
現代に当てはめてみれば、こう言うことである。
 
 
たとえばアフリカでは民主主義がなかなか根付かないと。
 
軍事独裁政権のダメな国ばかりであると。
 
 
なぜか。
 
 
なぜなら彼らはいまだに中世の絶対王制の社会から抜け出ていないからであると。
 
人々の民度が低いから民主主義が根付かないのだと。
 
こういう説明になる。
 
 
 
西洋人のアタマには、ダーウインの「適者生存」「自然淘汰」がこびりついて離れないのだ。
 
 
 
これにたいして日本の今西錦司が提唱したのが「棲み分け」理論だった。
 
「適者生存」という理論だけだと、最終的にたったひとつの種に収斂されてしまう。
 
しかし現実には生物は非常に多様である。
 
つまりそこには、生物ごとに、互いを侵犯しない「棲み分け」がなされていると。
 
そういう主張だった。
 
非常に東洋的な、平和な理屈である。
 
 
 
「今西錦司は、棲み分けという観察事実を根拠に、生物は自然淘汰という弱肉強食の「競争原理」ではなく、平和な「共存原理」のもとに生きている、と主張する」
 
 
 
民主主義、資本主義、自由競争という、たったひとつの政治経済モデルに世界が収斂されていくという西洋的な考え方と、みごとに背反するのである。
 
 
梅棹教授はこう言っている。
 
 
「ふるい進化史観は、進化を一本道とかんがえ、なんでもかでも、いずれは、おなじところへゆきつくとかんがえた。現状のちがいは、そこへゆきつくまでの発展段階のちがいとみたわけだ」
 
 
 
もちろん独裁政権がいいわけではないけれど、民主主義だけが理想的な政治形態ではない。
 
そしてそれを「発展途上だから」と決めつけるのは、西洋人の傲慢ではないだろうか。
 
 
 
 
他に面白かったこと。
 
近代ヨーロッパが形成される契機になった新大陸の発見。
 
西洋人は香辛料を求めて大西洋に乗り出したわけだが、なぜだろうか。
 
ここで紹介されているのは疫病説である。
 
 
 
「注目をあびているのはマクニールという学者の疫病説である。ヨーロッパでは人口の三分の一が死亡したといわれる疫病のもたらした影響は大きい。信心浅き者も神に仕える者も無差別に襲った疫病は中世の権威であった宗教に対する懐疑を生み、その原因を求めるなかから近代の科学精神の土台がつくりだされていった」
 
 
 
なるほど疫病ねえ。
 
確かに説得力あるね。
 
 
でも私はイスラム勢力の影響の方が大きい気がするな。
 
特に1453年のコンスタンチノープル陥落で東ローマ帝国が滅亡したこと。
 
これが西洋に与えたインパクトは相当でかい。
 
 
イスラムの侵攻は破竹のイキオイだ。
 
 
1475年にクリミア半島を攻略。
 
1480年代にはバルカン半島を制圧。
 
1521年にはベオグラード。
 
そして1526年にハンガリーが占領され、同年ついにウイーンが包囲される。
 
 
ヒタヒタと忍び寄るヒゲ面の異教徒の大軍団が、キリスト教徒を震え上がらせたのは想像に難くない。
 
 
戦争するにはカネがいる。
 
しかし世界最先端で、交易の中心である中国、インドへの道は、完全にムスリム野郎が握っている。
 
だったらナントカいう学者の言うことを信じて西に行ってみるしかない。
 
やけくそになって出発したコロンブスが、ヒョウタンから駒のように新大陸に到達したのが1492年。
 
まさにイスラムが怒濤の如く攻めてきた時期である。
 
 
 
キリスト教徒たちは新大陸で原住民を虐殺しながら血眼になって金銀を探し求める。
 
なんとかしないとヨーロッパ全土がムスリムに占領されちまうのである。
 
 
なんとかしないと、マジでやばいのだ。
 
 
そしてその焦りが、1517年のルターの宗教改革につながったのも、これまた想像に難くない。
 
彼の思想、聖書の重視とか、教会の簡素化とか、キリスト像を置かないとか、そういう改革が、実はイスラム教の教義と奇妙によく似ていることも、偶然ではないと私は思う。
 
 
イスラムの脅威が、キリスト教徒を大航海時代へかき立てた。
 
彼らが貿易と同じくらい、キリスト教の布教に熱心だったのは、ひとりでも多くの味方を増やしたかったからではないか??
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
クリーンエネルギーで儲かる国 2011年06月01日01:53
 
福島原発事故のあと、西洋を中心に脱原発、反原発の声が高まってます。
 
それはそれで当然のことだと思いますが、一方で、なんとなく違和感を感じていました。
 
 
原発は危険だから、クリーンエネルギーに転換していこうと。
 
とても正論だと思います。
 
しかしなんか引っかかるよなあ。
 
 
と思っていたら、本日の朝日に、ウクライナの首相のコメントが出ていて、ああこれだと思いました。
 
 
「金持ちの国だけが、原発閉鎖の可能性を議論できる」
 
 
まったくその通りですよ。
 
 
風力発電とか太陽光発電とか、初期投資に莫大なカネがかかるわりには発電量が少ない。
 
そんな悠長なことを言っていられるのは、一部の先進国に過ぎないわけです。
 
 
しかもCO2削減で石油もあんまり使えない。
 
だからインドや中東や東南アジアの国は、手っ取り早く原発を推進せざるをえない。
 
西洋諸国はいつも正論を持ち出して、途上国に無理難題を押しつけます。
 
 
 
例えばドイツは、脱原発の急先鋒です。
 
でも、実はフランスからたくさん電気を買っている。
 
そしてその電気は原発で発電されたものだったりするわけですが、それはともかく、原発技術の進んでるフランスやアメリカや日本に対抗して、クリーンエネルギーの技術で儲けようという考えのようです。
 
 
原発がいいか悪いかは、私にはよくわかりませんが、脱原発というタテマエのウラで、しっかりビジネスチャンスを狙ってるところがあざといよなあと思ったりもしました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
豚の丸焼き 2011年05月31日01:23 
 
 
両手両足を広げてお腹を出してる感じ。味付けはクレージーソルト大量とローズマリーだけ。以前、羊の丸焼きをグリルでやったんですが、長時間あぶったせいで肉がパサパサ。どうせやるならムームーの方が絶対オススメ!!!!!!!
 
 
先日、仕事の関係もあって知り合いにお集まりいただき、豚の丸焼きをやってみました。
 
丸焼きとは言ってもパプアニューギニアの「ムームー」という料理で、焼いた石と一緒に土に埋めて蒸し焼きにするというもの。
 
結果は写真の通り。
 
外はパリパリ、中はジューシーで、心配してた脂もほどよく落ちて、とてもおいしくできあがりました。
 
 
ちなみに子豚一頭25000円。
 
 
オトナ10人分以上のボリュームがありました。
 
 
送られてきた当時の冷凍子豚ちゃん。スペイン産ですがイベリコではもちろんありません(笑)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ネット社会の無責任 2011年05月30日21:08
 
みなさんも、もしかしたら感じられていることかもしれませんが、最近よくあるんですよね。
 
 
ここ何年か、
 
「フリーライターになるにはどうしたらいいんですか?」
 
とか、
 
「本を出したいんですが、どうしたらいいですか?」
 
 
みたいな問い合わせメールをいくつかもらいます。
 
こちらも一応、それなりの返事を返すわけです。
 
 
 
しかし御礼のメールが来たのは、たった一度だけ。
 
 
 
ここからは推測ですが、おそらく私のようなライターに、他にも何十人と送っているのではないかと。
 
それで誰かから返事が来てもわからなくなってるか、あるいはたくさん帰ってきて面倒だからホッタラカシにしてるか。
 
 
 
以前、マイミクのKさんがこんなこと言ってました。
 
Kさんは某旅行会社の重役をやってて採用面接もやってたらしいんですが、応募メールを見て連絡しても、相手がなんだか要領を得ないと。
 
 
「何十社も送ってて、本人も、なんだかようわからんくなってんねん」
 
 
私が担当者だったら即不採用ですね(笑)
 
 
きっと背景には、
 
 
・安易に相手にアプローチできること。
 
・大量コピーができること。
 
・自分は匿名でいられること。
 
 
の3つがあるのだと思います。
 
いずれもネットの最大の長所なわけで、私自身もその恩恵を多大に受けてるわけですが、改めてその負の部分を見たような気がします。
 
 
昔のように電話か手紙でしか連絡とれないんだったら、それなりの覚悟があったでしょうけどねえ。
 
 
というわけで今後は、この手のメールが来ても黙殺することにしましたとさ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
椎名誠さんに紹介いただきました! 2011年05月30日00:57
 
先日、大学の後輩からメールがあった。
 
椎名誠さんの「活字たんけん隊」(岩波新書)で、拙著「ロバと歩いた南米アンデス紀行」(双葉社)が紹介されているとのこと。
 
さっそくアマゾンで購入して読んでみた。
 
 
……おお。出てるじゃないか。
 
 
3ページにわたって、けっこう細かく紹介されている。
 
 
実は椎名さん、このロバ本が発売された時から「本の雑誌」で紹介してくれていて、
 
「去年読んだ中で面白かった本ベスト3」
 
に選ばれていた。
 
今回も印象深かった本として取り上げてくれたので、あの本を相当気に入ってくださってるんだと思う。
 
 
そういえば去年発売になった「世界のどこかで居候」を編集部から贈呈したら、ご本人から返事が来た。
 
 
「ナカヤマさんはデビューした時からファンです」
 
 
 
これはかなり真面目にうれしかったな。
 
 
そして同時期に発売になった「ハビビな人々」のオビの推薦文も書いてくださった。
 
 
というわけで、いろいろとお世話になってるんだが、実は会ったことは一度もない。
 
どこかでお会いする機会があったらホントに御礼を申し述べたいと思う。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
アラブの春 2011年05月28日10:09
 
側近「議長、「アラブの春」って知ってますか?」
 
議長「知らねえな」
 
側近「最近のアラブ諸国の民主化の動きをそういうらしいですよ」
 
議長「へええ」
 
側近「春が来たんですかねえ」
 
議長「来てねえな」
 
側近「そうですか」
 
議長「何度も言ってるけどよ、変わんねえんだよ」
 
側近「はあ」
 
議長「アタマが変わっただけなんだよ」
 
側近「はあ」
 
議長「ウソだと思ったら30年後見てみな。同じとが起こってるよ」
 
側近「というと?」
 
議長「今の改革派って言われてる連中が、今度は汚職で真っ黒になってるよ」
 
側近「なるほど」
 
議長「春なんてのは、西側が勝手につけてるだけだろ?」
 
側近「まあそうですね」
 
議長「東欧の旧共産主義だった国に行ってみろよ。コストコとカルフールとマックとケンタッキーばっかだよ」
 
側近「議長、「マック」なんて言うんですね」
 
議長「そんなことはどうでもいいんだよ。要するに西側の資本がゴッソリ入ってきて、それでみんな幸せになったのか? ってことだ」
 
側近「うーん。でも前の独裁者よりもいいんじゃないかと」
 
議長「だから独裁者は同じなんだよ。民主主義とか言ったってよ。都合の悪い政党は潰されるんだ。今エジプトでムスリム同胞団ってのが力つけてるけどよ、穏健な連中だけど、宗教色が強いんだな。コイツラはまだいいけど、もっと反欧米の勢力が選挙で勝ったらどうするんだよ」
 
側近「みんなそれに従うんじゃないですか?」
 
議長「そうじゃねえな」
 
側近「じゃあどうなるんですか?」
 
議長「テロとつながってるとかなんとか言って、悪者に仕立てるんだ。ハマスみたいにな」
 
側近「なるほど」
 
議長「そしてそいつらは、アメリカに都合のいいこと言ってる傀儡政権と対立して、いつの間にか「反政府勢力」になっちまうんだよ」
 
側近「じゃあ民主主義なんて意味ないじゃないですか」
 
議長「そういうことだよ。要するに欧米に都合のいい政権を「合法的に」作り出す装置なんだよ。民主主義ってのは」
 
側近「じゃあ春でもなんでもないですね」
 
議長「オレは100年後の歴史の教科書を見てみたいよ。今の状態が春なのかどうか。なんて書いてあるだろうなあ」
 
側近「議長はなんて書かれるんでしょうかね」
 
議長「そりゃオマエ、4000億円儲けてトンズラしたアラブのテロリストってことになってるに決まってるじゃねえかよ」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
福島原発事故は「エコ」の流れを変えた? 2011年05月26日00:31
 
今回の福島原発事故は、はからずも世界的な「エコ」の流れを大きく変えたんじゃないかと最近思います。
 
 
「エコ」が推進されて誰が儲けるんだろうか? と考えてみると、その受益者のひとつが、いわゆるクリーンエネルギーをうたってる原発産業ですよね。
 
 
何年か前にノーベル平和賞をもらった「なんとか政府間パネル」とゴア元副大統領。
 
 
彼らは地球温暖化をかなり過剰に演出していたのが、あとで問題になりましたが、考えてみればオバマ大統領も民主党で、原発推進派ですから、そう考えると、民主党に、たとえばGEのような原発産業から相当な資金提供があるんじゃないかと思えます。  ←このへんは不勉強なんですが。
 
 
 
 
もうひとつ「エコ」が推進されて喜ぶ人たちは、アメリカのネオコンですよね。
 
「エコ」というのは化石燃料依存からの脱却でもありますから、それはつまりウザイOPEC産油国のアラブ野郎の言うことを、ようやく聞かなくて済むようになることを意味します。
 
ゴリゴリのキリスト教徒としてはこれほど愉快なことはないでしょう。
 
 
 
 
そして最後に、最大の受益者は欧米、日本などの先進国ではないかと。
 
化石燃料に変わって新しいエネルギー産業を支配するということは、途上国を支配することでもありますよね。
 
世界中に原発を建てて、例えばある国で反米政権ができたとします。
 
するとアメリカは技術者を総引き上げする。
 
電力はストップする。
 
市民生活がマヒして政権が倒れる。
 
親米政権ができる。
 
 
 
要するに、
 
 
 
脱化石燃料 = エネルギー技術の独占による新植民地主義
 
 
 
という構図が成り立つのではないかと思います。
 
 
 
 
しかし今回の福島の惨事で、そういうことを企てていた一部の連中の思惑が大きくはずれてしまった。
 
原発推進は後退して、しばらく化石燃料依存が続きそうです。
 
しかし「エコ」という甘言で世界中をだまそうという動きは、これからも続くでしょう。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
メディア露出についてのご案内 2011年05月23日10:01
 
 
各位さま
 
 
ご無沙汰しております。
 
奥多摩の中山です。
 
初夏の暖かさが続くこの頃ですが、奥多摩も新緑が美しい季節です。
 
朝はウグイスの鳴き声で目をさまし、ハンモックでブラブラしながら新聞を読み……というと優雅ですが、実は5月はハエが多い季節でして、はっきり言ってウザイです。
 
ホント「五月蠅い」の意味がよくわかります。
 
 
ところで夏にかけて、いくつかメディア露出と単行本の発売がありますので、ご案内させていただきます。
 
 
 
●先日発売になりました天下の週刊文春(5月26日号)の後ろグラビア「現地ルポ ツナミに呑まれた町、アチェの現在」が掲載されてます。
 
スマトラ大津波で被災した人々を取材したルポです。
 
ぜひ一冊ご購入の上、官製はがきに「中山の記事はたいへん面白かった」と記入して編集部宛ご投函ください(笑)
 
 
 
●NHKのBSプレミアム「熱中スタジアム」に出演いたしました。里山フリークの人たちが集まって熱く語る特集で、放送は5月26日、6月2日(深夜11時半〜)の2回連続です。
 
……とは言っても40人いるうちの「その他大勢」のひとりです。
 
私のコメントがどれだけ採用されたかも不明ですが、拙宅の五右衛門風呂の写真は放映されるみたいです。
 
ちなみに拘束時間は8時間、出演料は3000円でした。←時給375円(涙)
 
 
 
●埼玉のローカルラジオ「すまいるFM」(76.7MHz)の番組「アートハートクラブ」に出演いたしました。
 
話題はロバを連れた南米徒歩旅行から奥多摩の古民家改修、硫黄島の遺骨収集ボランティアまで多岐にわたりました。
 
放送は6月5日(日曜日)夜7時〜。3回(4回?)連続出演の予定です。
 
ネットでも聞けるらしいです↓
 
http://artheart.club.officelive.com/default.aspx
 
 
 
 
●単行本「冒険食堂」(日本写真企画)が6月27日発売!
 
なんと今年も単行本が発売になります。
 
世界各地の家庭料理をアウトドアで気軽に楽しむためのレシピ本です。
 
「世界のどこかで居候」でご紹介した各国の他、新たにギリシャ、ハンガリー、ペルーなど世界各地の料理が楽しめます。
 
パプアの衝撃ブタの丸焼き料理「ムームー」の作り方も掲載予定。
 
詳細はまた追ってご連絡いたします。
 
 
 
そんなことで、今年も奥多摩が楽しい季節になりました。
 
長期予報によると、今年も暑くなりそうです。
 
避暑&節電に、みなさまぜひお越しくださいませ。
 
 
中山茂大拝
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ビンラディンが死んでも変わらない?? 2011年05月02日12:59
 
側近「議長! 議長! ビンラディンが死んだそうです!」
 
議長「なにい! どうやって!?」
 
側近「米軍に殺害されたとか」
 
議長「どこで!」
 
側近「パキのイスラマバードだそうです」
 
議長「……そうかい。ヤツも年貢の納め時か」
 
側近「ついに死んじゃいましたね」
 
議長「まあ、いままでよく逃げ回っていられたもんだよ」
 
側近「ずっとトライバルエリアにいたんですよね」
 
議長「そうらしいな。パキとアフガン国境の山の中だ」
 
側近「なんでそんなところに?」
 
議長「アフガン人ってのは、イエメン人と気質が似てるって言われるんだ」
 
側近「そうなんすか」
 
議長「同じ山岳地帯で、部族意識が強いんだな」
 
側近「ハビビな人たちなんですか?」
 
議長「まあそういうことだ。ソ連軍も制圧できなかったくらいの地域だからよ。逃げ込むにはちょうどよかったんだな」
 
側近「それにしてもイスラマバードにいたなんてねえ」
 
議長「要するにパキ政府ともウラでつながってたってことじゃないのか」
 
側近「でもアメリカと共同で掃討作戦とかしてましたよね」
 
議長「あんなのポーズだ」
 
側近「はあ」
 
議長「パキはビンラディンとアルカイダが生き残ってる間は、アメリカから資金援助もらえるじゃねえかよ」
 
側近「なるほど」
 
議長「だから生かさず殺さずで適当にやってるのが一番儲かったわけだよ」
 
側近「しかし今回は?」
 
議長「そう考えれば今回は米軍単独でやった作戦だな」
 
側近「なるほど……それにしてもこれからどうなるんでしょうかね」
 
議長「かわんねえよ」
 
側近「は?」
 
議長「別にビンラディンが死んだってわからねえよ」
 
側近「そうでしょうか」
 
議長「根っこにあるのはイスラム社会の格差なんだよ。テロが起きたモロッコとかシリアみたいな貧乏な国じゃ、若者の失業率が5割とかが普通なんだ」
 
側近「そういう若者がテロリストに勧誘されるんですね」
 
議長「そう」
 
側近「キリスト教徒イスラムの対立というのは」
 
議長「あんなのは両方の指導者のプロパガンダだよ。わかりやすい方が受けるからな」
 
側近「なるほど」
 
議長「根っこにあるのは貧困なんだ。それが解消されない限り、テロ組織はいくらでも若者の受け皿になり得るんだよ。要するに就職先みたいなもんなんだからよ」
 
側近「うーん。キビシイですね」
 
議長「まあオレも受け皿になったおかげで4000億円儲かったわけだけどな」
 
側近「儲けすぎじゃないですか」
 
議長「いいんだよ。アラブはみんな親の総取りなんだよ!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
サレハ、引退撤回 2011年05月02日10:24
 
側近「議長、イエメンのサレハが辞職を撤回したそうです」
 
議長「まあそうだろうな」
 
側近「……なんでですか?」
 
議長「おそらくアメリカの支援を取り付けたんだろうよ」
 
側近「といいますと?」
 
議長「イエメンってのは、二十年くらい前まで南北に分裂してたんだよ」
 
側近「そうですね。北イエメンと南イエメンでしたね」
 
議長「北を支援してたのがアメリカで、南がソ連だったんだな」
 
側近「なるほど」
 
議長「サレハは北イエメンの大統領だったんだ」
 
側近「もともとアメリカとパイプがあったと」
 
議長「イエメン統一を成功させたとき、サレハはノーベル平和賞もらえるんじゃないかと思ったらしいぞ」
 
側近「金大中みたいですね」
 
議長「相手にもされなかったみたいだけど」
 
側近「しかしサレハも独裁者なんですよね。なんでアメリカが支持するんで
すかね」
 
議長「イエメンはオマエ、ビンラディンの出身地じゃねえかよ」
 
側近「ああ。前にも言ってましたね」
 
議長「テロリストがウヨウヨいるんだよ」
 
側近「軍事基地があるって話もありますね」
 
議長「そいつらに権力を握られるくらいならサレハの方がまだマシだってことだ」
 
側近「なんだがパキとかアフガンと似てますね」
 
議長「どこも同じだよ。独裁者を容認して資金援助する代わりに、テロリス
トを取り締まらせるわけだ」
 
側近「一般市民はたまったもんじゃないですね」
 
議長「とあるイエメン人の話だと、イエメンのODAの8割は使途不明なんだってよ」
 
側近「ほとんどが政府高官のフトコロに入ってるわけですね」
 
議長「ロクでもないけどよ、でもテロリストよりマシなんだろうな。まあ、オレも同じ手口で4000億円稼いだんだけどな」
 
側近「権力者はみんな同じですね」
 
議長「カネはあるところにはあるからなあ。うまいことやれば100億円くらいチョロいもんよ」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
おしゃれで素敵なフランスというイメージ 2011年05月02日00:00
 
これもmixiニュースより。
 
 
欧州の中でも、特に親日の雰囲気が強い国フランス。古くはゴッホやモネに影響を与えたジャポニスムがあったし、最近では北野武がコマンドゥール勲章を授与された。ヴェルサイユ宮殿で村上隆の個展も開かれたりしている。もちろん若い世代の日本アニメへの関心も強い。なぜ日本文化に興味を持つ人が多いのか? 最近のフランスにおける日本事情を、パリ第七大学で日本研究を専門とするトリスタン・ブルネさんにうかがった。
 
「80年代以降、日本という国からイメージされるものはアニメです。『聖闘士星矢』『北斗の拳』『ドラゴンボール』などがテレビで放映され、子供たちは夢中になりました。しかし経済的な日本バッシングの時期も重なり、日本のアニメもその影響を受けました」
 
トリスタンさんによると、日本アニメに夢中な子供を持つ親は、どの文化で子供たちを育てるのかという問題に直面したそうだ。なぜなら日本アニメはフランス社会の道徳意識から離れているという。
「暴力描写で特に問題となったのが『北斗の拳』です。そして日本では問題にならないことが、フランスでは問題になります。例えば、『キン肉マン』に登場するブロッケンJr.。彼はナチス・ドイツを彷彿とさせる風貌なのに正義超人です。これは欧州では認められない。また『ドラゴンボール』にスーパーサイヤ人がいますが、青い目と金髪を特別視することもアーリア人至上主義を標榜したナチズムをイメージさせます」
 
結果、学校の父母会などで日本アニメは危ないという運動が起こり、突如日本アニメが放映されなくなった時期をもあったそうだ。しかし子供からの需要はなくなったわけではない。そこでフランスの出版社が、今度は日本の原作漫画を売り出し、再び日本アニメはフランス社会にあらわれたという。
 
一方で、日本人がフランスに対して持つポジティブなイメージが、フランス人の日本への好感度をあげている面もあるそうだ。
「フランス人は日本における自分たちのイメージが好きです。おしゃれで素敵なフランスというもの。若者世代のなかには自分の国が嫌いだという人も多い。しかし日本を見れば、自らの理想の姿が反映されている。もちろんそれは幻想だけれども、コンプレックスを忘れられるのです」
 
フランス人にとっての日本の印象は、「自らの伝統を守りつつ科学技術など超現代的な社会も作り上げた国」というもの。トリスタンさんによると、今の一部若者世代には日本への憧れがあるそうだ。それは一世代前のフランス人が、アメリカに抱いていたような憧憬だという。紆余曲折はありつつも良好な関係を続ける日仏関係。今後も大切にしていきたいですね。
(加藤亨延)
 
 
 
 
 
 
 
 
ツッコミどころ満載の記事なんですが、中でも注目は、日本文化を研究しているというフランス人の以下のコメントである。
 
 
「フランス人は日本における自分たちのイメージが好きです。おしゃれで素敵なフランスというもの。若者世代のなかには自分の国が嫌いだという人も多い。しかし日本を見れば、自らの理想の姿が反映されている。もちろんそれは幻想だけれども、コンプレックスを忘れられるのです」
 
 
 
 
日本における自分たちのおしゃれで素敵なフランスというイメージが好き。
 
 
 
われわれ日本人はフランスにたいして、オシャレで素敵なイメージを持っていると彼は考えているわけだ。
 
 
へええ。
 
 
アナタはどうですか?
 
フランスはオシャレですか?
 
 
 
私はブランド品とか興味がないので、まったく別のイメージです。
 
例えばこんな感じ。
 
 
 
皮肉屋。
 
猜疑心が強い。
 
戦争が弱いので別のところで勝負してる。
 
イスラム教徒を弾圧してる。
 
イギリスにコンプレックスを持ってる。
 
東洋人をバカにしてるヤツが多い。
 
コーヒーカップに虫が入っただけで大騒ぎする。
 
世界一のグルメだと信じている。
 
 
 
 
要するに私はフランス人にたいして、あまりいい印象を持ってないわけです。
 
それは旅先で出会ったフランス人が、たいがい隣国のドイツ人よりも、イヤなヤツが多かったことに起因しているのだと思います。
 
彼らの態度を理解するには、イギリスに対する劣等感でたいがい説明がつきそうな気がします。
 
歴史上、いつもイギリスの後塵を拝してきた彼らは、卑屈で猜疑心が強くなり、でも戦争が弱いから文化で勝負しようと、洋服とか化粧品とかの付加価値をつけようと努力してきたわけです。
 
 
 
さて、もう一度上記コメントに戻りましょう。
 
たびたび登場願っている中島義道氏の「ウイーン愛憎」の以下の文章を引いてみましょう。
 
 
「ウイーンで或る日、日本人会の主催で「紅白歌合戦」のビデオを見た。そこにウイーン大学の日本語科の学生が十数人来ていたが、皆われわれ日本人が笑わないところで笑いころげている。聞いてみると「何しろ踊りが下手で体のプロポーションが悪いから見るに耐えないね」という答えが返ってきた。私が強調したいこと。それはヨーロッパとは欧米人の肉体が美しく見え、日本人の肉体が醜く見えるようにわれわれの目を不断に教育する場だということである」
 
 
 
この一文を読んでから、もう一度上記のフランス人のコメントをお読みいただきたいと思います。
 
別の意味が浮かび上がってこないでしょうか。
 
 
 
同著によれば、オーストリアの日本文化を研究する学生は、おおむね日本文化は好きだけれど、日本人にはまったく興味ない連中ばかりだったそうです。
 
 
要するに能とか歌舞伎とかアニメとかワビサビは好きだけれど、日本人自体は興味の対象外。
 
もっとはっきり言えば、日本人自体は彼らにとっては醜悪な存在なんです。(背が低くて短足で、近眼で出っ歯で……などなど)。
 
 
 
そういう優越感が、このコメントにも感じられるように思えるのは私だけでしょうかね。
 
もともとフランス人が好きじゃないからかなあ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
デンマークは進んだ国か 2011年04月30日10:32
 
以下、mixiニュースより転載。
「デンマークには予備校はないし、塾もない。教育を通して国民は競争のための競争ではなしに、しっかりした職業意識、強者が弱者を助ける共生社会について学ぶ」と語るのは、福祉国家・デンマーク在住44年の千葉忠夫・日欧文化交流学院学院長。
 
「何で北欧の国が幸福で強いのか、この目で見てみたい」と1967年に単身渡欧した千葉氏。デンマークでの社会福祉の実践を通して生涯の師バンクミッケルセン氏(ノーマリゼーション実践提唱者)と出会い、「格差と貧困のないデンマーク」(PHP新書)を書いた。
 
一時帰国中の同氏は日本記者クラブで講演、「経済大国」のはずが貧困率の上昇、貧富の格差拡大、高い自殺率、少子高齢化に苦しむ日本の在りように疑問を呈した。千葉氏の分析によれば、日本の一番の問題点は教育。デンマークは資源がないのは日本と同じだが、教育が違うという。
 
日本の高校進学率は、99%だが、デンマークは30〜40%。日本では高学歴を目指して当然のこととして高校に進学するが、デンマークでは国民学校での義務教育期間(10年)を終えた子供たちは、その多くが職業別専門学校に進学する。「高校の無償化など無意味。第2次大戦後デンマークは農地改革をやり、そして職業意識を持った女性が社会に進出。女性も税金を払い、福祉社会を支える。一歩一歩着実に福祉社会をつくってきた」と、長い社会・意識改革の歴史を振り返る。
 
日本の消費税率が5%なのに対し、デンマークは25%。しかし「日本の物価が安いとは感じない。牛乳などはデンマークの方が安い」と指摘した上で、「デンマークではさすがに国会議員には歳費が出るが、市・州議会議員などは無給。二世議員などはあり得ない」と指摘。「日本は経済大国。皆さん、答えは分かっているのにできないでいる。わたしは歯がゆくてしょうがない」と、東日本大震災に揺れる故国にもどかしそうだった。(原稿/日本語教師・中村隆二)
 
 
 
 
 
なんでこんな、いってしまえばどうでもいいニュースが、mixiのトピックスに載るんだろうか。
 
なんでこのオジサンが記者クラブなんぞで会見するんだろうか。
 
 
と考えると、デンマーク政府の根回しがあったんじゃないの?
 
と勘ぐりたくなるようなニュースである。
 
このオジサン、PHP新書から本も出してるが、これももしかしたらデンマーク政府が大量に買いとりしてたりして。。。。
 
 
 
 
デンマークは日本より進んでいて、日本はデンマークのマネをして教育に力を入れるべきだと、このオジサンは言っている。
 
まあそうかもしれないよね。
 
 
でもさ、オレは聞いたことあるけど、道路工事とかやってるのは出稼ぎの中国人なんだってよ。
 
そして日本人がレストランで食事していると、ものすごい奇異な目でみられるんだってさ。
 
なんで中国人がこんな店に入れるんだ、みたいな。
 
もちろんデンマーク人みんながそういう差別意識をもってるわけじゃないだろうけどさ。
 
 
 
 
このニュースはデンマークによるプロパガンダだな。
 
そして「進んだ欧州」のイメージを我々東洋人に植え付けるわけだ。
 
そしたらレゴが売れると。
 
 
 
北欧が日本より進んでいるというのは幻想だ。
 
 
だいいちこのオジサンの「強者が弱者を助ける共生社会」という発言自体が、格差を前提にしてるんじゃないのかな。
 
 
 
しかしこういう欧州礼賛記事がポツリポツリと配信されるのは、やっぱりなにがしかの金が支払われている結果なんだろうか。。。
 
 
 
 
塾も予備校もない教育―在デンマーク在住44年の千葉忠夫氏
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=1587432&media_id=31
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
今なぜチャウシェスク? 2011年04月28日00:19
 
 
側近「議長、同じ朝日の国際面なんですが」
 
議長「ああ。チャウシェスクの話だろ」
 
側近「そうそう。最近ルーマニアで、処刑されたチャウシェスクが人気らしいんですよね」
 
議長「なんか自伝映画とかできたらしいよな」
 
側近「なんで今頃人気が出るんでしょうかね? だって独裁者だったから処刑されたんでしょ?」
 
議長「結局、共産主義時代の方がよかったってことなんじゃねえの?」
 
側近「そうなんですか?」
 
議長「おれっちはルーマニアは数日しか行ったことねえけどよ、ハンガリーはしばらくブラブラしてたんだよ」
 
側近「議長、バックパック旅行なんかしたことあるんですか?」
 
議長「いいじゃねえかなんだって。とにかくハンガリーは西側の資本がわんさか押し寄せてすげえんだ。コストコとかマックとかKFCとか」
 
側近「経済開放されるとそういうことになるんですね」
 
議長「ハンガリーのワイナリーに行ったんだけどよ。フランスの大資本が入ってきて、でっかい工場建てて操業してるんだ」
 
側近「はあ」
 
議長「わかるか? 地元の連中は快く思わないわけだよ」
 
側近「なるほど」
 
議長「要するにルーマニアも、そういうことなんじゃねえのかな」
 
側近「そうなんですか」
 
議長「同じようなことはいろんな国であるよな。たとえばフィリピンのマルコスとかよ」
 
側近「古いですね」
 
議長「アレも独裁者だったけど、地元ではすげえ人気だったらしいぜ」
 
側近「なんでですかね」
 
議長「先住民の出身だったからだよ。フィリピンは華僑が威張ってる国だからよ」
 
側近「なるほど」
 
議長「南米でも似たようなことがあるな。チャベスも先住民の血が入ってるし、ペルーの元大統領のトレドもそうだよ」
 
側近「民族主義が関係してるんですかね」
 
議長「他の国からみて悪党だとしても、その国では英雄ってこともありうるわけだよ」
 
側近「チャウシェスクもそうだったんでしょうか」
 
議長「そんなこと知らねえよ。しかし少なくとも外国人が判断することじゃねえんじゃねえの?」
 
側近「議長はどうだったんですか?」
 
議長「オレは隠し資産4000億円がばれちまったからなあ」
 
側近「もうダメすか」
 
議長「ダメだな」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
シリア政府軍無差別攻撃 2011年04月27日23:59
 
側近「議長、シリアのアサドがメチャクチャやってるみたいですね」
 
議長「そうなの?」
 
側近「昨日の朝日の国際面ですよ」
 
議長「オマエも朝日とってんのか?」
 
側近「そんなことどうでもいいじゃないですか。反政府デモがシリア各地で起こってるみたいですよ」
 
議長「まあな。反政府ってよりも、部族対立なんだよな」
 
側近「部族ですか?」
 
議長「そうよ。アラブの国はどこでも同じだよ。政府とか反政府って概念自体があんまり意味ねえんだな」
 
側近「よくわかんないんですが」
 
議長「つまりだよ。アラブ人ってのは、みんなどっかの部族に属してるんだ」
 
側近「はあ」
 
議長「そんでヤツらの帰属意識ってのは、国家よりも部族なんだよ」
 
側近「はあ」
 
議長「部族ってのは、たいがい町とかの単位なんだけどよ。カダフィだってナントカ村出身だって言ってただろ。イラクのサダムだってティクリートって村の出身で、側近はその村出身の連中ばっかりだったわけだ」
 
側近「身内で固めるわけですね」
 
議長「アサドの場合はアラウイ派っていうシーア派のマイナー部族なんだよ。だから大多数のスンニ派が多いシリアでは亜流の亜流みたいな連中なんだ」
 
側近「その少数派が政権を握ってたと」
 
議長「政府と反政府って言えば確かにその通りなんだけどよ。どっちかっていうと少数派のアラウイの連中が長年威張ってたのが、他の連中には気に入らなかったんだな」
 
側近「このあとどうなりますかね?」
 
議長「アサドの後ろにはイランがいるよな。そんでおそらく反政府デモを煽ってるのはアメリカとイスラエルだな」
 
側近「そうなんですか」
 
議長「シリアってのはいまだにイスラエルと戦闘状態なんだぜ」
 
側近「そうなんすか」
 
議長「だって和平協定結んでないもん」
 
側近「なるほど」
 
議長「アメリカにとってはアサド政権が潰れるとイランにも打撃になるからよ。ウラで金ばらまいて、あおってんだよ」
 
側近「でも独裁国家なんですよね。潰れちゃえばいいじゃないですか」
 
議長「潰れて次にできるのは親米政権だよ。そしてそいつは、ムバラクみたいなヤツに決まってるじゃねえかよ」
 
側近「まだ独裁者ですか」
 
議長「そう」
 
側近「どっちがシリアの人たちには幸せなんでしょうかね」
 
議長「わかんねえけどよ。どっちに転んでも、たいして変わらねえことだけは確かだな」
 
側近「議長もしばらくシリアにお世話になってましたよね」
 
議長「あ? ああ。そんなこともあったな。まあ今は4000億円あるから左団扇だけどな」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
福島第一原発に突入! 2011年04月21日11:24
 
4月19日火曜日に、福島第一原発の正門まで行ってきました。
 
双葉町は各地で大破。
 
道路は寸断。
 
信号は停止、完全に無人化しておりました。
 
双葉町から非難されている住民の方々の心痛が察せられます。。。
 
その様子をyoutubeにアップしましたのでご覧ください。
 
※なんだかリンクがうまくいかないので、コピペしてご覧ください。。。。すいません。
 
 
 
まずは田村市常葉町を出発。
 
この時点で45キロ。安全圏です。
 
 
 
 
都路町に入る。原発まで31キロ。まったく人影がない。氷雨が降る中淡淡と車を走らせる。
 
 
 
 
福島第一原発まで30キロ圏で警察の検問。
 
音だけ録音しました。
 
運転免許証を提示して、意外とすんなり通過。
 
ちなみに警視庁からの応援だったらしく現地の土地勘はないみたいでした。
 
 
 
 
途中で大岩の直撃でひしゃげた電信柱発見。
 
これだけの事故なのに、まったく放置状態。
 
 
 
 
福島第一原発20キロ圏内へ突入。
 
なぜか道路工事現場。
 
無人の道路工事現場がシュール。付近には盗難にあったのかタイヤがない車が放置されてました。
 
 
 
 
福島第一原発へ。10キロ圏内の常磐線崩落現場。
 
20キロ圏。高架崩落現場の衝撃映像! 恐る恐る下を通過。
 
 
 
 
福島第一原発まで5キロ。寸断される道路。
 
原子炉までの直線距離はおそらく1キロくらい? 
 
双葉町は地震の被害が相当出てました。
 
 
 
 
 
大地震で崩壊した双葉町の映像。
 
原発から数キロの双葉町内は完全に無人。
 
放射能が怖いのか略奪もなし。
 
崩壊した家屋が点々と続く。
 
道路も寸断。
 
避難されてる住民のみなさんの心痛をお察しします。。。。
 
 
 
 
福島第一原発、ついに東電正門に到達!
 
無人の双葉町を進んでついに原発正門に到着。
 
防護服を着た係員が入り口で検問。
 
車の窓は閉め切り、エアコンは室内循環。おかげで被爆せずに済みました。。。。
 
 
 
 
 
帰りの検問では、スクリーニングに行けと言われました。
 
もちろん任意。
 
それで田村市体育館に立ち寄り放射能検査を受けました。
 
「20キロ圏内に行かれましたか?」
 
「原発の正門までです」
 
すると係員の表情が険しくなりました。
 
防護服の人にガイガーカウンターを身体中にくまなく当てられましたが、放射線は検出されず。
 
「結局、放射能の反応はあったんですか?」
 
「問題ないですね」
 
「何度か針がぶれてましたが」
 
「あれは機械を動かすとちょっとぶれるんですよね」
 
てな会話があり、特に問題なし。
 
カメラマン阪口の方は、
 
「え正門まで行ってきたんですか! それは教育的指導ですね」
 
と言われたそうです。
 
そんなことで特に被爆することもなく帰宅したわけでした。
 
 
 
 
総括しますと、原発までは誰でも行けます。
 
もちろん物見遊山はよくないわけですが、一方で放射能汚染が、東京で言われているほどひどくないことが判明しました。
 
そもそもなんで行ったのかというと、都路在住の田舎暮らしライター山本いってんさんの話で、原発まで出かけて、もしも多少被爆したとしても問題ないレベルだということがわかっていたからです。
 
福島県内では連日テレビで放射能測定値が発表されていて、それによると、そうとう近くまで行っても実は大丈夫だということもわかっていました。
 
 
 
東京では「福島やばい」になってますが、そういう風評被害が、日本の復興を遅らせるひとつの原因になってるわけですよね。
 
現場に行かないと真実は見えてこないもんです。
 
というわけで野次馬で行った我々も「盗人にも三分の理」ということで、ひとつお許しください。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ブルカ着用に罰金 2011年04月12日21:15
 
側近「議長、ついにフランスでブルカの着用が禁止されたみたいですよ」
 
議長「おお。ついに施行されたかい」
 
側近「公共の場でのイスラム女性のブルカ着用禁止……ってことはイスラムの女性は町を出歩けないってことですね」
 
議長「まあそういうことだな」
 
側近「ひどいっすね。罰金1万8000円だそうですよ」
 
議長「要するにイスラム教徒はフランスから出ていけってことだ」
 
側近「生活できないなら、そうするしかないですよね」
 
議長「フランスじゃあイスラム教徒の人口増加が問題になってんだよ」
 
側近「そうなんすか?」
 
議長「確か2050年だったかには、イスラム教徒の人口が過半数になるんだってよ。うろ覚えだけどよ」
 
側近「……てことはフランスはイスラム教国になるってことですか?」
 
議長「だから相当危機感があるんじゃねえの?」
 
側近「ヨーロッパでキリスト教徒よりもイスラム教徒の方が多くなるってのは、痛快ですね。タタがジャガー買収したみたいっすね」
 
議長「要するにそういう危機を回避しようってことだ」
 
側近「ブルカ禁止すればイスラム教徒もこれ以上増えないと」
 
議長「あからさまに移民制限したら、いろんな連中がうるせえからな」
 
側近「なるほど」
 
議長「まあしかし、焼け石に水って気もするな」
 
側近「増え続けるんすか?」
 
議長「しかたねえよな。先進国は人口減少するし、途上国は人口増えてんだからよ」
 
側近「出稼ぎ行くしかないっすよね」
 
議長「その点、日本はうまくやってるよな」
 
側近「議長、日本のこと詳しいっすね」
 
議長「あいつら、「研修」って名目で働かせてよ。期限が来たら帰国させるんだ。要するに永住権を取らせないで働かせるわけだな」
 
側近「うまいこと考えましたね。外国人移民は増えず、しかも3K仕事は押しつけられると」
 
議長「どっちがあくどいかってのは、わかんねえけど、両方ともひでえことしてるのは確かだな」
 
側近「議長はどうなんすか?」
 
議長「オレはオマエ、なんたって4000億円だからよ」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
リクゼンタカタ 2011年04月10日00:48
 
いわゆるアナウンサー泣かせの地名というのがある。
 
4月7日の朝日新聞のコラムによると、発音が難しい日本の地名で有名なのが、
 
 
「リクゼンタカタ」
 
 
なんだそうだ。
 
 
「聞けば、「陸前高田」「南相馬」「平泉」がとりわけ難しいという。「音節が多く、強弱の付け方がわかりにくい」」(山中季広)
 
 
その記者自身も、カナダに行って「オタワ」が通じなくて困ったと書いている。
 
 
私も似たような経験がある。
 
バンクーバーに到着して飛行機を降りると、背広の男が立ってて、
 
「シャロー、シャロー」
 
と言ってるのだ。
 
 
シャロー。
 
 
なんのことだかわからない。
 
 
shallow=浅い 
 
 
からの連想で、呼吸が浅い人がいたら申告するように。
 
要するにこの人はドクターなんだろうかとか、わけのわかんないことを考えた。
 
「シャロー?」
 
私も聞かれたが、困った顔をしていると無視された。
 
 
その後も、この「シャロー」のナゾはわからないままで、しかし基本的にどうてもいいことなので、すっかり忘れ去って数年経った頃、たまたまテレビの中でアメリカ人が発したひと言で、私は納得したのであった。
 
「シャロー」とはすなわち、ワシントン州の州都であるところの「シアトル」のことだったのである。
 
つまり、
 
 
 
SEATTLE = シャロー
 
 
 
わかんねえよ。
 
 
ぜんぜん違うじゃんよ。
 
 
 
 
私が何を言いたいのか。
 
英語というのは、ことほど左様に発音が難しい言語なのだということである。
 
たとえばスペイン語は、表記のアルファベットをそのまま言えばそのまま伝わる。
 
インドネシア語とかヒンズー語とか韓国語もそうだ(確か)。
 
 
発音が平易である。
 
発音しない記号がやたらくっついてることもない。
 
 
 
しかし英語の場合、大手ファストフード店の名称を、そのままアメリカで言っても通じない。
 
あれは「まっだなる」というらしい。つまり、
 
 
 
McDonald = まっだなる
 
 
 
 
わかんねえよ。
 
やっぱぜんぜん違うじゃんよ。
 
 
 
 
「英語が簡単な言語である」
 
 
というのは、これも英語を母語とする人々の捏造であり戦略である。
 
 
 
前の日記で、「ちゃんとした英語を」とか言ってる英会話学校があったけれど、そんなものはどうでもいいのである。
 
「L」と「R」の発音を正すのに何十時間もかけるんだったら、そのぶん新聞でも読んでた方がよっぽど有用だとオレは思うな。
 
 
 
英会話学校が不必要とまでは言わないでおこう。
 
 
しかしその費用対効果を考えれば、別のことに金をかけた方がよっぽど有益である。
 
 
 
そもそも日本で英語を勉強すること自体が非効率である。
 
そしてまさにそこに、英会話学校が儲かるカラクリが潜んでいるのだと思う。
 
 
 
 
 
私はもしも国際語にふさわしい言語をひとつ選ぶとするならインドネシア語がいいと思う。
 
理由は、とにかくメチャクチャ簡単だからである。
 
おそらく半年くらい現地に滞在したら、相当ペラペラになると思う。
 
そもそも「時制」がない言語なのだ(確か)。
 
 
 
しかしインドネシア語が国際語に採用される確率は、残念ながら万に一つもないのである。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
英会話学校 2011年04月06日20:45
 
久しぶりに辛辣なことを書きます。
 
 
 
ここ最近、電車の車内づりでよく見かける英会話学校のCM。
 
 
 
 
「はい。私は月曜日なら都合のいい女です」
 
あなたの英語はこんな風に聞こえているかもしれません
 
ちゃんとした英語を。仕事ですから
 
 
 
 
あるいは他の英会話学校のCM。
 
有名な女優さんが出てきて、とある家族にいきなり、
 
「English Please!」(今の会話を英語で!)
 
狼狽する家族、という展開である。
 
 
 
このCMを見ていて、かつて日テレの番組の不愉快な場面を思い出した。
 
それは確かとんねるずが出ていた。
 
そして福沢アナが、元力士の輪島さんに、
 
「3,2,1,キュー!」
 
といきなり振るのだ。
 
輪島さんはしどろもどろになり、それを見てみんなで笑うという、なんとも趣味の悪い番組であった。
 
私はあの番組を見て、お笑い番組が嫌いになったんだが、それはともかく、いきなり「英語で言ってみろ」といわれて困らない日本人の方が少ないでしょう。
 
私なら、
 
「why!」
 
と言いたいよ。
 
 
なんで英語で言わないといけないんだよ。
 
理由を言えよ。
 
 
 
 
「なぜ日本人は英語が下手なのか」というのは、昔からいわれてきたことだ。
 
 
曰く、小学校から英語の授業がないからだ。
 
曰く、日本語と韓国語はヨーロッパ諸語からもっとも遠い言語だからだ。
 
 
 
しかしそんなの簡単じゃんよ。
 
 
普段英語を話さなくていい環境にいるからだよ。
 
 
 
先日行ってきた南米。
 
南米では英語を「知っている」人はほとんどいない。
 
「話せる」ではなくて「知っている」である。
 
何度も書いたけど、「イエス、ノー」すら知らない人が、おそらく一億人くらいはいる。
 
なぜなら彼らはスペイン語ですべてが事足りるからである。
 
 
 
中国だって英語を理解できる人はほとんどいないと言っていい。
 
日本人がビジネスや観光で出会う中国人を一般の中国人と思ってはいけない。
 
彼らは高度にソフィスティケートされた人たちである。
 
彼らも日常生活で英語を必要としない。
 
だからあえて勉強する必要もない。
 
 
 
イスラム諸国でも通じない。
 
「サンキュー」と「グッバイ」程度である。
 
アラブ諸国のテレビはすべてアラビア語だし、町の看板も表記もすべてアラビア語である。
 
英語が入る余地はない。
 
 
旧ソビエト圏もそうだ。
 
あまり詳しくないけどアフリカも似たようなものだろう。
 
 
 
私は断言するけれど、英語が国際語だというのは、英語圏の人々の捏造である。
 
英語を世界に広めて、それによって利益を得ようとしている人たちの戦略である。
 
 
そしてインターネットの普及が、それに一役買っている。
 
二、三年前まで「デフォルト」という言葉を知っている人がどれだけいただろうか。
 
それを考えただけで、ネットによる英語の浸透が相当進んでいることが伺えるというものだ。
 
 
 
要するに英語を流暢に話す人々が多い地域というのは、似たような言葉を話す欧米諸国と、強いて言えばインドくらいのものであって、英語なんて「知らない」人が世界の圧倒的多数派なのだ。
 
 
 
そう考えると日本の英語教育は大成功であって、これ以上勉強する必要なんてこれぽっちもないと私は思う。
 
 
英会話は中学英語で十分
 
 
というのはある意味で真理である。
 
 
make とか get とか go とかで意味は十分伝えられるし、それ以上のスキルは、はっきり言って不必要である。
 
 
あればもちろんいい。
 
けれどなくても支障ない。
 
 
外国語なんてのは、母国語に比べたら「へ」みたいなものだ。
 
そして個人の資質の方が、英会話のスキルなんかよりよっぽど重要である。
 
 
会話の豊かさというのは、伝える人の内部にあるもので決定されるのであって、小手先の語学で決まるものではない。
 
だから英語の授業を増やすとかいうアホな学習要項はやめて、ハルキムラカミの小説でも読んでおく方がよっぽど話題づくりになるんじゃないかと思う。
 
 
「え? あなた日本人なのにハルキ・ムラカミ読んだことないの?」
 
 
というのは、大いにありうる展開ではありませんか!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
りそな銀行奥多摩ATM閉鎖 2011年04月06日12:23
 
前にこんなことを書いたので転載します。
 
 
りそな銀行の経営体質 2010年09月14日01:38
 
私のメインバンクはりそな銀行である。
 
通常、JR東青梅駅前のキャッシュディスペンサーを多用しているんだが、先日金を引き出しに行ってみると閉まっていて、以下のような要旨の張り紙が。
 
 
「ここのキャッシュディスペンサーは廃止いたします。お客様は東青梅支店のディスペンサーをお使いください」
 
 
東青梅支店は、駅から五分はかからないものの、三分以上歩いた先にある。
 
往復で三分、金の引き落としやら待ち時間やら含めると10分は見ないといけないだろう。
 
 
朝の通勤時間に10分がどれだけ貴重か。
 
読者の皆さんは痛感されると思う。
 
 
りそな銀行は、その10分をかけて、金を下ろしに東青梅支店までわざわざ出向けと。
 
そういう決定を下したらしい。
 
 
支店まで歩くのも腹立たしかったので、その日はおろさずに帰り、それからしばらく別の場所で引き落としていた。
 
それから二週間ほどたって、東青梅駅のホームからひょいと覗くと、なんと今までどおり営業しているではないか。
 
 
想像するに、大変なクレームが寄せられたのに違いない。
 
 
だってあまりにひどいよね。
 
 
顧客の不便を省みずに、ディスペンサーを閉鎖して支店まで歩いて下ろしに来いというのは傲慢すぎる。
 
 
こういう顧客の利便性よりも収益性を重視するりそな銀行の経営体質にはほとほと呆れましたね。
 
 
まあこういうことは、
 
戦後二番目の円高にもかかわらずまったく下がらないガソリン価格はどうなってるんだ石油元売
 
とか、
 
高い保険金かけてるのに、なんだかんだと難癖つけて金を払わないのはどうなんだ保険会社
 
といった疑問などからも推察されることですが、日本の会社というのは、とかく顧客軽視ですよね。
 
外資が入って一回大反省してしてもらいたいもんです。
 
 
 
 
 
そしたら今度は奥多摩駅前のATMが6月いっぱいで閉鎖されるという。
 
寝耳に水であるこの決定に、張り紙を見ていたおばあちゃんも愕然としていた。
 
 
「あらあ、困るわねえ。天気がいいから歩いてきたのに」
 
 
その日も節電のために閉鎖されていた。
 
そしてそのまま再開することなく閉鎖されるらしい。
 
 
腹が立ったので管轄の東青梅支店に電話してみた。
 
 
「ご不便をおかけして申し訳ございません」
 
 
平謝りだったが、廃止を撤回することはないらしい。
 
じゃあどうするのか、という質問に、
 
 
「手数料がかかってしまいますが、他行のATMで引き落としていただくことになります」
 
 
はあ? なんじゃそりゃあ。
 
ついでに東青梅駅前ATMについても聞いてみた。
 
 
「あそこは地主さまの都合で廃止になるところだったんですが、借りられることになりましたので存続しております。駅の反対側に土地も確保しておりました」
 
 
そうか? 
 
張り紙には反対側に新設するなんて書いてなかったぞ。本行まで歩いてこいと書いてあったがなあ……
 
 
震災にこじつけて、
 
停止→廃止
 
といういとが見え見えなんだよね。
 
 
 
いずれにしてもこの銀行はダメだな。
 
みんな、りそな銀行なんてやめちまって、他の銀行にかえようぜ。
 
いっそのことシティバンクにでもしちまおうかな。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
コーラン焼却 2011年04月03日22:54
 
側近「議長、アメリカのネオコン野郎がコーランを燃やしたそうですよ」
 
議長「ああ。またか」
 
側近「フロリダのナントカいう牧師がやったそうですよ。しかも開き直ってやがるんすよ。許せないっすよね」
 
議長「まあな」
 
側近「……なんでそんなに冷淡なんですか」
 
議長「こういうヤツはいままでもいたからな」
 
側近「たとえば?」
 
議長「どっかの漫画家とかよ」
 
側近「いましたね」
 
議長「悪魔のナントカとかよ」
 
側近「あいつは暗殺命令が出ましたね」
 
議長「こういうやつはどうでもいいんだ。それよりも気になるのは」
 
側近「……気になるのは?」
 
議長「なんでこのタイミングなのかってことだな」
 
側近「といいますと?」
 
議長「アラブ諸国でデモが広がってんだろ? このタイミングで燃やした理由だよ」
 
側近「なるほど」
 
議長「この牧師自体はただのクズなんだよ。こいつを焚きつけた連中がいるんだよ」
 
側近「……そうか」
 
議長「コーラン燃やすのは簡単だよな。いつでもできるわけよ。つまりアラブの反米感情を高めたい時に燃やせばいいわけだ」
 
側近「今がそのときだと」
 
議長「わかんねえけどよ。おそらくこれからあっちこっちで反米デモが起きるよな」
 
側近「そうですね」
 
議長「このご時世だから、反体制デモとごっちゃになるよな」
 
側近「はあ」
 
議長「すると治安部隊とケンカになるよな」
 
側近「なるほど」
 
議長「てことはアラブのあっちこっちで内乱が起きるかもしれないと」
 
側近「うーん。内乱が起きて得する連中がいるわけですか?」
 
議長「産油国で問題が起こると原油価格が上がるな」
 
側近「……なるほどオイルメジャーですか」
 
議長「あと武器が売れるな」
 
側近「アメリカの軍需産業ですか」
 
議長「バカなネオコン牧師を焚きつけて得するヤツがいっぱいいるってことだ」
 
側近「オイルメジャーと軍需産業。要するにアメリカの基幹産業ですね」
 
議長「しかも犠牲になるのはムスリムだけだからな」
 
側近「あいつらにはイスラムが敵ですからね」
 
議長「しかしな。解せないことがあるんだ」
 
側近「なんですか?」
 
議長「なんでいち早くアフガンでデモが起こったかってことだ。今日の朝日の国際欄にでっかく載ってんだよな」
 
側近「議長、朝日新聞なんかとってるんですか?」
 
議長「そんなことはどうでもいいんだよ。問題はアフガンででかいデモが起こった理由だ」
 
側近「米軍の撤退期限が近いですね」
 
議長「そう。米軍が撤退するとマズイ連中がけしかけたんだな」
 
側近「……というと?」
 
議長「ズバリ、タリバンだな」
 
側近「米軍が撤退すると困るんですか?」
 
議長「だってオマエ、一番わかりやすい敵がいなくなるじゃないかよ」
 
側近「カルザイの政府は?」
 
議長「まあ、あいつらもアフガン北部の部族だからな。タリバン連中とは敵ではあるな」
 
側近「敵なんすか?」
 
議長「タリバンってのは南部の連中なんだよ。あの辺は全部、部族単位なんだよ。国家なんて意味ねえんだ」
 
側近「はあ」
 
議長「でも同じムスリムだからな。欧米相手ほど民衆はついてこないわな」
 
側近「なるほど」
 
議長「あいつらは欧米が敵じゃないと大義名分が成り立たねえんだよ」
 
側近「だから米軍には駐留してもらいたいと」
 
議長「民衆を味方にしやすいからな」
 
側近「そうか」
 
議長「しかし今回のアラブの騒動は、意外と長く続くかもしれねえな」
 
側近「なんでですか?」
 
議長「ウラで焚きつけてる連中がたくさんいるからだよ。しかもコーランまで持ち出してきたからな」
 
側近「議長はどうなんですか?」
 
議長「オレか? オレは4000億円あれば文句ねえな」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
日本人はだまされているんじゃないか(メモ) 2011年04月02日00:35
 
なんだか日本がこのまま沈んでしまうような不安が世の中を覆っている感じがしますよね。
 
夏のビールも品薄らしいし、相変わらず納豆は売ってないし。。。
 
 
 
 
そこで最近考えてることをまとめてみました。
 
 
デフレになって不景気になると、ホントにみんな不幸になるんでしょうかね?
 
デフレスパイラルとかいって、最終的にはどうなるんでしょうか。
 
大量の人が失業して、山のよう札束抱えたり、物々交換みたいな社会にでもなるんでしょうか??
 
 
 
例えばですよ。
 
 
「仕事ないんで、明日から毎日半ドンにします。その代わり給料も半分」
 
 
とかになったとしましょう。
 
 
そうするとどうなるでしょうか。
 
 
まず企業の収益も、とりあえず半分になると。
 
すると国の税収も、大雑把に半分になると。
 
すると年金も半分になると。
 
国保の国負担分も半分になる。
 
 
一見して大変ですが、しかしそもそも世界レベルで年金や医療保険が完備している国はほとんどないんですから、世界平均からすると、これでも十分手当がされている方だとも言えますよね。
 
 
 
 
あるいは不景気になるとモノが売れなくなると。
 
給料が半分になったらさらに売れないと。
 
そうすると例えばコンビニ売り上げも単純に半分になると。
 
すると全国のコンビニの半分くらいは潰れちゃうと。
 
しかし残り半分は、前と同じ収益を得ながら生き残りますよね。
 
 
 
 
 
失業者は今の倍になるかもしれません。
 
自殺率も増えるかもしれない。
 
これはホントに不幸なことだから、他の手立てが必要でしょう。
 
 
 
例えば外国に働きに出るとか。
 
このあたりはネパールとかフィリピンが参考になります。
 
国内で仕事がないからたくさんの人がドバイとかに出稼ぎに行きます。
 
日本なら、たとえば景気のいい中国とか。
 
日本人は働き者だから、どこに行ってもたいがい成功してる人が多いです。
 
要するに外国の方が日本人は有利なんですよね。
 
 
 
沖縄は日本で一番、失業率が高いですけど、しかし困ってるような人は見かけないですよね。
 
ぜんぜん危機感がない。
 
おそらく失業しても誰かが食べさせてくれるからなんだと思います。
 
 
 
 
例えばインドはカースト制度がありますが、これは就労という意味では、実はすごく有効な制度で、すべての人に細かなカースト(つまり職業)を与えてるんです。
 
自分のカースト以外の仕事はできないので、必然的に仕事にありつけるわけです。
 
 
 
 
 
 
しかしおそらく、日本の行く末を考えるのに参考になるのがアルゼンチンです。
 
 
この国、二度の大戦で食料を輸出して大儲けしました。
 
当時はイタリアやスペインよりも豊かだったそうです。
 
 
確か丸ノ内線は、ブエノスアイレスの地下鉄をモデルにしたとか聞きました。
 
80年くらい前は先進国だったわけです。
 
 
しかし今ではアジア諸国に追い抜かれて、中進国に成り下がりました。
 
慢性的に景気が悪い。
 
一時期はものすごいインフレで悩んでました。
 
 
でも実際に行ってみると、人びとはとっても楽しく暮らしてる。
 
食料とかの物価もすんごく安い。
 
牛ステーキ肉が1キロ300円とかで売ってる。
 
ビールもワインもすんごく安い。
 
だからみんな、特に現状に不満ももたずに、焼き肉パーティーとかやって楽しく暮らしてます。
 
 
 
ギリシャもそうでした。
 
経済破綻しているはずの国なのに、ギリシャ人は毎晩飲んで騒いでます。
 
国が大赤字出しても誰も困ってない。
 
確かに海外旅行とかは、なかなか行けないかもしれないけれど、日々の暮らしで困ることもないし、みんなそれでいいと思っている。
 
たくさん働いて大金貯めるよりも、幼なじみとかと飲んで騒いでる方が楽しい。
 
そういう人たちなわけです。
 
 
 
 
 
要するに不景気になって困るのは企業と国で、私たちの暮らしはそれほど影響がないんじゃないだろうかと。
 
 
確かにソニーやホンダが中国企業になるかもしれません。
 
でも、そういうプライドを捨ててしまったらどうでしょうね。
 
ギリシャには自前の企業はほとんどないらしく、たいがいの製品は外国製でした。
 
でも誰もそんなこと気にしてない。
 
 
 
 
こういういう国で一般に高いのは、車とか電化製品です。
 
十年前のカローラとかが100万円以上で売ってたりします。
 
 
つまりこういうことです。
 
 
税金が、主にゼイタクなものにたいしてかけられていて、日々の食料は安い。
 
 
日本はどうでしょう。
 
食料が高くて車やパソコンは安い。
 
つまり産業優先の税制なわけです。
 
このあたりに、日本が金持ちなのに、我々がなんとなくその恩恵を受けてない理由がある気がします。
 
 
 
 
 
途上国というのはどこも慢性的な不景気で、都市部の失業率50%とか当たり前で、医療保険も年金もない国ばっかりです。
 
でも日本よりもずっと楽観的です。
 
 
日本人も考え方を変えればいいんじゃないかと思うんですが、まるで洗脳されたように、景気の悪化を気にする。
 
 
私が思うに、日本は国民が働かせられるようなシステムができあがってるんじゃないかと思います。
 
そして日々デフレと失業の恐怖を植え付けられる。
 
 
もしかしたら我々は、誰かにだまされてるんじゃないでしょうか?
 
 
……というのが、ギリシャに行った感想でした。
 
 
 
もちろん私も経済のことはよく知らないし、もっと深刻な事態がいろいろとあるのかもしれず、好き勝手なことばっかり書いてるんですが、考えをまとめるメモと思ってお許しください。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
バーレーンでもデモ 2011年04月01日12:59
 
側近「議長! バーレーンでもデモが起こったようです!」
 
議長「へええ。あそこは堅いと思ってたんだがなあ。やっぱダメか」
 
側近「報道ではサウジが軍事介入してるとか」
 
議長「あのへんは石油で食ってる王様ばっかりだからよ。どこも似たようなもんだ」
 
側近「宗派対立とか書いてますけど」
 
議長「湾岸ってのはな。石油が出る前は真珠取って食ってたんだ」
 
側近「ほお」
 
議長「それが日本のミキモトってやつが養殖始めて壊滅しちまってよ」
 
側近「ほお」
 
議長「それ以来、鳴かず飛ばずだったんだよな」
 
側近「なるほど」
 
議長「クウエートとかもそうだけど、あいつらアラビア半島の方から引っ越してきた王様ばっかなんだよ」
 
側近「それで?」
 
議長「よく知らねえけど、部族戦争とかで負けたんじゃねえの? ペルシャ湾に逃げてきて、そのまま居着いちゃったんだ」
 
側近「地元じゃないんですね」
 
議長「オマエ、あの辺、行ったことあるか? ものすげえ蒸し暑いんだぜ。真夏の東京よりもすげえんだぞ」
 
側近「議長は東京に行ったことあるんですか?」
 
議長「ねえよ。とにかく人間の住むとこじゃねえってくらい暑いんだよ。要するにそこまで逃げてきたわけだ」
 
側近「そしたら、たまたま石油が出たと」
 
議長「そう」
 
側近「ものすごくラッキーですね」
 
議長「でもよ、もともとあのあたりはシーア派の連中が多かったんだ」
 
側近「イラン近いですからね」
 
議長「だから今でも、どこも人口の半分くらいはシーア派だよ」
 
側近「それで宗派対立が?」
 
議長「オレっちが一時期世話になってたレバノンもそうだったけどよ。シーア派の連中ってのは、だいたい貧乏なんだよな」
 
側近「なんでですか?」
 
議長「ようするに異端だからいじめられるわけよ」
 
側近「なるほど」
 
議長「だから根に持ってる連中が多いんだよな」
 
側近「今回はそれが爆発したと」
 
議長「でもな、それだけじゃねえな」
 
側近「……イランですか?」
 
議長「おう。その通り。あいつらサウジとかと仲悪いからな」
 
側近「ウラで焚きつけてるんじゃないかと?」
 
議長「可能性は大いにあるな。サウジに米軍基地あんだろ? ありゃあイランに対抗してるんだ」
 
側近「イスラエルじゃないんですね」
 
議長「湾岸の王様は、ホメイニの革命がこっちに飛び火するんじゃないかって、びびってんだな」
 
側近「ホメイニっていうと、パーレビ国王が追放されたヤツですか?」
 
議長「ありゃあ79年だったかな」
 
側近「なるほど王制が打倒されるのが怖いんですね」
 
議長「今回もサウジが軍事介入までしたところに、そのビビリ具合が出てるな」
 
側近「過剰って気もしますよね」
 
議長「それにしてもムカつくのは欧米だな」
 
側近「なんでですか?」
 
議長「反欧米のリビアの方は空爆してるくせに、バーレーンは黙認してやがんだ」
 
側近「「リビア市民のため」っていってましたよね」
 
議長「あいつらの「人権」なんて所詮、外交カードだってことだな」
 
側近「議長はどうだったんですか?」
 
議長「オレか? オレは4000億円のために決まってんじゃねえかよ」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
牛乳品薄のナゾ 2011年03月31日12:10
 
最近の新聞は読むところがない。
 
というと誤解されるかもしれないけど、震災と原発の悲惨な話ばっかりで、将来に期待が持てるような記事がまったくない。
 
なので読む気がしないんですよね。
 
 
 
そんな中で牛乳不足の記事があった。
 
うちの方も、ひと頃よりはマシになったけど牛乳は品薄である。
 
原因は紙不足と工場の損壊だそうだ。
 
 
「日持ちしない牛乳は通常、消費地の近くで生産される。遠くから大量に仕入れるのも難しい」
 
 
へええ、そうなんだ。
 
 
でもおかしいな。
 
オレが調べた範囲では、関東圏の牛乳は圧倒的に北海道産のはずだ(拙著「脱偽装食品紀行」(←宣伝)で取材した)
 
 
雪印牛乳も明治牛乳も農協牛乳も全部、同じ原料を使ってるはずである。
 
だから震災や原発はあまり関係ないのになあ。
 
 
そこで思い出したことがある。
 
北海道産の原乳はタンカーみたいな牛乳船で運ばれてくる。
 
苫小牧港を出港した牛乳船は、太平洋を南下してきて、最終的な積み上げ港は……茨城の大洗なのである。
 
そこからタンクローリーみたいな牛乳輸送車で各工場に運ばれる。
 
 
大洗港も今回の津波で被害を受けている。
 
 
なるほどそういうことだったか。
 
 
他の港に回航させればいいじゃないかという話もありそうだが、そのへんはよくわからないっす。
 
というわけで大洗港の施設が復旧するまでは都内の牛乳不足はしばらく続きそうですね。。。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
カダフィガールズ 2011年03月29日21:15
 
今日の朝日に、カダフィ氏の出自について詳しかったので書き留めておこう。
 
 
「シルトは最高指導者カダフィ大佐が属するカッダーファ部族が、南部サブハとともに拠点とする人口14万人ほどの都市だ。リビアには100以上の部族があり、それぞれが社会や政治に大きな影響をもつ。カダフィ氏はカッダーファ部族を優遇し権力と冨を集中させ権力基盤を強化、自身の独裁体制を40年以上も維持してきた。(山本大輔)」
 
 
シルトにはカッダーファ部族の有力者の豪邸が建ち並んでいるそうだ。
 
 
 
リビアにはもともと王様がいたが、カダフィ氏のクーデターで共和制になった。
 
それ以来、国家指導者として隠然と独裁体制を敷いてきたわけだ。
 
 
「カダフィ」というのは西欧的な表現らしく、ウィキには「カッザーフィー」と書いてある。
 
アラブ人には名字がなくて、とうちゃんの名前が延々と連なるんだが、その最後に部族名がくっつく。
 
それが「カッダーファ」とか「カッザーフィー」なんだろう。
 
そして公には名字を名乗る欧州の慣習から「カダフィ」が一般的になったと。
 
 
 
 
それにしてもアラブの国はホントにどこも同じだ。
 
革命の英雄が独裁者になり、警察国家をつくり、長期政権が続いて、ついにクーデターが起こる。
 
そして新しい革命指導者は、新たな独裁者になる。
 
その繰り返しである。
 
 
 
ソビエト亡き今、新しい独裁者はアメリカに接近するしかない。
 
反米的だった古いタイプの独裁者は、慢性的な経済停滞と不景気と、国民の不満で次々に倒れていく。
 
そして親米政権ができていく。
 
 
状況は南米と似ている。
 
アメリカは嫌いだけど、経済的には依存するしかない。
 
買弁資本家みたいな支配層がガッチリ権力を握っていて、議会制民主主義とはいってもあまり機能していない。。。。
 
 
 
 
ところで「カダフィガールズ」というのがいるそうだ。
 
めっちゃかわいくね?
 
 
http://www.jiji.com/jc/d4?p=qag100&d=d4_mili&j4
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
イエメン情勢 2011年03月24日11:03 
 
 
 
 
 
側近「議長、イエメンもマズイらしいですよ」
 
議長「ああ。サレハな。あいつもしょうがねえやつだからな」
 
側近「なんでですか?」
 
議長「自分の顔面プリントしたリュックとか売ってるんだぜ。バカじゃねえの。しかも赤」
 
側近「そうなんすか?」
 
議長「でもな、あいつはしぶとく生き延びるな」
 
側近「なんででしょうかね」
 
議長「イエメンてのはオマエ、ビンラディンの故郷なんだよ。だからアルカイダ系の連中がウヨウヨいるんだ」
 
側近「じゃあマズイじゃないですか」
 
議長「だからよ。サレハはアルカイダやっつけるから支援してくれってアメリカに売り込んでるわけだ」
 
側近「なるほど」
 
議長「それでごっそり援助を引き出すわけよ。もちろんウラで連中とつながってんだけどよ。パキと同じだよ」
 
側近「それで?」
 
議長「アメリカはサレハが潰れてソマリアみたいに内戦になるのが怖いんだよ。パキの部族地域みたいに、無法地帯はアルカイダの巣になるからな。まあ今も似たようなもんだけどよ」
 
側近「じゃあアメリカはサレハを支持すると」
 
議長「チュニジア動乱で、欧米の腰が重かったの、なんでか知ってるか? フランスとかがごっそり利権持ってたからだよ。要するに革命でひっくり返ると困るわけだ」
 
側近「なるほど。サレハも外資と結託してるわけですね」
 
議長「サウジなんかでデモ起こったらおもしれえんだけどな」
 
側近「欧米がどういう反応をするかと?」
 
議長「そうそう」
 
側近「アメリカもイスラエルとべったりですからね」
 
議長「オレっちがイスラエルのラビンと握手したとき、クリントンだったんだけどよ。あいつは民主党なんだよな」
 
側近「民主党だと?」
 
議長「あの頃のアメリカの民主党ってのは、ユダヤのロビイストが強かったんだよ」
 
側近「なるほど。それでクリントンは中東和平に積極的だったんですね」
 
議長「要するにタニマチの意向だったわけだな。まあ、オレっちもごっそり儲けさせてもらったし、どうだっっていいんだけどよ」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
あのシリアでもデモが 2011年03月23日20:54
 
側近「議長、シリアでもデモが起こったみたいですよ」
 
議長「ああ。あそこのアサドもロクでもないからな」
 
側近「バッシャールさんですか?」
 
議長「あいつは世襲で大統領になったんだよ。オヤジは確か空軍出だったよ」
 
側近「報道では「アラブでもっとも厳しい「警察国家」」だそうですが」
 
議長「あいつはアラウィ派だからな」
 
側近「アラウィ派?」
 
議長「シーア派の一派だよ。そんなことも知らねえで側近やってのか?」
 
側近「失礼しました。それでそのアラウィ派だと?」
 
議長「要するに少数派なんだよ。アラウィ派出身の連中があそこの政治の中枢を占めてんだ」
 
側近「なるほど。だから多数派のスンニ派を監視するために秘密警察が必要なんですね」
 
議長「でもな、警察長官とか国防大臣にはバカを当てるんだ」
 
側近「なんででしょう?」
 
議長「クーデター起こされるとマズイじゃねえかよ」
 
側近「なるほど」
 
議長「だからオレら、イスラエルに負けっぱなしだったんだけどよ」
 
側近「優秀な人を就かせたらいいんじゃないですか?」
 
議長「だからクーデター起こされるじゃねえかよ!」
 
側近「そっか」
 
議長「ま、いいんだよ。アラブの大儀なんてよ、結局タテマエなんだからよ」
 
側近「議長もそうでしたね」
 
議長「オレも生きてるころはオマエ、4000億円貯めたからな」
 
側近「それ、どうしたんですか?」
 
議長「嫁さんが持ってっちまったよ」
 
側近「さすがにお墓までは持ち込めないですね」
 
議長「4000億円ってオマエ、札束にしたらすげえんだぞ。100万円の束でこんなもんだろ? それがオマエ、天井までこんなに積み上がってよ、その上で一回昼寝したんだけどよ。そりゃあもう……」
 
 
A議長の天国での会話でした。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
こうして欧米の傀儡政権ができるのか 2011年03月20日17:17
 
欧米軍がリビアに攻撃を始めたそうだ。
 
理由は、カダフィ大佐によって抑圧されている一般市民をすくうためなんだそうだ。
 
 
一般市民。
 
 
確かに一般市民も多数死傷してるよな。
 
でも空爆でもっとたくさん死ぬんじゃないのかな。
 
そしてカダフィを支持している一般市民も、たくさんいるんじゃないのかな。
 
 
欧米が言っている一般市民っていうのは、平たく言うと反カダフィ派のリビア国民のことだろう。
 
実際にその割合っていうのはどれくらいなんだろうか。
 
報道では、あたかもほとんどすべての国民がカダフィに反対しているようなことを言っている。
 
しかしおそらく事実は違う。
 
カダフィ政権で恩恵を受けている人はたくさんいると思う。
 
 
その昔、ヨルダンでリビア人の男性と会ったことがある。
 
彼は自分の国が外国にどう見られているのかとても気にしていた。
 
 
「リビアはスバラシイ国だ。ローマ時代の遺跡もたくさんあるし、とても美しい国なんだ」
 
 
と自慢していた。
 
彼はことさらカダフィの独裁について言ってなかったし、現状に満足している様子だった。
 
リビアにはトランジットビザで、ほとんど奇跡的に3日くらい滞在したことがあるけれど、ベンガジの町は美しく整備されていて、サンドイッチスタンドもとても清潔だった。
 
はっきり言ってカイロよりも町並みは美しかった。
 
リビアのGDPは石油のおかげで他のアラブ諸国と比べて格段に高いし、それはイラクが産油国にもかかわらず、国民が困窮していたのと比べてもずいぶん違う。
 
 
 
要するに目障りなカダフィ政権を潰して、親欧米政権を作ることが、今回の戦争の目的である。
 
今回の内戦は反米のカダフィを潰す格好の口実を、欧米に与えてしまった。
 
そしてムバラクのような人物がリビアの大統領に就任し、「欧米公認」の新たな独裁が始まるのである。
 
 
 
正義は常に欧米が握っていて、私たちはアルジャジーラくらいからしか、その反対の情報を得ることができない。
 
だからメディアの報道は半分くらいさっ引いて考える方が、事実に近いと思う。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
人のつながり 2011年03月16日21:58
 
私、ガソリン買い占めのことまったく知らずに、ガス欠寸前までホッタラカシにして拝島まで母親迎えに行ったんですよね。
 
その途中で、高すぎて普段は誰も見向きもしないスタンドに長蛇の列を見て、初めて事の重大さを知りました。
 
 
拝島でほとんどメーターがEに近くなり、青梅市内のスタンドはどこも売り切れ&休業。
 
困り果てて、車買った中古屋の社長に電話しました。
 
そしたらちょっとだけ譲ってくれるというではないですか。
 
青梅までなんとか走って、社長に3リットルだけ1000円で譲ってもらいました。
 
 
これで自宅までは帰れますが、その後の問題があります。
 
できればもう少し入れておきたい。
 
 
青梅から奥多摩まで三軒くらいスタンドがあります。
 
一軒目。閉店。
 
二軒目。閉店。
 
三軒目。閉店。しかし張り紙あり。
 
 
「午後九時にローリーが来ます」
 
 
やったー!!
 
 
そのとき午後7時でしたが、そのままローリーを待ちました。
 
スタンドのオジサンは、
 
「おう。入れてやっから待ってなよ」
 
と言って、快く駐車を許可してくれました。
 
そして2時間後に10リットルだけですが、ガソリン入れて家路につきました。
 
 
 
上記2軒は実は対照的です。
 
一軒目の中古車屋の社長は、車買って以来懇意にしてて、車検もお願いしてるので、ガソリン譲ってくれると確信してました。
 
つまり日頃からつき合いを大事にしてるお店だったわけです。
 
 
二軒目のスタンドは、一度も入ったことがないお店でした。
 
 
だから馴染みでもない私に快く売ってくれたことに感謝するとともに気恥ずかしい気持ちで一杯でした。
 
だからこれからは少々高くても(リッター154円)、たまにでいいから入れようと思いました。
 
日頃からつき合いを大事にしていると、こういう時に助けてくれるし、気まずい思いもしなくてすむわけです。
 
少々高くついても、日頃払う数百円のお金で安心が買えると思えば、安いものではないでしょうか?
 
 
と言うわけで、最後に助けてくれるのは、日頃の人付き合いなんだなあと、今回の震災で実感したわけでした。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
計画停電の不思議その2 2011年03月16日10:43
 
先日の日記、少々説明足らずだったので書き足します。
 
先日、マイミクのCHUNKさんがつぶやいてましたが、海外(南米ですが)では、日本の電力会社の官僚主義、マスコミの隠蔽体質が、かなり厳しく報道されてるそうです。
 
 
つまり日本の企業優先体質が批判されてるわけです。
 
産業を優先して国民の生活を顧みない。
 
一般の人々の暮らしよりも、経団連のエライ人の意見が罷り通ってしまう日本の体質が問われているのだと思います。
 
 
こういうことは書いたらキリがないわけですが、たとえば日本の食糧自給率が異常に低い理由にもつながるんだと思います。
 
 
 
日本では、残念ながらそういう報道はないですよね(これから東電はかなり批判されるでしょうが)。
 
BBCであれだけの大爆発が報道されてるのに、日本ではNHKですら公表しなかったですよね。
 
 
みんなで大企業を守ろうとする一方で、私たちは本数の制限された電車で通勤を強いられる。
 
食料もガソリンも買い占められてるのに。
 
 
これはおかしいんじゃないかと言いたいわけです。
 
 
 
説明が足りなかったというのは、一部の会社、例えば物流とか、それこそJRの職員さんとか、あるいは市場関係の人とかは、もちろん働いていただかないとみんな困るということです。
 
しかし生活に直接関係ない仕事の人は休んでいいじゃん。
 
家でじっとしてる方が、よっぽど節電になるんじゃないかと思うわけです。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
計画停電の不思議 2011年03月14日13:38
 
奥多摩の計画停電、おそらく青梅と同じでしょうから、本日午後2時半から4時過ぎくらいまでだそうですが、ご覧の通りネットが生きてますので、電気通じてます。
 
 
しかしまあ、そのくらいの不便は、津波の被災者に比べたらハナクソみたいなものですから、ぜんぜん苦ではないんですが、それにしても少々不思議に思うのは、
 
 
 
「なんで工場の電気を止めないんでしょうか?」
 
 
 
病院なんかでは電気が必要な人が、たくさんいるはずなのでは?
 
しかも電車もメチャクチャになってるんだから、いっそのこと休日にしちまった方がいいんじゃないのかな。
 
 
 
 
電力会社の説明によれば、「工場の電力供給を賄うため」だそうだ。
 
 
でもさ、よく考えたら変じゃない?
 
工場の稼働と、私たちの暮らしとどっちが大事かなんて、自明のことではないの?
 
 
 
そしてさらに不思議なのは、多くの人がそれで当然と思っていること。
 
いろんな国に行って思ったことは、日本という国は、国民が働かさせられるような巧妙なシステムができているということでした。
 
みんな働いて当然だし、経済活動がすべてに優先されて当然だと思ってる。
 
 
 
ギリシャなんかに行ったら、経済破綻してるハズなのに、みんな暢気に昼間からワイン飲んでますよ。
 
もしもギリシャで同程度の災害が起こったら、家族の安否が心配で仕事なんて誰も行かないでしょう。
 
 
 
仕事よりも家族の方が大事なのは、私たちも同じはずなのに、でもやっぱり仕事に行ってしまう。
 
つくづく日本という国は、経済最優先で、国民の暮らしが犠牲にされてしまっているのだと思いました。
 
だからみんな中流だけど、なんとなく幸せ感が薄いような感じを受けるのではないでしょうかね。
 
 
最後に。
 
早々と16日までの休業を英断したトヨタに、賛辞を送りたいです。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
あのとき 2011年03月14日00:56
 
あのとき。みなさんはなにをされてましたか。
 
 
 
私は新宿にいました。
 
タイムズスクエアの紀伊國屋書店の一階を出たところでした。
 
フト見ると、目の前のマンホールが逆流して水を噴き出していました。
 
その場にいた誰も気づいていませんでしたが、私だけが、それを見ていました。
 
 
「あれ? 下水が逆流している。工事でもしてるのかな」
 
 
そう思いました。
 
 
次の瞬間、世界がぐわりと大きく揺れました。
 
足もとがよろけるくらいの強い揺れでした。
 
目の前の高島屋が激しく波打ちました。
 
鉄がきしむギシギシという音と、ものが激しくぶつかり合うガタガタいう音がアタマの上で鳴り響きました。
 
ここにいては危ない、どこかに逃げようと思いましたが、どうしていいかわかりませんでした。
 
ビルの中も危なそうだし、外は割れたガラスが降ってきそうでした。
 
 
結局、そこにいた人たちは、その場に立ちすくみ、ただ高島屋がグラグラと揺れるのを見上げているだけでした。
 
 
揺れが小さくなってから、私は思いついて紀伊国屋のレジに行きました。
 
 
「どこかでニュース見られませんか?」
 
 
店員さんは、青ざめた顔でパソコン画面を指さして言いました。
 
 
「宮城県みたいです。震度7だそうです」
 
 
これは大変だと思いました。
 
そしてもっと情報が欲しいと思いました。
 
しかしネットカフェに行っても、入店を断られました。
 
余震の恐れがあるのと、おそらく盗難を恐れてのことだと思いました。
 
 
とりあえず駅に向かいました。
 
 
南口の駅前では1000人近い人たちが電光テレビを見上げていました。
 
三陸沖に大津波警報が出ていました。
 
NHKのアナウンサーがこわばった顔でなにかしゃべっていました。
 
3メートルの津波が来ると言っていました。
 
 
 
そのうち波の高さは6メートルに訂正されました。
 
 
 
6メートルって……?
 
とっさに意味がわかりませんでした。
 
そしてその高さが、だいたい見当がついた時、ざわざわと胸が騒ぎました。
 
 
どうしよう。どうしよう。
 
 
電車は止まっていたので、とりあえず高円寺まで行こうと歩き出しました。
 
新宿南口は電車を待つ人だかりでごった返していました。
 
人波をかき分けて西へ歩きました。
 
高架を降りてヨドバシカメラまで来たところで、ようやく人が少なくなりました。
 
 
都庁周辺ではヘルメットや防空頭巾をかぶった人たちが行列になって歩いていました。
 
あれは訓練ではないんだ。。。。じゃあなんて言うんだろうか。
 
「本番」でいいんだろうか、とか考えました。
 
 
 
身体が冷えたので、自販機でコーヒーを買いました。
 
 
大久保通りに出たところで、不動産屋のテレビに多くの人が集まっていました。
 
私も覗いてみました。
 
真っ青な海に、真っ白な津波が一直線に延びていました。
 
それはとても美しい映像でした。
 
まるでかつてのマイルドセブンのCMのように清潔で純粋そうでした。
 
 
ヘリコプターが旋回するとカメラがスパンし、津波が陸地に向かって押し寄せていることがわかりました。
 
しかしそれは、まるで宇宙から地球を俯瞰しているようで、まったく現実感のないものでした。
 
 
津波が陸に到達すると、見物人たちは三々五々に解散していきました。
 
私も再び歩き出しました。
 
高円寺に着いたのは、午後五時を過ぎていました。
 
 
 
あのとき。
 
私が歩いていたあの1時間あまりの間に、一万人以上の人たちの命が失われたのでした。
 
 
私はなにも知らず、腹が減っただの、今晩のネグラはどうしようだの、銭湯にでも行こうかだの、そんなことばかり考えていたのでした。
 
そんな他愛もないことを考えている間に、一万人もの命が失われたのでした。
 
 
 
神様って本当にいるんでしょうか?
 
世の中の不合理を罰してくれるはずの神様は、いったいなにをやってるのでしょうか。
 
 
 
しかしそれでも、そんな無責任な神様に祈らずにはいられません。
 
 
ひとりでも多くの人を助けてくださいと。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「アタカマ高地探検記」 2011年03月05日06:48
 
「アタカマ高地探検記」(向一陽 中公新書)
 
 
一九七〇年にアタカマ高地を車で縦走した共同通信記者で探検家の向氏を隊長とする学術探検隊の記録。
 
本多勝一の若干あとかもしれないが、本多氏よりも冒険的気質が強い感じ。
 
 
同時代には西丸震也氏などもいて、日本探検家が活躍した時代だったみたいだ。
 
 
 
アタカマ高地は私も行ったことがある。
 
標高4000m。湿度0%。数十年間一度も雨が降ったことがなく、まるで月面のような、地球で一番不毛なところである。
 
ここに駐屯していたアルゼンチンの軍隊は、本当にかわいそうだったなあ(笑)
 
 
かつてはチリ硝石の採掘で有名だった。
 
現在も資源がたっぷり埋まっていて、注目されている地域である。
 
 
 
面白かった記述。
 
 
「ラパス市の在留邦人たちが、アンデスの社会を律するという「盗みの倫理」を教えてくれたーーー
 
「ほしいものは盗む。見つかったら返せばいい」」
 
 
 
これを読んで目からウロコだったな。
 
そうかそうだったのか。
 
クスコやラパスが世界的に見ても圧倒的に治安が悪い理由がこれなのだ。
 
ものすごく納得した。
 
ただし田舎に行くとそんなことはないことは付け加えておかないとね。
 
 
 
 
「この「ノー」と言わない気質はラテンアメリカ特有のものだと、南米生活の長い友人が教えてくれたことがある。「ノーという言葉は「シンパチコ」に反するのだ。シンパチコでないと人に思われるのは、ラテンアメリカの人間にとって死ぬほどつらいことだ」
シンパチコ。SIMPATICO。「人好きがする」「感じがいい」というような意味である。この反対は「アンチパチコ(ANTIPATICO)である」
 
 
 
これには我々も参った。
 
何度念を押して確かめても、当日になるとぜんぜん話が違うのである。
 
人の話を聞いていないとしか思えない。
 
 
 
たとえばカメラマン阪口が、最終日の朝に家族の集合写真を撮りたいから、全員集まってほしいとご主人に伝えた。
 
それも三回も四回も、日を変え時間を変えて何度も伝えた。
 
 
 
そして当日になって見れば、おじいちゃんとおばあちゃんがいない。
 
ご主人に尋ねると、
 
「さっき放牧に出かけたよ」
 
もう呆れてものも言えないのである。
 
 
 
彼らは基本的に面倒くさいことはしないので、その場では、
 
「ああいいよ。わかった」
 
と言っておきながら、そんなことは最初からする気もないし、数分後にはキレイさっぱりアタマから消え失せているのである。たぶん。
 
 
この先住民の人達の気質は、現代のビジネス社会では通用しないだろう。
 
彼らはがいまだに、経済的に力をもつことができず、従ってクリオーリョに支配され続けている、ひとつの理由ではないかと思った。
 
 
 
 
ジャガイモ、カボチャ、トウモロコシ、トマト、トウガラシなど南米起源の野菜は数多いけれど、その理由は実は南米の寒暖の差と紫外線ではないかと言われているそうだ。
 
 
「アンデスのアマゾン側(東側)斜面がその(ジャガイモ、トウモロコシなど)発生地と推定されているのだ」
 
 
「アンデス地帯の、この紫外線の強さと昼夜の寒暖差の激しさが、植物の細胞に突然変異を起こさせ進取を生み出すのではないだろうか、と考えられている。じゃがいもだけでなく、トウモロコシ、トウガラシ、トマト、タバコなど多数の栽培植物の発生地はこのアンデスのアマゾン側斜面だと推定されている」
 
 
確かに紫色の野菜が多いけれど、アレは紫外線の影響なんだそうだ。
 
 
 
 
「インディオの山師だちの生活はひどいものだ。第一次ベースキャンプの下手にあった山師の家をたずねたことがある。ふもとの農家と同じ石積みの家だがずっと汚ない。前庭を囲む石積みの垣根に男がもたれて、我々が近づくのをじっと見つめていた。よごれきった服に黒いソンブレロ。まばたきもしない。家のまわりからむっと吐き気を催す異臭が放射した」
 
 
もちろん我々が訪ねたご家族は、ここよりももっと清潔な家で、異臭もしなかったが、もっと山奥の不毛な土地に行けば、これと同じくらい悲惨な暮らしをしている人がいる。
 
1度そういう家を私も訪ねたことがある。
 
 
「ボリビアの東半分は、未開発の広大な森林地帯だ。ボリビア政府はこの二十年来、温暖で自然食豊かな、その奥アマゾンの低地へ高地インディアンを移住させようとやっきになっている。だが彼らは頑固に先祖伝来の土地を離れない。いったんは山を下ってもいつの間にかもとの、この不毛の高地へ戻ってしまうという」
 
 
これは本当に永遠のナゾだ。
 
こんな悲惨な暮らしをしていても、それでも彼らはアルチプラーノ(アンデス高地)が好きなのだ。
 
ピンポン球くらいのジャガイモしかできない不毛な土地で、彼らは極貧の中でも住み続けるのである。
 
私には理解できない。
 
 
 
 
「ボリビアでは建国以来、一年に一度ぐらいの割り合いで革命が起き、大統領が変わっている。ここでは革命が政権交代の手段である。ひと握りの権力者たちの力関係のバランスしだいで、国家の頭が右に揺れたり左に傾いたりするわけだ。「革命」という言葉や主義主張が新聞やラジオのニュースになると、特に「地球の裏」の日本にいてそのようなニュースに接したりすると、殺伐たる動乱のイメージが浮かんでくるが、地元の一般大衆は「お祭りだよ」とのんびりしたものである。とりわけ人口の大半を占めるインディオの生活は、政府がどう変わろうとほとんど変化しない」
 
「旧大統領は外国に亡命し、新大統領が大統領政庁のバルコニーで熱狂的に演説すると、そこで革命劇は終わりである」
 
 
南米の民主主義が、いかに意味のないものか理解できる。
 
そしてこういう現状を放置し続けるアメリカを見ていると、結局、「民主主義」も彼らの外交カードのひとつに過ぎないのだということがわかる。
 
 
 
 
 
「鉱山労働者と農民 両者はボリビア社会の二大勢力である。ボリビアでは総就業人口の六〇%は農民だが、生産性が低く、自給自足の段階を脱していない。一方鉱業は就業人口の三%しか雇用していないが、鉱産物輸出は輸出総額の九五%を占めている。鉱山労働者も農民も武器を持っている者が多く、クーデターのたびに二大圧力団体として登場する」
 
 
 
 
 
「チリを貧乏だというが、サンチアゴの人たちは昼食には自分の家へ帰り、二時間も三時間もゆっくりくつろいでいる。私たちと一緒にアタカマ高地へ入ったチリ人たちを例にとってみても、いずれもちゃんとした家を持っている。金持ちのセルヒヨは別としても、自動車修理工のダニエルもバラの花と芝生の家に住み、写真家というが無職同然のホワンも、下町の十一部屋もある大きな家に住んでいた」
 
 
これはギリシャに行って私も思った。
 
まだ雑誌に書いてないので詳しく書かないけど、日本人は政府と企業にだまされてると私は思うな。
 
日本は国民が必至に働かなければならないようなシステムを作り上げていて、そのことにみんな気づいてないと思う。
 
 
 
 
「チリは総人口中の白人比率九五%という白人国である。黄金略奪のために海を渡って来たコンキスタドールの子孫の国である。現在でも鉱業という、いわば土地からの「略奪産業」で国は支えられている」
 
 
この本ではチラッとしか触れられていないが、著者はチリ人には相当アタマに来ているらしい。
 
高山病で体調が悪い中、日本人はみんなの食事を作り、チリ人は手伝いもしないし礼も言わない。
 
都合が悪くなると、車を運転して自分たちだけさっさと下山してしまう。
 
 
個人主義というよりも、自分さえよければいいという考えの彼らは、日本人とはまったく考え方が違う。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「インディアス破壊についての簡潔な報告」と「インカの反乱」 2011年03月04日13:27
 
インディアス破壊についての簡潔な報告(ラス・カサス 染田秀藤)
 
 
1542年にスペイン人宣教師によって書かれた、新大陸での虐殺の有様を記録した報告書。あまりに有名なので知ってる人も多いだろう。
 
学生時代に読んだのを久しぶりに読み返してみて、改めてスペイン人の悪逆非道ぶりに呆れた。
 
 
 
500年前のスペイン人は、新大陸の先住民を虫けらとしか思ってなかったことがよくわかる。
 
コロンブスが最初に到達したのがカリブ海のエスパニョーラ島だったので、虐殺はここから始まる。
 
 
「例えば、われわれがはじめてエスパニョーラ島に上陸した時、島には約三〇〇万人のインディオが暮らしていたが、今では僅か二〇〇人くらいしか生き残っていないのである」
 
 
「両島(サン・フワン島とジャマイカ島)には、かつて六〇万人以上、いな、一〇〇万人を越える人が暮らしていたであろうが、今ではそれぞれ二〇〇人ぐらいしか生き残っていない」
 
 
大量虐殺とスペイン人がもたらした伝染病で、カリブ海の島々はたったの数十年で原住民がほぼ絶滅してしまったのだった。
 
そしてその代わりに連れてこられたのがアフリカの黒人たちだったことは言うまでもない。
 
現在のジャマイカやプエルトリコやハイチやドミニカが黒人ばかりなのは、そういう理由によるのであった。
 
 
 
スペイン人は先住民を手当たり次第に殺したらしい。例えばこんな感じである。
 
 
「彼らは、誰が一太刀で体を真二つに斬れるかとか、誰が一撃のもとに首を斬り落せるかとか、内臓を破裂させることができるかとか言って賭をした。彼らは母親から乳飲み子を奪い、その子の足をつかんで岩に頭を叩きつけたりした」
 
 
「私は数えるのも面倒なほど多くの場所でスペイン人たちが手当たり次第にただ気紛れからインディオたちの男や女の手と鼻と耳を削ぎ落としているのを目の前で見た」
 
 
「スペイン人たちはインディオたちを殺し、八つ裂きにするために獰猛で凶暴な犬を仕込み、飼いならしていた。真のキリスト教徒である人びと、また、そうでない人も、彼らがその餌として大勢のインディオを鎖に繋いで道中連れて歩いたという事実を知っていただきたい。おそらくそのような行為をこれまで耳にしたことはないであろう。インディオたちはまるで豚の群れと変わらなかった。スペイン人たちはインディオたちを殺し、その肉を公然と売っていた。「申し訳ないが、拙者が別の奴を殺すまで、どれでもいいからその辺の奴の四半分ほどを貸してくれ。犬に食べさせてやりたいのだ」と、まるで豚か羊の肉の四半分貸し借りするように、彼らは話し合っていた」
 
 
 
えぐい話である。
 
同じ時期に日本でも、北海道のアイヌが和人に従属させられていたわけだが、ここまでひどいことはしてないだろう。
 
 
スペイン人の目的は、先住民に恐怖心を植え付け、絶対に刃向かわないように仕込むことだったらしい。
 
「それは領土の隅々にいたるまで恐怖の種をまき、彼らの勇猛さを見せつけるためであった。スペイン人たちは侵入した所ではいつでもその手口を用いた。つまり従順な子羊たちを震え上がらせるために、彼らは残忍で目に余る殺戮を行ったのである」
 
 
それにしてもこの人を人とも思わないすさまじさ。
 
人類史上特筆に値する大虐殺だろう。
 
 
 
……とまあ、ここまでは有名な話である。
 
興味深いのは、この報告書がイギリスその他の西洋諸国の手に渡り、その後何世紀にもわたって増刷されたという事実である。
 
おそらく今なら何百万部の大ベストセラーという感じ?
 
 
なぜそこまで「売れた」のかといえば、それは新大陸でひとり勝ちして大儲けするスペインに対するネガティブキャンペーンに利用されたからであった。
 
とくにカトリックを憎むプロテスタントのイギリスとオランダでガンガン印刷された。
 
つまりこういうことである。
 
 
「カトリックのスペインは、新大陸でとんでもないことをしている。悪のスペインから純真なインディオたちを救うために、我々プロテスタントは戦わなければならない!」
 
 
という反スペインキャンペーンである。
 
しかしその実態は、新大陸がもたらす莫大な利益、金銀や砂糖、奴隷貿易の利益を横取りすることであり、それは初期の頃は「海賊」という手段であった。
 
 
映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」なんかに出てくる海賊たち。
 
あいつらはだいたい、イギリス人かオランダ人かフランス人か、あるいはデンマーク人なのである。
 
そして襲われる方はたいがいスペインの輸送船なのである。
 
 
それから100年くらいして、先住民と黒人をこき使い、奴隷貿易と三角貿易で大儲けしていたのは、他ならぬイギリスであった。
 
先住民を酷使して人口を激減させるよりも、生かしておいてプランテーションでサトウキビやタバコでも作らせておいた方がよっぽど儲かるからである。
 
 
プロテスタントが正義の味方だったわけでは決してない。
 
今のヨーロッパの高い生活水準は、そういう悲しい歴史の上に成り立っているのであり、そしてその搾取が現在も続いているのである。
 
 
 
 
 
「インカの反乱 被征服者の声」(ティトゥ・クシ・ユパンギ述 染田秀藤)
 
こちらはインカ帝国征服時の最後から二番目の王様が、スペイン国王に宛てた書簡である。
 
ピサロその他のスペイン人がいかに失礼な連中かということと、自分たちの正統性を切々と訴える。
 
スペイン人たちは金銀に対する欲望が異常に強く、とにかく「金を出せ」と王様に迫る。
 
そのギラギラしている感じがよく表現されていて、なんだか人間不信なりそうだ。
 
 
 
これを読んでいると新大陸のインディオたちが従順で純朴な人達である一方、言ってしまえば情けない人達であったかがわかる。
 
もちろん勇敢にスペイン人と戦った武将もいたんだが、数千人、数万人の軍隊が、たった数百人のスペイン人に敗走してしまうのである。
 
確かにスペイン側には火縄銃があったし、レコンキスタ直後で戦争に長けていたこともあるわけだが、普通に考えれば勝つだろ。
 
 
そして当時の国王がものすごくお人好しで、読んでいてイライラしてくる。
 
3度までもスペイン人に監禁され、そのたびに大量の金銀を要求されても我慢する。
 
小便をかけられたり王妃を強姦されたりもした。
 
する方もする方だが、それでも堪え忍ぶこの人は理解できんなあ。
 
 
しかし最後は一斉蜂起して全面戦争になるんだが、それでも圧倒的少数スペインが有利に闘いを進め、最後の砦、ビルカバンバが陥落して、インカの反乱は終結する。
 
 
その後はスペイン人と現地生まれの白人クリオーリョに延々と支配されつづけて現在に至るわけである。
 
 
 
 
スペイン人はインディオのことを、
 
「おじけづいた、寡黙な、腹黒い、怠惰な」
 
といった印象を持っていたそうだ。
 
 
一生奴隷で逃げられないのなら、少しでもラクしたいというのが人間だろう。
 
そしていつも目立たぬように人の影に隠れながら仕事をさぼる。
 
 
そうすると上記の印象になるわけだ。
 
これは逆に言えば、スペイン人に虐待されたインディオたちの処世術ともいえるだろう。
 
「腹黒い」は別にして、現在の多くの先住民の性質も、基本的に変わらないような気がする。
 
そしておそらくアフリカの黒人たちも同じような性向を持っているのだと思う。
 
 
それは数百年にわたって白人に痛めつけられた人びとが当然持つようになる性質なのだと思う。
 
 
 
 
 
他に面白かったこと。
 
インカ帝国も一枚岩ではなく、インカに敵対する民族がけっこういた。
 
また同族でありながら、スペイン人と和解して生き延びようとする貴族も少なからずいたらしい。
 
 
 
 
「現在のラテンアメリカにサンティアゴ(聖ヤコブ)という名の都市が数多く存在することからもわかるように、インディオとの闘いにおける聖ヤコブの奇跡的な介入の伝説は多い。これは、スペイン人が自らの行っている戦い、かつてのスペインにおけるイスラム教徒からの国土回復運動(レコンキスタ)の延長とみなしていたことを如実に示している」
 
 
革命運動後の武装解除の難しさという問題についてかなり前に書いた。
 
例えば日本なら、秀吉の朝鮮出兵とか西南戦争とか、あるいはフランス革命後のナポレオンとか、そういうのである。
 
レコンキスタで高まっていた戦争意欲が、そのまま新大陸に向かってしまった。
 
それもインディオの虐殺が相次いだひとつの原因なんだろう。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
裏にアルカイダがいると思います。きっと。 2011年03月03日09:52
 
泥沼の様相を呈するリビア。
 
今週のTIME氏の表紙は、どこでどうやって撮ったのか、カダフィ氏の顔面ドアップ写真である。
 
 
世界中の地目を集めるリビア情勢だが、メディアの解説は、
 
 
「長年にわたる独裁政権に、民衆の怒りが爆発した」
 
 
ということになっている。
 
 
確かにそういう側面もあるんだろうな。
 
観光立国のエジプトだが、カイロからルクソールまでの数百キロの地域は、
 
「治安が悪いので外国人は立ち入り禁止」
 
になっていた。確か。
 
 
実は反政府ゲリラというか、キリスト教徒の過激派みたいな連中が跋扈している地域なのだ。
 
だから一部の民衆に不満があったのことは間違いない。
 
 
 
 
しかしホントにそれだけなのかな。
 
 
 
いうまでもなくアラブは部族国家である。
 
わかりやすいのがアラブ首長国連邦。
 
あそこの国は7つの首長国、つまり部族国家が集まって、ひとつの国のように振る舞っている。
 
でも実際は7つの国である。
 
もとはそれぞれ海賊の親玉でペルシャ湾を荒らしていたが、イギリスが懐柔して和平協定を結び、独立させた。
 
 
 
他の国、例えばイエメンとかも、大統領は何人かいる部族長のひとりに過ぎず、他にも地方部族がいくつもある。
 
アラブ国家というのは、おおむねそんな感じなのである。
 
 
 
つまりこういうことである。
 
 
アラブの大統領は、必ずしも全国民を代表しているわけではない。
 
だからいつも反政府活動を気にしないといけないし、ヒミツ警察を放って監視している。
 
 
要するに「常に敵だらけ」の状態なのだ。
 
それは今に限らず、何十年、何百年、おそらく何千年もそうだった。
 
 
 
ではなぜ今、デモが激化しているんだろうか。
 
 
これは私の憶測に過ぎないが、おそらくアルカイダみたいなテロリストが裏でカネをばらまいているんじゃないだろうか。
 
現在のアラブ諸国首脳は、ソビエト亡き後、たいがい親米路線に転換している。
 
現政権が崩壊することはアメリカにとって好ましくない。
 
ベネズエラのチャベスみたいな反米大統領が出てくるかもしれないからだ。
 
 
それがテロリストの狙いなんじゃんじゃないだろうか???
 
 
……って勝手なことばかり書いてます。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「物語ラテン・アメリカの歴史」 2011年03月02日21:42
 
「物語ラテン・アメリカの歴史」(増田義郎 中公新書)
 
 
中公新書の「物語シリーズ」は、著者の思い入れと愛情がにじみ出ていて好ましいぶん、内容が主観的で若干偏っているのが多いんだが、この本は概説本として大変よくできている。
 
南米を訪ねる時にカバンに忍ばせたい一冊である。
 
 
 
以下、面白かった箇所の引用。
 
 
「アンデス山脈はその中央部、すなわち現ペルー南部およびボリビアにおいて最高の幅(七五〇キロメートル)となり、山間高地や盆地が発達している。熱帯にあるため氷に閉ざされることなく、一年中居住可能であり、そのためのち人間が住むようになってから、標高三〇〇〇メートル以上の高地に数百万の人口が密集して文明をいとなむという、世界でもまれな現象がおこった」
 
確かにクスコの標高は三二〇〇メートルだが、気候はだいたい常春である。
 
それに虫も少ないし、誠に過ごしやすい地域なのであった。
 
一方の首都リマは蒸し暑い。
 
どっちに住みたいかといえばクスコである。
 
 
 
「(スペインは)他国の船がアメリカ植民地に寄港することは絶対に認めず、スペインのなかでもセビリャ、カディスだけが大西洋貿易の特権をもった。王室がとくに神経質になったのは、ユダヤ教徒、新教徒その他の異端者が植民地に渡航することだった」
 
 
スペイン王室がいかに新大陸貿易に神経をとがらせていたかがわかる。
 
だから、
 
 
「大銀山の発見後生産されるようになった大量の銀の輸送が、イギリスやフランスなどの海賊にねらわれるようになった一五六〇年代からは、年に一回、大船団によって航海をおこなうことがふつうになった」
 
 
のちにイギリスとの間で決戦が行われた「アルマダの海戦」は、イギリスの海賊行為にシビレを切らしたスペインがイギリスに攻め込んだものだったらしい。
 
どっちが不法かといえばイギリスである。
 
 
 
「スペイン王室は、アメリカ植民地内の住民を理論上すべて臣民と見なし、植民地の政治組織のなかに組み入れようとした。これは、常に植民者だけの社会を中心に組織づくりをし、先住の住民を疎外した北アメリカとは事情がちがっている」
 
 
数々の虐殺を行ったスペインだが、その後はインディオを保護する法律を作ったりしている。
 
そういう法律に反対するクリオーリョ(つまり地元の地主たち)が反乱を起こしたりもしている。
 
しかし徹底的に先住民を排除し、自分たちだけのコロニーを作ったアメリカやオーストラリアのやり方と比べて、どっちが温情的かというと、私はスペインな気がする。
 
まあそれで大虐殺の罪が帳消しになるわけはないが、少なくともイギリスはスペインを非難することはできないよな。
 
 
 
 
「カリブ海では、金の採集のために、エンコミエンダとはいいながら、ほとんど原住民を奴隷のように使役したのだが、大陸部に移ってからは、スペイン人たちは、メキシコやペルーの農民たちを支配して、生産をおこなわせることになったので、いわば彼らは、自分たちの冨を産み出す貴重な労働力であった」
 
 
虐待と疫病でインディオの人口は激減した。
 
メキシコ中央部の原住民は征服後100年の間に人口の85%が死滅したらしい。
 
 
「ただしペルーの場合では、海岸と高地では大きな差があって、高地におけるほうが、スペイン人との接触から隔離された集落が多かったせいか、人口減少率はずっと低い。しかし海岸地方おいては、ひじょうな人口減少がおこって、人口数万の大きな海岸の谷が、一六世紀の後半には一〇〇人か二〇〇人程度の人口になってしまったところはざらにあった」
 
 
現在のペルー海岸部は、クリオーリョとメスチソの割合が非常に高い。
 
クスコでは町を歩いているのは先住民系の人ばかりなのとは大きな違いがある。
 
また海岸部のほうがキリスト教の宗教色が強いのが目だった。
 
 
 
ちょうど2011年4月に大統領選挙があるんだが、地元紙を見ていたら、前職のトレド大統領の支持率が都市部で27%、地方で39%と出ていた。
 
トレド氏は先住民出身の前大統領である。
 
山間部を始めとした地方に先住民が多いことが伺われる。
 
 
 
「千年王国とは、もともとキリスト教の概念だが、多くの植民地的状況にある社会で、共通の特徴をもって現れた運動である。千年王国運動の特徴は、逼塞した悲惨な状態にある土着社会に、ある日突如として変化がおこって世の中が一変し、侵略者は一掃され、またむかしの幸福な世界がよみがえってくる、という宗教運動であった。例えば北アメリカ先住民の幽霊踊り(ゴースト・ダンス)は、ある日突如としてまたむかしの豊かな世界がよみがえり、バッファローがもとどおりにたくさん現れる、ということを信じて踊り狂う一種の千年王国運動であった。メラネシアでも、カーゴ・カルトといって、ある日大きな船が海岸に着いてあらゆる物資をもたらし、人びとはまた豊かになる、という信仰が流行したことがある」
 
 
前にパプアニューギニアに行ったとき、カーゴカルトについて知った。
 
被征服民族に共通する一種の現実逃避なのかもしれない。
 
 
 
「現地で生まれたスペイン系の人々は、クリオーヨと呼ばれ、重要な役職に就くことはできず、政治的な力をもつことも禁じられていた。もちろん彼らは、植民地社会のなかでは、原住民や黒人のうえに君臨する支配者であり、その多くは経済的な富裕者であり、実業家、大地主であった。しかし彼らは、自分の住む町の市会をつうじて自治を許される程度の政治的特権しかもっていなかった」
 
 
当時の植民地はスペインから派遣された役人が権力を持っていて、クリオーリョたちはそのことに不満を持っていた。
 
それがアメリカ独立革命、フランス革命に触発されて爆発するわけである。
 
 
 
奴隷貿易に従事した主な国は、アメリカ、スペイン、ポルトガル、イギリス、フランス、オランダ、そしてデンマーク。
 
福祉国家を自認するデンマークも、かつては黒人を売り飛ばして儲けていた。
 
確かに数は一桁違うが、やってたことは同じである。
 
 
 
 
「イギリスにとって意味が大きかったのは、一六五一年、クロムウェルの議会派の政府に派遣された艦隊が、いわゆる「西方計画」なるものを立て、「スペイン王の精神、政治両面にわたる悲惨な束縛と拘束」からアメリカ大陸の住民を解放し、「真の宗教すなわちプロテスタンティズムを広めること」を宣言したのである。もちろんこの計画が、経済的な側面をもっていたことは当然である」
 
 
宗教的な大義名分はともかく、イギリスは新大陸でごっそり儲けるスペインとポルトガルをなんとかしてやりたいとずっと考えていた。
 
そしてイギリスは、メシュエン条約でポルトガルを従属させて、ブラジルの利益をごっそり吸い取るようになる。
 
 
「一九世紀のはじめには、ブラジルも、またスペインのアメリカ植民地も、興隆しつつある資本主義国イギリスの市場として、着々と開拓され、スペインやポルトガルの王室は、まったく無力になり果てていた」
 
 
南米諸国の独立もイギリスが影で操っていた。
 
 
「中南米の各地で、独立に結びつくいろいろな動きがおこったのだが、その背景には、かならずといっていいほどイギリスの存在があった。しかしイギリス人たちは、もはやけっして表立った活動はしようとはしなかった」
 
「イギリス人たちは、中南米の独立戦争の背後でつねに動向を見張っていた。もっとも典型的なのは、ブラジルとアルゼンチンの場合であったが、独立と同時に大勢のイギリス人がこのふたつの国に押しかけ、ただちに盛んな商業活動を開始し、瞬く間にその経済を支配している。そして同じようなことは、中南米の他の国々、たとえばメキシコ、中米、ペルー、ベネズエラ、コロンビア、チリなどについてもいえるのである」
 
 
折からの産業革命で、市場を欲しがっていたイギリスが、南米諸国の独立を支援し、あっという間に独占市場にしてしまった。
 
自由主義貿易というと聞こえはいいが、一番儲かるのは競争力を持っている国である。
 
イギリスが自由貿易を盛んに言い出したのは当然のことであった。
 
そしてイギリスの製品が続々と輸入される。
 
 
「マンチェスターの織物工場ではポンチョが製造され」
 
「今日でも、ペルーやボリビアの高地でアイマラ人の婦人たちがかぶっている山高帽は、もとはといえばイギリス人が売り込んだものである」
 
ひええええ。それは知らなかった。
 
製品を売るために原住民の風俗を変えてしまうあたり、アメリカの食料戦略に通じるものがあるな。
 
 
 
「中南米の革命運動は、本質的にクリオーヨの本国に対する反逆であった」
 
「いついかなる場合にも、クリオーヨが、独立運動の方向を支配した。従って独立運動後、政治の表に立ったのは、クリオーヨであり、追い出されたスペイン人に代わって彼らが政治をおこなった。しかもクリオーヨのなかでも、大土地所有者、大商人などが実際の政治を動かしたのである。そこではメスティソや原住民の民衆は、すっかり置き去りにされてしまう形になった」
 
 
南米諸国の独立とはいっても、それは白人と白人の戦いであり、原住民とメスチソにはあまり関係なかったらしい。
 
そして今でもその傾向は強い気がする。
 
 
 
 
 
 
「リオの町は汚なく、みすぼらしかった。当時のリオの文化程度は低く、劇場も、本屋も、印刷所もなかった。スペイン領アメリカでは、一六世紀に大学がつくられていたが、ブラジルにはまだひとつも大学はなかった」
 
 
ポルトガルという国は、植民地のインフラを無視する傾向がある。
 
モーリタニアやアンゴラが、独立後もアフリカ最貧国である理由のひとつは、インフラ未整備にあるともいわれる。
 
東チモールもそうだ。
 
道路や学校、病院を建てて、原住民の教育レベルや生活レベルが上がることは、すなわち独立運動につながることだからである。
 
こういう卑劣なやり方はブラジル以来のものだったらしい。
 
 
 
 
しかしこの本で白眉だったのは「カウディーヨ」についての記述である。
 
「カウディーヨは、多くの場合私的な軍事力を備えた政治ボスであり、子分たちとの個人的関係で結ばれ家父長的な権威をもって政治を支配した独裁者である。カウディーヨは腕っ節が強く、頭も切れ、同時にカリスマ的な力も備えた人物でなければならなかった」
 
 
「カウディーヨは、中南米の政治家のひとつの原型をつくった。彼らは。政治的基礎の脆弱な社会で生まれ、私的な軍事勢力を率いて、国や社会をまるで自分のもののように治めた。そして歴史からは姿を消しても、その属性は、ラテン・アメリカの現代の政治家たちに、なんらかのかたちで引き継がれていったのである」
 
 
南米諸国には、こういうボスが各地方都市に君臨していて、彼らが入れ替わり政権をになうという構図が、長らく続いたという。
 
 
これを読んでいて、去年だったか新聞を賑わしたフィリピンの大量殺人事件を思い出した。
 
ミンダナオ島の知事選で、とある地方ボスが、敵対する知事候補者の一族を私兵を使って皆殺しにしたという事件だったんだが、このカウディーヨの文章を読めば、その背景が一発で理解できるというものだ。
 
あるいはコロンビアでコカインのカルテルが縄張り争いを延々と続け、殺人事件が絶えないのも、要するにカウディーヨ同士の対立と考えればわかりやすいのである。
 
こういうマフィアのボスみたいなのがゴロゴロいて政治を牛耳っていたのが、つい最近までの、そしておそらく今もそうだろうが、南米の政治状況なのである。
 
 
 
 
「白人系の人々は、原住民の命などまったく価値を認めず、平気で虐殺するのがあたりまえになっていた」
 
「こうして「掃討」された広いアルゼンティンの空間に、続々とヨーロッパからの移民が押し寄せて、今日みられるような白人国家アルゼンティンができあがったのであった」
 
「一八五〇年代に、アンチョレーナスという一家は、八〇万ヘクタールの土地を所有していたという」
 
八十万ヘクタールというと、東京、神奈川、埼玉をあわせたくらいの広さである。
 
これが私有地なのである。
 
私が聞いた話では、四国くらいの土地を持つ大大地主がいると聞いたことがあるが、アルゼンチンの大土地所有は独立した頃から続いているのだ。
 
そしてこういう格差の激しい社会を基本的に容認しているのが、現在南米を牛耳っているアメリカであった。
 
 
 
 
「アメリカ合衆国軍は一八四六年、ベラクルスに上陸し、メキシコ市を占領した。そして民間人を殺し、婦女を陵辱したが、アメリカ史の研究者はあまりこれに触れたがらない」
 
日本でも終戦直後に家に侵入して婦女暴行を働く事件が続出したらしいが、犯人はみんな「背の高い大男」で、要するにアメリカ兵なのである。
 
これもあんまり触れられない事実である。
 
 
 
アメリカは1898年の米西戦争で、騙し討ちのようにしてスペインから植民地を奪った。
 
それがプエルトリコ、キューバ、フィリピンである。
 
こうしてカリブと南米はアメリカの裏庭に成り下がり、現在に至っているのだった。
 
 
しかし一番浮かばれないのは先住民の人々であることは言うまでもない。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
高級ホテルに泊まること 2011年02月28日01:48
 
仕事の都合で、五つ星の高級ホテルに泊まることがたまにあるんですが、いつも居心地の悪さを感じてきました。
 
 
それはたとえば、流暢な英語を操る洗練された従業員に対するコンプレックスとか、ボーイにチヤホヤされることに慣れてない庶民性とか、チップを払うことの面倒くささとか、西洋人に囲まれることへのある種の不安とか、そういうものがない交ぜになっているからだと思うんですが、それ以外に、もうひとつの理由を見つけました。
 
 
 
 
今回泊まったホテルでシャワーを使いました。
 
お湯のでも申し分なく、大変気持ちよかったんです。
 
 
 
やっぱりホットシャワーは気持ちいいなあ。
 
身体の汚れが1枚はがれる感じがするなあ。
 
セグンドさん(先日まで居候してた家族で一番お世話になった人)にも使わせてあげたいなあ。
 
あそこの家は断水ばかりで、まともに水が出ることの方が珍しかったしなあ。
 
 
 
そしてフト思いました。
 
 
 
彼は今まで何度、ホットシャワーを浴びたことがあるんだろうかと。
 
 
 
 
映画「シティ・オブ・ゴッド」にはこんなシーンが出てきます。
 
主人公の少年が、サンパウロの女性新聞記者と知り合い、彼女の家に泊めてもらいます。
 
「とにかくシャワーでも浴びなさい」
 
戸惑う少年に、さらに問いかけます。
 
「シャワー使ったことないの?」
 
「ウチにはシャワーがないんだ」
 
「じゃあ冬はどうしてるの?」
 
「やかんでお湯を沸かすんだ」
 
 
確かそんなやり取りでした。
 
 
考えてみれば、お湯がふんだんに使える人というのは、世界でも限られた人達だけなんです。
 
そして家にシャワーがある人も、世界的に見れば恵まれた人の部類に入るわけです。
 
 
だからお湯がふんだんに出るシャワーを使ったことがある人というのは、実は世界でもそんなに多くはないのではないかと思います。
 
 
 
途上国の五つ星ホテルは、その国の限られた人しか足を踏み入れることができない聖域です。
 
 
豪華な朝食のビュッフェにならんだ豊富な食材を見ていると、知らず知らずに、その国で居候した家族の顔が浮かんできます。
 
つい昨日まで、彼らが日常的に食べている質素な食事をともにしていた私は、その落差に戸惑い、そしてある種の後ろめたさを感じるのです。
 
 
それがきっと、高級ホテルを居心地悪くしているひとつの理由なのだと気づいたのでした。
 
 
 
もちろん高いお金を払ってそういうホテルに泊まることは正当なことです。
 
しかし私たちにそういうホテルに泊まる財力があり、地元の人達にそういう財力がなく、その背景にある種の不正がはたいているという事実は、やはり正当なことではない。
 
そしてそういう事実を、まるで「当然の権利」のように信じている一部の西洋人たちも、やはり正当ではないと思うのでした。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
まさかの欠航 2011年02月28日01:15
 
ヒューストン行きのコンチネンタル航空。
 
なんと欠航しました。
 
11時50分のフライトで、3時間前にキッチリ空港に到着。
 
そして待つこと二時間。
 
 
……ぜんぜん列が動かない。
 
いい加減、乗客たちもざわつき始めた頃、近くにいた日本人が、
 
 
「なんか、掲示板のフライト、キャンセルって出てるんですけど」
 
 
え??
 
 
走って行って見てみる。
 
 
確かに「CANCELLED」の表示が。
 
 
じゃあ今我々が並んでるこの行列はいったいなんなのよ。
 
 
乗客のざわつきはさらに大きくなり、カウンターには人が殺到。
 
それからさらに二時間くらいして、ようやく係員の説明が。
 
英語なんであんまりわからなかったが、
 
 
「飛行機はキャンセルになりました。フライトは明日の昼過ぎに変更になりました。本日はホテルにお泊まり頂きます。お家に帰る方は50ドルまで支給いたします」
 
 
といったようなもので、全体の態度としてはなんとなく恩着せがましい感じで、最後まで「申し訳ございません」のひと言はなかった。
 
この辺はいかにもアメリカらしい。
 
 
 
しかしそれで、
 
 
「ああそうですか。じゃあすぐにホテルに行きましょう」
 
 
とはならないのである。
 
まずカウンターでバウチャーを受け取り、明日のフライトについて確実な情報を得なければ心配で寝られない。
 
さらに長蛇の列で待つこと二時間。
 
 
立ちすぎて足がおかしくなりかけた頃にようやくカウンターへ。
 
 
本日のホテルの宿泊とディナー(深夜三時過ぎである)、明日の朝食のバウチャーをもらい受ける。
 
 
明日の予定を聞いてみると、フライトは夕方。
 
ということはヒューストン乗り換えの東京行きの便には間に合わないので、ヒューストンでもう1泊、ということになってしまった。
 
 
嗚呼。。。。。
 
 
、明日のピックアップ時間を確認してタクシーへ。
 
 
 
深夜3時半にようやく五つ星ホテルに到着。
 
 
 
ベッドに倒れ込むようにして寝た。
 
 
そして現在、翌日の午前11時。
 
 
航空会社からメッセージが来ていて、
 
 
「本日午後2時半にピックアップに伺います」
 
 
というわけで現在五つ星ホテルの豪勢な部屋でこれ書いてます。
 
 
 
まあ私の人生からトータルで見れば、二日分の食費が浮いたわけですが……。
 
 
 
 
そういう問題じゃないだろコンチネンタル!
 
しかも「ホテルから電話よこせ」っていうから慣れない英語で電話したら、
 
 
「詳しいことはユナイテッド航空に電話してください」(コンチとユナイテッドは合併したのである)
 
 
とか言いやがって責任転嫁するんじゃねー!!!
 
 
アメリカ人のバカヤロ-!!!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ようやく帰国 2011年02月27日10:32
 
現在ペルー時間午後8時15分。
 
12時50分の便で帰国します。
 
1ヶ月間の南米取材でしたが、ようやく帰れます。
 
 
 
いろいろ収穫はあったんですが、一番の収穫は、南米の現状についての認識が深まったことでしょうか。
 
 
 
南米は世界でも貧富の差がものすごく大きな格差社会です。
 
とくにひどいのがブラジル。
 
ペルーでも、海岸部のリゾート地区と、我々がお世話になった標高4000mの先住民の暮らしとは、天と地ほどの差がありました。
 
それは日本の農村と六本木ヒルズなんて比較にならないくらいすごいです。
 
 
世の中には電気も水も道路もないところで暮らしている人が大勢いますが、南米高地の先住民ほどひどい暮らしをしている人達も少ないのではないかと思いました。
 
 
左派政権がそういう格差を縮める政策をしているみたいですが、基本的にあまりに差が大きいので、そうそう是正はされないでしょう。
 
 
そしてそういう南米の現状が世界的に見て、アフリカや南アジアほど問題にされないのは、おそらくアメリカの意向が働いているからではないかと思いました。
 
 
 
資源高騰のおかげで、南米諸国は好景気だそうです。
 
そして今まで逆立ちしてもかなわないと思っていたアメリカに、公然と文句が言えるようになった。
 
世界的な論調はベネズエラのチャベスやボリビアのモラレスにキビシイわけですが、わたしはそこに欧米による世論操作があるように思えます。
 
 
 
そう考えると中国の台頭という、一見して日本には面白くない現状も、世界的には欧米支配に一石を投じるものではないかと思いました。
 
中国の台頭で、欧米の発言力は相対的に後退し、新しい貿易相手国を得た途上国の立場がますます高まっていく。
 
そういう傾向はこれからも続いていくでしょう。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ニセ札事件 2011年02月27日09:04
 
今回驚いたのは、ペルーの治安がゲキレツに回復していることだった。
 
 
十数年前のクスコなんて、白昼堂々カメラを奪われ、カバンを切られ、首しめ強盗が発生する町だったのに、中心部のアルマス広場には家族連れがそぞろ歩いている。
 
なぜなら警察が十メートルおきくらいに立っていて、メチャクチャ治安がいいのだ。
 
 
 
それでも首都リマは場所によってはメチャクチャらしい。
 
渋滞の車に暴徒が乱入してガラスをブチ割られ、ボコボコにされるという北斗の拳的世紀末事件が起こる、やばい地域があるそうだ。
 
ちなみにそういう場合は車を捨てて逃げるしかないという。
 
 
 
それもそのはずで、ペルーの警官はアルバイトが普通なのだそうだ。
 
ペルーの警官は二日働いて二日休むそうだが、休みの二日間はカジノなどで警備員のアルバイトをする。
 
給与は安いので、アルバイトの方が儲かる。
 
なのでそっちがむしろメインになり、警官の仕事はおろそかになる。
 
それが治安悪化の原因なんだそうだ。
 
 
 
それはともかくニセ札事件である。
 
トルヒーヨのショッピングセンターで買い物をしたサカグチが、100ソル紙幣(だいたい3000円くらい)を出したところ、
 
「アンタこれニセ札よ」
 
「え?」
 
一瞬なんだかよくわからない。
 
「ここのスカシの100がおかしいのよ」
 
レジのおばちゃんは確かそんなことを言って突っ返してきた。
 
 
げえええ。
 
 
と思いながらも仕方がないので、もう1枚の100ソル紙幣を出す。
 
 
「アンタこれもニセモノよ」
 
 
 
なにい!?
 
 
 
おばちゃんはあきれ顔である。
 
 
 
そこで思い出したのが、トルヒーヨの町中で声をかけてきたペルー人の男ふたり組みである。
 
日本語を教えてくれとか、親戚が成田で働いてるんだとかいいながら、飲み屋に連れて行かれた我々は、コカコーラをおごってもらった。
 
そして勘定をするときに、
 
「細かいのがないから両替してくれないか」
 
といって差し出されたのが、100ソル紙幣だった。
 
 
 
なんといってもコイツラが一番アヤシイ。
 
 
30分ほど話していたのもどうでもいい話だった。
 
メモ帳にスペイン語で、
 
「ペルーのことをどう思うか?」、
 
とか、
 
「ペルー料理はうまいか?」
 
 
とかいうどうでもいい質問を書いて、それに私がスペイン語書き込んだりした。
 
そういえば、なんでこんなつまらない質問を書くんだこいつらは。
 
と、なんとなく思ったことを覚えているのだ。
 
 
 
間違いない。
 
あいつらがニセ札をつかませたのである。
 
 
しかし今ひとつ理解できないのは、
 
 
なぜ2枚もニセ札だったのか?
 
 
アヤシイふたり組みが両替したのは1枚だけだった。
 
 
もう1枚はどこでつかまされたんだろうか?
 
ペルー人ガイドさんの話では、銀行員がグルになって、ATMにごっそりニセ札を入れることがあるそうで、つまりは、
 
 
キャッシングしてもやばい。
 
 
というわけで、アヤシイふたり組みとキャッシングの二重詐欺にあったのではないかという。
 
 
それってメチャクチャ運悪くね?
 
 
それはともかく面白かったのは、ニセ札が出てきても「即警察」ではなく、「ダメ出し」だけで済んでしまうことである。
 
それはつまり、
 
 
「よくあること」
 
 
を意味しているのであった。
 
やっぱすげえなあ。南米。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
旅行ライターの原点 2011年02月21日07:04
 
気がついたら旅行ライターになってました。
 
別になろうと思って努力したことはないんです。
 
ただ自分の詳しい分野が、結局、海外事情だったという、それだけなんです。
 
 
 
確かに子供の頃から世界地図が好きで、国名と首都はだいたい覚えてました。
 
大学生になり、先輩の影響で、毎年の春夏休みに海外旅行に出かけるようになってから、講義中はいつも世界地図を眺めてました。
 
最初はアジアに、次は中東に、その次はアフリカに。
 
ついに大西洋まで行って、次はアラスカ、そして南米に行きました。
 
 
でも心から楽しくて出かけたことはほとんどないのです。
 
学生時代にしかできないことを、今のうちにしておかないと。
 
という、ある種の強迫観念に突き動かされて、がむしゃらに海外に出かけてました。
 
 
 
最初の頃は、パスポートにビザのスタンプが押されていくのが楽しみでした。
 
何カ国訪ねたかが重要でした。
 
 
しかし途中から、そんなことどうでもよくなりました。
 
国の数よりも、そこでなにを体験したかが大切なんだと思うようになりました。
 
アラスカでは、ユーコン川をカヌーで下り、地元のインディアンの家に1週間ほど居候してきました。
 
次は二年間も休学して南米に行きました。
 
 
 
当時読んだ本で、もっとも影響を受けたのは、本多勝一氏の一連の著作でした。
 
とくに「マゼランが来た」(朝日新聞社)で、教科書が教えない歴史というものを知りました。
 
世界史に必ず出てくる英雄が、実は原住民を虐殺して食料を奪う海賊の親玉だったということ。
 
 
もちろん世界一周は偉業ではあります。
 
しかしその影に隠された現実も、同じように後世に伝えられないといけないと思いました。
 
 
 
私は今でも、西アフリカに行ったときのことをよく思い出します。
 
マリという国のバマコという首都に、冷房の効いた、日本と変わらないスーパーがありました。
 
そこでは現地在住のフランス人と、貴金属をジャラジャラ身につけた地元の金持ちが買い物をしていました。
 
その隣には青空市場があり、数百匹のハエが飛び回っているなかを、黒人たちが買い物をしていました。
 
この格差はなんだろうと思いました。
 
 
町を歩く黒人たちは、フランス人が通ると首を引っ込めるようにして、おどおどと道を譲りました。
 
話しかけられると、しどろもどろになり、慣れないフランス語で汗を浮かべて話していました。
 
一方のフランス人は、余裕綽々の笑みを浮かべながら、黒人の下手なフランス語を聞いているのでした。
 
 
どうしてこの人はこんなに卑屈なんだろうかと思いました。
 
そしてなんで西洋人は、西洋人というだけで、こんなに偉そうなのかと思いました。
 
 
おそらくそのときに、現在の私のスタンスができあがったんじゃないかと思います。
 
 
 
世の中には巨大な不正が罷り通っていて、それはもう盤石で、私たちに覆す力はないわけです。
 
彼らは軍事力と、食料と、資源と、情報と、そして「正義」を握っています。
 
 
そしてそういうことを声高に発言することは、日本の国益に反すことにもなります。
 
しかし言わずにはいられないのです。
 
 
 
世の中は不公平だらけだ。
 
それは意図的につくられてるんだ。
 
貧困を救おうなんて言ってるのもポーズだけだ。
 
海外援助で儲けてる連中がいっぱいいるんだ。
 
民主主義が正義だなんて信じるな。
 
貿易自由化で儲けるのは先進国だけなんだ。
 
 
 
そして我々の豊かな暮らしは、膨大な不公平の上に成り立っているんだ。
 
 
 
 
……とまあこういうことを商業誌に書いても、ボツになるだけなので、こうしてブログに書き連ねているわけです。
 
本日は中休みでした。
 
明日から新しいご家族のもとで居候です。
 
さて、そろそろ午後5時。
 
ビールでも飲みに行こうかな。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
アラブ諸国のデモと南米の現状 2011年02月20日22:56
 
1週間ほど山に籠もっている間に大変なことになってしまったアラブ諸国。
 
各地で市民が一斉蜂起して死者も出てるとか。
 
リビアとかバーレーンとか、盤石だと思われていた地域でデモが続発しているのを見ると、これはもう後ろでアルカイダとかがカネでもばらまいているんじゃなかろうかと思えてくる。
 
 
 
考えてみればエジプトという国は、アラブ諸国で一番にイスラエルに寝返った国である。
 
当時の大統領サダトがイスラエルと和平協定を結んで、アラブ諸国から非難された。
 
そのせいで数年後に暗殺され、その後釜に座ったのがムバラクだった。
 
つまりムバラク政権は、最初からアメリカとイスラエルの意向をくんだ政権だったわけだ。
 
 
 
 
バーレーンは産油国で、住民の半分くらいがシーア派である。
 
その一方で王族はスンニ派。
 
王族を始めとする政権側がもっとも恐れているのは、イラン革命が自分とこにも起こることだ。
 
かつてのイランのパーレビ国王と同じように追放されてしまうのではないかという不安をいつも抱えている。
 
だからシーア派の住民に対する監視はキビシイといわれる。
 
今回はその不満が爆発したということらしい。
 
こういう状況は湾岸の小産油国に共通する問題である。
 
今回の暴動が各地に波及したひとつの原因だろうと思う。
 
 
 
ともあれ大荒れのアラブ諸国を、地球の反対側から見ていると、南米はなんと平和なんだろうかと思ってしまう。
 
 
しかしそれは、おそらく間違いだろう。
 
 
 
アラブ市民には「デモができるだけの自由」があるともいえるのだ。
 
 
 
ペルーやボリビアの先住民の人びと、とりわけ男性を見ていると、ある種の無気力、もの悲しさのようなものを感じる。
 
それはコロンブス以来500年間、白人に支配されてきた歴史を色濃く反映しているのだと思う。
 
 
カリブ海一帯の先住民は、白人が持ち込んだ疫病と、今でいう人権を無視した重労働と虐殺で、ほとんど絶滅してしまった。
 
そのかわりに黒人奴隷がごっそり連れてこられて代わりに働かされた。
 
 
 
ペルーも早い時期に白人による支配が始まった地域である。
 
だから海岸沿いの、今私がいるトルヒーヨなんか、スペイン系の血を引く人が圧倒的に多い。
 
いわゆるラテン系の、一日中オンナのことしか考えてないんじゃないかという脳天気な連中が多数を占める。
 
 
一方で山岳地方のクスコに行くと、先住民系の人が多い。
 
彼らは、いつも風呂敷いっぱいの重い荷物をかついで歩いているイメージがある。
 
寡黙で働き者である。
 
 
山の中で、羊飼いの男性を見かけた。
 
彼は折からの強風と雨がぱらつく中、岩陰にじっと身体を潜めて、ポンチョをかぶり、一時間ほどもじっと動かずにいた。
 
その姿を見ていると、彼らの受難の歴史を思わずにはいられなかった。
 
 
 
南米諸国の独立は、現地白人であるクリオーリョによる、クリオーリョのための独立であり、黒人や先住民の支配体制は変わらなかった。
 
そして今でもそれは続いている。
 
 
南米はアメリカの裏庭だから、あまり表立っては報道されないけれど、その非民主的な支配体制は盤石である。
 
南米諸国のジニ係数が、他の国と比べても際だって高いことがそれを証明している。
 
南米諸国の所得は、おおむね肌の色に沿っているといわれる。
 
 
だからベネズエラのチャベスやボリビアのモラレスのような先住民系の大統領が出たのは、改めてすばらしいことだと思う。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
エステビア 2011年02月18日22:39
 
こちらは今朝八時半です。
 
十時半の飛行機まで時間があるのでネットカフェなう。
 
しかしまとまった文章書く時間がないので、短いトピックスを。
 
 
 
ステビア。
 
皆さんご存知でしょう。
 
砂糖の600倍の甘味がある、人口甘味料です。
 
手元の百科事典で調べてみると、原産地はパラグアイなんです。
 
 
それでこの間まで居候していた高地のお宅で、おじいちゃんがコカの葉と一緒に食ってた緑色の粉末みたいなのがありました。
 
 
「それなに?」
 
「エステビア」
 
 
そう。
 
ステビアだったんですね。
 
こちらではコカの葉をかみながら、時々エステビアで口直しするんです。
 
 
それでちょっといただいてみました。
 
ほんのりと甘い。
 
精製されてないのでそれほどでもないですが、逆に自然の甘味がおいしかったです。
 
 
こちらでは一握りくらいで2ソル、60円くらいと、結構高級品です。
 
 
 
これも百科事典によれば、ステビアはいち早く日本企業が目をつけて、現在では日本でも栽培されてるそうです。
 
おそらく大○製薬かな?
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
南米ハイパーインフレの原因 2011年02月18日06:38
 
十何年も前に南米に来たときは、多くの国がハイパーインフレに悩んでいた。
 
たとえばブラジル。
 
入国したときは1ドル3000クルゼイロだったのに、一月後には6000クルゼイロに跳ね上がっていた。
 
それから半年くらいで30000クルゼイロになり、最終的に三十万クルゼイロくらいでデノミされてニュークルゼイロになった。
 
そんな感じである。
 
そして政権が変わると突然、ぴたりとインフレが止まるのである。
 
前から不思議に思っていたこの現象の原因がようやくわかった。
 
 
 
南米市民は一般に反米である。
 
なので選挙があると反米を掲げたチャベスみたいな人が、とりあえず当選する。
 
すると米国資本が一気に引き上げてしまい(たぶん)、通貨不安が起こり、ガーンとインフレが起こる。
 
経済は大混乱である。
 
私の聞いた話では八十年代中ごろのボリビアでは、リュックサックに札束をいっぱい詰め込んで買い物に行ったそうだ。
 
 
そうなるとさすがに政権が持たずに倒れてしまう。
 
すると今度当選するのは親米大統領である。
 
通貨は安定して、インフレもストップする。
 
 
しかし新米政権は不人気である。
 
アメリカ野郎にペコペコしてんじゃねえよ。
 
人気は凋落して、次の大統領選挙では、高らかに反米を掲げた候補が当選する。
 
またしてもガーンとインフレが起こる。
 
要するにそれを繰り返してきたのが、戦後の南米の政治史なんだと思う。
 
 
 
ではなぜベネズエラのチャベスががんばっていられるのか。
 
それはおそらくここ数年の資源高によるのだと思う。
 
原油をはじめ、南米は資源が豊富である。
 
アメリカにペコペコしなくても、ほかから、たとえば中国とかから資本を調達できるわけだ。
 
ベネズエラのような原油に恵まれた国だからこそ、面と向かってアメリカに文句を言えるのである。
 
 
 
ところで今、インカ帝国の首都で有名なクスコにおります。
 
明日、海沿いのトルヒーヨという町に移動します。
 
長かった高地トレーニングもようやく終了。
 
今回の最高到達地点は、4100mの集落からさらに山を登ったところにある池で、標高約4500mでした。
 
しかし寒かったなあ。。。。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
韓国人の海外出店増加中 2011年02月18日06:18
 
昨日面白い話を聞いた。
 
ここクスコにも、韓国料理店ができたそうだ。
 
そしてクスコ生まれの初めての韓国人赤ちゃんも誕生したそうだ。
 
 
在住日本人の話によると、その韓国人が飲食店を始めるにあたり、韓国政府から結構な援助があったらしい。
 
そういえばここ数年、インドのデリーや、ネパールで韓国料理店が増えている。
 
その背景には、そういう事情があったのかと納得した。
 
 
韓国人は親御さんを大切にする人たちである。
 
だから外国で店を始めて、売り上げの一部は必ず親に仕送りしているはずである。
 
つまり韓国政府にとっては出稼ぎと同じで、格好の外貨稼ぎになるわけだ。
 
それで援助しているんじゃないかと思うんだが、果たしてどんなもんでしょうか。
 
事情通の方おられたら教えてください。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ガラパゴスそのA 2011年02月07日10:19
 
今日行ってきたのは、ちょっと北にあるセイモア島。
 
なぜかくちばしと足が青くなるカツオドリがいます。
 
 
なんで青いの?
 
知らないけど。
 
 
あと求愛活動で真っ赤な喉が風船のように膨らむグンカンドリ。
 
 
 
彼らはなんと地上に巣を作ってます。
 
巣の横をガラパゴス陸イグアナがのっそり歩いてますが、草食なので大丈夫。
 
 
彼らのすぐ横、1メートルくらい近づいても逃げません。
 
 
あるいはゾウガメの動きは異常に遅い。
 
おそらく時速100mくらい。
 
 
よくこんなのが生き残ってこられたよ。
 
なぜなら天敵がいない太平洋の孤島だから。
 
こんなところに野良猫のつがいでも放ったら、三年ですべての動物が絶滅するね。
 
 
・・・・・そうか。
 
強いものが生き残ってきたのが進化ってもんなんだね。
 
・・・・・とダーウインは考えたんでしょうね。
 
 
なるほどです。
 
 
 
ちなみにガラパゴス島は、その昔は海賊のアジトだったそうで、彼らにとって陸ガメは貴重な保存食だったみたいです。
 
なぜなら陸カメって、4ヶ月餌なしで生きていけるから。
 
ものすごい生命力です。
 
今までの最高齢記録は170歳だそうで、200歳まで生きられるそうです。
 
やっぱり動きがゆっくりしてる方が長生きなんですね。
 
まさに ゾウの時間ネズミの時間 ですね。
 
 
とういうわけで明後日、島をオイトマします。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ガラパゴス雑記 2011年02月05日07:54
 
というわけで散々つぶやいたんですが、ガラパゴス。
 
まるで。。。。
 
 
 
動物園のなかに町があるみたい。
 
 
 
ゴミ置き場の横をふとみたらイグアナが寝てました。
 
魚市場ではペリカンが雑魚を狙い、漁師におっぱらわれてます。
 
その漁師の足元ではアザラシがぴったり寄り添って餌をねだってます。
 
スズメみたいな小さな鳥ももちろん固有種で、パンくずついばんでます。
 
 
 
 
。。。。おまえら、世界遺産なんだろ。
 
もうちょっと世界遺産らしくしろよな。
 
 
 
 
まったく人馴れしていて、動じる気配のない動物たち。
 
カメラマン阪口がイグアナの顔面3センチくらいまでカメラを寄せても。。。。。。動かない。
 
ぼんやり歩いてたら、イグアナ踏んづけそうになってびびりました。
 
 
 
要するに野良猫ならぬ、野良イグアナがあっちこっちにいるんです。
 
 
 
つまり。。。。。
 
 
 
世界遺産なのに、野良。
 
 
 
 
すげえよガラパゴス。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ガラパゴスなう 2011年02月03日06:17
 
40時間かかって、ついさっき到着しました。
 
客引きのセニョーラについていって、一泊ひとり10ドルのコンドミニアムに宿泊。
 
しかしひどい土砂降りです。
 
この二日寝てないし。
 
でも今寝ると時差ぼけ直らないし。。。。
 
がんばって夜まで起きます。
 
続きはまた明日!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
孤立無援の抗議は続く 2011年01月31日14:16
 
エジプト動乱が、ついに内乱状態になったという報道。
 
やはり過激なアラブの血の方が強かったかエジプト人。
 
 
暴徒の一部はカイロの考古学博物館に乱入してミイラを破壊したらしい。
 
ミイラに八つ当たりしてもねえ(笑)
 
 
 
ここで思い出されるのが、イスラムのジャヒリーヤの思想である。
 
ジャヒリーヤというのは「無明時代」と訳される。
 
ムハンマドがイスラム教を始める前の時代のことだ。
 
 
彼らの考えでは、神様は今まで何人も預言者を遣わしたのに、人間は行いを改めなかった。
 
ユダヤ教もキリスト教も不完全なものだった。
 
そして最後に遣わされたのがムハンマドだったと。
 
だからイスラム以前の世界というのはムスリムにとって「明かりのない暗黒時代」なのである。
 
 
そう考えると、タリバンがいとも簡単にバーミヤンの仏教遺跡を爆破してしまった理由がわかるというものだ。
 
あんなものは「無明時代」の頃の連中が作った邪教の産物なのである。
 
タリバンにとっては。
 
 
 
そしておそらく、一般のエジプト人にとっても、ピラミッドをはじめとして大量に出土した人類の遺産も「無明時代」の遺物に過ぎないのである。
 
それを今でも大事に保管しているのは他でもない。
 
外国人旅行者がごっそり金を落としていってくれるからである。
 
 
 
 
もうひとつのニュースは、ムバラクが世襲をあきらめて、側近のオジサンを副大統領に指名したというもの。
 
アラブ諸国の常として、政権の中枢を自分の出身部族者で固めるというのがある。
 
おそらく世襲を止めたとしても、彼ら指導者の利益誘導体質は変わらない。
 
本日の朝日に掲載されていた東大教授の長沢栄治氏の意見もこんな感じだ。
 
 
「今回の反政府デモでムバラク氏の時代は事実上終わった。その後に改革を実行する人間がいるのかを考えると、短期的には悲観的にならざるを得ない。エジプトはチュニジアに比べ、利権や支配構造が複雑だ。ムバラク氏が去れば社会の矛盾が解消するほど単純ではない」
 
 
同氏の解説では、軍事エリート、官僚、ビジネスエリートが結託して特権階級を形成しているという。
 
一般市民も、もちろんそういう汚職の構図は知ってる。
 
ムバラクはこういう連中のスケープゴートとして非難されているに過ぎないのである。
 
 
そしてこういう連中に連なって利益を上げているのは、日本も含めた欧米先進国なのは当然である。
 
アメリカや欧州の国々が、いかにも歯切れの悪い調子でムバラクに改革を求めているのは、要するに現在握っている利権を手放すことになるのをおそれているからだ。
 
 
一方でサウジなどの「暴動が起きると困る国々」も、エジプトのデモを非難している。
 
多民底国家の中国とロシアも沈黙している。
 
 
誰も望まない状態で、エジプト市民の孤立無援の抗議は続く。。。。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「英語支配への異論」 2011年01月30日23:37
 
前に読了した同著。
 
非常に面白かった。
 
面白かった部分を抜き書きしておこう。
 
著作権スレスレか?
 
 
 
現在の世界で情報網を握っているのは欧米である。
 
 
「先のドイツ統一の発端になったのは、西側からの電波の力によるところが多いといわれている。東側の住民は、国境を越えてやってくる西側からのテレビ番組に映し出されている物質的な豊かさに心を大きく揺り動かされ、統一を望むようになったといわれている」
 
「日本からテレビや車といった「モノ」は大量に海外に輸出されているが、日本からの「情報」は極めて乏しい。これは、日本人の努力不足ということも全くなくはないが、世界の情報交流の構造が、日本をはじめ、とくに非西洋圏にとっては、大変不都合にできているのが主な原因である」(津田幸男氏)
 
「英米仏系の通信社がその他の通信社よりも大きな影響力をもっている理由は、今も昔も同じで……日本の共同がその企業規模や財政力にもかかわらず、英米仏の国際通信社と競争することができない最大の理由は言語である」(伊藤陽一氏)
 
 
 
日本が国際社会で存在感が薄いといわれてづけてきた大きな理由のひとつは、まさにこれではないか。
 
もっとも司馬遼太郎によれば日本は「談合体質」なんだそうだ。
 
要するに村の寄り合いの延長である。
 
みんなで合議して、から傘連判状みたいなのをつくって、誰にも責任が及ばないようにする。
 
どこまで行ってもみんなの責任。
 
だからリーダーはいらない。
 
指導力とかそういうのはむしろ邪魔である。
 
だから日本が大統領制ではなくて内閣制をとったのも、大いに理にかなっていると言えるだろう。
 
日本の首相はコロコロ変わって、外国人はなかなか覚えてくれない。
 
影が薄い。
 
それは日本の「村社会」という特性に根ざしているのだろう。
 
 
 
 
「アメリカ人の態度には、『人間というものは、英語を話すものなのだ。まともに話せない奴は、まともな人間じゃない』というような考えが、漠然として存在している」(大石俊一氏の文章内で津田幸男氏の孫引き)
 
「欧米では、そもそも国際化の必要など説くまでもない、というのも、むこうでは、世界の文化がいずれはイギリスかアメリカのような西洋文化へと収斂していくものと前提されているからだ、ということに気づいて衝撃を受けたと告白しているのは、カナダの大学で過ごされた綾部恒雄氏である」(大石俊一氏)
 
 
すごい。
 
そんなにですか!?
 
 
この揺るぎない自信があったればこそ、彼らの尊大な態度、押し出しの強さが可能なんだろうな。
 
おまけにでかいし。
 
 
 
 
 
「(前出の津田氏らについて)彼らによれば、英会話に熱心な人に限って、欧米人に対して「追従的」で「卑屈な」態度をとる「白人崇拝者」である。日本のインテリ、中産階級、そしてとくに若い女性に多いというこれら「英会話中毒」にかかった人達は「ガイジン・コンプレックス」に陥っていて、日本人としての誇りや自主性をもっていない。彼らは欧米人、要するに白人の前に出ると萎縮してしまって自己卑下するばかりであるにもかかわらず、中国人や朝鮮人も含む非白人に対してはその反動からか尊大で差別的態度をとる。彼らは欧米のことになると、歌手、俳優、女優のことからドラグストアのことまで、どうでもいいようなことをよく知っているくせに、自国のことについては無知であり、無関心である」(伊藤陽一氏)
 
 
これはなかなか過激だなあ。
 
かなり反発もありそうだが、傾聴には値する。
 
幸い私はこういう人には会ったことがないが、外国人に対して萎縮するのは、英会話に関係なく、すべての日本人、というよりもすべての非西洋人に共通することだろうな。
 
残念ながら耳の痛い指摘である。
 
 
 
 
「人間は軍事的・政治的影響、経済力の豊かさ、(あくまでも主観的な)「文化水準」などのもろもろの項目について「国家ランキング」を意識している。基準は人によって異なるが、ともかく自分が意識している「国家ランキング」で自国よりも上位にあると考える国々を賞賛し、それらの国々に関する知識を進んで獲得しようとする一方、そのランキングでより下位にあると考える国々に対してはあまり関心を持たない」(伊藤陽一氏)
 
 
これは思うに、途上国の人びとの方がシビアに感じている気がする。
 
一般に言って途上国の人びとの方がレイシスト的な傾向が強い。
 
ミャンマー人に対するタイ人とか。
 
アフガン人に対するイラン人とか。
 
「can you speak english?」
 
と露骨に聞いてくる中東あたりの連中も、我々に対するランキング付け(要するに値踏み)をしているとも言えるだろうか。
 
 
 
 
「英語国は軍事力、経済力に加えて強力な宣伝力を持っている。そのことを考えると、英語国を敵に回すことはきわめて危険だということをよく認識すべきである」
 
「世界の世論に最も強い影響力を持つ勢力は「正義」を作る力を持っているからである」(伊藤陽一氏)
 
 
明らかにアメリカを念頭に置いている発言である。
 
情報を握っている勢力が「正義」を作る力を持つ。
 
まさに真理だ。
 
「正義」というのは自明のものではない。
 
意図的に創作されるものなのだ。
 
そしてアメリカ人は「正義のヒーロー」に弱い(笑)
 
 
 
 
「近代ヨーロッパで「自由・平等・博愛」のスローガンが打ち上げられた後に(「後に」に傍点)、過酷なアジア支配が始まったという事実(そしてわが国もそれに追随したという事実)を忘れてはならない。そして、ヨーロッパ人がこの事実を今なお恥じておらず、むしろ正当だと見なしていることを忘れてはならない」(中島義道氏)
 
 
 
西洋人は植民地主義を恥じていない。
 
反省してもいない。
 
なぜならダーウインが「適者生存」と言ってるじゃないか。
 
それが彼らの立場なのだ。
 
 
じゃなければ、原爆の被害者を嘲笑する番組を平気で作れるわけがない。
 
 
 
「アフリカの独立を避けることができないと知った植民地支配者は、一部のエリート知識人を養成すべく「本国」の大学で学ばせ、アフリカに独立を与えた後も、彼らと手を結んで生き延びる方法を見いだしたのである」(楠瀬佳子)
 
 
そうだろうと思ってたよ。
 
結局現在も続く長期独裁政権は、こうやって欧米の「お墨付き」を得て生き延びてきたわけだ。
 
いま、欧米はベンアリやムバラクを非難する声明を次々に出しているわけだが、こういう文脈で考えれば、それが茶番であることがよくわかる。
 
そして前出の、正義はいつも英語圏の人びとが握っているのだということを痛感するのだった。
 
 
 
「(前出の大石氏は)とくに心理学の概念である「一体化」を用いて、被害者は強い加害者と一体化することにより、自らも加害者になることに注目し、同じことが支配者と被支配者、あるいは言語強者と言語弱者にもいえると指摘しているつまり、英語がペラペラになったような気分になり、そうでない人を侮辱するということが、実際いま地球的規模で起きている、といえる」(楠瀬佳子)
 
 
こういう人に世界中で会ったけれど、いずれも途上国の人達であったことが悲しい現実である。
 
楠瀬氏はアフリカ人文学者の言葉を引用している。
 
 
「英語は芸術、科学その他一切の学問分野の知性と能力の物差しとなった」
 
 
英語や仏語が話せなければ社会的地位は得られない。
 
それが多くの途上国の悲しい現実である。
 
そしてそれを意図的に扇動して、国益につなげている国々に怒りを覚えるのは私だけではないだろう。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
エジプト動乱とアメリカのお粗末な対応 2011年01月30日10:54
 
エジプトのデモがたいへんなことになってしまった。
 
ムバラクがビシビシ取り締まって下火になるものと思っていたら。
 
原因はムバラクの演説らしい。
 
 
「閣僚はすべてクビ!(でも自分は残留)」
 
 
それじゃあ誰も納得しないよ。
 
誰が一番悪党か、みんな知ってるんだから。
 
 
それにしてもチュニジアで店舗焼き討ちや強奪が相次いだのに比較して、エジプシャンの比較的平穏な対応は特筆に値する。
 
 
エジプトという国は、他のアラブ諸国と比べて、若干気質が違うと言われている。
 
アラブが遊牧の人びとであったのにたいして、エジプトは農業の人たちだった。
 
ナイル川に恵まれて、ノンビリと畑を耕してきた人たちなのである。
 
だからその気質はインド人に近い、なにか悠久なものを持っているという指摘がある(出典が明記できないのですが)
 
 
 
それにしても今回の事件で、なんといっても情けなかったのはアメリカの対応だよね。
 
アメリカはパキのムシャラフと同様、独裁者ムバラクを支持してきた。
 
なぜならアルカイダの対抗勢力だからである。
 
 
なぜムバラクがアルカイダに対抗するのかといえば、エジプトが観光立国だからである(陰ではアルカイダに相当の金を渡して自国でテロしないようにお願いしてるんだろうが)。
 
エジプト政府はテロが起きて外国人観光客が減るのを最もおそれているのだ。
 
 
 
オバマは「改革の実行」をムバラクに求めたという。
 
要するに引退しないでがんばれと。
 
でも今のままだとマズイぞと。
 
 
30年も大統領に納まり、息子への世襲を企て、自分の名前の駅を冠した地下鉄駅をつくるほど厚顔な政治家を、いまだに応援しているわけだ。
 
 
しかも朝日の報道によれば、この期に及んでエジプトに対する軍事援助の減額を宣言したという。
 
遅えよ。
 
 
そういうことを考えていくと、彼らが常日頃から聖句のように発言する「民主主義」というものが、単なる外交カードに過ぎないのではないかとさえ思えてくる。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
さらわれる少数民族 2011年01月28日12:09
 
本日の朝日新聞の国際面から。
 
ベトナム北部の、中国国境に近いモン族の寒村などで、少数民族の若い女性が「人さらい」にあう被害が増えているそうだ。
 
女性たちは中国に連れて行かれ、中国人妻、売春、臓器移植などを強制されるという。
 
 
 
しかし記事をよく読んでいると、最初は女性たちの「意志」で勧誘について行ったことがわかる。
 
優しそうな男性に惑わされて、そして貧困から抜け出したくてついて行く。
 
だから命からがら逃げてきても、家族は、
 
「自分から中国に行ったんだろう」
 
と冷たいという。
 
 
 
この事件の背景には、当然ながら貧困がある。
 
モン族というのはベトナム戦争当時、米軍がゲリラ部隊としてベトコンと戦わせた人たちである。
 
米軍が撤退するときアメリカ政府はモン族の一部を救出して、アメリカに住まわせた。
 
しかしすべてのモン族を連れて行くのはもちろんムリで、取り残された人が大勢いる。
 
戦後、彼らがベトナム政府に弾圧されるのは当然のことだった。
 
だからモン族の人びとは、他の少数民族と比べて、ひどく貧しいのだ。
 
 
 
以前、ラオス国内のモン族の集落を訪ねたことがある。
 
新聞記事の家庭では、
 
 
「天井からぶら下がる裸電球と電話以外に、電化製品と呼べるものはみあたらない」
 
 
と書いてあるけれど、電話が来ているだけでも、相当恵まれた方ではないかと思う。
 
我々が訪ねた村では、電話どころか、電気も水道も道路も整備されてなかった。
 
村人のごちそうはオタマジャクシだった。
 
子供たちの何人かは金髪で(栄養不足になると色素が薄くなる)、腹が出ていた。
 
すさまじい貧困集落だった。
 
だから彼女たちが甘言にだまされるのも、家族が「帰ってくるな」というのも、わかる気がするのだ。
 
 
 
 
この記事を読んで、私たちは街の義援金に募金したり、流行の里親になったりするのかもしれない。
 
しかし記事最後の、ハノイのJICA職員の次の言葉、
 
 
「支援策を強化しても、一番必要とされる人たちに届けることが非常に難しい。少数民族や貧困など、格差の問題がそこにある」
 
 
を注意深く読んでいただきたい。
 
 
単に「難しい」のではなく「非常に難しい」のである。
 
 
要するに途中でピンハネされて、ほとんど残らないわけだ。
 
 
募金したり里親になったりする気持ちは尊いものである。
 
しかしそれで我々の贅沢三昧の暮らしがエクスキューズされるわけでもない。
 
そしてその「気持ち」が本当に必要な人たちに届いているわけでもない。
 
そして、「だったらなにができるのか」といわれても、私にもわからないのである。
 
 
私にできることといえば、たまに知り合う外国人たちに、できるだけ親切にすることくらいしかない。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
はっきり言って甘い! 2011年01月26日20:25
 
以下、オリコンニュースからの転載です。
 
 
 世界27ヶ国・19言語で展開している旅行クチコミサイト『トリップアドバイザー』を運営するトリップアドバイザー日本法人は26日、世界中の旅行者の口コミをもとにしたアジア・ヨーロッパ・アメリカが対象の『世界の汚いホテルランキング2011』を発表した。アジア地域の1位はシンガポールの国立公園内に立つホテルで、インドからはアジア最多の4軒がランクイン。ユーザーからは「道路で寝た方がよほど清潔」「地球の底辺」「宇宙一汚いほら穴」などの嘆きと怒りのコメントと共に、強烈な旅行体験記が寄せられている。
 
 
 汚いホテルアジア編1位に輝いた【ゴールドキストビーチリゾート】はシンガポール東海岸一帯に広がる国立公園イースト・コースト・パーク内にある宿泊施設。パーク内には各種スポーツ・レジャー施設やフードコートもあり、旅を楽しむには非常に便利な場所にある……はずなのだが、寄せられたユーザーコメントはすべて辛らつ。「ホテルではなく泊まれる海の家といった感じ」「あまりに部屋の状態がひどいのでレセプションに電話をしようとしたが、電話も壊れていた」「髪の毛がフロア中に落ちていて、この一年一度も洗ってないかのよう」など声があがっている。
 
 2位に選ばれたのはマレーシア・ポートディクソンの【コーラス パラダイスリゾート】、3位はシンガポールの【アスピナルズ ホテル】。インドは4位、5位、6位、8位にランクインした。
 
 汚いホテルヨーロッパ編1位はトルコ・ボルドム半島にある【クラブ アクア ガンベット】で、「バルコニー付きの刑務所」「プールは髪の毛や油が浮かび、シャワーの水は臭く、部屋は汚すぎた」などの声が。また、TOP10のうちイギリスとオランダのホテルがそれぞれ4軒入った。アメリカ編はテネシー州の【グランドリゾート ホテル&コンベンションセンター】が不名誉な1位を獲得している。
 
 同ランキングはサイトに世界中から寄せられたクチコミをもとに集計。なお、今回で6回目となる同ランキングだがこれまでに日本のホテルは1度もTOP10に入ったことがなく、日本のホテルがいかに清潔かを証明する結果となった。
 
 
 
 
 
というわけで、文句タラタラの結果なわけだが、しかし、こんなのは甘い方である。
 
以下、以前書いた文章で、そのままお蔵入りになってたのがあるので、悔しいからここで掲載します。
 
 
 
 
 
 
インドネシアくそホテル事情
 
東南アジアでホテルのレベルが高いのはダントツでベトナムである。
七ドルも出せばテレビ、冷蔵庫、エアコン、ホットシャワー、さらには朝食までもついた清潔な一室があてがわれる。おばさんの愛想は別として掃除も行き届いているし、電気がつかないとかトレペのホルダーが便器から二メートルも離れたところについているとかいうこともない。しかも朝食の目玉焼きはふたつである。
 
このような清潔で快適でサービスの行き届いたベトナムのホテル事情とまさに好対照なのがインドネシアである。それは筆舌に尽くしがたいほどに劣悪で、サービスのサの字を冠するのも憚られるくらいである。客商売というものをなめているとしか思えない。
 
僕は、掃除というものをまったくしない、そしてエアコンさえあれば料金をつり上げられると勘違いしている地元ホテル業者に正義の鉄槌を食らわしてやるために、この告発文を書いているのである。
 
以下、ホテルのオーナーに償ってもらうべき刑事責任と併せてお読みいただきたい。
 
 
 
 
最低ホテルその1 ボルネオ「くそ」ホテル
 
【罪状】
このホテルはジャカルタの安宿街ジャランジャクサの枝道に位置する最低のホテルである。我々はこのホテルを呼ぶ時はボルネオ「くそ」ホテルと呼ぶ。
 
このホテルの最低ぶりを一番に象徴しているのはそのトイレである。
 
例によって便器は便座のない洋式である。汚い洋式トイレは尻が接する部分があるという点において汚い和式トイレに劣る。水で尻を洗う彼らの文化からしてスクワット型トイレは理にかなっているのであるが、それをわざわざ洋式に改悪しているところですでに有罪である。
 
個室内は不潔である。一秒でも早く行為を済ませて出ていきたい空間である。四方の壁と天井と床が全部汚い。そしてその最低ぶりをさらに印象づけるのが手桶である。手桶はむろん尻を洗い流すのとトイレを洗浄するのに利用するわけだが、この手桶、中程から半分以上に亀裂が入っているのである。だから水は汲み上げるたびに大量にこぼれ、全体の三分の一しかくみ取ることができない。そして例によって水垢ぬるぬるである。水垢ぬるぬるは他にもいくらでも例があるのでここでは訴追しない。ここで告発されるべきはひとつ。
 
壊れた手桶をなぜ買い換えないのか。
 
なぜだ。なんならオレが買ってきてやろうか?
 
「手桶壊れてるぞ。知ってるか?」
 
おやじに聞いてやろうかと思った。しかしもちろん宿のオヤジは知っているに違いないのだ。そして知っているにもかかわらず、買い換える気がないのである。
 
なぜか。
 
なぜなら自分たちが使用しないからである。
 
これを最低と言わずしてなんと言おう。
 
他にも、部屋に水の出ない洗面台が設置してあり、これは水が出たら出たで気味が悪いが、出ないならそれも不気味である。また向かいのシングルには一日中賭トランプをして遊んでいるインド人と思われる不可解な男たちが四人も住んでいたりするが、そんなことよりも抜群に最低だったのはこのトイレである。これがボルネオ「くそ」ホテルと我々が呼ぶ所以である。
 
【論告】清掃怠慢、維持管理不行き届き、受付のおやじは確かに愛想はよいが酌量の余地なし。
 
【判決】死刑
 
 
 
最低ホテルその2 レジェンド「くそ」ホテル
 
【罪状】
このホテルはスラベシ島最大の商業都市ウジュンパンダンで外国人ツーリストがよく利用するとても不潔な宿である。
 
このくそホテルの特徴はなんといっても最上階のダブルルームに尽きる。一階は受付と簡単な応接セットが置かれており、二階がベニヤ板で隔離した窓のないタコ部屋が並ぶ。三階はこのホテルで唯一まともで風通しのよいドミトリーと、地べたに座布団を敷いて座るタイプの広い談話室がある。
 
そして厨房の奥の細くて急ならせん階段をえっちらおっちら登ったその先に、我々が泊まった一番値段の高いダブルのA室がある。
 
建物自体が相当古いので全体に不潔ではあるが、高いぶん部屋は広い。不気味なのは部屋の奥にある、分不相応な脱衣場を兼ね備えたシャワールームである。
 
脱衣場にゴキブリの死骸が転がっていたことだけでも、この部屋がまともに掃除されたことなど一度もないことを物語っている。シャワーはヘッドの取れた状態で壁から管が突き出ており、蛇口をひねると確かに水は出た。しかしシャワー室および脱衣場に足を踏み入れると、なんとなくどんよりとカビ臭いような妙な臭いがするのである。だから僕も嫁もついに一度もここのシャワーは使わなかった。
 
シャワー兼トイレは同じ四階にもうひとつあった。インドネシアのフロは一般にカマルマンディという。他の東南アジアの国と同じで、水を張った水槽とトイレがセットになっており、水浴びとトイレの水洗を兼ねているのだが、ここがまた汚かった。目地という目地はことごとく真っ黒なカビが生え、身体の垢とフケが水にたまって腐ったようなドロリとした液体が排水溝の出口に溜まっていた。排水構造が悪いので水の流れが極端に遅く、それらのぬめった汚水が水を浴びるたびに徐々に嵩を増してくるのである。ラブクラフトの怪奇小説に出てくるような不気味さである。何十年も床掃除などされずにべったりと張り付いてきた先人旅行者たちの垢と脂のかたまりが、床からはねる水のしぶきとともに自分の足にかかっているのかと思うと背筋がぞっとするくらいの悪寒がした。不潔すぎる。汚すぎる。
 
そしてこのホテルのもうひとつ不気味な場所は、同じ四階のトイレの横にある台所である。この台所にはいつから置いてあるのか、ひからびたみかんの皮が放り出してあり、水垢のついた、絶対に使用したくないガラスコップが幾つか伏せてある。そして天袋の収納にはなぜかカラのペットボトルがうずたかく積んであるのだ。さらにその脇にはなぜか鉄の梯子が据え付けられており、天井近くにちょうど人ひとりが這って入れるくらいの真っ暗な穴が開いているのである!
 
この恐ろしい宿、一泊40000ルピア(約500円)だった。
 
【論告】清掃怠慢、宿泊客の利便性を無視した建築、不気味な穴、手ごろな価格で冷えたビールを販売していることは評価できるが、バスの出発時間を間違えて教えやがったためにあわててしまい、ビタミン剤を置き忘れてしまったことにより相殺。
 
【判決】死刑
 
 
 
 
最低ホテルその3 イブコンダ
 
【罪状】
このホテル、というかボロコテージは、スラベシ島の北端、マナドの沖に浮かぶブナケン島という、ダイバーの間ではわりと有名な島にある格安宿である。この島にはパンタイリアンという世界最大のドロップオフと言われているダイビングポイントがあって、そのせいで外国人ツーリストが集まっているのだがそんなことはイブコンダのボロさとはなんの関係もない。
 
このボロコテージはまず人がいない。僕たちが泊まったのはパンタイリアンが見渡せるかなり見晴らしのいいコテージで、コテージというと誤解を招きそうなのでここから先は鶏小屋としよう。鶏小屋からは遙か船の軌跡などが見渡せるのである。それはもちろんいいのだが、鶏小屋自体は板きれを張り合わせニッパ椰子の葉っぱを重ねて屋根を葺いてマンディをくっつけただけの、台風でも来ればマンディ以外は簡単に飛んでいってしまいそうなものである。扇風機はなくて蚊帳がつってあり裸電球がぶら下がっている。しばらくすると宿のおにいちゃんが水を汲んできてくれた。もちろん水道などない世界である。おにいちゃんはマンディの水槽にポリタンクの水を空けようとした。
 
「ちょっと待って!」
 
その時嫁が声をあげた。
 
そして嫁は懐中電灯を取り出し、恐る恐るマンディの中をのぞき込んだ。昼間は電気がつかないので薄暗い。よく見えない。水はいつ汲まれたのか、底の方にかなりよどんで溜まっていることは確かである。緑色に濁っている気もする。そしてドロリとした水たまりの中に、「ゴ」がつく昆虫と思われる、黒い水死体を発見した時、彼女は悲鳴を上げたのである。
 
その後、僕はマンディ一帯を彼女が持参した食器用スポンジで(日本から持ってきていたのである。すごい執念)ゴシゴシと掃除しなければならなかったのである。
 
ここで僕は宿の従業員にひと言言いたいのである。
 
なんでオレが掃除しなきゃなんねーんだよ。
 
【論告】清掃怠慢。雨漏り。しかしファミリー経営で愛想が良く、かつ好立地条件で情状酌量
 
【判決】禁固10年
 
 
 
 
最低ホテルその4 アングレックホテル
 
【罪状】
このホテルはスラベシ島のマナドで泊まった。見た目はわりときれいだが、部屋に入ってみると大したことはない。こういうパターンはインドネシアでは多い。
 
このホテルは今回の旅行で一番高かった。ダブルで一泊85.000ルピア(約1200円)である。古いホテルにエアコンをくっつけて料金をつり上げるという浅はかなオーナーの魂胆が見え見えである。ここのホテルで腹が立ったのはなんといっても断水である。僕たちはブナケン島というインフラがまったく整備されていない島で一週間も過ごしてようやく文明の町に戻って来たのである。そういう僕たちがまず最初にやりたかったことはと言えば、冷たいビールを飲むことと、そしてたっぷりの水で心ゆくまでマンディを楽しむということだったのである。その夢が、断水という初歩的なインフラ整備不良で簡単に破られてしまったのである。さっきまで勢いよくというほどでもないがちゃんと流れていた水道水が、いつの間にか糸のように細くなり、ついには一滴も出なくなった。ボーイの話では貯水タンクが空になったためらしい。お前たちに言っておく。なんのための貯水タンクなのだ。
 
結局僕は水槽の中ほどくらいに溜まったマンディを不服ながら大事に大事に使うことになってしまった。水は結局次の日の朝まで一滴たりとも出ることはなかったのである。あの高い宿泊料金は、やはりエアコンがあるがためのもので、それ以外のなにものでもないことは、この事実によっても明かである。断水は公共設備の不備とはいえ、日頃から貯水タンクに水を蓄えておかないホテル側の過失も重いと言わざるをえない。
 
ちなみにここの宿の水差しにはミミズの小さいのがヘビ玉のように固まってうねうねと動いているのが浮かんでいたことも申し添えておこう。
 
【論告】維持管理不行き届き、不当に高い料金設定
 
【判決】無期懲役
 
 
 
番外編 ピピ島の名前も忘れた安宿
 
【罪状】
ここの宿に泊まったのは三月で、観光シーズンのピークである。ゆえにどこの宿も満室&ハイプライスでどうしようもないという状態で、ようやく400バーツというあまりに高い値段で見つけたのがここの宿である。古くてぼろくて、しかも改装工事中である。廊下に転がった材木を踏み越えて一番奥の部屋に到達すると、そこは窓がひとつもない薄暗い部屋だった。
 
なんとなくどんよりと空気がよどみ、湿気が多く、外より明らかに三度は高かった。電気を消すと昼間でも真っ暗である。なんとなく気味が悪い。もちろんこんなダメ宿には泊まりたくもないのだが、なにしろシーズン中なので致し方ない。一晩だけ我慢して明日改めて探そうということで、荷をほどいてシャワーに入った。
 
シャワー室はただでさえ狭い便所の一部をぶっ壊して、シャワーヘッドと洗面台と洋式便器を無理矢理ねじ込んだという状態で、洗面台が邪魔で上半身を便所の方に斜めにしないと満足に水を浴びれない。そしてその洗面台の高さが異常に高い。僕の嫁ならほとんど肩の位置に据え付けられている。つまり190センチくらいないと快適に使えない高さなのである。現地の連中にしてみれば自分たちが普段利用しないから、使い勝手の悪さを理解できないのかもしれないし、どうせ自分たちが使わないからどうでもいいのかもしれない。過失か故意かはわからないが、こういう間違った作りの洗面台は東南アジア各地にある。そしてその理由のひとつはアメリカンスタンダードをはじめとする欧米の陶器会社がアジア人の体格を無視した商品を売りつけたために、足がつかないくらいに高い便器やこのような異常に高い位置の洗面台が普及してしまったとも言えるのである。酌量の余地は確かにありそうだ。
 
そんなことを思いながら、うんこをしようと思って便器に腰を下ろした。その瞬間である。
 
ごとり。
 
と音がして、僕はそのまま便器ごとひっくり返ってしまったのである。なんと便器が接着されていなかったのである。
 
このことによって叙情酌量および執行猶予は取り消しと見なす。
 
【論告】欠陥建築、不当に高い料金設定、絶対オバケがいる。
 
【判決】死刑
 
 
 
 
総括
 
関係ないけど、齢30を過ぎて年齢を感じるようになったなあ、とつくづく思うようになったことのひとつに、うんこが我慢できなくなったことがある。
 
二十歳の頃はうんこは自分の家のトイレでしかしない、駅の便所なんか汚くて入れるかくらいに考えていたにもかかわらず、このごろは便意を催すと五分と我慢していられなくなったのである。これは要するに排泄物を体内に蓄えておく余裕がなくなり、一刻も早く体外に排出しないと健康が保てないというシグナルであり、つまりは老化、である。だから二十歳くらいのばりばりの旅行者だった頃はトイレの汚さなんてどうってことなく、「安いこと」それだけが唯一の条件であったのが、今ではこうやってぶつぶつと文句を並べ立てるようになってしまった。
 
身体の許容範囲が狭くなったと同時に、ホテルの許容範囲も狭くなってしまったのである。
 
それと同時にこの歳になってもチープなホテルに泊まり続けている甲斐性のない自分が、まあ好きで泊まっているとは言っても、なんとなく情けなく感じてしまうのである。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
インド料理店のからくり 2011年01月26日09:47
 
昨日、某友人から、ちょっと面白い話を聞いたので、そのことを書きます。
 
 
その友人の話によれば、最近、高円寺にインド料理店が異常に増えているんだそうだ。
 
しかもその店の多くは、ほとんど客が入ってない。
 
そしてあっという間に閉店する。
 
さらに数ヵ月後には新しいインド料理店が開店する。
 
しかしその店も繁盛しない。
 
閑古鳥が鳴いたまま閉店する。
 
そして数ヵ月後に新しい店が。。。。
 
 
ということを延々と繰り返しているというのだ。
 
 
そのからくりについての友人の解説である。
 
 
「実は就労ビザで儲けてるらしいんだよね。店主は従業員といってインド人を呼び寄せ、手数料としてひとり100万円とか要求する。そいつは就労ビザで入国して、実際はその店では働かない。つまり就労ビザの斡旋で儲けてるから、インド料理屋なんてどうでもいいんだよ」
 
 
 
うちの近くの青梅にも、いつ行っても客が入ってないインド料理店があった。
 
地元の友人も、いつも客がいない、その店がなぜ長々と続いているのか不思議がっていた。
 
おそらくアレもビザ斡旋業で儲けているインド人の店なのではないだろうか。
 
 
 
しかしここで私は思うのだ。
 
彼らの不正を指摘するのは簡単なことである。
 
しかし一方で、なぜ入管が、彼らを取り締まらないのか。
 
それが問題ではないかと思う。
 
 
 
そうやって不法就労しているインド人たちは、ひどい低賃金で、なんの社会保障もないまま、永住権ももらえないまま、弱い立場のまま働いているわけでだ。
 
要するに日本の底辺で3K仕事を支えているのは彼らなのである。
 
そしてもしも会社が不景気になれば即座に解雇される。
 
警察にちくられればいっぱつで逮捕されるのだ。
 
 
 
 
要するにこういうことである。
 
 
彼らは単なる雇用の安全弁に過ぎず、そういう意味で、当局のお目こぼしでどうにでもなる日本にとって大変便利な存在なのである。
 
 
 
こういうことはどこの先進国でもやっていることだ。
 
 
ひとりあたりのGDP世界一のルクセンブルグが、実はアジアやアフリカからの大量の不法就労者によって達成されていることは前に書いた。
 
 
なぜちゃんと就労ビザを発給しないのか。
 
なぜ日本社会に貢献した彼らに永住権を与えないのか。
 
 
 
やっぱり私たちは途上国の人々に足を向けては寝られない。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
燃え上がるアラブの民主化デモ 2011年01月24日13:29
 
チュニジアの暴動をきっかけに、アラブ諸国で反政府デモが続発しているらしい。
 
朝日新聞によれば、アルジェリア、エジプト、イエメン、ヨルダンなどで、警察と民衆との小競り合いや、焼身自殺が相次いでいるらしい。
 
しかしその他の独裁国家、たとえばリビアとかシリア、スーダンなんかで、そういうデモすら起きていないというのは、さらに強力な独裁者がガッチリ民衆を監視しているということなのかもしれず、むしろそっちの方があくどいのでは? という気もしないでもないんだが、それはともかく。
 
 
中世のアラブの歴史家イブン・ハルドウーンという人は、こんなことを言っている。
 
 
「アラブの王朝は三代・100年しか続かない!」
 
 
つまりこういうことらしい。
 
一代目は文句なしの実力者でカリスマ性もあるから、みんなついてくる。
 
二代目は一代目の苦労を知っているので、無難に政権を運営する。
 
三代目になるとただのボンクラである。
 
周りの側近が力を持ち始め、その中から実力&カリスマのあるヤツがクーデターを起こす。
 
かくして新しい一代目となるわけである。
 
 
こうやってアラブの王朝史は「三代・100年」が延々と続いてきたわけだ。
 
 
 
 
そこで今回の民主化デモである。
 
私が思うに、現政権の独裁者が倒されたとしても、次の独裁者が現れると思う。
 
そして新しい警察国家、強権国家が始まる。
 
要するにアタマがすげ変わっただけで、中身はなんにも変わらない。
 
インターネットの普及で、「三代・100年」が「一代・30年」くらいになるかもしれないが、基本的な汚職体質は変わらないのではないかと思う。
 
なぜなら彼らは身内至上主義の「ハビビな人々」だからである。
 
 
 
アラブにはもうひとつ有名なことがある。
 
 
「アラブの砂は強く握ってないとバラバラになる」
 
 
有能な指導者の下では、アラブは結束するけれど、ひとたび指導者がいなくなれば、てんでバラバラになってしまう。
 
アラブ人というのはもともと遊牧と交易で生きてきた人たちだから、独立心が強いといわれる。
 
 
 
そういうことを考えると、この地域には強力なリーダー、つまり独裁者が、いつも必要なのではないかと思うのだ。
 
いくら民主主義だなんだといって選挙で大統領を選んだとしても、そのえらばれた人が「ハビビな人」なんだから、汚職して当然なのである。
 
 
「民主主義が人類の英知だ」とかいうのは、西洋人の幻想に過ぎないのではないかと私には思える。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
二重被爆者を笑い者に BBCが謝罪 2011年01月22日12:12
 
 イギリスの「BBC」が、広島と長崎で2度にわたり被爆した男性をお笑い番組で取り上げた問題で、BBCは、日本大使館の抗議に対し「不適切だった」と謝罪した。
 番組では、広島と長崎で2度被爆し、去年、死去した山口彊さんについて「世界一運が悪い男」と紹介。原爆が落ちた後、山口さんが電車で長崎に戻ったことを説明し、スタジオが笑いに包まれる場面もあった。この番組に対し、日本大使館は「不適切で無神経」だとして書面で抗議した。
 一方、BBCはNNNの取材に対し「被爆体験について日本人の感情を傷つける不適切なものだった」とコメントし、近く、日本大使館に正式に謝罪文を送るとしている。 (日テレNEWS24 - 01月22日 09:46)
 
 
 
 
あの公正な報道で知られるBBCが、こんなアホな番組で名声を落とすとはモッタイナイ。
 
しかし日本も、中曽根の「知的水準発言」みたいに、失礼なことを言う政治家がいるんだから、BBCを非難できない気もするよね。
 
みんな「思ってるけど言わない」から世の中が成り立っているんだろうからね。
 
そういう意味でマナー違反ではありますよね。
 
 
 
番組担当者は日本人が見ないと思ってたんでしょうか。
 
あるいは見てもクレームが来ないと思ってたのかな。
 
さらにはクレームが来てもたいした問題じゃないと思ってたのかな。
 
 
 
それにしても、西洋人一般にとって、原爆投下とか被害者の心境なんていうのは、まったく他人事なんだということが、これでよくわかった気がする。
 
世界唯一の被爆国だと私たちが声を上げても、そんなの世界レベルでは、別にたいしたことじゃないのかもしれない。
 
 
むしろそっちの方が興味深い。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
マスクとブルカ 2011年01月19日13:04
 
本日の朝日新聞社会面に「だてマスク」の記事があった。
 
中高生の間で年中マスクをつける人が増えているというのだ。
 
 
「なんとなくつけてると安心する」
 
「顔を隠せて視線にさらされない安心感がある」
 
 
などが理由なんだそうだ。
 
 
 
そこでブルカである。
 
イスラム女性の抑圧の象徴といわれるブルカ。
 
親に強制され、というよりも社会的に強制されて、みんな仕方なくつけているといわれ、欧米のフェミニストが昔から文句を言っている。
 
 
 
しかし実際は、上の中高生と同じく、自主的につけている人が多い。
 
要するに素顔を他人に見られるのが恥ずかしい文化なのだ。
 
 
 
肌の露出が、どこまでは許容されるかというのは、その地域の習慣によるところが大きい。
 
エジプトのピラミッド観光で、アメリカ人の男が上半身裸で平気で歩き回っていたりするけれど、それはイスラム社会では「ありえない」ことである。
 
 
日本でも場所によるよね。
 
江ノ島なら許されるけど新宿ならどうよ、とか。
 
 
他人の習慣を自分のモノサシで計り、言いがかりをつけるのはよくないよね。
 
 
でもマスクは、欧米だと「アウトブレイク的に」異常なことらしいので、ヨーロッパに行くときは着けない方がいいと思うよ。君たち。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
国際特別法廷ってなんだ? 2011年01月19日11:30
 
レバノンのハリリ元首相が暗殺された事件の容疑者が訴追。
 
 
本日の朝日新聞国際面に出てるのは、国際特別法廷というところでの話である。
 
 
 
殺された元首相というのは、スンニ派イスラム教徒だった。
 
当然シーア派とは仲が悪い。
 
レバノンは中東で例外的にキリスト教徒が多い地域だが、最近はシーア派住民が増えて、人口の半分を占めてるという。
 
 
よってヒズボラなどのシーア派勢力が伸張している。
 
ということは、シリア、イランの影響が強くなるということである。
 
 
5年も前の事件を蒸し返して訴追とか始めるのは、シーア派主導の組閣を妨害するためなのは明かだろう。
 
国際特別法廷とかいう公平な機関を装ってはいるけれど、実際はアメリカ、イスラエルの提灯みたいなモノなんだろうなあ。
 
 
 
そういえばスーダンの大統領も「指名手配」されてた。
 
もちろん独裁者であることは確かだろう。
 
しかしそれならなぜ、今までチュニジアの大統領は黙認してたんだろう?
 
そしていまも国民を搾取し続けるアフリカや南米の支配階級の責任は、なぜ追及しないんだろうか。。
 
 
 
訴追についてオバマは、
 
「レバノン国民にとって正義を達成するためのステップ」
 
とコメントしたそうだ。
 
正義というなら、国民の半分を占めるシーア派の意見こそ正義なんじゃないの?
 
 
 
世の中は不公平すぎるよね。
 
日本に生まれてホントによかった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
イランの核施設にサイバー攻撃 2011年01月17日11:15
 
イスラエルのハッカー集団が、イランの各施設にサイバー攻撃をかけたそうだ。
 
そしてそれはオバマも容認していたという。
 
 
「イランは無法国家だ」と、いつも非難しているアメリカだが、自分も似たようなもんじゃないか。
 
まあどこの国も似たようなことをやっているわけだけどさ。
 
 
 
メディア報道はいつも、
 
「国際社会がイランを非難している」
 
と表現する。
 
しかし国際社会って、いったい誰のことなんだろうかと思う。
 
彼らの主旨からすれば、それは西側西洋諸国ということだろう。
 
それを「全世界」にすり替えているに過ぎない。
 
 
そしてイランに関しての「国際社会」とは、じつはイスラエルとサウジアラビアとアメリカのことではないだろうかと思う。
 
 
 
イスラエルはもちろんイランが核を持つと困る。
 
アメリカはその核がテロリストに渡るのをおそれる。
 
そしてサウジは、シーア派のイランが自分とこ以上に力をつけるのをおそれる。
 
こうして各方面からイランは叩かれるのである。
 
 
 
「国際社会」から悪者に仕立て上げられるイランという国。
 
イランは世界でもっとも風評被害を受けている国ではないかと思う。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
漱石の倫敦、ハワードのロンドン 2011年01月16日20:06
 
「漱石の倫敦、ハワードのロンドン」(東秀紀 中公新書)
 
 
夏目漱石がイギリス留学していた1900年頃のロンドンの都市計画について、漱石の足跡をシンクロさせながら語るという凝った内容。
 
当時のイギリスが、現在の日本が直面している、まさに同じ問題を抱えていたことがわかる。
 
産業革命が進み、貧富の差が増大し、住宅問題や労働問題が表面化したロンドンは、東京のほうがまだマシとしても、ほとんど近い状況なのに驚かされる。
 
たとえば、ロンドンでなくなったとある婦人についての記録。
 
 
「(彼女の)部屋には、寝台や寝具はおろかそのほかの家具さえもなかった。彼女はその息子のかたわらに、ひとかたまりの羽毛のうえで死んでいた。……調べてみて医者は死体がまったくやせ衰え、身体いちめん毒虫に刺されていることがわかった。部屋の一部はひきはがされていて、その穴は、家族のものによって便所として利用されていた」
 
 
……悲惨である。
 
なんだか独居同人の孤独死を思い出す。
 
これが150年前のロンドンの姿なのだ。
 
ロンドンは、世界の工場であったイギリスが凋落してからというもの、金融の中心として発展を続けた。
 
要するに自分ではモノはつくらず、モノをつくる、あるいは運ぶ企業に資本投資して儲けることにシフトしたわけだ。
 
 
「十九世紀後半、工業生産ではアメリカの後塵を拝するようになってから、英国は「世界の工場」から「世界の銀行」へと転換していった。そしてこの「陽の没することのない帝国」としての世界経済の支配は、海外投資の莫大な金額の利子や配当を史上空前の不労所得として英国国内に流し込み、英国人のライフスタイルを変えていったのである」
 
 
こうしてボロ儲けした不労所得者のかげで、不景気にあえぎながら不衛生なウサギ小屋の片隅で、毒虫に身体中を刺されながら暮らす人びとがいた。
 
それが産業革命の陰の部分なのだった。
 
 
世界有数の金持ち国家にもかかわらず、仕事も家もなくネットカフェで暮らす人びとがたくさんいる日本社会と状況は近い。
 
 
 
このような状況を見聞してきた漱石は、以下のようなメモを残しているそうだ。
 
 
「無学不徳義にても金あれば世に勢力を有するに至る事を事実に示したる故、国民は窮屈なる徳義を棄て、ただ金をとりて威張らんとするに至りし事。
自由主義は秩序を壊乱せる事。
その結果愚なるもの無教育なるもの齢するに足らざるもの不徳義のものを士大夫の社会に入れたる事」
 
 
自由主義は秩序を壊乱する。
 
 
イスラム社会が西洋資本主義に頑強に抵抗しているのは、まさにこの点によるのではないかという気がする。
 
 
金のあるものが威張る社会。
 
若年のものが目上のものに敬意を払わない社会。
 
 
日本が目指してきた「進歩的な社会」は、すでに100年前に瓦解していたのであった。
 
 
 
それからイギリスは、貧富の格差をなくすために多大な努力を払い、「小さな福祉国家」へと転換していった。
 
それが良かったのか悪かったのかはわからないが、日本のこれからの行く末(慢性的な不景気の中でどうやって生きていくのか)についての、ひとつの指針にはなるんだろうなあと思うわけである。
 
 
そう考えると、やっぱりあの当時海外旅行にバンバン出かけて行けた我々の世代は、実は幸せ者だったのではないだろうかという気が、改めてするのである。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
チュニジア動乱 2011年01月16日12:06
 
ついにあのチュニジアで民主化暴動が発生した。
 
表面上は平穏で、夏ともなればフランス人観光客で賑わっていたチュニジア。
 
 
しかし実はひどい警察国家だったらしい。
 
外国人観光客にはわからないだけで。
 
 
 
前にも書いた通り、この国は独立直後からブルギバという人物の独裁が続いていた。
 
今回倒されたのはその次に就任したベンアリ大統領。
 
アラブ諸国はエジプト、リビア、イラクと王制が打倒されてきたが、革命後に就任した大統領は強権な人が多いんだが、今回は「今度はオマエの番だ」ということなんだろう。
 
 
 
それで本日の朝日には、他のアラブ独裁政権がズラッと並んでいる。
 
リビア、オマーン、エジプト、チュニジア、イエメン、ヨルダン、アルジェリア、サウジ。
 
モロッコが入ってないのが不思議である。
 
そしてヨルダンの王様は、わりと評判がいいらしいんだが。。。
 
 
 
それはともかく、自分の本にも書いたけれど、こういう「ハビビな人たちにとっては、はっきり言って民主主義なんてどうでもいいのである。
 
 
 
たとえばイエメン。
 
これも前にも書いたが、大統領のサレハさんは、首都周辺を支配する部族長である。
 
周辺には同じ規模のライバル部族がいくつかある。
 
当然ながら税金は、自分のところの部族にしか使わない。
 
だって他部族の地域に道路をつくるということは、敵に塩を送ることだからである。
 
暴動や内戦が起きると武力で鎮圧される。
 
 
 
こうして私たちからすれば「独裁政権」が延々と続くことになる。
 
しかし彼らからすれば、それは「当然のことをしてるだけ」なのだ。
 
 
 
これは「国家」という概念が定着し、先進国として成功した私たちにはなかなかわかりづらい。
 
しかし彼らにとって国家というものが、西洋の宗主国から、なかば押しつけられたもので、今でも彼らにとっての国家に該当する単位は「部族」であることを、私たちは知らなければならない。
 
 
これを見誤ると、妙な民主主義を彼らに強要することになり、ひいては今回のような死人が出るような暴動を引き起こすことになる。
 
 
 
最後に新聞にあったけれど、このしょうもない独裁者を今まで糾弾することもなく黙認してきたフランス政府は、もっと非難を受けてもいいと思うな。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「日本のムスリム社会」 2011年01月16日01:41
 
「日本のムスリム社会」(桜井啓子 ちくま新書)
 
タイトル通り、日本国内のイスラム教徒のコミュニティーを取材した作品。
 
これほどのモスクがあるのかとビックリさせられる。
 
また彼らが日本社会にすっかり定着し、堅実に暮らしている姿に、なんとも言えない感動を覚えた。
 
 
日本へのイスラム教徒の流入は、おおむねバブル期に、パキスタン、バングラあたりから出稼ぎに来た人びとが最初であるという。
 
政府の後押しもあった。
 
 
「パキスタン政府は、海外出稼ぎ奨励策の一環として海外出稼ぎ者に対して、帰国時に無税で家電製品の持ち込みを許可している他、六ヶ月に一台、低率の関税で自動車を持ち込むことができるといった便宜も与えてきた」
 
 
 
フィリピンやネパールなどと同じく、国策として出稼ぎが奨励されていたわけだ。
 
その後、彼らが不法滞在化するので、89年に日本政府が、査証免除協定を一時停止した。
 
実はこの年、私は生まれて初めての海外旅行でパキスタンを目指していたんだが、ビザ不要と信じて中国を西へ進み、4000m近い峠を越えて、ついにパキ国境に到達したところで「要ビザ」の事実を知ったのであった。
 
パキの係官は、
 
「go back china!」
 
さらには、
 
「go back Beijing」(北京へ帰れ)
 
と冷たく言い放った(結局、三日間のトランジットビザをくれた)。
 
 
 
というわけで思い出深い一件なんだが、それはともかくパキスタン、バングラデシュ人が減ったところで、今度はイラン人が増えてきた。
 
イランはちょうどイラクとの戦争が終わり、青春を謳歌したい若い男どもが大挙して日本に押し寄せたわけだ。
 
しかしちょうど同じ頃、日本政府は海外在住の日系人に対する在留を認めた。
 
これによりブラジル、ペルーなどから日系人が子弟がやって来て工場労働者として働き始める。
 
折しもバブルがはじけてしまう。
 
イラン人は居場所がなくなり、さらには政府はイランに対しても査証免除を止めてしまう。
 
かくして彼らは上野公園で偽造テレカを売るという苦肉の商売で食いつなぎ、最後には帰国を余儀なくされてしまうのであった。
 
 
要するにバブル期に人手が足りなくなった日本企業の要請で外国人枠を設けて下層労働を請け負わせていたのが、不景気になったので彼らをお払い箱にしたという、なんとも都合のいい話なのである。
 
日本もつくづくひどい国だよなあと思わずにはいられない。
 
 
 
同じような事例として、もうひとつ「研修・技能実習制度」を、著者は紹介している。
 
 
「研修・技能実習制度は、受け入れ企業が仕事、食事、住居を保障している点では来日する側の負担は少ないが、実際には、これらの保障と引き換えに、安価な労働力を提供するというシステムになっている」
 
「研修・技能実習制度は、研修や技能実習の名のもとに安価な外国人労働者を受け入れながらも、外国人の定住化を回避しようとする日本側の都合によって出来上がったもの」
 
 
 
語弊をおそれずに言うならば、要するに合法的に外国人労働者を搾取するようなシステムができあがっているわけだ。
 
それでも外国人たちにすれば、日本での「高給」に満足しているんだからいいじゃないかという話になるのかもしれないが、道義的な問題は解決はしないのである。
 
この「後ろめたい感じ」は、先進国の人びとすべてが、日々もっと感じてもいいのではないかと私は思う。
 
 
 
しかしそれでもムスリムたちはたくましく生きている。
 
とくに面白かったのがモスクの問題。
 
 
彼らにとって宗教は不可欠である。
 
最初はお金がないのでマンションの一室を共同で借りてモスクにする。
 
しかしだんだん隣近所に怪しまれ始める。
 
極限に達したところで引っ越しとなる。
 
しばらくすると、やはり怪しまれる。
 
毎週金曜日に、ひげ面の外国人が集まるんだから当たり前である。
 
 
かくしてモスクはマンションを点々とすることになる。
 
そのうち「これでは不経済」ということになり、まとまった募金を集めて、建物を購入することになる。
 
こうして全国に小さいながらも合法的なモスクが点在することになるのであった。
 
 
我々の知らないところでイスラム教徒たちはたくましく生きている。
 
そのことを知ることができる、たいへん興味深い一冊である。
 
 
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